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2023年春アニメ&特撮簡易感想 その13

 

 

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 去年の夏頃にスタートしたウルトラセブン』55周年記念プロジェクト。様々な観点からセブンの物語を追求し、作品への理解を深めてくれる催しをしてくれたプロジェクトですが、今回その集大成とも言える約7分のコンセプトムービーの制作が発表されました。以前からもしや……!?と思っていた完全新作ということもあり、テンションが上がってしまいましたね。

 

metared19.hatenablog.com

↑当時のプロジェクトに関する反応は上の記事を参照。

 

 ウルトラセブン IF Story 『55年前の未来』と題された本作でまず特筆すべきは出演者。近年話題の「バーチャルヒューマン技術」を駆使して55年前のモロボシ・ダンとアンヌ隊員を出演させるという、驚きの要素を引っ提げてきました。CGとAI技術の融合で生まれた架空の人物ではあるものの、上の動画で確認出来るダンの姿は当時の森次晃嗣氏そのもの。(直立状態での走り方まで『セブン』本編で披露したものとそっくりです)現代の最新技術によって過去のキャラを復活させた光景に、思わず息を飲んでしまいます。

 またストーリーも大きなポイント。「もしウルトラセブンが地球に現れなかったら、55年後の未来はどうなってしまうのか……?」という不穏な“if”を取り扱う辺りに、セブンのメッセージ性の強い要素を引き継いでいることが感じられます。話の起こりが6話のペガッサ星人による事件からという点も、本作がセブン本編の延長戦であることが伺えますね。侵略者と戦ってくれる人がいなかった世界の地球がどうなってしまったのか、ifの2023年を怖いもの見たさで興味も湧いてきますね。

 さらに現代の森次晃嗣氏は何と「薩摩次郎」として出演する模様。セブンがダンの姿になるきっかけとも言える勇敢な青年が再び登場するのは面白いですね。(薩摩次郎のセリフで有名な「ラッキーマン」が飛び出してくる点にもニヤリとさせられます)過去の森次氏と現代の森次氏、本来あり得ない2人の邂逅が果たされることにワクワクが止まりません。公開は秋ごろの予定らしいですが、待ちきれない!の一言です。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ポケットモンスター リコとロイの旅立ち

第6話「いにしえのモンスターボール

 3話続いたロイとホゲータの物語、その1つの区切りが描かれた今回。何と言ってもロイがホゲータとの一緒に夢を叶えることを宣言するシーンが素敵でしたね。前回怖いものを前にしてもポケモンと一緒なら大丈夫と勇んだ少年が、ついにホゲータと本当の相棒になる瞬間に心が震えます。ロイの爺ちゃんをはじめとした村人が見送ってくれるシーンは、劇中のロイと同じように涙が出てきそうになります。島の外を知らない子どもが自分の世界を広げるきっかけとしては、これ以上ない描写だったと思います。

 またもう1つの見どころとして黒いレックウザの登場は中々に鮮烈でした。うすうす気付いてはいたものの、ロイの持つモンスターボールが出てきた時の衝撃は計り知れなかったですね。りゅうせいぐんで周囲をしっちゃかめっちゃかにするほどの強大なレックウザが何故ボールに入れられていたのか、その秘密も気になるところです。

 あとはアメジオたちが自分たちのボスに報告するシーンが目に焼き付きました。速水奨ボイスもあって大ボス感漂う声だけでなく、アメジオに嫌味を言う新キャラなど途端に彼らが悪の組織っぽくなってきたと感じましたね。

 

 

Dr.STONE(3期)

第6話「TREASURE BOX」

 石化復活液を無限に作るのに必要な触媒・プラチナを得るため、向かうは「宝島」。千空の父・百夜たちが残した宝箱を探す旅がいよいよスタートしましたが、船員の1人が「ソユーズ」という本名を明かすシーンが衝撃的でした。原作を読んだ時もそうでしたが、最初はただの名無しかと思われた村人が宇宙船と同じ名前だと判明した時のゾクゾクは半端なかったです。宝島が無人島ではなく別の子孫たちが暮らしていることもわかり、物語がただの宝探しでは終わらないことを予感させてくれるのが面白いところ

 何よりソユーズの自分の故郷を知りたい気持ちを肯定し、彼をすぐに受け入れてくれたのが素晴らしかったです。「知りたい」という欲求こそが科学を反映させた……そんな人間の欲望をポジティブに捉える考えが実に千空らしいと言えます。村人たちからつま弾きにされることを恐れていたソユーズの不安を和らげてくれたのも素敵でしたね。(最初は避難しかけたけどすぐに反省するコハク父もここすきポイント

 あと余談ですが、百夜の声優が故・藤原啓治さんから三上哲さんに変更されたのも忘れてはいけません。藤原さんとは異なるものの、また同じく「百夜だ」と感じ取れる三上さんの演技に少々涙ぐんでしまいましたね。

 

 

TIGER & BUNNY 2

第7話「Out of the mouths of babes oft times come gems.(赤子の口から宝石)」

 虎徹の1人娘・楓の突然の訪問にびっくりさせられた今回。劇中でも言われたように良い子過ぎて不自然に思えた彼女の行動が、全てヒーローアカデミーの見学のためとわかった時はさらに驚かされましたね。ヒーローに憧れるのが誇らしい反面、娘に危険な道を進んでほしくない虎徹の気持ちがダイレクトに伝わってきました。同時に楓自身の真剣な気持ちもこれでもかと描かれており、双方の複雑な感情に見ているこちらもドギマギさせられます。

 しかしその問題を「共に考えていく」という形で乗り越える展開に胸打たれましたね。虎徹自身漠然としていたものと向き合ういい機会になりましたし、何よりずっとコミュニケーション不足だった親子の関係が改善されたことに感動させられます。簡単に答えが出ずとも、ヒーローの在り方について真剣に考えていこうとする2人の様子に心が暖かくなりました。

 ほかには4話でも見せていたNEXTの差別問題が再び描写されていた点が印象に残りました。中でも楓の友人が、NEXTである自分が奇異の目で見られない場所としてヒーローアカデミーを選んだ事実に悲しみを覚えましたね。(それ故「NEXT能力との向き合い方」について諭していくアカデミーの理事長にグッときましたが)そんな差別問題を解決しようとするマッティアも自分に薬剤を投与してヤバそうですし、不穏なものが膨らんでいく感覚を味わうことになりました。

 

 

ちびゴジラの逆襲

第7話「ちび怪獣総進撃

 怪獣たちの抑えきれない破壊衝動!という物騒な内容も、ちび怪獣にかかれば微笑ましい怪獣ごっこに早変わり。ちびメカゴジラの部屋のミニチュアを荒らすという迷惑千万な行為であるものの、ちびゴジラのとぼけた態度でイラっ!と可愛い!の感情が同時に巻き起こされます。そんなちびゴジラ鼻から放射熱戦を漏らすシーンのインパクも抜群です。シン・ゴジラの熱線がゲ〇なら、ちびゴジラの熱線は鼻水だな……最終的にブチギレたちびメカゴジラが1番破壊衝動が強いというオチにも笑わせられました。

 「名所は最優先で壊したい」「戦闘機は噛ませ犬」「カレーは飲み物 電車は食べ物」といった怪獣映画の破壊シーンあるあるも面白かったですが、それ以上に破壊衝動でリアルタッチに代わるちびゴジラたちが印象に残りました。デフォルメ時の要素を残しながら、元ネタの怪獣に寄せたデザインにちょっと感動させられます。個人的には梶さんのドスの利いた声も相まって、ちびメカゴジラのリアルタッチに目を奪われてしまいましたね。

 

 

遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!

第58話「裸の総帥」

 UTSのみんなの元に戻ってきた矢先、力に溺れてしまったマナブちゃんはさぁ……ユウディアスたちに信じてもらえず投獄される序盤こそ可哀想だと思いましたが、ズウィージョウとのデュエルで対カルトゥマータ光線を使ってきた時は絶句してしまいました。MITとユウディアスたちとの板挟みにされていたストレスもあるのでしょうが、素でケ~ミケミケミ!とか言い出す様子には同情の涙も引っ込んでしまいましたね。

 一方突如地球に戻ってきたズウィージョウは終始冷静だったのが印象的。上述のマナブを諫めてくれたのでもちろんのこと、はやるユウディアスを止めるなど上官らしい毅然とした態度がカッコよかったです。ベルギャー星人の運命を変えるために必死だった頃を思うと、今のズウィージョウこそ本来の姿なのかもしれません。間違った形で力に酔いしれるマナブに、ダマムー(アースダマー)の力を借りる「正しい力の使い方」で勝利してみせる構図にもグッときました。

 またフェイザーが突然全裸で倒れるラストには別の意味で仰天してしまいましたね。(サブタイの「裸の総帥」ってそういうこと!?意味深でシリアスな雰囲気と、絵面のシュールさのギャップに困惑が止まりません。マナブが盗んだ謎の巻物といい、この総帥にどんな秘密が隠されているのか気になるところです。

 

 

ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ

第16話「腐れ縁の男」

 

お待たせしました……」

「闇の力、お借りします!!」

 

ZEPPANDON!!

 

 オーブに続いてまさかのジャグラス・ジャグラーがピックアップされた今回。ニュージェネウルトラマンの恒例「メインヴィラン」のはしりでもある存在ながら、それ以上にヒーロー性の強いキャラだったので選ばれたのはまぁ当然かもしれません。誰よりもウルトラマンの力を求めたのに選ばれず、闇に堕ちながらも光に縋っていた彼の葛藤の物語は何度見ても胸に込み上げてくるものがあります。ヒルを演じながらも善性を捨てきれずにいる彼はある意味で「悩めるヒーロー」だったので、カードが生成されたのも納得しかなかったですね。ベリアル「お前今日から怪獣酒場出禁な」トレギア「あとダークネスヒールズの席を私に譲っておくれよ」

 また今回はオーブとゼットという珍しい組み合わせが見られのも面白いところ。どちらもジャグラー(ヘビクラ隊長)に関わっていたという繋がりで、ゼットのノリにちょっとタジタジになるガイさん/オーブの反応にクスっとさせられました。何より2人がそれぞれジャグラーの優しさを理解しあっていることを共有し合い、最終的に彼との絆を感じる流れが素敵でしたね。ガイさんがジャグラーとの「腐れ縁」と例えたのも絶妙で、オーブ&ジャグラーの関係性を表すのにこれ以上の言葉は他にないと思ったほどです。

 

 

 ウルトラセブンと言えば今の子どもたちには「ウルトラマンゼロの父親」というイメージが大きいのではないかと思われる今日この頃。ゼロが「セブンの息子」というイメージを脱却してくれたのは喜ばしい反面、セブン本来の魅力を子どもたちに体感してほしい!とつい思ってしまいます。上述のコンセプトムービーで、様々な子どもにセブンを感じ取ってくれればいうことなしですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。