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デュエル・マスターズ WIN 第2話「親子の本気(ガチ)デュエマ」感想

無敵の親子のデュエマ愛!!

アニメで「7軸」という言葉が飛び出すと誰が予想したであろうか

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  • 暴君だって振り回される

 早速始まったデュエマWIN第2話。今回は1話ラストで小さくなってしまったジャシン帝……もとい「邪神くん」のシーンから始まりました。個人的には『妖怪人間ベム』のベロ(妖怪の姿)を彷彿とさせる見た目になったものの、フォーク=フォックたちをはじめとした下僕たちへの横暴ぶりが目につきました。アビスロイヤルたちのコミカルなキャラクターのおかげでいくらかマイルドになっているとはいえ、些細なことで制裁を加えていく光景にはちょっと引いてしまいますね。この時点では威厳ある皇帝というよりもただの暴君という印象が強かったです。

 しかしウィンたちと接触してからは、一転して彼ら斬札親子に振り回されていました。ウィンの言うことには当人の意思に関係なく従ってしまう謎の仕様(クリーチャーはデュエリストに逆らえないとかそういう理屈でしょうか)はもちろんのこと、親子共々全く動じていないことにたじろぐ邪神くんの様子は微笑ましかったです。人間を喰おうという企みもことごとく阻止されているのが何とも愉快です。それでいてお腹を空かせた邪神くんがパパリンお手製の「タコさんウインナー」を気に入ってくれたおかげで、ウィンと邪神くん双方が笑顔で締めることが出来たのが良かったと思います。

 上述の通り下僕アビスに対してはパワハラめいた態度を取ってくる邪神くんですが、ウィンたち相手には逆にやられ放題なおかげで不快な印象を抱きにくくなっていたのが素晴らしかったです。前回の時点で怪しかった威厳は完全に崩壊しましたが、今後は斬札家のちょっとうるさいマスコットとして定着していくことでしょう。ひとまずはウィンたちにウインナーを要求してくる姿などを見てみたいですね。

 

 

  • “遊び心”を以てデュエマを愛する父親

 今回もう1つのポイントだったのがパパリンの存在ですね。前回から息子・ウィン共々デュエマへのガチっぷりを感じさせていましたが、今回はその上をいく“ガチ”な戦いを見せてきました。

 息子とのデュエマで《ガチャンコ ガチロボ》をメインに据えた通称【ガチロボ】の内、特に強力な【7軸ガチロボ】を使ってきた時は本当に驚きました。余談ですが筆者はガチロボの中では8軸が好きですね。しかも《ナウ・オア・ネバー》で踏み倒すなど、現実で使われている戦術をアニメでも惜しみなく披露してくるから恐ろしいです。パパリンは「ミル・バラハス」なる謎の異名*1を持ち合わせた強豪デュエリストであることが源さんの解説で明かされましたが、その肩書にも納得の描写の数々でした。

 使うカードがどれも強力な一方で、新規カードである《R.S.F.K./オールイン・チャージャー》のような(クリーチャー面が)博打染みたカードを使ってくる点もたまりません。堅実に攻めていく中でもロマンカードを使って豪快な勝利を狙う……ガチな中でも“遊び心を忘れないパパリンの姿勢には、ウィンとはまた違った好感を抱きます。

 また息子とデュエマを思う存分楽しむなど、デュエマ好きとしての様子もちらほら見られたのが素敵でしたね。中でも印象的なのが邪神くんへの反応で、本物のクリーチャーが見られたことに喜ぶ姿には思わず顔が綻んでしまいました。「本物のクリーチャーに会えたら最高だって思ってたんだよ」という言葉からも、デュエマを本当に愛していることが伝わってきます。家庭的な面も含め、実に魅力的な父親キャラだったと感じました。

 

 

  • アビスを覗く時、アビスもまた貴様を覗いているのだ

邪侵入(ジャスト・イン・ユー) 闇文明 (3)
呪文
▪️シビルカウント2:この呪文が自分のシールドゾーンにあり、自分の闇のクリーチャーまたは闇のタマシードが合計2つ以上あれば、この呪文に「S・トリガー」を与える。
▪️自分の山札の上から4枚を墓地に置く。その後、コスト4以下のアビスを1枚、自分の墓地から出す。

 今回ウィンが使用した闇の呪文。名前を後述の効果からして、アビス専用の特殊な呪文のようです。地面から這い上がるように姿を見せるアビスのイラスト、そしてフレーバーテキストから読み取るに、このカードはアビスロイヤルたちが復活を果たしていく様子を表しているのだと思われます。

 基本の効果は4枚分の墓地肥しとコスト4以下のアビスを出すリアニメイト。墓地が0枚の状況から一気に増やしつつ、呪文のコストよりも1大きいアビスを出せるのは順当に強いです。クリーチャーなどの指定もないので、場合によっては《深淵の食卓》のようなタマシードを出せるのも便利ですね。

 何よりシビルカウントを満たせばS・トリガーとなれるのがポイント。対象となる闇のクリーチャーorタマシードも2枚だけと簡単に達成出来るので、序盤に割られた時の墓地肥しや防御札としてきっちり活用出来るでしょう。(クリーチャーはすぐ除去される可能性があるので、なるべくタマシードの方を揃えるのがいいですね

 墓地から出すカードの候補としてはアビスデッキのメイン《アビスベル=ジャシン帝》がまず選択肢に上がります。1ターン早く出せるうえ、自前でアビスラッシュを持っていないジャシン帝が墓地に落ちてしまった場合のケアも出来るので、抜群の相性を誇ること間違いなしです。他にも同じく墓地肥しをしつつ1体除去出来る《ハンマ=ダンマ》や全体除去を行える《ナイフ=アライフ》辺りもおすすめです。(特にハンマ=ダンマはこのカードと合わせれば墓地のカードを7枚まで増やせるうえ、最低でもコスト7以下のクリーチャーを破壊出来ます

 アビスデッキを使ううえでかなり使い勝手のいいカードになりうるスペックを持ちますが、墓地肥しが強制である点には注意しなければなりません。山札の残り枚数が少なくなってきた時に使ってしまうと、4枚という絶妙な多さもあってすぐライブラリアウトしてしまう危険性を孕んでいます。終盤になればなるほど扱いが難しくなっていくので、このカードをデッキに入れるならば基本の序盤初動として割り切っておくべきでしょう。

 

 

  • 臆せず賭けろ!どんな時でもレッツギャンブル!

R.S.F.K.(ロイヤル・ストレート・フラッシュ・カイザー) 火文明 (7)
クリーチャー:レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター/エイリアン
パワー5000
▪️スピードアタッカー
▪️このクリーチャーが攻撃する時、自分が負けるか中止するまで、相手とガチンコ・ジャッジする。その後、こうして自分がガチンコ・ジャッジに勝った回数、このクリーチャーは相手のシールドを1つブレイクする。
オールイン・チャージャー 火文明 (3)
呪文
▪️相手とガチンコ・ジャッジする。自分が勝ったら、カードを1枚引く。
▪️チャージャー(この呪文を唱えた後、墓地に置くかわりにマナゾーンに置く)

 パパリンのデッキに入っていた新カード。「エピソード2」時代に登場した《R.S.F.K.》が、まさかのツインパクト化を果たした1枚です。今になってツインパクトカードになるとは思ってもみませんでした。(余談ですが、今回は当ブログでは実に約2年8か月ぶりとなるツインパクトカード紹介になったりします)どちらのカード名にもポーカーなどの賭け事関係のワードを持っており、そして後述の能力と、ギャンブルの要素をふんだんに取り入れたカードになっています。

 まずクリーチャー面は上述のように通常のR.S.F.K.そのもの。ガチンコ・ジャッジに勝利した数だけ相手のシールドをブレイクする豪快なアタックトリガーを有しており、自身がスピードアタッカーというのもあっていきなり大量ブレイクを狙えます。仮にガチンコ・ジャッジで5回以上勝って相手のシールドを全ブレイクすればこのクリーチャー1体でダイレクトアタックまで決めることも可能な、ロマン溢れる性能が魅力的なフィニッシャーです。

 そして追加された呪文面はコスト3のチャージャー呪文。ガチンコ・ジャッジで勝てれば1ドローと淡白な効果ですが、その後マナゾーンにいくので上手くいけば手札を減らさないマナブーストとして使えます。仮にガチンコ・ジャッジに負けてもマナが増えるので、あくまでドローはおまけ程度に考えた方がいいかもしれません。

 カード全体としてはマナブーストに使える火単色のドラゴンツインパクトという点が目につきます。同じ特徴を持ったツインパクトとして《ボルシャック・ドラゴン/決闘者・チャージャー》という強力な対抗馬がいますが、ボルシャックが入っていないデッキでもドロー出来る可能性やクリーチャー面の性能など、こちらにも一応の差別点は存在しています。それを考慮して使い分けるか、あるいはいっそのこと両方入れるのもアリですね。

 これらの特徴から連ドラ系統などのデッキ投入が考えられますが、最も恩恵を受けるのはやはり【7軸ガチロボ】でしょう。実際に劇中で使われていたように序盤はマナブーストを、《ガチャンコ ガチロボ》で踏み倒せた時は強力なフィニッシュ力を活かして戦うことが出来ます。またデッキのカードのほぼ全てがコスト7のこのデッキでは、両面のガチンコ・ジャッジの勝率をある程度上げられるのも魅力の1つです。(とはいえ最近はより高コストのカードが多く搭載されたデッキも少なくないので過信は禁物)堅実さとロマンを兼ね備えた面白いカードとして、今後使われていくかもしれませんね。

 

 

 上の内容に限らず、謎のバーの演出で始まる「源さんの解説コーナー」など、例によって見どころが多かったです。現実では甲高い鳴き声を出すのに対し、解説コーナーではやたら渋いイメージを見せてくる源さんのギャップには思わず吹き出してしまいましたね。

 他にもウィンが《ヴィオラの黒像》を入れるなど、現実のアビスデッキの改造アイデアにもなるチョイスを見せてくれたのが印象的でした。他にもデッキ作りのシーンやパパリンがジャシン帝の能力を確認する様子など、なるべく現実のデュエマに即した描写が入れられていたのが興味深かったです。(あとウィンが「やっぱり7軸か~」と口にした時は地味に衝撃を受けましたね)初心者経験者問わず、デュエマを楽しもうとする人たちに向けている作風になっていることが改めて感じられましたね。

 

 

 さて次回は新キャラ「プリンス・カイザ」が登場!デュエマ界の絶対王者にして若きIT社長という別のTCGアニメで見たようなぶっ飛んだ設定を引っ提げたこの男はどんな人物なのか、何よりその実力は如何ほどなのか。彼が所属している「D4」という集団についての情報も気になるところです。

 しかしデュエマ自体はウィンVSボウイがまた描かれる模様。1話ではウィンとジャシン帝の強さに歯が立たずに敗れてしまったボウイですが、次回ではリベンジなるのでしょうか。現状ウィンの強さが際立っているのもあって、挑戦者になりつつあるボウイの方をつい応援してしまいそうです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:ミル(Mil)」は)スペイン語で数字の「千」を意味し、「バラハス(Barajas)」はスペイン・マドリード州にある区の名前である。パパリンはスペイン出身なのだろうか……?