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2021年夏アニメ簡易感想 その20

 

 

 

 今年の10月に放送が開始される『ルパン三世 PART6』。そのアニメを機に、長年次元大介を演じてきた小林清志(こばやし・きよし)氏が次元役を卒業することが先日報じられました。

 小林氏はルパン三世が最初にアニメ化された時から今日まで次元を演じ続けてきたことで有名で、ルパンをはじめとした他のメインキャラの声優が何度か交代してきた中でただ1人交代なしで次元をやり続けてきたと説明すればそのすごさが伝わってくるかと思います。そんな偉業を為し続けてきた氏がついにその身を引くと思うと非常に寂しくなってきます

 とはいえ小林氏もかなりの高齢であることを考えると仕方ないことなのでしょう。特にルパン三世はかつてルパンを演じていた初代声優の山田康夫氏が倒れた悲しい出来事*1があったので、その一件を経験している小林氏が元気な内に引退するのはある意味で英断と言えます。上記のツイートのリンクから読める記事からは小林氏の無念の決意と後任に託す言葉も書かれており、これを読んだ身としてもその道を選んだことを肯定したいと思っています。

 ちなみに新アニメで次元を演じるのは大塚明夫とのこと。非常に渋い声の声優で個人的には「ブラック・ジャック」のイメージが強いです。なるほどこの人なら次元役もしっかりこなしてくれそうだと安心感がありますね。(下記に張り付けた動画で聞ける演技が実際に素晴らしいので要チェック)色々な感情が渦巻きますが、小林氏引退の悲しみを抑え、まずは大塚氏の次元を歓迎したいと思います。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャヒー様はくじけない!

第5話「ジャヒー様は怪しくない!?」

 何かと頑張っていたジャヒーも本格的にくじけそうになった回。職質に関しては本来の姿の破廉恥さから仕方ないと思う一方、突然の風邪に心身ともに弱っていく様子は見に覚えがある分見ていて辛かったです。見た目相応に反応が幼くなっていく辺り、本当に心細くなってきているのが伝わってきます。

 追い打ちとばかりに魔界を滅ぼした魔法少女まで来た時は気の毒で仕方ありませんでした。というか魔法少女が想像以上にガタイがいいパワー系でちょっとビビってしまいます。親切心で行動しているようですが、現状ただの不審者で終わってしまったのでこの先どんなキャラであることが判明するのか気になるところ。

 そんな過酷な状況だっただけに、今回は店長と大家の優しさが身に沁みましたね。交番に引き取るに来るシーンや看病に来るシーンなど、保護者のように世話を焼いてくれる様子が見ていて癒されます。中でも大家のぶっきらぼうな優しさにはほろりときました。Cパートのプロレスのような家賃を巡る争いを繰り広げていようとも、何だかんだで仲が良いことがわかります。

 

 

ラブライブ!スーパースター!!

第6話「夢見ていた」

 千砂都を主軸としたエピソードの後編。今回は彼女がずっと抱えていた想いに応えるかのん、2人の関係性に大きなメスが入りました。千砂都にとってかのんはカッコいい最高の友達であり、これまでの行動も全ては彼女の力になろうとしていた夢そのものだったことに驚かされます。ダンスも結局のところかのんのためにやっていたにすぎないなど幼馴染へのどこか重い感情がよくわかりました。

 そんな千砂都もかのんにとって「勇気づけられる存在」であることが明かされる展開が素晴らしかったです。互いに相手のことを憧れの親友として認識している辺り、両者ともに幼馴染を大事に想っていることが伺えて嬉しくなります。

 何よりかのんの隣に立つに相応しくなりたかった、という願いがとっくに叶っていたと気付くシーンも素敵です。友達になった時点から既に同じ目線になれていたという答えは上述に続いて2人の関係の深さをより感じさせてくれます。そうして問題を解決し、ようやくかのんと同じステージに立つことが出来た千砂都を見ていると思わず目頭が熱くなりましたね。

 

 

探偵はもう、死んでいる。

第10話「だから俺は、探偵にはなれない」

 長い過去編を終え、物語は6話ぶりの現代編に。今回は“名探偵の死”の事実に引っ張られる主人公たちが描かれました。中でも渚は以前の感想でも書いたように“名探偵”という肩書きを自身のアイデンティティを求めている様子が歪に思えました。空っぽだった過去故に何かになりたいという気持ちばかりが先行してしまっているように見えてしまうので、見ていてかなり不安になります。それ故シャルに「探偵ゴッコ」と言われてしまうのも仕方ないと思えますね。

 渚以外にもシエスタの意志を継ごうとするシャル、そしてあくまで“探偵の助手”であることにこだわる君塚など、シエスタの死が呪いとなって彼らを縛っているように見えました。君塚に至っては彼女の死を乗り越えられてはいないのが目に見えて明らかなのでこれまた心配してしまいますね。そんな中でも君塚たちを彼ら個人として認識したうえで頼ってくれる唯はある意味でしっかりしていると言えます。シャルは・・・・・・カジノでポンコツぶりを見せつけてくれたのでちょっと安心しましたね・・・・・・

 

 

かげきしょうじょ!!

第10話「百年に一度の秋」

 ついにきましたさらさ主役回。紅華の大運動会のリレー代表にさらさが選ばれたことで周囲から反感を買う中(嫌味を隠さなくなった聖先輩が清々しくてかなり好き)、真に受けて悩み始めるさらさが印象的でした。普段の快活な姿からは想像も出来ないほどにウジウジしだす様子を見て、彼女の真面目さと悩みの根の深さを感じましたね。

 そして以前ファントムから指摘された「他人を演じているに過ぎない」問題を如何にして解決していくのかと期待する中、「お客様が望んでいる光景」について考えるようになったのが素晴らしかったです。ファンに夢を与えるのが紅華の役目ならば、その夢は何なのかを考えるのは至極当然のことと言えます。最後の最後で壁の1つを超えられたさらさに感激してしまいました。

 また今回はリサ先輩の叱咤と「里見星(さとみ・せい)」様のアドバイスも良かったです。中でも星様はリレー中のアクシデントでさらさのフォローの意図を瞬時に汲み取るなど判断力の高さも含め凄まじい実力を見せてくれました。現在のトップの1人だということがよくわかる風格で安定感がありましたね。

 

 

うらみちお兄さん

第10話「極寒スパイラル」

 4話で撮影した「エンドレス猛暑」の放映から始まった今回は、何と逆に真夏の外で冬をイメージした撮影をするという形でスタートして戦慄を覚えました。あの時とは違いつい最近まで現実の炎天下の暑さを味わってきた視聴者としても、今回の撮影のしんどさが伝わってきます。相変わらずの行き当たりばったりのやり方を続けるディレクターに裏道たちみんな殺意を抱いていそう、などと思っていたらキレた熊谷がディレクターに同じ思いを味わせる展開に驚きました。限界ぎりぎりの熊谷のことが心配になりますが、ここまでやりたい放題だったディレクターもさすがに懲りたようでスカッとしましたね。(今回のディレクターはずっと熊谷に怯えていたのが印象深い)

 その後は熊谷のちょっとした過去が明らかに。上司をムカついて殴りかつての仕事クビになったという出来事は少しびっくりしますが、8話での裏道の会話の意味がそこにあるとわかり腑に落ちました。上司や周囲に対してニコニコと仮面を被って生活していたものの、許せないことを前にして手を上げてしまった事実に、彼の真面目な性格を感じ取りました。(とりあえず捨て猫を蹴ったかつての上司はギルティ)理不尽や不条理を見逃せない故の生き辛さを感じながらも、そんな自分を肯定する在り方には見ていてほろりときます。

 

 

小林さんちのメイドラゴン S

第10話「カンナの夏休み(二か国語放送です!?)

 みんな大好きカンナちゃん尽くしだった今回。前半はアメリカを舞台にしたスケールの大きい家出からいきなり始まったことに笑ってしまいました。現地で知り合った少女「クロエ」と自然に仲良くなっていく様子は見ていてほっこりしました。それでいて同じように家出をしていたクロエと共に、「帰る場所がある幸せ」を学んでいく過程には感心しましたね。間違いを犯しながらも少しずつ学んで成長していく子どもの姿はやはり美しいです。

 後半は珍しく休みの小林さんとの一日を描いた内容。ほのぼのかつどこか懐かしくなる夏休みの光景にこれまた癒されます。中でもマンホールを調べていく中でカンナと小林さんが町の知らない一面を知っていくシーンが印象的でしたね。見慣れた視点を変えれば全く違う景色が見えてくる、そんな当たり前のことを子どもによって気付かされる展開は実に面白いです。遠い外国だろうとすぐ近くの町中だろうと、大冒険の舞台にしてしまうカンナの好奇心溢れる回でした。

 

 

SDガンダムワールド ヒーローズ

第23話「悟空の正体」

 本物の三蔵の口から語られた悟空の正体。人造の存在であることはうすうす気付いていましたが、戦時中に作られた「戦闘用ヒューマノイド」として作られたことが明かされた時には衝撃を受けました。生まれた頃から兵器だった事実には驚きますが、悟空の明るい性格を考えると「彼らには心がある」と真っ当に育ててきた三蔵の尽力ぶりが伺えます。

 そして三蔵と窮奇が同僚だったことも意外でしたね。窮奇の動機も三蔵への嫉妬からくるもので、そのために悟空たちの人生を大きく狂わせたことに彼の狂気を感じずにはいられません。それにしても窮奇に力を貸している司馬懿の目的が未だに見えてこないのが不穏ですね・・・・・・(そもそも司馬懿は三蔵や窮奇と同じ星の出身者なのかどうかも怪しいです)

 戦闘シーンに関してはアーサーをはじめとしたヒーローたちが集結してからの盛り上がりが半端なかったです。サージェントやアルセーヌ、趙雲までもが駆けつける展開は単純にテンションが上がりますね。(後は信長が来てくれれば言うことなしです)クライマックス目前となってきた今、どのように決着をつけるのか楽しみで仕方ありません。

 

 

 さて来月放送されるルパン三世の新作についてですが、既に新たなPVも公開されています。それが以下のこちら。

 

www.youtube.com

 

 定番のテーマが流れると共に展開されるルパンたちお馴染みのメンバーが所狭しと暴れまくる映像に早くも魅了されます。前述の大塚氏が演じる新しい次元も予想以上にあっていて惚れ惚れしましたよえぇ。

 その他にも脚本で参加する面々の豪華さ(湊かなえ氏の名前を見つけた時はびっくりしました)や、まさかのシャーロック・ホームズ登場と気になる要素が満載でワクワクが止まりません。秋アニメの中でも注目の1作になるのは間違いないので、早く見てみたいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:1995年2月、ルパン映画の一作『くたばれ!ノストラダムス』の収録を予定していた中山田氏は昏睡状態に陥り、その後意識不明のまま同年3月に帰らぬ人となった。62歳没。