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サンダーバード ARE GO 簡易感想(第9~13話)

 

 

 お久しぶりのサンダーバード ARE GOの感想シリーズ。またもやこちらの感想を開いていただき、本当にありがとうございます。以前から1か月に1度の感覚で投稿していきたいと考えており、今回も3本目を投稿した次第です。

 

metared19.hatenablog.com

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↑前回までの感想についてはこちらの記事を参照。

 

 さて今回は9話から13話までの5つのエピソードを書いていく予定です。いつもより1話分多いのは、13話で1クールの区切りとなっているからですね。また最後に13話が収録されたレンタルDVD7巻に収録されていた特典映像についても触れていくので、そちらも読んでいただければ幸いです。

 

 

 というわけで以下、今回の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

第9話「小惑星からのSOS」

 9話は宇宙の小惑星を舞台にした救出劇ということで、メタレド的イチオシである3号の主役回となりました。当然操縦するアランが話のメインとなっており、彼の機転と経験が活かされる内容に早速ワクワクさせられました。任務前やオートパイロット中に居眠りするなどどこか不真面目なところはあるものの、大胆な発想で危機を潜り抜けるアランは実にカッコよかったです。兄弟たちに心配されがちな末っ子も、立派なインターナショナル・レスキューの一員であることがよくわかりますね。(中でも父から教わったモールス信号を使うシーンが特に好きです)

 同行してくれたケーヨが彼のことを甲斐甲斐しくサポートしてくれたのも印象的です。アランを嗜めているようでいて、その実彼の実力を誰よりも信頼していることがわかるシーンがチラホラ見られました。少し不安になりかけていたアランを激励し、彼の策を疑うことなく手伝ってくれる様子に安心感を覚えます。姉と弟のようでもあり、同時に良きバディとして描かれているのが見事だったと思います。

 また今回救助された作業員の「ネッド」のキャラがやたら濃かったですね。アランが若いことに勝手に絶望する辺りはありがちな身勝手なゲストキャラといったところでしたが、ゼラニウムの花に話しかけるキャラクターにはちょっとドン引き。ご丁寧に「グラディス」と名前を付けており、こちらに忘れられないインパクトを残してくれました

 

 

第10話「ピラミッドの呪い」

 この回を一言で表すならば「ゴードンとペネロープのイチャイチャ遺跡探索(パーカーもいるよ)」でしょうか。鉱山の救助作業中に突如姿を現した遺跡での探索を行う中で閉じ込められた2人のちょっとこそばゆいやり取りがこれでもかと展開されていました。まさかゴードンがペネロープに気があるとは予想していなかったので、これには本当に驚きましたね。さらにペネロープの方も満更ではなさそうな辺りで再びびっくりさせられました。

 『インディ・ジョーンズ』よろしく殺意全力の罠に晒されるのですが、そんな中でも喧嘩をするわかと思いきやすぐ仲直りしていい雰囲気になるわとそれどころではない感じでした。最後の罠で死にそうになった時もお互いに告白しかけるなど、遺跡探索の緊張感よりも恋愛要素のドキドキが強かったです。機体の活躍シーンも冒頭で終わってしまっていましたし、全体的に特殊なエピソードの印象を受けます。

 また今回のゲストキャラである「ハロルド」教授がこれまた曲者でした。財宝の横領疑惑が上がるなど登場当初から怪しい人物でしたが、ペネロープたちが遺跡に閉じ込められたことを隠して見捨てようとした時は仰天しましたね。ペネロープが死んだ際に備えて彼女を悼むスピーチの練習をするなど、フッドとはまた別の「小悪党」としてのイメージが強かったです。(そんな教授に殴り掛かろうとするスコットとそれと止めるバージルがここすきポイント)

 

 

第11話「最後の切り札

 この回は4号以外のサンダーバード全機が登場する豪華なエピソードなのですが、その過程で描かれる「安全性」を扱った内容にちょっとハラハラさせられました。救助対象であるステーション・シルス安全性を度外視した設計に救助がままならないという状況に変なため息が出てきます。設計した「フィシュラー」も自分たちが危機に晒されているという自覚があまりなく、のんきな態度を取ってくるので結構イライラさせられましたね。(救助に来たトレーシー兄弟にお茶を入れようとする辺り危機感が無さすぎる……)ブレインズの「もしかして救助ポッドを用意してないのかい!?」といったセリフは最早ギャグの領域です。

 そんな前代未聞の事態に立ち向かったのがまさかの5号。宇宙ステーションが救助するという展開には最初耳を疑いました。しかもその方法がワイヤーでシルスを吊り上げるというもので、これまでになかった救助方法に驚愕と期待を同時に抱きました。8話に続いてジョンがまた死にかけるなどハラハラさせるシーンもありましたが、無事済んで本当にホッとしました。何よりジョンのブレインズへの信頼が素敵でしたね。安全を軽視したフィシュラーとは違い、どんなものにも余力を残していざという時に備える……ブレインズの安心感ある設計が視聴者にも伝わってくる回でした。

 

 

第12話「深海からの脱出」

 12話は深海での救助活動が描かれました。海とくれば当然4号の出番というわけで、ゴードンとバージルの定番コンビが描かれました。9話に出てきたネッドが早くも再登場してまた事故に巻き込まれるといったこともありつつ、4号とゴードンの安定した活躍が面白かったですね。廃棄物回収車と4号が崖に落ちるトラブルに見舞われながらも全体的に余裕のある救助活動が展開されていたと思います。また廃棄物回収車のデザインや深海のジオラマなど、いつにも増してミニチュアの迫力が伝わってきたのも印象深いです。おかげで救助シーンをいつも以上に見入ることが出来ました。

 そして救助シーンとは別に、ペネロープとパーカーの活躍が見られた点も今回の特徴。廃棄物の回収業者の正体を突き止めようとする中、フッドの手先とのカーチェイスが繰り広げられました。ペネロープがよく乗るFAB-1(ファブワン)の多彩な装備や飛行モードはもちろんのこと、冷静な運転捌きを魅せるパーカーに惚れ惚れさせられます。背景があまりにも代わり映えしなかった点は残念でしたが、ペネロープの諜報員らしいアクションが見られたこと自体は大満足です。

 

 

第13話「重力の井戸」

 1クール目最後のエピソードは重力による災害が描かれていました。リサーチセンターのハドロン衝突型加速器の暴走が引き起こした重力異常という、今までにない災害が発生していたのが興味深かったですね。隕石や飛行機など様々なものが問答無用で引き寄せられるので、人為的に引き起こされたのではないか?と兄弟が疑ってかかるのも納得の展開でした。(とりあえず事あるごとに「フッドの仕業だ!」と決めつけるアランが癒し)

 この事件の解決にあたってくれたのがまたもやブレインズの頭脳。加えて9話でも活躍したアランの閃きと合わせて問題に立ち向かっていくのでやたらとサクサク進みました。中でも印象的なのが重力場そのものに突入する作戦で、中心の圧力に耐えられる機体として4号が抜擢された時は膝を打ちましたね。2号から吊るされるというシュールな光景だったものの、海中以外での活躍の場が用意された4号というのも中々に面白いです。上述の災害含めて、何から何まで今までにない救助活動で見ていて実に楽しかったです。

 救助シーン以外では、ブレインズの人間模様が目に留まります。リサーチセンターに所属している「モファット」教授が登場しますが、彼女との関係にただならぬ雰囲気を感じ取りました。ただの研究仲間と言うにはあまりにも親密な2人のやり取りにどこかニヤニヤさせられますね。ブレインズも隅に置けないという点でも、今回は新鮮だったと思います。

 

 

 今回感想を書いたエピソードを見て思ったことですが、全体的に「ゲストキャラがどんどん個性的になってきている」のが面白かったです。ゼラニウムと友達のネッドをはじめとして、一癖も二癖もある救助対象者が目立っていました。これはフッドが事件を起こす以外のエピソードにも幅を持たせるため、助けられる側のキャラクターを濃くしようとした制作側の努力なのかもしれません。実際この憎めない連中には楽しませてもらった身としては、こうした新鮮さには好感が持てますね。

 

 そして制作側の努力と言えば、上述でも触れた映像特典「Reggie&Thunderbird:No Strings Attached(レンタル版)」も印象的。こちらはイギリスでの本作の本放送前に放映されたスペシャル番組の編集版とのことで、サンダーバードファンのレジー氏が制作現場にインタビューする様子が撮影されていました。

 何といっても制作陣の『サンダーバード』への憧れと敬意が見事でしたね。製作総指揮のリチャード・テイラー氏を筆頭に、多くの人々がサンダーバードに憧れ、自分たちのサンダーバードを作ろうとしている気概が感じられました。サンダーバード各機のデザインはもちろん、原作の1号の発進ドッグに設置されていたレモンの絞り器も似たようなものを用意してきたことには舌を巻くほかありません。こうしたリスペクトがあったからこそ、本作は素晴らしいのだと再確認しましたね。(あと余談ですが、デザイン班のデザイナーのクリスチャン・ピアース氏の机にゴジラの人形が置かれていたことに気付いてニヤリとしてしまいました)本国のペネロープ役のロムザンド・パイク氏のお茶目さも印象的で、実に楽しい映像特典でした。

 

 

 ではまた、次の機会に。