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デュエル・マスターズ キング 第47話(最終話)「超決戦!ジョーvsアバク!真のキングを決めようやぁ!」感想

高鳴る鼓動を勇気に変えて

楽しむ心を忘れずに、さぁ Joe deck it !!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 最後までとことん楽しみ抜け

 前回からの続きであるアバクとの決戦後半。アバクが繰り出してきた≪鬼ヶ王魔 エンド・ジャオウガ≫率いる鬼札王国の軍団の猛攻をジョーがトリガーなどで必死に凌ぐシーンもあって序盤から緊張感がありました。(シールドから≪下町のナポレたん≫の能力のおかげで追加ターン中の攻撃を防ぐことが出来ましたが、前回モモキングを攻撃に参加させずにここで残しておいたことが功を為す展開には感心しました)

 この辺りの決戦で印象的だったのがジョーの変化ですね。前半ジャオウガたちを前にして以前敗れた時に抱いた恐怖を思い出して震えていましたが、キラたちの激励を前にして奮起した時はおおっ、と盛り上がりました。ここまでジョーに助けられた仲間たちが今度はジョーを助けてあげるというベタな展開をストレートにやってくれたので素直にテンションが上がります。

 さらにその後、調子を取り戻してきたジョーがアバクに感謝を述べた時は驚きました。デュエマの楽しさについて語る中、「デュエマは相手がいるからこそ楽しめる」「“みんなが笑って楽しくデュエマをする”ことこそ俺の願い」だと答えを見つけたシーンには唸らされます。何よりアバクの所業に憤っていたジョーがその怒りとは別にデュエマを楽しませてくれたこと喜びを向けることが嬉しかったですね。ジョーの人の良さがここにきてまた見られました。

 そこからの対決は熱いシーンの連続。モモキング&スパダチを揃え形勢を逆転したジョーに対し、追い詰められながらも負けじと応戦するアバクが素晴らしかったです。敗北が確定した状況でも勝負を投げずに真っ向から受けて立つ心意気や敵ながら天晴と言うべきでしょうか。ダイレクトアタックを決めるモモキングと(場にいないのに)それを防ごうとするジャオウガの一騎打ちも魅力的で、それぞれのフィールドに刺さっている巨大なガーベラストレート150刀と棍棒を振るって激しく打ち合う様子はCGのクオリティもあって大迫力でした。最初はアバクの野望を止めるために始めた決勝戦でしたが、最終的にはジョーもアバクもそれぞれ満足のいく形で決着がついたのが良かったですね。最後の最後でジョーの願う「みんなで楽しむデュエマ」が実現したと言えます。

 

 

  • 勝利の花道を切り開く熱き龍の英雄戦城

弩闘(どとう)!桃天守閣(ももてんしゅかく) 火/自然文明 (5)
D2フィールド:ジョーカーズ/チーム切札
▪️<キリフダッシュ>[火/自然(2)](自分のクリーチャーの攻撃の終わりに、そのクリーチャーがその攻撃中にシールドをブレイクしていれば、このD2フィールドを[火/自然(2)]支払って展開してもよい)
▪️自分のクリーチャーがブロックされた時、そのクリーチャーは相手のシールドを1つブレイクする。
▪️相手の呪文の効果またはクリーチャーの能力によって、自分のクリーチャーはタップされない。
▪️自分のクリーチャーがタップしてバトルゾーンに出る時、かわりにアンタップして出る。
▪️(他のD2フィールドがバトルゾーンに出た時、このD2フィールドを自分の墓地に置く)

 ジョーがアバクの戦術を打ち破るために使用した必殺のカード。鬼札王国の≪極悪!獄鬼夜城≫と同じ新規のD2フィールドであり、ジョーカーズとしては2枚目となるフィールドカードです。*1

 コストは5とフィールドとしては若干重いですが、チーム切札としてキリフダッシュ2を備えているため早期に展開することが可能です。ブレイズクロー≫などの1コストで攻撃出来るクリーチャーを使えば最速2ターンも不可能ではありません。*2

 そうして展開されてからは3つの攻撃的な効果を使用することが出来ます。1つ目はブロックされた際に相手のシールドを強制ブレイクするいわゆるブロック貫通効果。確実にシールドを削りたい時に役に立つのもちろんのこと、キリフダッシュのサポートとしても最適な効果です。自分のクリーチャー全てに適用されるのでキリフダッシュ持ちを連続召喚するなどの芸当でも光ることでしょう。

 2つ目は相手のカードによるタップを封じる効果。タップ系のトリガーやタップキル戦術などを完全に封殺してくれるのでそれらを主軸とするデッキ相手に強気に出られます。特に≪閃光の守護者ホーリー≫などのオールタップを仕掛けてくるトリガーには効果てきめんです。

 そして3つ目は自身のクリーチャーのタップインをアンタップインに変える効果。百族の長 プチョヘンザ≫や≪「非道」の鬼 ゴウケン≫などが持つタップイン能力を無効化してくれるのは言うまでもなく強力。さらに相手のカードによるものなどの指定がないので≪GENJI・ブラスター≫のような自身のクリーチャーをタップして出すカードのデメリットを消すことも出来ます。(このフィールドが展開されていれば≪ガワラ入道≫が実質無限ブロッカーと化します)それだけでなく、このタップイン効果は着地置換効果と同じタイミングで発動するもので、置換効果のルールを元に≪獣軍隊 ヤドック≫のような踏み倒しメタも無効にしてくれます。

 またこのアンタップインは何と「侵略や革命チェンジによって場に出たクリーチャーにも適用される」という驚きの裁定が出ています。そのため上手く噛み合えば無限攻撃や3ターンキルなどにも使用出来る事でしょう。

 これらの能力により絶対にこちらの攻撃を通すための心強いサポートカードと言えます。キリフダッシュを駆使したデッキやビートダウン、はたまたコントロールデッキのワンショットキルなどにおいても役に立つ恐るべき汎用性を誇ります。他にもケングレンオーたちによるタップ能力での進化もアンタップインされるので、わずか1ターンで≪ケンゲキオージャ ~究極火焔~≫を出すことも夢ではありません。堅実な攻撃から豪快なコンボまで、幅広い用途に使える点はチーム切札の最後の砦に相応しい1枚と言えますね。

 

 

  • まさかの爆発オチとジョーの願い

 見事アバクを打ち破ったジョー。アバク自身も敗北を素直に受け止めていたのですが、最後に時限爆弾を残す往生際の悪さを発揮してきました。色々と潔いアバクがここにきて小悪党的な嫌がらせをしてくるのは予想外です。

 そこからゼーロJr.を加えて爆弾の解除に行動を移したですが、どの色のコードを切るかで揉めに揉めている内にタイムリミットを過ぎて爆発してしまう展開には唖然となりました。前半のデュエマ自体は素晴らしいものだっただけに、若干雑とさえ思える爆発オチを用いたのは少々残念に感じました。(とはいえ白いコードを真っ先に切ったり黒いコードだけは残そうとするジュニアの意外なお茶目さが見られたのは収穫でしたが)

 しかしその後、魂ポイントの力で河越を元に戻すのは良かったですね。大会で集められた魂ポイントがアバクの野望ではなくジョーの願いに使われるのは、これまでの大会でのデュエマが決して無駄ではなかったことを意味しているように思えます。それを裏付けるかのようにジョーの「ここまで色々あったけど、みんながいたからこそ楽しい思い出になった」という独白で締めたのも印象深いです。この辺りで「本作はある意味で“デュエマは楽しむもの”というテーマを突き詰めたのかもしれない」と思いましたね。

 

 

 というわけでデュエマキングもこれにて無事完結しました。大きく変わったキャラデザなどに最初は戸惑ったものの、いつの間にかすんなりと受け入れてここまで見ることが出来たのは嬉しかったです。上記のジョーのセリフのように色々あったけど、僕にとっても何だかんだでいい思い出になったのかと思います。コロナウイルスによる一時放送休止などのトラブルも乗り越え、最後までやりきったことに感謝を。製作スタッフの皆様、1年間本当にありがとうございました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デュエル・マスターズ キング』総評

 前作から製作スタッフやキャラクターデザインを大幅に変えてスタートした新デュエマアニメ。過去の作品の要素を一部踏襲しながら、これまでになかった要素も加わったような番組でした。

 先に評価点について語りたいと思います。

 まずは徹底して明るいストーリーが展開された点。前作まではクリーチャーワールドの文明間の争いを軸に物語が進んでいったのに対し、本作は舞台が河越限定とかなりスケールダウンし、その分世界崩壊のピンチなどもない平和な日常が見られました。おかげでジョーたちが面白おかしく遊ぶシーンが多く描かれ、日々を平穏に過ごす子どもたちが記憶に強く残りました。カオスな内容に加えギャグパートも多く用意されており、毎回笑えるシーンが最低1度はありましたね。

 そして本作において「楽しいゲーム」としてのデュエマの側面が強かったのが特徴的。TCGアニメではある意味で王道と言える大会要素もあって大会を勝ち上がるために積極的にデュエマをしていく様子が描写されており、メインキャラ以外の様々なゲストのデュエマが見られて楽しかったです。

 また本作はアバクを筆頭に己の目的のためにデュエマをするキャラが多く登場しました。そんな相手にジョーは「デュエマは楽しむもの」だと真っ向から立ち向かう様子が何度も展開されています。世界の命運などを担わなくなったからこそ、このテーマが刺さったと言えます。ジョーが自分とは異なる考えを持った相手とデュエマを通してぶつかっていく中で、「みんなが笑って楽しめるデュエマ」という答えを貫き通したラストには少し感動しました。最終話感想でも書きましたが、本作は「楽しいデュエマ」というものを今一度見せてくれました。

 本作から登場の新キャラに関してもかなりインパクトが強いです。前述のアバクは悪役ながらライバルとしてもキャラが立っていて非常に魅力的でした。それ以外のキャラも一発でどういった性格なのかが読み取れるよう、わかりやすい性格をしていて取っつきやすくなっていたのですぐに受け入れられましたね。ゲストキャラもスマイル王子をはじめとしてこれまた濃い面子が揃っており、毎回誰が出てくるかというワクワク感がありました。

 

 続けてCGなどを駆使したデュエマパートについて。デュエマアニメのCGのクオリティの高さは既にご存知かと思いますが、本作はそれを活かした演出がさらに増えていました。まずは何といってもアイキャッチ。本編とCMの合間に挿入されるクリーチャーたちのやり取りはハイクオリティのCGも相まってとても可愛らしく仕上がっていました。毎回どんなクリーチャーがワチャワチャしてくれるのかが密かな楽しみでしたね。

 本編ではCGのクリーチャーたち全員に名前のフォントが入るようになった点も印象的でした。これまでは主役の切り札たちだけに見られた特権が他のクリーチャーたちにも適用されるようになったのは地味に嬉しかったです。チーム同士の合戦のイメージが強いこともあってか、各陣営のクリーチャーのCGでのやり取りも増えたようにも感じられました。

 デュエマに関しては基本はいつも通りの見栄え重視のバトルが展開されていく中、DMPも唸るようなプレイングが時たま見られました。35話のボルツの戦法など、キャラの心情の変化や成長に合わせた戦術が披露された点が素晴らしかったです。他にもゲストキャラが現実でも通じるガチデッキを使用したり、MTGのコラボカードがまさかの出演を果たしたりするなど、バラエティ豊かな対戦が毎回行われ実に楽しめました。

 

 

 

 

 さてここからは本作での不満点と問題だと思った点。見たくない方はブラウザバックを推奨します。

 まずあげられるのが既存のキャラの扱いについて。本作は濃い新キャラで楽しめた一方、ジョーの仲間たちの描写に関しては首を傾げることが多かったです。予選で落ちてしまうボルツやデュエマの回数が少ないキャップなど、明らかに不自然に終わってしまった扱いに疑問を覚えました。ジョーを中心にした物語を展開した中で、その仲間たちに関してはおざなりになってしまったという印象は否めません。新キャラに関しても出番を終えたらあっという間に目立たなくなっていたのが気になりました。特にチョウキらチーム三段構えのメンバーの終盤の扱いはあんまりだと思いましたね。

 また既存の設定においても問題があります。ジョーより年上なのに同じクラスに転入したキラをはじめとして、これまでの設定を無視した展開が多く見られました。ジョーカーズが他人に見られてはいけないという制約やボルツの甘党設定、ももちゃんの記憶の件などあげていけばきりがありません。デュエマアニメにおいて過去作の設定無視は今に始まったことではありませんが、あまりに多いので以前のジョー編を見ていた人からしたら見過ごせない状況に陥ってしまっています。*3そういった点をまとめて「キャラたちを使い捨てていく」ようなイメージがついてしまったように感じます。

 

 他にも先程評価したギャグパートですが、笑えるものが多い一方で微妙な描写も多かったことがあげられます。本作のギャグは基本的にキャラがひどい目に遭うような「不条理ギャグ」的なもので、意味不明なまま終わってしまうナンセンスなものがほとんどでした。安直に思える展開や下ネタもあり、人によっては強い不快感を示すようなネタも見受けられました。個人的には楽しめたネタも多かったのですが、時々「ん?」と思ってしまうことがかなりありましたね。

 本編で真面目なストーリーが展開されていく中、突然関係ないギャグが挿入されたこともありました。この点は物語を真面目に聞いている身としてはそれを茶化されているように感じられるのでかなり困ってしまう要素です。シリアスならシリアス、ギャグならギャグときちんとわけてほしかったです。本作はその辺りの線引きが出来ていなかった、と感じてしまうのも仕方ないと思えます。

 

 

 総評としては「“人を選ぶタイプ”のデュエマアニメ」といったところでしょうか。問題点に関しては気に留めなければあまり違和感なく見れるものの、一度気になり出すとどうしても疑問に感じてしまう要素が非常に強かったです。本作から見始めた人なら気にせず楽しめる一方、過去作を知っていればいるほど引っかかってしまう作品だったと言えます。

 僕個人としてもどうしても見過ごせない点は多々ありました。しかしジョーやアバクたちキャラクターやデュエマを楽しむ物語に魅力を感じて楽しんでいたのもまた事実。なんだかんだ言いましたが、どうせならその良かった点を大切にしていきたい、と思えるくらいにはお気に入りになった作品でしたね。

 では以下、各キャラクターについての所感です。

 

 

切札ジョー

 本作の主人公にしてチーム切札の使い手。やんちゃで優しいキャラクターはそのままに、本作では遊びを楽しむ子どもとして描かれていました。世界の危機などとは無縁のままにデュエマを楽しんだり、仲間と一緒に遊んだりする様子が印象的で、これまで以上に“等身大の少年”の側面が強調されていたのは面白かったですね。

 モモキングをはじめとしたジョーカーズやキラたちだけでなく、他のキャラとの絡みが多く見られたのも嬉しいところ。誰とでも仲良くなれる、明るく元気な男の子像が出来ていたと思います。

 

 

モモキング&モモダチ

 ジョーの相棒たちにして切り札。通常のジョーカーズとは異なる扱いを受けており、1話から最終話までジョーの隣にいてくれた相棒枠だったのでかなり新鮮でした。モモキングは武士気質で暴走しがちながら義理堅い性格で、ジョニーやジョラゴンとはまた違った関係をジョーと築けていました。

 お供のモモダチたちも泣き虫であざといキャンベロ、ツッコみ役の陽気なモンキッド、頼れるけどキザでダジャレ好きなケントナークとそれぞれキャラが立っていたのですぐに記憶に残りました。彼らとジョーのトンチンカンなやり取りも魅力的でしたね。

 

 

キラ

 ジョーの親友にしてチーム銀河の使い手。前作での葛藤を乗り越えた後だからなのか、本作ではかなり落ち着いた雰囲気を放っていたのが特徴的でした。他人の正義(考え)を尊重するようになっただけなく、自分自身のために戦うなど心に余裕が出来たように感じられてかなり嬉しかったです。

 またジョーたちと一緒に遊ぶシーンが増えたのも喜ばしいこと。ジョー以外の仲間たちとも絡む機会が増え、社交的な一面が出てきたのも良かったです。迷いを断ち切った結果、精神的に大きく変化した少年として見ることが出来ました。

 

 

ボルツ

 マジでバッドな少年にしてチームボンバーの使い手。ジョーの頼れる兄貴分要素は鳴りを潜め、同年代の友達として描かれていました。性格自体は過去作から一貫しており、前向きで熱いキャラクターは健在。物語後半では力を求めて鬼の力を手にしてしまう展開は意外性があって面白かったです。

 しかし本作ではそれ以上に不遇としか言いようのない扱いが鼻につきましたね。大会の予選であっさりと敗れるなど中々活躍してもらえない様子が続きかなりフラストレーションが溜まりました。チャンスを貰ったと思ったらやっぱり駄目だったなど見ていて肩透かしにあったことも多かったです。上記の力の求める展開のためだったのはわかりますが、扱いの雑さがどうしても気になってしまいました。

 

 

キャップ

 陽気な天国少年にしてチームウェイブの使い手。前作の時点で倫理観がぶっ飛んだキャラクターをしていましたが、本作ではぶっ飛びっぷりがさらにパワーアップしていました。自分の命がかかったデュエマを楽しむなどの発言から「ヤベーヤツ」としての認識がより強まった感じです。しかしそこまで不快感を覚えなかったのはギャグ主体のストーリーだったからでしょうか。

 通常のエピソードではキラやボルツ以上にジョーと遊ぶ様子が増え気の合う友達として描かれていたので微笑ましかった一方、デュエマパートではライバルとなる相手がいなかったので影が薄くなってしまいました。(デュエマの回数も仲間たちの中で最も少なかったです)敵キャラの視線がジョーに集中していたのも原因の1つですね。どうせならサイキ辺りをライバルにあてがえば良かったのではと思わなくもなかったです。

 

 

ゼーロJr.

 闇王ゼーロの息子にしてチームの使い手。前作のラスボスの息子というショッキングな設定の持ち主で、最初その姿を見た時は大きな衝撃を受けました。(母親と思われるプラネッタと似た目元をしているのが素敵)父を倒したジョーを倒すために行動する新しいライバルで、明るいメンバーが揃っている本作における貴重なクールキャラとしてインパクトがありましたね。

 ジョー打倒以外に興味を示さないストイックなキャラクターは魅力的なものの、そのせいかジョー以外との絡みがほとんど見られなかったのは残念なポイント。後半になってからやっと登場した点も祟って、「絶対ジョーを倒すマン」としての印象が強くなりすぎました。次回作でも続投するようなのでその時はもっと他のキャラとのやり取りを増やしてほしいですね。

 

 

鬼札アバク

 本作のボスキャラにして鬼札王国の使い手。当初はキング・オブ・デュエマッチを運営するなど主催者としての側面が強かったですが、後半に入ってからは自身の野望を達成せんと暗躍する悪役としての存在感を放ってくれました。デュエマを強敵を倒し強くなっていくための“手段”として楽しむ恐ろしさがジョーの「楽しいデュエマ」の対比になっていて面白い対立関係を為していたのも興味深かったです。

 凶悪な性格ではあるのですが、それでいてテレビの前では敬語になったりコニーをはじめとした癖の強い部下に頭を悩ませるなどコミカルな一面を見せたも面白いところ。何よりデュエマに関しては決して手を抜かない気風の良さには好感が持てます。外道ながら見ていて気持ちのいいライバルキャラだったので、その内また活躍しているところを見たいものです。

 

 

大長老

 自然文明の影の守護者にして不死樹王国の使い手。前作の終盤に登場した味方キャラが本作で敵側についていたことには驚きましたね。前作で確立されたかわいこちゃん好きのエロ親父キャラが不審者らしさ全開の見た目でブーストされていました。

 また本作ではももちゃんの保護者キャラとしての面も出てきたのが特徴でしたね。アバクに従った件も彼女を人質に取られていたからであり、他にもジョーとももちゃんの仲を引き裂こうとする過保護さが見られたのは面白かったです。

 

 

チョウキ

 美の追求者にして美孔麗王国の使い手。自分が最も美しくなければ気が済まないキャラクターはチーム三段構えの中でも特に強烈。貴重な女性デュエリストということもあってボルツとのやり取りが毎回楽しみなキャラでした。

 しかし後半からはあっという間に出番がなくなってしまったのはマイナス点。コウキとサイキも含めて言えることですが、ぽっと出のキャラとして役割を終えてしまったのはもったいなかったです。

 

 

サイキ

 最強を求めるゴリラ男にして暴拳王国の使い手。見た目通りの脳筋ファイターですが、戦いには真面目な面もある気持ちいい性格のキャラでした。彼のゴリラギャグは単純ながら時々クスッとくるものがありました。

 ジョーのライバルの1人として描かれていましたが、ジョーには既にゼーロJr.がいたせいか彼の影に隠れてしまったように思えました。キャップの項でも書きましたが、彼とのライバル関係を描いてほしかったですね。

 

 

コウキ

 彷徨う復讐の徒にして月光王国の使い手。惚れっぽい性格など基本はギャグキャラだったのですが、「復讐」というワードを主体としているためか出番のある回では若干のシリアス要素を担っていたのが印象的。中でもキラとのライバル関係は見応えがありました。

 それだけにキラとの決着がつかないまま出番を終えてしまったのは非常に惜しいです。これなら37話で一旦和解させても良かったように感じます。

 

 

 長々と書いてしまいましたがデュエマキングの総評もこれで終了。1年間放送する通年番組の感想を全話書き上げたのは『仮面ライダーゼロワン』に続いて2作目だったりします。1年を通して大変に思った時もありましたが、毎回1話1話の感想を考えながら書き上げ投稿する日々は非常に充実したものでした。そういった意味でもまた本作を楽しむことが出来たと言えますね。

 

 

 そして来週からは新番組『デュエル・マスターズ キング!』がスタート!例によって「!」マークが増えただけのタイトルですが、これがジョー編の特徴としてアイデンティティを獲得したと考えると少々感慨深いです。「デュエマ20周年作品としてデュエマ4000年の歴史を辿る」というぶっ飛びっぷりから密かな期待が持てます。こちらの感想も毎回書き上げていく予定なので、次回からもまたよろしくお願いします。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:このカード以前に出たジョーカーズのD2フィールドとして≪希望のジョー星≫がある。

*2:ちなみに劇中ではキリフダッシュで出されず、そのまま正規コストを支払って展開された模様。

*3:ももちゃんの件については漫画版である程度のフォローがなされているので余計にそう思ってしまいます。