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サンダーバード ARE GO 簡易感想(第14~17話)

 

 

 月イチの記事として書き続けているサンダーバード ARE GOの感想シリーズの今月分がようやく書きあがりました。待っている人がいてくれると嬉しいですし、今回この感想を開いてくれた方に今回も感謝の想いを送りたいです。

 

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↑前回までの感想についてはこちらの記事を参照。

 

 今回は14話から17話までの4つのエピソードの感想を書いていく予定です。余談ですが14話から後半クールに突入しており、レンタルDVDのパッケージイラストやメニュー画面がリニューアルしている辺りに新鮮さを感じました。ある意味で新章に突入したと言える14話以降、フッドとの戦いも激化してくるので見返していくのが楽しみだったりします。

 

 

 というわけで以下、今回の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

第14話「狙われたスペースホテル」

 上述の通り今回から後半クールが開始。ということでインターナショナルレスキューのメンバー全員に見せ場が用意されていました。宇宙ステーション型のスペースホテルでの事故から宿泊客を救出するため、主に3号がメインとなって活躍していたのが個人的に嬉しかったです。そのうえステーションにいる宿泊客を3号の貨物室に乗せる→地上に降りてから客を2号内部に降ろすといったコンビネーションが見られたのも面白かったですね。

 またこの回は自信を失ったブレインズが事件解決に心血を注いでいくのも大きなポイントでした。自分が設計したホテルで事故が発生してしまったことに責任感を覚え意気消沈する彼の姿は中々に辛かったです。(ただ11話でのブレインズの安全神話を見ていると、彼の設計に不備はあり得ない=何者かの策略だと視聴者の中で結びつきやすいです)しかしおばあちゃんに励まされて立ち直ってからは、いつも通り冷静さを取り戻していくのが良かったですね。大気圏に突入したホテルの解体方法を即座に思いつくなど、名前通りの“頭脳担当(ブレインズ)“ぶりを発揮する展開には興奮させられました。
 そして事件を引き起こしたフッドですが、今回はいつにも増して悪役らしかったです。ホテルのナノテク技術の信用を落とすためにこの事故を起こしただけでなく、「客を逃がすつもりだったがインターナショナルレスキューが来たことを知って気が変わった」と脱出ポッドを使えさせなくしたことを明かした時はドン引きしましたね。スコットたちを貶めるためだけに無関係な人間を巻き込む悪辣さは本作のメインヴィランに相応しいと、改めて思いましたね。(その分ケーヨに仕返しされることで愛嬌を残していくのもグッド)

 

 

第15話「月面基地アルフィー

 スコットたちの父親「ジェフ」とその親友「テイラー」大尉が開発した月面基地シャドー・アルファー・ワン(略してアルフィーが舞台となったエピソード。何と言っても本作開始前から行方不明になっているジェフの話題がようやく出てきたことが最大の特徴でしたね。ジェフ本人は登場せず行方知らずのままだったものの、テイラー大尉の口から父の話に耳を傾けるスコットに癒されました。宇宙に夢やロマンを求めていたといった父の側面を息子が知っていく構図に、どこか暖かい気持ちにさせられます。

 テイラー大尉は豪放磊落を形にしたような人物で、それでいて冷静に物事を判断するのでかなりの大物であるとすぐさま印象付けられました。アルフィーへの愛着を捨てきれず、ずっと月面に留まっていた辺りも素敵ですね。最終的には基地を放棄することになったものの、大尉とジェフがあの基地を愛していたことを感じさせてくれます。(ただ意地でもアルフィーに残ろうとするシーンの直後にピンチになって、すぐさま残ることを諦める様子はどこかドライに見えてしまいました

 アルフィーに襲い掛かるしし座流星群からの脱出劇はまずアルフィーの迎撃装置によるシューティング、その後に月面輸送車に乗ってのカーチェイスいつにも増してスリリングな絵面が多かったです。前話などでも見られますが、宇宙の過酷さ故に多少の無茶はしなければならない、といった様子が感じられました。また個人的に1番興奮したのは、アルフィーが隕石によって破壊されるシーンだったりします。特撮作品などでミニチュアの建物が容赦なくぶっ壊れていく光景は見ていてワクワクしますよね……!

 

 

第16話「バースデー・プレゼント」

 16話はバージルが主役なのですが、冒頭から今日が自分の誕生日ということでそわそわし出す彼の姿が映ったので思わず吹き出してしまいました。家族たちは何事もないように振る舞っているものの、裏ではサプライズパーティーを計画しているというお決まりの展開にもニヤニヤさせられます。

 そんな中北極にてバージルの救助活動が始まるのですが、地下に閉じ込められていた科学者の男の言動に少々イライラさせられました。救助よりも地下の掘削を優先するあまり、バージルに機会を修理させたり単身奥に進んでしまうといった独断行動にはフラストレーションが溜まってしまいます。これまで文句は言うものの素直に助けられるキャラばかりだった中、これほど非協力的な救助者も珍しかったです。

 しかし男の目的が娘の病気(「シーバー病」*1とのこと)を治すためだと判明してからは、こちらの彼を見る目も変わりました。上述の行動は決して褒められたものではありませんが、家族を救おうとする想いは尊いことだと思います。そして事情を知ってからのバージルが最高にイケメンで、「もう1人大事な人(=科学者の娘)の命がかかっている」と協力してくれる姿に痺れました。任務達成後に帰還しパーティーは終わっていたものの、救い出した科学者から貰った感謝のメッセージを「最高のプレゼント」と喜ぶラストも素敵です。レスキューヒーローかくあるべしの精神がこれでもかと詰まった回だったと言えます。でもバージルが必死に頑張っていた裏でケーキを全部食べてしまった家族はひどいと思う。

 

 

第17話「海底急行の危機」

 次のエピソードは海底トンネルを走る特急列車での救助活動が展開されました。この回は13話で発生した重力異常事故のその後が描かれており、同じく13話姿を見せたモファット教授が再登場したのも注目ポイントです。彼女とペネロープが乗った列車が危機に晒されているということで、ブレインズとゴードンがいつになく張り切っていたのが印象的。想い人のため奔走する彼らにどこかニヤニヤさせられます。

 海底ということで救助シーンでは4号がメインで活躍。フッドによって破壊されたトンネルを切り離し、エアバッグの浮力で中の車両ごと持ち上げる作戦は中々面白かったですね。何より1つだけ閉じたままのエアバッグを4号で開こうとするシーンで、ゴードンが必死になる姿にハラハラドキドキさせられました。(ゴードンが「開けよ!」と必死に叫ぶ様子は、演じている柿原徹也さんの声の力強さもあって素敵でした)

 そしてこの回もう1つの目玉がペネロープとパーカー(あと愛犬のシャーロット)の活躍。モファット教授の持つ素粒子を狙うフッドとの攻防は中々に手に汗握りました。意外にも俊敏な動きを見せるペネロープにびっくりさせられます。(こういったキャラの激しい動きはCGアニメならではですね)素粒子を奪われた後の海底での追走劇では、水中モードのFAB-1を駆るパーカー、そこに的確なアシストを入れてくれるゴードンがこれまたカッコよかったです。

 

 

 私事ですが、先日近所のTUTAYAに寄った際、今年の1月に日本で公開された『サンダーバード55/GoGo』のレンタルDVDを発見しました。劇場のスクリーンで観たあの作品がようやくレンタルを開始したという事実は中々に嬉しかったです。

 原作のサンダーバードを見られる配信サイトが少ない現状、ARE GOに次いで手軽に見られる55の存在はかなり貴重になりそうです。エピソード自体に驚きはあまりないものの、原作と全く同じスーパーマリオネーション技術でサンダーバードを堪能出来るのはとても素晴らしいことだと思います。こちらのほうもおすすめなので、気になっている人はTUTAYAなどで探してみてはいかがでしょうか。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:またの名を「踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)」。10歳前後・成長期の子供に多く見られる症状で、かかとやその周辺に成長痛に似た激しい痛みが発生する障害。進行すると歩くことすら困難になってしまう危険性があるとのこと。