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仮面ライダーギーツ 第25話「慟哭Ⅰ:ジャマトグランプリ♡」感想

願いのために踏みにじるのか

少年のためにやる気をだす英寿……エモい!(ジーン並感)

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  • 醜悪なるジャマトのゲーム

 前回ベロバによって開催が宣言された「ジャマトグランプリ」。今回のギーツはそんなジャマトたちが主役のゲームが行われることになりました。大まかなルールはデザイアグランプリとあまり変わりがないジャマグラですが、ジャマトがプレイヤーである以上人間を襲うのが主体のゲームになるのは目に見えています。不特定多数の被害を出す点では、デザグラとは比較にならないほどに悪趣味と言えますね。

 そして最大の相違点である「人間の大切なものを壊すことでスコアが得られる」ルールがこのゲームの悪趣味ぶりを加速させていました。相手が大切にしている人や物を傷つければ傷つけるほどジャマ神に近づくというのはかなり醜悪の一言。母親の退院を願って「すずなり鬼祭り」に参加しようとした「ショウタ」少年を襲い、彼が持つ花束を踏みにじるシーンにかつてない憤りを感じたほどです。第1回戦である「かみなりジャマト祭り」の町を滅ぼそうとするルールも含め、まさに最悪のゲームが始まった感覚を覚えました。

 加えてジャマト側もフィーバーバックルで強化したり、逆にギーツたちライダーが賞金首のように高スコアの対象になっているなど、両者の立場が逆転しているのが興味深かったです。今回参加しているジャマトもベロバの一撃から生き残った精鋭揃いということもあり、これまで以上に強力な個体ばかりな点も狩られる側が狩る側に回ったかのような印象を受けます。(バッファやジャマトライダーとの戦いがメインになったのもあって、例年の作品通りライダーVSライダーの構図が出来上がっているのがまた面白いです)このジャマトが主役のゲームに、ギーツたちライダーがどのように立ち向かうのかドキドキさせられますね。

 

 

  • 相手の願いに寄り添うか、踏みにじるか

 そんなジャマグラを前にして戦うライダーたちの心情を描いていたのも今回のポイント。英寿たち主役メンバーは前回と同じくデザグラを取り戻すだけでなく、ジャマトから人々を守るために戦っているのもあって応援しやすかったです。一旦ジャマトが去った後、景和や祢音がお祭りの会場を壊されたお寺の人々を手伝うシーンなどは彼らの親しみやすさもあって特に好感を抱きました。

 何より英寿がショウタ少年に寄り添う様子が印象的。以前から子どもに優しい一面を持っている英寿ですが、今回はショウタが母親のために願いを叶えようとしているのもあって俄然その優しさがにじみ出ていたように見えます。母親を探している英寿にとって、同じように家族を想う少年を助けたいと思うのも当然と言えるでしょう。いつも通りの態度を取りながら、その実少年のために俄然やる気になっているであろう英寿の姿には心が震えましたね。

 

 一方で色々と不安定な様子だったのが道長。何と言っても透の記憶を持ったナイトジャマトが出現したことが彼にとって色々と衝撃的だったであろうと思います。(姿だけでなく記憶も徹そのもの、しかし人格はジャマトに過ぎず本人ではないというのがややこしいです)自分がライダーになった理由でもある親友がジャマトとして隣に立ち、共に戦うことになったことに内心混乱しているのではないでしょうか。そんな複雑な心境の中戦いだけは止めない辺りが心配になってしまいますね。

 それ故ジャマグラで暴れる道長を見ているとそれでいいのか?と問いかけたくなります。上述通りジャマグラの悪趣味さを知ったうえで、積極的に参加している今の彼にはどうしてもモヤモヤを抱えてしまいますね。道長ライダーをぶっ潰すという願いのきっかけになった「他人の願いを踏みにじる奴ら」と同類の存在に、知らず知らずの内に自分がなってしまっていることに気付いているのでしょうか。ライダーを潰す目的のため、本来の理由すらも置いてきてしまった道長に不安を覚える回でもありました。

 

 

 今回は他にもサポーターたちの秘密とそこからくる彼らの行動も目に留まりました。ジーン曰く「姿も外見も思うがままにデザイン出来る」というのが未来人の特徴らしく、それ故に現代の人間の願いを叶える姿勢に興味を抱いているとのこと。どんな望みも思い通りな現実に退屈しているからこそ、デザグラで願いに必死になる人間を楽しめるのでしょうね。その過程で気になる参加者を推したくなる、というのも理解は出来ます。(今回のキューンみたいな行動には若干引いてしまいますが)以前人間たちを娯楽にしている彼らとの感覚に断絶を覚えるものの、そういった退屈に関しては同情を覚えました。

 また例によって激しかった戦闘シーンも印象に残りましたね。ジャマトも順当にパワーアップした結果、ライダーたちの戦いがかつてないほど拮抗しているのもあって見応えがありました。フィーバーでいい出目を引き当てるジャマトライダーに対し、リボルブオンor同じくフィーバーで立ち向かうタイクーンとナーゴの戦闘は前半の見せ場だったと思います。(個人的にはゾンビフォームを使うナーゴが新鮮で面白かったです)

 そしてバッファはベロバによってコマンドツインバックルを獲得、ということでギーツをこれまで以上に押していました。ただレイジングフォームになった直後に剣を投げ捨ててステゴロで挑んだり、チャージが足りないからとはいえ剣で自分を斬る自傷ダメージでチャージを稼ぐ様子には少々ビビりましたね。道長らしいゴリ押しっぷりが気になるものの、英寿一強とは言えない状況が形成されつつあると感じてかなり興奮させられるバトルだったと思います。

 

 

 そして次回はジャマグラ1回戦後半。町を破壊する雷発生装置が着々と出来上がっていく中、英寿は負傷した景和と祢音に代わって1人でジャマト軍団に挑むことに。今回多少苦戦していたのもあって、そろそろ英寿が大ピンチに陥ってしまうのではないかと焦ってしまいますね。しかし新フォームを獲得することで大逆転を見せてくれそうなのでちょっと一安心。(そしてパワーアップしたギーツを相手にする道長が気の毒だと思ってしまう件)

 他には予告字幕にある英寿の秘密についても気になるところ。デザグラの全貌が明らかになった今残った謎は主人公の秘密だけなので、それが明かされると思うとワクワクさせられます。果たして英寿には何が隠されているのでしょうか。

 

 

 ではまた、次の機会に。