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デュエル・マスターズ キング 第26話「仁義なきング鬼退治!アバクとジョーの頂上決戦!」感想

×頂ジョー決戦!!

TCGアニメでプロキシを使うのって史上初ではなかろうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 友と一緒に鬼タイム対策

 今回のデュエマキングは待ちに待ったジョーVSアバク戦!現状無敗を誇るアバクと(10話でボルツに負けたため)ほぼ無敗のジョーというマッチングにワクワクする一方、ジョーはデッキーやモモダチたちと共にアバクに勝つための作戦会議をすることに。その中でも鬼との戦いにテンションがおかしくなったモモキングがやたら印象的でした。劇中でも言われている通り桃太郎の成分からこうなったのでしょうが、漫画の方と比べると幾分狂気的なのが中々にシュールです。(まぁ童謡からして原典の桃太郎は結構過激なので納得と言えば納得ですが)

 そしてそんなジョーのためにキラが協力してくれる流れは最高でしたね。アバクと一度戦った経験を活かし、わざわざ手描きのプロキシ*1を使ってアバク役になりきり、ジョーとの実戦形式の特訓に付き合ってくれるキラの献身ぶりにほっこりします。さらに特訓を終えアバクに勝てるかどうか不安なジョーに対してかけた言葉が心に残りました。

 

「自分の手札が悪かったり、相手のシールドが良かったり、いくらドローしても欲しいカードが来なかったり・・・・・・・・・・・・デュエマに絶対はない」

 

「でも・・・・・・だからこそ”絶対に勝てるように努力し続ける”!そうだろ?」

 

 結局のところデュエマ運が強く絡んでくるゲーム、だからこそ少しでも勝てる確率を上げるのは現実のおいても重要なこと。それをアニメなりの表現で言い切ってくれるこのシーンにはものすごく感動しました。キラが久しぶりに兄貴分らしくジョーを激励してくれた点も含め、この時のやり取りは個人的に今回のベストバウトと言っても過言ではありません。こういったカードゲームを扱ったアニメだからこそのやり取りは今後ももっと見ていきたいですね。

 

 

  • 主人公属性のアバクさん

 他にも今回印象的だったのがアバクのシーン。コニーにキング・オブ・デュエマッチを開いた理由、トーナメント方式ではなくリーグ(総当たり)方式にした理由を聞かれた際に「世界中の強豪デュエリストを戦わせて強くしていき、それらと戦う自分自身も強くしていく」ことを明かした時はかなり腑に落ちました。そして同時に以前から抱いていた”アバクは単に強い相手とデュエマをするのが好きなだけではないか”という疑惑がほぼ確信に変わりました。

 少しでも強い相手と戦いたい戦闘狂、と書くとヤバい人物ですが、この手のホビーアニメにおいては割と正常な思考と言えます。ジョーとのデュエマで発したセリフがこれまた特徴的でした。

 

「お前は楽しくないのか?強い敵と戦っているとき、自分が追い詰められているとき、最高に胸が高まるだろぉ?」

 

「何よりッ!!そんな強い奴を倒したときが一番好きだァッ!!」

 

 当人のハイになった喋り方のせいで一見すると引く発言になってしまっていますが、言動そのものは実に主人公的です。強い相手と戦い勝つことを至上の喜びとしているアバクはある意味で本作で一番デュエマを楽しんでいるのかもしれません。搭乗する度に毎回何かと面白い一面を見せてくれるアバクですが、今回で一気に好きになってしまいましたね。(あと「ファントミ*2風の衣装をまとったアイドルと化したジョーたち」を妄想しているコニーにすかさずツッコむアバクのシーンが地味にここすきポイント)

 

 

  • 追い風を巻き起こす瞬獄

「疾風」(しっぷう)の鬼 フウジン天(てん) 火文明 (3)
クリーチャー:デモニオ/鬼札王国
パワー3000+
▪️自分の他のクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のシールドを1つ墓地に置いてもよい。そうしたら、そのターン、そのクリーチャーに「スピードアタッカー」を与える。
▪️<鬼タイム>自分と相手のシールドの数が合計6つ以下なら、このクリーチャーのパワーを+4000し、「W・ブレイカー」を与える。

 アバクがジョーとのデュエマで繰り出してきた鬼札王国の新たなクリーチャー。名前やイラストからしてモチーフは「風神雷神*3に描かれている気象を司る神の片割れ「風神」であることがわかります。(ライジン天はいずれ出るのでしょうか)

 コスト3、パワー3000とスペック自体は平均的な一方、持っている能力はどれも強力。特に1つ目の味方クリーチャーにスピードアタッカーを付与する能力は横に並べるデッキの速効性を高めてくれます。スピードアタッカー付与の条件としてシールドを焼却しなければならず、手札にも出来ないため一見するとデメリットですが、同じ鬼札王国の鬼タイムや月光王国のオシオキムーン、もしくは革命軍の革命の発動と組み合わせればさほど問題ではないでしょう。特に≪至宝を奪う月のロンリネス≫とは「フウジン天のスピードアタッカー付与発動、シールドを焼却→月のロンリネスのオシオキムーン発動、コスト7以下のブロッカーを手札から踏み倒し→最初に戻る」とシールドと手札のブロッカーがいる限りどんどん展開出来るコンボが使えるため抜群の相性を誇ります。

 さらにこのクリーチャー自身も鬼タイムを持っており、その能力はパンプアップとW・ブレイカー付与。鬼タイム下ならパワー7000かつ2打点の中型クラスに早変わりします。上記のシールド焼却と組み合わせて鬼タイムを発動させ、自身も攻撃に参加させることが出来ればワンショットキルも夢ではないでしょう。

 難点は自分自身にはスピードアタッカー付与は出来ない点でしょうか。この辺りはそういうものと割り切るか、もしくは他のスピードアタッカー付与と組み合わせるかして工夫する必要があります。また同じように味方にスピードアタッカー付与する能力を持ったカードとして≪その子供、凶暴につき≫や≪その子供、可憐につき≫といった強力なライバルがいるのも問題です。付与の際にシールド焼却のようなデメリットがない点ではあちらが優れていますが、付与出来るクリーチャーにコストなどの条件がない点ではこちらに分があります。コストの幅が広いデッキにおいては非常に便利なシステムクリーチャーとして活躍してくれることでしょう。

 

 

 さて次回はジョーとアバクのデュエマ後半戦。アバクが新たなジャオウガを繰り出してきたことで戦況が一気に変化することになる模様です。話の流れからしてジョーの敗色が濃厚ではあるのですが、予告で語られた「仲間と共に準備した1枚の秘策」というのが気になります。どちらが勝つのかまだわからないこの戦い、見逃せないこと間違いなしです。待て次回!

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:代理・代用」の意味を表す英語(proxy)。転じて実物のカードを持っていない場合の代用品として使うカードを指すTCG用語。

*2:テレビ東京系列で放送された少女向け特撮番組『ひみつ×戦士 ファントミラージュ!』の略称。デュエマとのコラボカードになったこともある。

*3:江戸初期の画家の俵谷宗達(たわらや・そうたつ)の手掛けたものが有名。