新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

デュエル・マスターズ キング 第27話「無敗のキングはどっちだ!?鬼札アバクの隙をつけぇ!」感想

欺いて刹那躱して

河原での喧嘩→和解は男の子の特権!(今回はクリーチャーだけど)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • ”勝利に飢えた鬼”との戦いの果て

 今回のデュエマキングは前回の続き、ジョーVSアバクのデュエマからスタート。前回のラストで出てきた新たな鬼札≪鬼ヶ大王 ジャオウガ≫と≪百鬼の邪王門≫のコンボで一気に追い詰めていくアバクの猛攻に負けず、果敢に立ち向かうジョーの姿が描かれました。

 とはいえ劣勢を覆すことは出来ず完敗。シールドから出た≪モモダチトレーニング!!!≫による応戦やモモダチ3匹とモモキングの揃い踏みと熱いシーンが挟まれたものの、アバクとジャオウガに一矢報いることすら出来ませんでした。それどころかモモダチを1体残らず破壊されてからトドメを刺される*1というアバクの徹底した攻撃の前に為す術なく負けてしまうという悔しい結果に・・・・・・

 

 個人的にはその後、アバクが勝利してからの2人の会話が実に興味深かったです。互いの健闘を称えあう中(悔しさを精一杯こらえているジョーがいじらしい・・・・・・)、アバクがジョーに対して強くなることを求める様子が描かれましたが、それは激励ということではなく自分が強くなるための糧になることを相手に強いている発言だったのが印象的です。デッキーの「ジョー様があなたを強くするための道具みたいじゃないですか」という言葉も一切否定しないどころかそれを「人を喰らう鬼」と表現するアバクの狂気が感じられる面白いシーンでした。

 前回の感想でアバクに関して”ある意味で本作で一番デュエマを楽しんでいるのかもしれません”と書きましたが、前述の内容からアバクの楽しみはあくまで自分だけが楽しむためのものであることが今回わかりました。戦いで強くなることを喜びとする態度はある意味で純粋なものの、対戦相手に対する敬意を持ち合わせず自分が楽しむための道具としてしか見ていない点はある意味で邪悪です。”みんなと一緒に楽しみたい”姿勢を貫いているジョーとは真逆の考えを持ち合わせているのが今回の敵役である「鬼札アバク」であることをここにきて知ることが出来ましたね。

 

 

  • 丑三つ時へと誘う大魔王

鬼ヶ大王(おにがだいおう) ジャオウガ 闇/火文明 (5)
クリーチャー:デモニオ/鬼札王国 
パワー7000
▪️スピードアタッカー
▪️W・ブレイカ
▪️このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のシールドをすべて手札に加えてもよい。ただし、その「S・トリガー」は使えない。

 前回のラスト、アバクが出してきた鬼札。≪鬼ヶ覇王 ジャオウガ≫の新たな姿にして鬼札王国の新たなキングマスターカードです。通常のジャオウガとの見た目の違いはほとんどないものの、キングマスターとしては珍しい中型サイズのクリーチャーです。

 コスト5、パワー7000のスピードアタッカーにしてW・ブレイカーとスペックは十分。この時点でビートダウンデッキでの採用が見込める性能ですが、後述の能力がまた凶悪です。

 それは登場時に自分のシールドを全て手札に加えられるcip能力。≪福福人形コダマンマ≫と同じようにシールドを回収して手札を補充する能力ですがこちらは自分のシールド全てと範囲が非常に広いです。デビル・ドレーン≫と同じようにシールドを一気にゼロに出来る*2豪快さで鬼タイムや鬼エンド発動の手助けになってくれます。もちろん革命や革命0トリガー、オシオキムーンといったシールドに関する能力との兼ね合いも可能で特にオシオキムーンと組み合わせた際の爆発力は計り知れません。≪月と破壊と魔王と天使≫が場に存在していて、相手のシールドの枚数が自分の枚数以下である時に出せば相手のシールドを全てブレイクするなどのロマン砲も可能です。

 前述の通りスピードアタッカーでもあるので自分の攻撃時に唱えられる鬼エンドとの相性も抜群。劇中でアバクが使ったように≪百鬼の邪王門≫を使ってさらなる展開と除去をするのも良し、≪百鬼の天邪閣≫で相手のウィニーを一掃するのも良しと組み合わせ次第では一気にアドバンテージが稼げそうです。またこのシールド回収は任意なのであえて使わないという手が使えるのもグッド。その場合は前述の申し分ない2打点として活用出来るでしょう。あえてスーサイド戦法を狙うデッキやシールド回収が気にならないビートダウンなど、採用出来るデッキは非常に多いかと思われます。ジャオウガらしいド派手さに堅実な能力を加えた良カードと言えるでしょう。

 

 

  • 反撃と大地の絆

モモダチトレーニング!!! 火/自然文明 (7)
呪文:ジョーカーズ/チーム切札
▪️S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
▪️相手のパワー13000以下のクリーチャーを1体破壊する。
▪️自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。

 ジョーがアバクの猛攻を止めるために使用したS・トリガー呪文。カード名にある「トレーニング」の通り筋トレで体を鍛えるモモダチ(キャンベロだけ負担が大きい)と刀の手入れをするモモキングが描かれており、どこか微笑ましいイラストに仕上がっています。

 効果はパワー13000以下を破壊する火力除去と1マナのマナブーストの2つ。敵の攻撃を止めつつ、反撃の準備に繋げられる効果となっており、7マナと手打ちには厳しいコストながらトリガーとしての性能は及第点。特にこの手の火力除去呪文の中では範囲が最も広く、同じコストの火力トリガー呪文の≪ジェットセット・バイト≫の12000以下破壊から1000も上がっていることにちょっとしたインフレを感じさせます。マナブーストに関してはキリフダッシュを擁するチーム切札にとっては嬉しいおまけであり、次のターンにより大型のキリフダッシュ持ちクリーチャーを出す際の役に立つことでしょう。

 とはいえこの手の除去とマナブーストを兼ねたトリガーとしてはライバルが多いのが難点。特に同コストのトリガー呪文である≪ゴールデンデン・トラップ≫と比較した場合、火力で左右される分こちらの方が若干劣ってしまいます。(しかし≪ゴールデンデン・トラップ≫に関してはあちらがアンタップしているクリーチャーしか除去出来ない点、相手のマナを増やしてしまう点で差別化が出来ます)

 せっかくなのでこのカードの種族にジョーカーズを持っている点を活かす方向性で活用するのが良さそうです。ジョリー・ザ・ジョニー≫をはじめとしたマナのジョーカーズの数を参照する切り札を入れた【ジョーカーズ】の貴重なトリガー枠として数枚投入しておくと意外な活躍が見込めるかもしれません。

 

 

  • 諦めず、仲間と共に

 というわけでジョーとアバクの決戦は前半で終了し、後半からは反省会とも言うべきジョーとモモキングたちのやり取りが描かれました。河原でまたもや切腹しようとするモモキングとそれを止めようとするモモダチたちのシーンはキャンベロの可愛さに裏切ったモンキッドたちに対しモモキングが発した「この明智光秀がぁっ!」が個人的にツボにはまり、喧嘩した後の不良たちのような和解をするまでの流れも含めて大いに笑わせてもらいました。

 その後の図書室の本でパワーアップを図るシーンまで完全にギャグとして描かれていましたが、一方でモモキングやモモダチが鬼に対し恐怖したことを認めた点、ジョーたちが負けた悔しさを体で表現した点が印象的でした。ジョー編の一貫した描写として”恐怖を否定しないこと””怒りなどの感情を我慢せずに表に出すこと”がありますが、今回もその要素をしっかりと見せてくれたことに喜びを感じます。特にジョーの「怖いけど逃げない」精神をモモキングたちが喧嘩の末見せてくれたのが素晴らしかったです。主人公のスタンスを切り札がしっかりと引き継ぎ、共に強くなろうとする場面は今回の名シーンだったと思います。

 

 

 さて次回はあのサイキが久しぶりに登場するとのこと。ジョーへのリベンジを果たそうとするようですが、OPで既に確認されているあの暴拳王国の切り札がついに来るのかと思うとワクワクしてきます。仲良くなったジョーとどのような会話を繰り広げるのかも気になりますね。しかしアバクにゼーロJr.にサイキと今期のジョーのライバル枠多いな・・・・・・

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:「1体でもクリーチャーを残せばそこから逆転してくるかもしれない」とアバクが言っていたように、反撃の目を潰しておくのは戦術的には何ら間違ってはいませんが。

*2:こちらはどんな状況だろうとシールドを全て手札に加えますが、≪デビル・ドレーン≫は任意の枚数を回収出来るという違いがあります。