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2021年秋アニメ簡易感想 その7

 

 

 

 日本の文化の発展と向上に大きな功績を果たした人に贈られる「文化功労賞」。今回も実に様々な人がこの賞に選ばれました。ニュースなどでは初の野球関連での受賞となる長嶋茂雄(ながしま・しげお)氏が話題になっていますが、アニメオタクである身としてはやはり富野由悠季(とみの・よしゆき)氏の方に注目しましたね。

 『機動戦士ガンダム』をはじめとした様々なロボットアニメを手掛けてきた富野氏ですが、この人を語るうえで外せないのはやはり本人の溢れるバイタリティーでしょうか。高齢ながら衰えを見せない強烈なキャラクター、今のアニメに対しても明確にライバル視している点など(一時期話題になった「鬼滅潰す・エヴァ潰す」発言には大笑いしてしまいました)、凄まじい闘争心には驚きが止まりません。年齢に関係なく創作を続けていこうとするスタイルは見ていて非常にカッコいいと思いますね。

 また新しい富野ワールドを見せてくれるのか!?とワクワクしつつ、改めてお祝いの言葉を一言。富野由悠季さん、受賞おめでとうございます!

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ポケットモンスター

第84話「ルカリオナイト!メガ島大冒険!!」

 久々登場のコルニと共にメガストーンを探しに行くことになった今回。何気にサトシはメガシンカをやったことがなかったので(当時はサトシゲッコウガがいたとはいえ残念ポイントでしたね)、ついに来たか!と興奮しました。しかも相棒となるのがルカリオということでテンションが上がります。

 そんなメガストーン探しではサトシとルカリオの「言葉のいらない信頼」にスポットが当たりました。ルカリオ(リオル)のタマゴ時代から波動で通じ合っていた2人が離ればなれになったことで互いの行動を読んだり察したりして合流していく内容はどこか感動的でした。『波動の勇者ルカリオ』を彷彿とさせる波動シーンも多く、短いながらもルカリオとの絆を描けていたと思います。

 他には何と言ってもメガシンカ仙人」の登場シーンが目に焼き付きました。正体がメガシンカ親父だったのは何となくわかりましたが、それ故にノリノリで試練を与えてくる姿には笑いが込み上げてきます。一方で彼とメガフーディンそこそこ強敵として立ちはだかってくれたので見応えがありましたね。

 

 

大正オトメ御伽話

第3話「黒百合ノ娘」

 珠彦にとってトラウマ扱いされている妹「志磨珠子(しま・たまこ)」が登場。前回のラストからして腹黒キャラなのかと見せつけてきた矢先、気丈に振る舞っているだけの普通の女の子だとわかり安心しました。(まぁOP映像の時点で薄々気付いていましたが)珠彦と同じように家の環境に加え、学校でも孤立している過去に早くも胸が痛みました。前半の態度も孤独な自分を守るための精一杯の姿だった事実など、子どもが子どもらしく振る舞えないことがどれだけ悲劇的かが嫌というほど伝わってきます。

 それだけに例によって活躍してくれた夕月には惚れ惚れしましたね。珠子の意地悪な態度や身長差などものともせず、彼女のために精一杯頑張ってくれる夕月を見ているだけで心が洗われます。わずか2歳下の少女の年相応さを受け入れてくれる母性は流石の一言です。最終的に仲良くなれたことですし、この調子で姉妹のようにワチャワチャしている様子を見せてほしいですね。

 

 

ブルーピリオド

第4話「我々はどこへ行くのか」

 構図に隠された本質、個性的な予備校生、見えない不安・・・・・・様々な要素が次々と出てくる中、今回は再び八虎たちの苦悩が描かれていました。「桑名マキ(くわな・マキ)」といった同年代と親睦を深めていく一方で、世田介との不和を起こすなど30分で彼の感情が大きく動かされる展開ばかりで盛り沢山だった印象です。

 「1位になったら受験に落ちる」ジンクスなどに踊らされて、「答えの見えない苦しさ」に襲われる八虎たちの様子はどこか危なげでした。未だに自分の“好き”を形に出来ない中での「俺の絵で全員殺す」は心が震えましたね。だからこそ大葉先生の言葉が光るのですが。

 また世田介のコミュ障ぶりも個人的な注目ポイント。思ったことをすぐ口に出す危うさは八虎とは別の意味で心配になりますね。八虎に対する嫉妬や羨望、怒りとも取れる感情は見ていてハラハラさせられます。絵の表現力とは対照的な心の問題は、橋田が劇中で言っていた「不器用な甘えん坊」なところが暴走しているのだと感じました。

 

 

ルパン三世 PART6

第2話「探偵と悪党」

 「探偵」として見事な手腕を見せつけるホームズ、そんな彼すらも翻弄する「悪党」のルパンと、前回に引き続き真逆の存在である両者を描いた今回。ホームズは探偵としての洞察力と推理力はもちろんのこと、次元たちを相手取る実力まで見せつけてきてかなりびっくりしました。しかし「リリーを守る」という確かな想いのために動いているのがわかるので応援したくなります。

 対するルパンは前回と同じように真意がまるで読めないのが不気味でした。表面上はおどけているものの、何のために動いているのか、何を考えているのかを他人に見せない様子はホームズとは対照的で一線を画しています。2人の過去や因縁という不明瞭さと、それでも向き合う双方の明確な存在感が混在する不思議なエピソードでした。

 他にはやはりリリーの失われた記憶について気になりました。ここまでで明かされた情報からして彼女の父は「ワトソン」である可能性が高くなりましたが、「血塗れの父とその場にいたルパン」の光景が実に意味深です。次回から一旦オムニバス形式になるようですが、この辺りの謎にも少しずつ触れていってほしいですね。

 

 

ドラゴンクエスト ダイの大冒険

第54話「ハドラー対バラン」

 めっちゃ泣きました・・・・・・この辺りは原作を読んだ時も感動した覚えがありますが、アニメでは声優さんの気合いの入った演技がある分余計涙腺にきましたね。速水さん演じるバランの声が少しずつ優しくなっていく様子などは見ていてウルウルきてしまいます。

 以前は殺し合うような関係にまで発展してしまったダイとバランですが、彼らなりに「親子」になっていくのが印象的なエピソードでした。身を挺してバランを庇ったダイ、そんなダイを守るために戦うバランと、不器用ながらも互いを想い合っている2人には胸打たれます。特にバランは最後の最後に父親らしくなれて本当に良かったと思いました。

 対するハドラーは前回に引き続き挑戦者としてダイたちに立ち向かうのがカッコよかったのですが、「黒の核晶(コア)」のせいで彼の望む全力の戦いが出来ていないのが可哀想でした。(コアを埋め込まれている当人が蚊帳の外なのが本当に哀れです)この状況を快く思っていないであろうミストバーンの気持ちが何となくわかってきますね。

 

 

遊☆戯☆王SEVENS

第71話「混ぜるなキケン」

 今回はミミの受難にロミンの暴走と、ヒロインたちのハチャメチャぶりが印象的な内容でした。ロミンのカレーが社内の危機に発展するほどの危険物と化していることに笑いが止まりません。(もう彼女を厨房に入れるのはやめた方が・・・・・・)また最近登場する度に気苦労が絶えないミミが明らかな窓際部署に配属されるなど、苦難の連続に思わず同情してしまいます。

 デュエルパートに関してはロミンのフュージョンモンスターであるCAN:D LIVEが登場。ポップなデザインかつ顔の出ている女性モンスターながら3Dでもあまり違和感がなかったのが素敵でしたね。ただ個人的には料理の神とかしたディアンケトのインパクにやられましたが・・・・・・

 そしてラストはミミが「遊我がゴーハ兄弟の6人目説」に辿り着いたことに驚きましたね。名前に「ユウ」入っている共通点にようやく気付いたのもあって今更感がありますが、未だに家族構成などが不明のままである遊我の謎について触れていきそうでワクワクしてきました。

 

 

 文化功労賞の受賞者には他にも様々な分野の人がいますが、僕は富野氏以外では大島弓子(おおしま・ゆみこ)氏が目に留まりました。萩尾望都氏や竹宮惠子氏と共に少女漫画を牽引したこの人も受賞しているのは大変喜ばしいです。代表作も『綿の国星』など数多くありますが、個人的にはエッセイの『グーグーだって猫であるの印象が強いですね。ともあれ大島弓子先生、受賞おめでとうございます!

 

 

 ではまた、次の機会に。