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仮面ライダーセイバー 第45話「十剣士、世界を賭けて。」感想

みんなの未来を決めるために

エモさとハラハラが同時に襲いかかってきて非常に忙しい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 激闘の十剣士

 前回のラストの続き、最終決戦から始まった今回のセイバー。集まった9人の剣士に加え、月闇を持ったソフィアが満を持して参戦しカリバーに変身したこともあって初っ端からテンションが上がりまくりでした。本当の意味で剣士が全員揃った絵面は素直に燃えますね。

 そうして決戦の火蓋が切って落とされてからは毎回仲間が2人残って敵の魔の手を喰い止め、残りがストリウスの元に向かう様子が描かれました。いわゆる「ここは俺に任せて先に行け!」というお約束の展開で、前回のこともあり死亡フラグが建ちまくっているので不安を感じずにはいられません。(特に1人倒れた大秦寺はヤバそう・・・・・・)しかしそれ以上に熱い展開の目白押しだったので何だかんだで楽しめました。

 例えば雑魚の大群に苦戦するソフィアカリバーの目の前に上條さんと隼人の思念体らしき存在が現れ助けてくれるシーンには驚きました。理屈は全くわかりませんが、過去のカリバーの変身者が激励を送ってくれるという構図、そしてあまりいいイメージがなかった彼らにこうした活躍の場がもたらされたことに喜びを覚えます。特に上條さんはようやくみんなのために活躍出来て良かったね・・・・・・

 その他にも年長者としての意地を見せつける尾上さんや互いのことを想う神代兄妹といった各キャラの見せ場が描かれましたが、中でも力が入っていたのが蓮関連。虚無と半壊したデザストのアルターライドブックを使って彼の必殺技である「カラミティ・ストライク」を使い、四賢神の1人を撃破するという大金星を上げました。43話の激闘を経て成長した蓮が、奇妙な友情を築いた相手の技を使う展開には大興奮しました。賢神の「剣士たちの剣技の創始者であるため剣士たちの技が通用しない」という設定を逆手に取って、メギドの技で倒す手法にも感心を覚えます。

 また飛羽真たちに追いついてきた蓮が賢人に対して「足引っ張んないでよね」と毒づくシーンには地味に感激しました。これまで賢人の後ろばかりを追っていた彼が憧れの相手に皮肉を言う様子はさらなる成長を感じ取れます。むしろ追い抜いてやろうという気概さえ感じられるこの態度から、蓮は完全に過去のこだわりを断ち切れたのだと実感しました。そんな彼に喜びの表情を見せる賢人も含め、蓮の成長をここまで描いてくれて本当に嬉しいですね。

 

 

  • 未来を壊す者、未来を創る者

 また今回もう1つの見どころだったのがストリウスとルナの問答。ストリウスがラスボスらしく剣士たちを待つだけで終わらず会話だけでキャラを立ててくれる様子は良かったですね。そんなストリウス相手に一歩も引かないルナにも感心します。

 さてここで注目したのがストリウスの目的ですね。これまで「美しい終焉」といったワードを連発してきましたが、今回それが「あらかじめ決まっている未来を根底から破壊する」といったものだと判明して思わず見入りました。全知全能の書にはこの世界の終りまで記されており、それを知ってしまったストリウスはその終わりに抗うため、世界を根底ごと破壊することで終わりを自分で決めようとしている・・・・・・という目的も明かされたことで、これまでの意味深な言動の数々の意味も大まかに見えてきます。

 人の生や運命、全てが“決まってしまっている”台本の操り人形に過ぎないことに対するストリウスの怒りと絶望が伝わってきます。変えられない未来ならば全てなかったことにすればいい、という心情も何となく理解出来ます。手段や何もかもがイカレているストリウスですが、彼なりに運命に抗おうとしていることがわかって一気に彼に対する愛着が湧いてきましたね。

 

 それ故に劇中でルナが発した「飛羽真なら未来を変えられる」言葉が強く印象に残りました。どんな過酷な運命でも自分たちの結末くらいは変えられると信じ、それを実現してみせてきた飛羽真を見てきた身としてはルナの言葉に強く同意します。ここまで飛羽真のキャラクターを徹底して描いてきた分、説得力が非常にあると思いました。

 また「決まっている物語に抗う」という構図が奇しくも公開中の映画『スーパーヒーロー戦記』と全く同じである点が興味深いですね。自分たちの世界が物語だという事実を突きつけられても、物語から逃げず、かといって従わずに自ら創作していく展開を見せた映画と、今現在のテレビ本編の状況は見事に重なっています。映画のメタ的表現は、本編の世界の在り様を別の見方で表したものだったのでしょう。

 それ故にこの先の飛羽真の選択も容易に予想出来ます。恐らくは映画で物語の作者の手から離れたように、本編でも飛羽真が世界の運命に縛られずに自ら未来を創り出すのでしょう。“決められた”ことの言いなりになるのではなく、自分自身で“決める”・・・・・・まさに彼のキメ台詞である「物語の結末は、俺が決める!!」そのものと言うべき展開ですね。世界に絶望しちゃぶ台ごとひっくり返そうとするストリウスと、世界に希望を抱き自ら創作していく飛羽真。同じようでいて全く異なる両者の激突がどうなるのか非常に楽しみです。

 

 

 とは言ったものの、仲間たちがドンドン倒れていく様子が予告映像で流れてきたのもあってちょっと不安になってきました。飛羽真も「諦めはしない!」と強く宣言しているのですが、ストリウスに追い詰められている映像のおかげでちょっとハラハラしてしまいます。一度くらいは敗れる展開くらいやるだろうとは思っていたものの何だかんだで心配になってきますね。

 また気になるのが芽依の存在。今回飛羽真の残した原稿を見て何かに気づいたようなのでルナと共に逆転の鍵になりそうです。何より彼女の激励の言葉は聞いているこちらも元気づけられますね。仲間たちの日常を代表する存在として芽依には是非活躍してほしいです。

 

 

 ではまた、次の機会に。