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2023年春アニメ&特撮簡易感想 その25

 

 

 

 日本が誇る特撮「スーパー戦隊シリーズ」をベースにしたアメリカの特撮シリーズ『パワーレンジャー』。シリーズ開始時には爆発的な人気を記録したという超人気シリーズが今年30周年を迎えるとのことで、東映特撮YouTube Officialにて歴代パワーレンジャーシリーズの配信が決定しました。日本の戦隊がアメリカナイズされているということで原作とは大きく異なる部分がチラホラ存在しており、双方の違いを見比べるのが楽しいシリーズでもあるので日本の特撮ファンが見てくれる機会が出来たのは喜ばしいことです。僕自身パワーレンジャーYouTubeチャンネルをちょくちょくチェックしたりDMMTVで配信されている作品を視聴したりしていますが、YouTubeで気軽に楽しめるようになったのも嬉しいところ。これを機に多くの人がパワーレンジャーに興味を持ってくれる可能性にも期待が持てます。

 

metared19.hatenablog.com

↑以前パワーレンジャーについて話題にした上の記事も是非参照。

 

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 さて今回のパワレン配信の1番手となったのが『パワーレンジャー ミスティックフォース』。日本の『魔法戦隊マジレンジャー』をベースにした作品ですが、当時制作していたのがディズニーということもあってファンタジー描写は本家以上かもしれません。ニュージーランドの広大な自然を活かした魔法の世界は中々に雰囲気が出ていますし、トロゴブリンのフィニアスといったオリジナルキャラクターは指輪物語』にも出てきそうなテイストでリアルに迫るものがあります。

 他にもアクション監督があの坂本浩一(元々はパワレンの監督としてやってきた人なんですよね)ということもあって生身から変身後のアクション、そして爆発の派手さも凄まじいの一言。ミスティック・マザー(天空聖者マジエル)が初代『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』の敵キャラ・リタ(バンドーラ)が改心した姿であるといった小ネタ*1にもニヤリとさせられます。ここまでの話を読んで興味が湧いてきた方は、是非上の動画からパワーレンジャーの世界を体感してみてください。

 

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ポケットモンスター リコとロイの旅立ち

第12話「わたしが選ぶ未来」

 焼け野原になった森を救うリコたちの活動が意外とあっさり終わって面食らった前半。とはいえずっと船にいたランドウがヌオーと共に雨を降らすなど、予想していなかったキャラの活躍などが見られて面白かったです。そしてリコのペンダントがテラパゴスらしき謎のポケモンへと再び変化したこと、オリーヴァが古のモンスターボールに入ったことといった意味深な描写が満載で目が離せなかったですね。

 そしてリコの母親「ルッカ」や絵本から得た古の冒険者「ルシアス」と「六英雄」の話は実に興味深かったです。ルシアスが残したものこそペンダントと古のモンスターボールなのでしょうが、それを媒介にしてリコとロイの前に現れたのは何かをさせるためなのでしょうか。「この世界を見つけてくれ」という言葉からして、彼が辿り着いたという“楽園”のことを指しているように思えますが……?原作の『SV』のことを考慮するに楽園とはやはりエリアゼロのことかな……

 そういった様々な情報が明かされつつ、リコが自分で次に進む場所を選ばせるストーリーが展開されたのも素晴らしいです。以前まで何がしたいのかわからなかった少女が、自身のドキドキワクワクを信じて歩んでいく過程にはグッとくるものがあります。ルシアスについて何かを知っているであろうリコの祖母がいるガラル地方に行くことも決まりましたし、謎の敵も合わせてこれからの旅に期待が持てる終わり方でした。

 

 

TIGER & BUNNY 2

第13話「Constant dropping wears away a stone. (点滴、石を穿つ)」

 長きにわたるフガン&ムガン兄弟との対決も一応の決着……しかし想像していたよりも後味の悪い結末となってしまいました。フガンのパワー反射能力を逆手にとって当人の体を壊す作戦こそ感心したものの、ヒーローと兄弟がそれぞれボロボロになりながらも対立していく様子はかなり痛々しかったです。ラーラの攻撃で吹っ飛ばされたムガンが串刺しになったシーンなんかは、敵を無力化出来た構図であってもショックを受けずにはいられませんでした。

 またこの兄弟がヒーロー狩りをしていた理由が「ブラーエおじちゃんのため」というのも胸に来ました。自分たちを育ててくれた恩に報いたいという健気さ、対するブラーエの方も兄弟を深く愛していたことがわかる描写に泣かずにはいられません。悪行そのものは許せないものの、互いに互いを想いやっていた3人のあまりにも無情な最期で思い切り意気消沈してしまいましたね。

 一方でヒーローたちの活躍は目を見張るものがありました。上述の作戦を考えたバーナビーはもちろんのこと、土壇場で力を発揮したラーラや虎徹たちとのコンビネーションでフガンを撃破したトーマスには思わずテンションが上がりましたね。特に身を挺してトーマスを庇ってくれた昴が、彼から感謝されるシーンはたまらなかったです。以前から不安だったバディがようやく前進してくれたように感じる一幕でした。

 

 

ちびゴジラの逆襲

第13話(最終話)「大怪獣の本能」

 ちびアンギラスと同じ声変わりがついにちびゴジラにも……?という疑惑から始まった最終回。あの可愛らしい姿で本家ゴジラの鳴き声を出すシーンには結構興奮させられたものの、翌日旅に出る展開には少し衝撃を受けました。「破壊衝動が強くなってみんなを傷つけてしまうかもしれない」という理由でみんなから離れたのが何ともいじらしかったですね。(手紙で噛むという謎のボケをかますところは相変わらず)泣き出すちびメカゴジラもそうですが、彼らなりの友情や絆を改めて感じられる切なさが素敵でした。

 まぁただの風邪だとわかって即座に帰ってくるんですけど。そんなこったろうとは思っていましたが、さっきまでの感動的な絵面をすぐにぶち壊してくるテンポの良さにはやはりずっこけてしまいます。とはいえちびゴジラ退場というショッキングな最終回にならず、ほのぼのとした関係が続いてくオチには安心感を覚えました。最後までちび怪獣たちのやり取りに爆笑しつつもほっこりさせられる最終回だったと思います。

 

総評

 ゴジラを可愛くアレンジしたちびゴジラのアニメ版でしたが、予想以上にカオスな内容でした。土曜日の朝7時に放送している幼児向け番組枠とは思えないほどのシュールギャグの連続で、毎回見ていて笑いっぱなしになりましたね。他にもブラックなジョークやゴジラオタクしかわからないような小ネタの数々など、子ども以上に大人がニヤリと出来る要素満載だったのも独特の面白さに拍車をかけていたと言えます。

 登場するちび怪獣は演じている声優の豪華さはもちろんのこと、キャラの濃さも印象的。ちびゴジラたちのボケに対し、ちびメカゴジラのキレのいいツッコミが入る流れは安定感がありました。他にも一筋縄ではいかない連中ばかりで見ていて飽きない話ばかりでしたね。(ちびギドラの人格ネタは初登場以外特になかったのは残念でしたが)約2分半という身近さながら濃厚で手がかかっていそうな内容で実に楽しかったです。今のところ2期の予定はないようですが、いつかまた彼らの日常を見せてほしいところです。

 

 

遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!

第64話「星に生まれた者たち」

 

Q.対戦相手が突然ドラゴンになってしまいました。どうすればいいのでしょうか?

A.出来る限りそのままデュエルを続行してください。

 

 といった感じで普通にデュエルが続いた件。ドラゴンになって暴走するフェイザーを前にして、デュエルで正気に戻そうとするユウディアスは流石といったところです。ズウィージョウのリアル妨害にも屈したことはなかったですし、どこまでもラッシュデュエルに真摯な姿勢は好感が持てますね。フェイザーの戦士の心を呼び起こす理屈はよくわからなかったものの、それで本当に心を取り戻させるのですから大したものです。

 そして竜宮兄弟が宇宙ドラゴンとのハーフであることが判明。宇宙人憎しと迫害していた彼らもまた宇宙人という事実は、劇中でも言われていたように皮肉に満ちています。またユウディアスとのデュエルを経て改心したのはいいのですが、兄弟共々受け入れるのが早すぎて困惑してしまいましたね。せめてフェイザーが自分の正体に衝撃を受けるなり、葛藤なりする様子を見せたうえでそれを乗り越えさせてほしかったです。

 デュエル描写に関しては遊飛&遊歩&遊我のカードから新たなマキシマムを作るシーンが印象的でした。予想していた展開がドンピシャできた時の興奮は計り知れませんし、そうして生まれた王道家のマキシマム超銀河王ロード・オブ・ギャラクティカの迫力は抜群の一言。そして最終的にはトランザム・ライナックで決着で付けるなど、ユウディアスと王道家の絆で勝利したと取れる構図が最高でしたね。

 

 

ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ

第22話(最終話)「未来へ」

事件を引き起こした張本人「エディオム」がついに登場。惑星イアリムで作られた人工知能として様々な文明の歴史を収集していく内に、「孤独」という名の絶望に囚われてしまった経緯にまず同情を寄せてしまいました。ウルトラマンも繋がりを絶てば孤独の果てに消えていくのだろうか?という疑問を抱いたのも当然なのかもしれません。これまで邪悪そうな敵かと思わせてきた分肩透かしを喰らってしまいましたが、エディオムそのものはどこか放って置けないものを感じましたね。

 そんなエディオムに絆の強さをわかってもらうために用意したのがニュージェネレーションウルトラマンの総決算、というのも素敵でした。タイガまでのニュージェネが揃った『ニュージェネクライマックス』やゼットも加えたトリガー完結編『エピソードZ』、そしてデッカー最終回の決戦とそれぞれのクライマックスで締めるチョイスには大きく頷かされます。個人的には仲間と共にタロウをトレギアの闇から救い出したタイガが、ニュージェネメンバーと合体してウルトラマンレイガになるまでのくだりを再び見ることが出来て大満足です。
 そして人間たちから学んだことが受け継がれていく歴史、それこそを「絆」だとエディオムに語るゼロのシーンが印象的。前回の『サーガ』などで多くのことを学んでいったゼロが「全ての出会いに意味がある」と語ってくれるのは何とも感慨深いものがありますね。さらに絆を理解したエディオムに「お前との出会いも絆に変わってる」と言ってくれるのが最高にカッコいいです。何だかんだで実に爽やかな終わり方になってくれて何よりです。

 

総評

 毎年恒例のクロニクル枠ですが、本作は半分ストーリー仕立ての内容だったのが最大の特徴でした。「失われたウルトラマンの歴史を取り戻す」という目的が序盤から提起されており、作品を振り返ることに大きな“意義”を持たせていたのが素晴らしかったですね。最終的には事件を起こした当人をも救い解決するラストのおかげで、後腐れなくお話を締められたことにも感心させられます。(ディメンションナイザーを送った人物などの謎は不明のままでしたが)

 またゼロを中心にニュージェネウルトラマンほぼ全員を出してくれたのが本作の魅力の1つ。それぞれ本人が声を当ててくれていたのでファンとしても盛り上がりましたね。振り返る話のチョイスだけでなく、「毎回誰が出てくるのか」といった楽しみがありました。大まかな構成自体は通常のクロニクルと変わらなかった分、振り返るパートで各キャラをしっかりと立ててくれていたので、例年以上に楽しんで見ることが出来たと思います。

 

 

 パワーレンジャーが配信開始されたものの、日本語翻訳された作品は少なく『サムライ(シンケンジャー)』以降はほとんど言語版のまま。こうなると他の作品も見てみたくなるので、字幕版でもいいから日本で展開していってほしいと思ってしまいますね。

 とはいえパワーレンジャーの権利は現在ややこしいことにもなっています。個人的に調べただけでも権利を持っているハスブロ東映の業務提携は既に切れており、パワレンは今独自の道を辿っていることがわかっています。(前年まで放送していた『ダイノフューリー(リュウソウジャー)』の続編である『コズミックフューリー』が現在展開されている模様。)これを考えると過去作を東映で配信出来ているだけすごいことなのかもしれませんが、どうにかして新作も見てみたいですね。いっそのこと言語版の円盤を買ってしまうか……?

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:両キャラとも原作の戦隊で故・曽我町子氏が演じていたからこそ成り立つ設定である。