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ウルトラマンデッカー 第14話「魔神誕生」感想

そして物語は動き出す

待ってくれたまえ、衝撃展開の洪水をワッと一気に浴びせかけるのは!

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  • 謎多き者たちの戦い

 いやぁ、今回のデッカーは凄かったですね……!!アサカゲ博士の布石などが何らかの形で回収されるかと思っていた中、予想のはるか上を行く展開が何度も叩きつけられたかのような後半には終始唖然となりました。ここまで丁寧にキャラと物語の下地を作ってきたからこそ受けた衝撃も大きい、面白い回だったと思います。

 

 まず衝撃的だったのがアサカゲ博士の正体ですね。前半の「私の故郷のために研究を続けています」などの言動(故郷=地球とは一言も言ってない)から色々と怪しかったのですが、宇宙人だったことには驚かされました。そのうえテラフェイザーでデッカーに容赦なく襲い掛かる絵面はかなり意外です。ネット上で「バズド星人 アガムス」という本当の名前も明かされました*1が、個人的には正直受け入れがたい事実だったかもしれません。

 ここまでの描写から博士の人となりがわかっていたからこそショックが大きかったのもあります。それどころかカナタたちを気遣う優しい人だと理解していただけに、この突然の裏切りには少なからず胸を痛めました。これほど優しい博士が激情のままに暴れるほどに、デッカーの排除は重要なのでしょうか……?(博士が口にしていた「花…木…空(ry」の言葉の意味も意味深ですね)

 

 そしてもう1つの衝撃が「先代のデッカー」。突如何の前触れもなく表れて博士と話したかと思ったら、カナタを差し置いてデッカーに変身したシーンを見て開いた口が塞がらなかったです。しかも余裕に満ちた立ち振る舞いと戦い方でテラフェイザーと拮抗するなど、完全にカナタ以上の実力の持ち主だったことにも仰天します。気さくで優しそうな性格と合わせて、先代はよりヒーローらしさに溢れていたと言えますね。*2

 しかしこちらの青年に関してもそれ以上何もわからないのがもどかしいです。博士とこの男の因縁は?男が口にした「レリア」という人物は何者なのか?そもそもスフィアとは、そしてデッカーとは何なのか?世界観が大きく広がってきたと同時に、それらの謎について知りたいという衝動に駆られます。まぁその全容は恐らくは次回で語られることでしょうし、ひとまずは座して待っていたいと思います。

 

 

  • 機神が魔神に変わる時、青き巨腕が再び襲い掛かる

 初登場から2話ほどの短い期間ですが、ハネジロー操縦のおかげでデッカー(カナタ)の相棒としての印象が強くなっていたテラフェイザー。僕自身12話での戦闘の勇ましさ、そしてここまで育まれてきたカナタとハネジローの絆を目の当たりにしたのもあって、この2体が並ぶ姿に安心感を覚えていたほどです。それだけに、この展開はあまりにもショッキングでした……

 

SUMMON!

TERRAPHASER!!

 

 バズドとしての正体を現したアサカゲ博士によって禍々しい「フェーズ2」へと変貌したテラフェイザー。無機質だった顔も凶悪なモノに変わり、仲間であるはずのデッカーやナースデッセイ号に牙を剥いてくるシーンは中々に恐ろしかったです。前々回まで発揮していた強力な性能が、そのまま主人公側の脅威になったことが良く伝わってきました。

 個人的には博士のセリフから「テラフェイザーはデッカーを倒すために造られた」であることが判明したシーンで耳を疑いましたね。人類を守るためではなく、元々対ウルトラマン用の兵器というのははっきり言って驚愕の事実です。*3ずっと何らかの形で洗脳されてしまうのではないか?と予想していた身としては、意表を突かれた気分になりました。

 

 またテラフェイザーに限らず、1話で猛威を振るったスフィアザウルスの再登場も印象的。復活理由も「12話のスフィアネオメガスによって送り込まれたエネルギーによって蘇った」という、あの時の謎に関して腑に落ちる答えだったのも興味深いですね。わざわざ他のスフィア合成獣を使って再度姿を現した辺り、スフィアにとってスフィアザウルスがとても重要な存在である可能性が出てきました。この怪獣を要としたスフィア側の目的が気になるところです。

 戦闘では持ち前の圧倒的な膂力は相変わらずで、加えて角からのビームなどの新技も披露していました。中でも小型のスフィアが集まって傷を再生させたり、盾になったりと連携で多芸になっていたのが面白かったです。ネオメガスの時といい、スフィア側も色々と学んでいることがわかる暴れぶりでした。

 

 

  • 「やるしかねぇ!」を失って……

 何かと新情報の連続に圧倒されましたが、カナタの状況も今回の大きな見どころとなっていました。冒頭「騒音怪獣 ノイズラー」との戦いでテラフェイザー(ハネジロー)との抜群のコンビネーションを発揮し活躍したまでは良いものの、その後の浮かれようが目につきましたね。インタビューが来るかもしれないとイチカとはしゃぐ様子は微笑ましかったのですが、どこか危機感に欠けているという印象は否めません。

 とはいえこの辺りの青臭さは仕方ないと思います。ここまで明確な目標がないことが描かれてきたカナタにとって、デッカーとして戦うことが一種の誇りとなっていたのは容易に見て取れます。今の状況下でデッカーに変身出来るというアイデンティティが、彼が戦う理由にして拠り所だったのでしょう。(そもそも当初は自分がウルトラマンになれることに困惑していたことを考えると、そうやって前向きにならないとやっていけなかったのかもしれません)

 それが今回の展開で脆くも崩れ去ったのですから心苦しいです。上述の先代デッカーの登場によってカナタが「代役」に過ぎなかったことが明かされるシーンは、視聴者としてもカナタ自身としてもかなりショックだったと思います。先代デッカーとテラフェイザーの戦いを見つめるだけしか出来なかった後半の悲痛な表情が嫌でも目に焼き付きます。「やるしかねぇ!」と頑張っていた中、突如役割を失ったカナタがどのような再起を果たすのか……こちらも見逃せないですね。

 

 

 というわけで次回はVSテラフェイザー&スフィアザウルス後編。敵に回ってしまったアサカゲ博士や先代のおっさんとのことで困惑が止まらないであろうカナタが何とも可哀想ですが、それよりもどのように話が進むのか気になるところ。中でも予告映像にチラッと映った「ウルトラマンダイナ」の姿にワクワクさせられますね。上述のデッカーやスフィアの謎とダイナがどう関わっているのか、いよいよ明かされそうなのが楽しみです。

 そしてデッカーの最強形態登場が最大の見どころになりそうですね。先代との出会いを経てカナタが如何なる答えを出すのか、この辺りが新形態誕生のヒントになりそうな予感がします。アサカゲ博士との戦いはどう決着していくのか……次回が待ちきれないですよえぇ。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:Yahoo!ニュース記事などを参照。https://news.yahoo.co.jp/articles/c78ad07f450d49e920d2f49e2920a67e0af2ece5

*2:余談だが先代デッカーを演じている谷口賢志(たにぐち・まさし)さんは、『救急戦隊ゴーゴファイブ』や『仮面ライダーアマゾンズ』『仮面ライダーセイバー』でも変身ヒーローとして出演している

*3:とはいえ元ネタのデスフェイザーも「人類の希望と見せかけて実は対ダイナのための兵器」という設定だったので、それに即していると思えばあまり違和感はないと言える。