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2023年冬アニメ簡易感想 その20

 

 

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 今年公開されるトランスフォーマーシリーズの映画トランスフォーマー/ビースト覚醒』の吹き替え情報が先日到着。主役のオプティマス・プライム(コンボイ役の玄田哲章さんに加えて、マクシマルズ(ビースト戦士)の司令官であるオプティマス・プライマル(ビーストコンボイの声を子安武人さんが担当することが発表されました。原作であるアニメ『ビーストウォーズ』のコンボイもやっていた子安さんがやってくれるというのは、日本のファンとしてはあまりにも嬉しい情報です。何気に玄田さん&子安さんという、ダブルコンボイの演者が初めてトランスフォーマー作品で共演するシチュエーションにもグッときます。

 

tf-movie.jp

 

 そして上のリンク先のページでは、そんな玄田さんと子安さんのコメントが掲載されておりこれがまた粋。玄田さんは初代コンボイの決め台詞を意識した「オートボット、そしてビースト出動!」、そして子安さんはアニメビーストウォーズのアバンを想起させるフレーズ「トランスフォーマー/ビースト覚醒』の始まりだ!」といったコメントはファンにとっては感涙ものでしょう。事実僕もこのコメントを初めて見た時は思わずテンションが上がってしまいましたね。日本の公開日が8月4日に決定した本作がより待ち遠しくなってくる情報でした。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

シュガーアップル・フェアリーテイル

第10話「ペイジ工房の令嬢」

 今回は女性職人の不遇な扱いに加え、さらには本作の世界における女性の”生きづらさ”が描かれていました。女が職人なんて!という周囲の反感は前回から引き続き行われていましたが、それ以上にペイジ工房長の娘である「ブリジット・ペイジ」の描写が中々に強烈。男ばかりの環境に嫌気がさしているのが丸わかりで、同時にそんな状況でも懸命に努力するアンに不信感を抱いているのが伝わってきましたね。

 それ故シャルにすり寄る行動には呆れつつも理解を寄せることが出来ました。誰にも理解されない孤独を少しでも慰めようと、美形の彼を手にしようとするのはまぁ当然かもしれませんね。アンのことを悪く言ってシャルの地雷を無自覚に踏んでしまうズレっぷりにはため息が出ましたが。

 そしてアンは上述の通り工房の職人たちを前にしても挫けず励んでいましたが、シャルとブリジットの様子を目撃してメンタルが若干やられてしまうことに。差別といった困難に対して滅法強くなった一方で好きな相手のことになると揺らいでしまう辺り、彼女も恋する少女であることが伺えます。そのうえ今度はキースに励まされる様子をシャルに目撃されてしまう、といった少女漫画らしい勘違いとすれ違いの布石が建てられていることにドキドキさせられましたね。

 

 

吸血鬼すぐ死ぬ2

第10話「リトル・リトル・協奏曲」「リトル・リトル・協奏曲〜鴨潰し編〜」「ミラクル・マナクル・どうしていつも俺はこうなる」

 以前はドラルクが子どもにさせられていましたが、今度はロナルド含めた周囲の面々がまとめて子ども化することに。それどころか町中の人たちが若返る異常事態には目を剥きました。(ドラルクはそのままなのはそれだけ長いこと生きてきたからでしょうね)ちん〇ん丸出しのロナルド5歳を筆頭に、有り余る無限の体力と好奇心で大人たちを翻弄していく子どもパワーが実におかしかったです。何気に変な動物をはじめとしたほか吸血鬼たちの若い姿も描かれているのが興味深いですね。

 そしてドラルクが事件の元凶である吸血鬼「アンチエイジング」と子どもの興味を引くもの対決を繰り広げるシーンで腹筋が崩壊。子どもの心理を知り尽くしている両者がトランポリンやらゲームやらを出して競い合う光景は実に愉快でした。あと一貫して子どもの餌食になってしまった「ヴァモネ」さんが今回地味にMVPなのではないかと思ったり。

 後半はナギリとカンタロウのドタバタ劇。カンタロウが特製手錠を見せてきてから2人が繋がれてしまう展開は予測していたのですが、いざそうなってみたらみたらで実に面白かったです。他の対策課職員にバレないように偽装しつつ必死に奔走するナギリの姿には笑いつつもほっこりさせられましたね。

 

 

あやかしトライアングル

第6話「視える、視えない」

 待ってましたのお色気回!元が男の祭里が女子と一緒の着替えやお風呂を如何にして突破していくかが全編に渡って描かれており、ムフフな要素も原作者が原作者であることもあって中々に際どかったです。いやぁ規制のシロガネが大忙しでしたね……肌色多めかつ乳揺れもいつになく豪華だった気がします。そして早着替えでさっさと退散する手段に感心した一方で、ルーシーたちの裸の大切な部分が後述の思念によって隠される演出には大笑いしてしまいました。あと祭里よりもすずの方が色々とハレンチになりつつある気がしなくもないような……

 それはともかく本筋はルーシーに「異魂(いこん)」なる残留思念が取り憑いたということで、緊張感はそこそこありました。パジャマパーティーのハレンチ劇場が繰り広げられている途中、倒れたルーシーの精神世界に入り込んだ男祭里の活躍には思わず見とれてしまいました。結果的にルーシーが男の祭里に惚れる展開など、まるで変身ヒーローのような複雑な勘違いオチも含めて安定感がありましたね。

 

 

転生王女と天才令嬢の魔法革命

第11話「失意と決意の精霊契約」

 前回に続いて見ていて辛い……となった今回。アニスを助けられるかもしれない手段である精霊契約の詳細が明かされましたが、案の定人ではなくなることが確定してしまう恐ろしいものだったことに驚愕。何よりその契約を選ぶことに躊躇いを見せないユフィリアに唖然となりました。アニスの笑顔を望んでいるからこそ、自分を犠牲にしてでも自由で楽しかったあの日常を取り戻して欲しいと願う彼女の覚悟がこれでもかと感じ取れましたね。

 しかしそんなユフィリアの決意に猛反対するアニスの様子が見ていて辛かったです。ユフィリアのこともそうですが、同時に王女としての自分に執着していることに驚きを隠せませんでした。魔法が使えないからこそ王女の肩書きを捨てきれないことを知った今、「私が王女でいられなくなったら何にも無くなっちゃう」というアニスの切実な言葉に胸を痛めずにはいられなかったです。

 他にもユフィリアに対して「魔法が使えてずるい」と隠していた心情を吐露するシーンなど切ない要素全開だったものの、アニスに対してどこまでも寄り添ってくれるティルティが癒しになっていましたね。国を捨てるといった元も子もない提案をしてくるものの、全てアニスのことを第一に考えてくれているのが伝わってきます。世界なんかどうなっても構わない、そのために友人が苦しむ様子は見過ごせないという彼女のぶっきらぼうな優しさが身に染みる回でもありました。

 

 

にじよん あにめーしょん

第10話「かすみとせつ菜とドッキリ」

 虹ヶ咲スクールアイドル同好会のエース・優木せつ菜の魅力がたっぷりと詰まっていた約4分間。序盤は完璧すぎるせつ菜を驚かせようとするかすみのドッキリ作戦提案から始まりましたが、実際に起きてしまったハプニングに慌てるかすみが何とも可愛かったですね。(みんな疑っていないのに「私じゃないですよ」と真っ先に弁明するカスミンがここすきポイント)そんな状況だからこそ、逆境でも圧倒的な歌と踊りでステージを沸かせるせつ菜の底力が映えていました。

 何と言っても今回のライブで「CHASE!」を披露してくれたのが最高でしたね。アニメ本編の虹ヶ咲の始まりとも言えるこの曲がまた聴けるとは思いもしませんでした。侑と歩夢にとってスクールアイドルに惹かれるきっかけになった曲に再び魅せられたことで、スクールアイドルの力と優木せつ菜の素晴らしさを再確認していく構図はこれ以上ないくらいの感動に溢れていたと言えます。

 

 

機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)

第2話「籠の中の不死鳥(フェネクス)」

 前回に引き続きフェネクスを追う各陣営の戦いが描かれましたが、ヨナたちパイロットのお労しさをこれでもかと見せつけられました。フェネクスを捜索するヨナが突如襲撃に遭い、応戦する中でナラティブのNT-D(ニュータイプ・デストロイヤー)を発動させられるシーンには驚愕させられましたね。彼はあくまでリタに会いたいだけなのに、ミシェルをはじめとした周囲の思惑に翻弄されている様子に同情の念を覚えずにはいられなかったです。そのうえリタが実験体にされた経緯、ミシェルの裏切りを知って「嘘つき」と呟くヨナの姿は本当に辛かったです。

 そして今回はジオン所属の「ゾルタン・アッカネン」も印象的でした。当初こそ戦闘禁止区域のコロニーで発砲する狂人ぶりを見せていたものの、徐々に自分のコンプレックスをさらけ出していくので一転して哀れに思えてきましたね。赤い彗星の失敗作」扱いされた過去から来る憤りやヨナへの嫉妬を露にしつつ「シナンジュ・スタイン」でナラティブを追い詰めていく様子は目が離せませんでした。(ナラティブを「二流のガンダム」と罵るシーンも、彼の境遇を考えるとまた可哀想になってきます)そのうえとっておきである「 Ⅱ(セカンド)ネオ・ジオング」をサイコミュ・ジャックでヨナに乗っ取られるシーンは、「お前まで俺を見捨てるのかよ!」というゾルタンの悲壮な叫びも相まって非常に秀逸な曇らせだったと思います。

 

 

異世界おじさん

第13話(最終話)「みんなのおかげだ、ありがとう」

 長い時を経てついに始まった異世界おじさん最終回!!魔炎竜を実体化させて倒すという手段を用いたものの、さぁどうやって倒そうかでぐだぐだし始める様子に早速笑わせてもらいました。まだ動き出しはしないとはいえ、巨大な竜の実体を前に突っ立って話している光景はあまりにもシュールの一言。経歴マウントを取ってくるメイベルや例によってツンデレを発揮してくるスイ(ツンデレエルフ)など、いつも通りのギャグが満載だったのも面白かったですね。

 しかしいざ戦闘が始まってからはまともな異世界ファンタジーバトルが繰り広げられたのでびっくり。戦闘シーンもそこそこ迫力があって、劇中のたかふみが満足したのも頷ける内容でした。(スイとの落下中のイチャイチャも最高に良き……)何よりこれまで何かにつけて自分1人で背負っていたおじさんが、仲間と協力して敵を打ち砕くのが素敵でしたね。異世界グラン・バハマルに来てからロクなことがなかったように見えて、その実おじさんにも信頼出来る仲間がいたことを実感させてくれるいい最終回でした。そしてラストの引きが気になりすぎる……2期早く!

 

総評

 というわけでついに完結した異世界もののアニメ。何と言っても異世界あるあるの要素をおじさんの強烈なキャラで皮肉っていく内容が面白かったです。基本的に善良なもののゲーム脳なおじさんが、ゲーム的思考と鈍感さで異世界の現地人を振り回していく展開はどれも愉快で見応えがありました。現実世界の面々が異世界での出来事を映画のように鑑賞する方式もあって、見ているこちらも同じような感覚で楽しめる没入感がありましたね。

 また異世界だけでなく現実世界のパートも魅力たっぷりでした。長いこと異世界にいた故のジェネレーションギャップを覚えたり、異世界の頃のノリで行動するおじさんにたかふみたちが翻弄される構図も別の形で楽しかったです。おじさんの異常なまでのSEGA愛にもドン引きしつつ、どこかノスタルジーに浸れたのも印象深いです。

 このように内容そのものは文句なしに面白かっただけに、延期に延期を重ねて全13話まで約10か月かかったことが惜しいと感じてしまいました。制作陣のこだわりなども要所要所で見られており、クオリティ維持のためにここまでかかって話題を逃してしまったことを考えるとかなりもったいないです。日本のアニメ制作環境の問題から影響をモロに受けてしまったアニメ化という印象は否めなかったですね。

 

 

 先日雑記記事で話題にしたように、映画化に合わせてアニメのセレクション放送が始まる予定のビーストウォーズトランスフォーマーシリーズの転換点でもあるからこそ、ここまで特別な扱いを受けているでしょう。もっと他のシリーズもフィーチャーしてほしいなぁ……といった複雑なオタク心は置いておいて、とりあえずはビーストを楽しんでいきたいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。