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仮面ライダーギーツ 第35話「慕情Ⅲ:姉の願い 弟の願い」感想

陥れる者に待つものは……

大智の捨て台詞に某よこしままぞくを思い浮かべた人は挙手するように!(心の中で手をあげながら)

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  • 傲慢な未来人に一泡吹かせられるか

 デザイアロワイヤルが本格的に始まった今回のギーツ。ただ仮面ライダー同士で戦わせるだけかと思いきや、特殊ミッションとして「ジャマトに奪われたIDコアを回収する」を運営が課してきたのが意外でした。さらに最もコアを集めたプレイヤーは他のプレイヤーを脱落させる権利を獲得する破格の報酬付きと、ただの力比べでは終わらせない要素を投入させるのが興味深かったです。

 しかし運営、というかスエルはデザロワの結果に関係なくこの時代から撤収するつもりだとわかった時は愕然するほかなかったです。前回抱いたデザイアグランプリがどうなってもいいのか?という疑問に対し、そもそも参加者たちに報酬を与えるつもりはないという最悪な答えが返ってきました。「見世物小屋の動物に、もう餌は必要ない」といった発言からも、スエルがこの時代のライダーたちを大いに見下していることが感じられて腹立たしくなってきます。

他にもデザグラ運営側の描写が多かったのですが、中でもニラムと晴家ウィンがしれっと復活していたことに驚愕させられました。ニラムはともかくウィンはあまりにも可哀想な最期を遂げていたので、こうして蘇ってくれたのは喜ばしいことです。あくまで運営側なので英寿の味方をしてくれるとは限りませんが、英寿と心が通じ合った後のウィンなら何かしら有益な行動をしてくれるのではないかと思えてきます。英寿たちに入れ込み、デザグラに疑問を持ち始めたツムリ共々、どうにかして内側から運営に一泡吹かせてほしいです。

 

 

  • スズメの二枚舌が切られる時

 それはともかく今回の本筋で、大いに暗躍していたのが大智/ナッジスパロウ。初っ端から英寿と手を組もうと近づいてきたり、祢音&沙羅に協力を持ちかけたりとあの手この手で他参加者との接触を図っているのが目に留まりました。何と言っても女子コンビを陥れようとしてくるムーブが印象的で、彼女たちを罠に嵌めて脱落させようとする彼の底知れない姑息さが出てたと思います。表面上過去のことを謝罪して協力を持ち掛ける素振りを見せながら、直後に道長に連絡する流れには最早芸術すら感じられます。

 しかも弟の景和に負けたことが今回の動機に繋がっていることにも呆れかえりましたね。乖離編での出来事を根に持っていることだけでなく、景和本人よりも姉の沙羅をターゲットにするというやり方にも憤慨を覚えます。最初からまともな人物ではないことはわかっていましたが、ここにきて私怨で行動する辺りに五十鈴大智の器の小ささを味わった気分です。

 そんな大智も最終的には道長の手によって脱落することに。道長に沙羅たちを倒させようとしていましたが、それが彼の逆鱗に触れる行為だったことに気付いていなかったことに変な笑いが出てきます。(というか一時期同じ陣営にいたのに、道長が「自分の欲望のために他人を陥れる奴」を最も嫌っていることを知らなかったのがまた小物臭い……)ジャマ神バッファの必殺技を三連続で喰らうというフルボッコぶりにはかえってスッキリしてしまいましたね。そのうえコアを破壊されて「これで終わりだと思うな!」と捨て台詞を吐く瞬間まで、見事に小物感全開でした。どっかの魔族みたいな捨て台詞だぁ……

 総じてこれまで長いこと口八丁で周囲を翻弄してきた大智の(仮面ライダーとしての)最期としては、ある意味で理想的なものだったと思います。何より願いのために他人を傷つける者の末路、本作の仮面ライダーの儚さを久々に見せてくれたという点でも印象に残るものとなっていました。

 

 

  • 姉想いタヌキ合戦ぽんぽこ

 そんな大智に危うく騙されそうになった沙羅と祢音に心配になる一方で、彼女らを見守る景和の様子も大きな見どころとして注目しました。自分がデザロワに参加していることを姉に知られていないのをいいことに、後ろからこっそりサポートする役割に回るのが景和らしかったですね。まぁ問題はその絵面があまりにも面白すぎたことなのですが……

 まず森の中で迷彩柄のギリースーツ姿になり、背景に溶け込んでいたことに吹き出してしまいました。(序盤の背景と一体化したシーンは最早間違い探しレベルです)さらにニンジャフォームに搭載されていたらしい隠れ身の術でバッファから2人を助けたり、極めつけは「ポンチッチ」なる架空のサポーターを名乗るなど、徹底して姉から正体を悟らせないように行動する様子はシュールの一言。しかも沙羅以外にはバレバレな辺りが余計笑いを誘います。本人なりに真面目にやっているつもりなのでしょうが、はたから見ていると本当に意味不明で笑えてきますね。

 とはいえ、それらのシーンから景和の人の良さが感じられる場面が多々見られのは嬉しいところ。前回の怒りに打ち震えていた時と落差が激しいのですが、こういったどこか抜けているけど心優しい景和像が決して失われていないことが感じられました。英寿とは対立関係のままではあるものの、これならいざという時は協力し合えそうという安心感もあります。ずっとピリピリした空気を見せられるのも辛いので、いつもの景和らしいほんわかギャグを忘れずに入れてくれたことには感謝したいですね。

 

 

 さて次回はデザグラ運営による「グランドエンド」なるものが始動する模様。この世界から撤収するための何かしらのイベントが巻き起こるのでしょうか。いずれにしても、運営側の思い通りになっているようで癪なので、どうにかして止めてほしいところです。

 そしてデザロワでは今回の終盤乱入してきたアルキメデルジャマトを撃破するため、英寿と道長が夢のタッグを組むことに!何気にこの2人が協力するのは今までなかったので、この展開にはワクワクさせられますね。(そして予告で2人が鍋をつついている絵面が映っているのがじわじわくる件)それぞれデザグラとジャマグラの優勝で手にした力を持ったライダー同士、最強のダブルライダーとして活躍してくれることを期待します。

 

 

 ではまた、次の機会に。