その身を賭けて守り抜く
運営は意外と良心的なのかもしれない（手のひらリボルブオン）
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- お人好しの最後の戦い
ボロボロのままである景和のビデオ日記から始まった今回のギーツは、前回に引き続き彼が主役というべき内容でした。姉の沙羅がジャマーエリアでジャマトに襲われていることを知ってからの焦り様は見ていて胸が痛くなりましたが、同時に彼にとっての「大切なもの」に触れていくうえで重要なエピソードだったと実感しました。記憶を取り戻した姉から両親がジャマトに殺された事実を知らされ、今度は姉が危機に晒された中で景和が何を優先するのかをじっくり描いていたと言えます。
前半こそ自分の願いのために協力を断る道長たちを避難していましたが、英寿の「自分たちさえ幸せなら、誰かが幸せにならなくても構わないというのか」といった言葉に刺された件を経て、姉のために戦うことを選んだ景和の姿にはグッときました。これまで漠然とした平和を願っていた青年が、人々のために戦うことの重みをようやく理解したことがわかります。そして姉を守るうえで、自分を犠牲にすることも厭わない「お人好し」を貫いたのも好印象でしたね。
それだけに景和が負傷のために脱落させられるラストには驚愕しました。英寿に並んで主人公をやっているから退場はしないだろうとタカをくくっていただけに、この展開を以て意表を突かれた気分です。（また劇中で道長や祢音がそれぞれショックを受けているシーンで余計に胸が締め付けられました。みんな景和のことを慕っていたんだなって……）ただ元の生活に戻れることは確定しているようなのでちょっと安心しましたね。それ以上に景和が姉を助け、守ることの大変さを知って満足そうに消滅するシーンでウルっときてしまいました。最後まで善良であり続け、視聴者にも鮮烈な印象を残した景和には是非再登場してほしいです。
- 誰かのために戦う瞬撃の忍
SET.
SET.
DUAL ON!
NINJA&BOOST!!
READY FIGHT!!
突然手元にやってきたニンジャと元々所持していたブースト、2つのバックルでタイクーンがデュアルオンした「ニンジャブーストフォーム」。このフォームに関してはニンジャバックルが突然1人でに動いてタイクーンを助けたかのような変身プロセスが印象的でした。ギーツ曰く景和の忍び（自己犠牲）の心と「共鳴」したとのことですが、バックルごとにプレイヤーの想いに反応する機能が備わっているのか、それともバックル自体に意思が宿っているのか判断に困ります。（今回のブーストの帰り方が意思を持ってそうな感じでしたが……）ここまで機械的なイメージがあった本作のアイテムに、こういった要素が存在していたことをいきなり描かれるとちょっと困惑してしまいますね。
それはともかく、ニンジャフォームになってからのタイクーンの戦闘シーンは非常にカッコよかったです。変わり身の術や壁抜けの術を駆使してラスボスの攻撃を潜り抜け、ブーストの力をプラスしてから怒涛の反撃を始める流れには惚れ惚れさせられました。CGを多用した戦闘シーンのハイスピードぶりが見ていて何とも気持ちがいいです。（高速回転するニンジャデュアラーの上に乗って空中で飛び回るシーンが個人的にお気に入り）何より前回のギーツのニンジャフォームが華麗に見えていたのに対し、タイクーンのニンジャフォームの戦いぶりから彼が必死ながらも懸命に戦っていることが伝わってきたのが素敵でしたね。景和の姉の救いたい想いが映える、見事な戦闘シーンでした。
- 信頼すべきか？運営の対処
これまで悪質な面ばかりが目立っていたデザイアグランプリでしたが、今回の描写からちょっと良心的なのでは？という疑惑が自分の中で出始めてきた今日この頃。前回ボロボロになった景和への手当てはもちろんのこと、彼の重傷を受け強制的に脱落させるシーンには上述の衝撃とは別に感心しました。「負傷や病気などの緊急の理由で参戦不可能になった場合、脱落となる」というルール*1も説明されるなど、いざという時のプレイヤーへの対処がしっかりしているのが良いですね。また今回の件で脱落したライダーが元の生活に戻れることがほぼ確定したのもあって、ふるい落とし要素はともかく意外と運営が頑張っていることがわかり少しだけ安堵しました。
とはいえ安心するのはまだまだ早いかもしれません。これまでの描写の不穏さが拭いきれたわけではないですし、何より今回缶を蹴っても終了アナウンスが流れない辺りが何とも怖いです。（まぁラスボスそのものは放置したままなのでゲームが続くのは当然と言えますが）ジャマトの正体や世界改変など明らかになっていない要素が多い以上、この運営に信頼を寄せるのは危険だと思います。というわけでいち視聴者としてはそういった警戒をしつつ、今後の展開で判断をしていく所存です。
次回はラスボスジャマトとの決戦が開始。巨大化したラスボスの脅威はここまでで何度も描かれただけに、こいつをどうやって倒せばいいのか……という絶望感を覚えますね。そのうえ運営から「緊急ミッション」として謎の卵を育てることを課せられる始末。（道長の「これが最終戦にやることかよ！」という叫びが切実すぎる）この卵が攻略のカギになるのだろうとは思いますが、この状況でやり切れるのか不安になってきますね。
そして個人的に注目しているのが次回の「邂逅F」というサブタイ。ここまで邂逅Ⅰ～Ⅶと順調にナンバリングを重ねてきましたが、第1話の「黎明F」と同じ“F”の文字が使われていることに驚かされます。恐らくこのFは“Final”という意味で、2話から続いてきた邂逅シリーズの最終回であることを表しているのでしょうね。いよいよ終わるのであろう今回のデザイアグランプリで勝つのは誰か？そして戦いの後に何が待っているのか？次回の放送が待ちきれないです。
ではまた、次の機会に。
*1:公式HP「デザイアグランプリ」のページを参照。https://www.tv-asahi.co.jp/geats/dgp/
