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2023年冬アニメ簡易感想 その16

 

 

 

godzilla.store

 

 皆様は「ちびゴジラ」というキャラクターをご存じでしょうか。ちびゴジラとは読んで字のごとく、言わずと知れた怪獣王であるゴジラを小さく可愛らしい姿にしたマスコットキャラです。従来の厳ついゴジラをそのままデフォルメせずに崩し、まるで別物のようなゆる~いデザインにしているのが素敵ですね。当キャラをデザインした坂崎千春*1氏のセンスが光っていると思います。

 そうして2018年から絵本やグッズ、映画館の鑑賞マナービデオなどで展開してきたちびゴジラですが、この度何とテレビアニメ化が決定しました。ウェブアニメに続く2度目のアニメ化で、タイトルもちびゴジラの逆襲ゴジラの逆襲』を意識しまくっているタイトルが特徴的です。(上のキービジュアルも当時の映画のポスターっぽいテイストにしているのがまた渋い)キリっと凛々しいちびゴジラを中心に、他のちび怪獣たちのビジュアルにほんわかさせられます。

 また本作の出演声優の豪華さにも目が行きますね。何と言っても主役のちびゴジラを演じる福山潤さんの名前を目にした時は思わず二度見してしまいました。あの愛らしい見た目からあのイケボが飛び出すのか……!?と考えると色々と面白いです。他の声優陣も有名な方々ばかりで、どのようなキャラを演じてくれるのかに期待がかかりますね。(個人的には沢城みゆきさんが演じるちびビオランテに注目しています)イニミニマニモという子ども向け番組内での短い放送ですが、出来ればチェックしておきたいところです。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

シュガーアップル・フェアリーテイル

第8話「あなたを見つめつづければ」

 アンのとんでもない職人魂を垣間見た気がする……前回の時点で自分から砂糖菓子作りに積極的になっていたことに驚かされましたが、今回はフィラックス公に真っ向から向き合うアンの姿にビビりました。愛する妖精への狂気的な愛情に囚われた公を前にしても怯まず、彼の望みを叶えようとする様子には唖然とするばかりです。

 それどころか自分の熱意を滾らせてそれに応えようとするアンの覚悟は、公に負けず狂っているように見えるものの不思議と爽快感を覚えましたね。シャルとの甘酸っぱい再会を果たしながらも、彼の制止を振り切るアンはまともなように見えて、その実根っからの職人気質なのかもしれませんね。(そんな彼女に若干呆れながらも時間稼ぎをしてくれるシャルはいい男やでぇ……

 またフィラックス公の愛に関してあまり否定的に描かれていなかったのも特徴的でした。消滅してしまった「クリスティーナ(レアリス・シール・エリル)」を蘇らせるのが目的こそ歪んでいたものの、彼のクリスティーナへの想いは決して間違いではないことが語られていたと思います。だからこそ想い人を象った砂糖菓子で、大切な人の死を受け入れ癒す方向性に持っていったのかもしれません。結局公は囚われてしまったようですが、悲劇的な結末ではないことが感じられましたね。

 

 

吸血鬼すぐ死ぬ2

第8話「オオ・ゼンラ」「半田ンダダンダンダンダダーン」「新横浜に月はまた昇るか?」

 初っ端からコゼンラならぬオオゼンラが街を闊歩する光景に吹いた。例によってまたヨモツザカがやらかした事態を、ハンターたちとゼンラニウムが食い止めるモンスターパニック的ストーリーが展開されていました。全裸の絵面がひどかった一方、その身を犠牲にして戦うロナルドたちと善良なゼンラニウムに惚れ惚れしましたね。全裸だったんだけど!!

 中盤は半田のマザコンエピソードになるかと思いきや、Y談おじさん出現で一気に半田のことを応援してしまいました。さらに息子を弄ぶY談おじさんに対しキチンと言ってやった半田母にもびっくりしましたね。それぞれ別ベクトルでポヤポヤした親子ですが、その家族仲は本物だということがわかりほっこりすることが出来ました。

 そしてラストはミカヅキくんがまさかの帰還。ロナ戦のファンになってロナルドの助手を願い出ただけでなく、シンヨコの吸血鬼対策を変な方向でしっかり立てていたことに爆笑してしまいました。以前登場した時はギャグ漫画のノリについてこれなかった印象があった中、自らギャグ時空に片足を突っ込むのは成長と見るべきか……最終的に普通に帰ったオチに不思議と安心している自分がいます。

 

 

転生王女と天才令嬢の魔法革命

第9話「姉弟と誰がための王冠」

 アルくん、お前ってやつは……前回まさかの敵対に出たアルガルドVSそれを止めようとするアニスの姉弟喧嘩が始まりましたが、予想通りながらも悲しい結末に絶句してしまいました。幼い頃より慕っていた姉を認めない国に怒り、それ以上に彼女の想いに応えられなかった自分が何よりも許せなかったアルくんの心情を考えると涙が止まらなかったです。アニスにトドメを刺される直前の彼の切ない表情、そして「なりたなかったものになれない」ことの辛さを語るシーンには胸が張り裂けそうになりました。アニスたち一家自体はお互いを想いあった良好な家族仲なだけに、アルくんの悲しすぎる選択が余計辛く思えてなりません。

 ただドラゴン戦の時に続いて、今回もユフィリアが大きな役割を果たしてくれたのが救いでしょうか。弟を殺す寸前だったアニスを止めただけでなく、アルくんにも言葉を残してくれる優しさには感激してしまいましたね。特にアルくんの気持ちを理解したうえで婚約破棄の件を平手打ちで済ませてくれる度量の深さには舌を巻くばかり。(心臓を奪った相手の優しさを知っているからこそ受け入れてくれたレイニにも感服します)結局アルくんは辺境送りになり、アニスの心に大きな傷を残す幕引きとなってしまいましたが、ここから先ユフィリアがアニスを支えてくれるだろうと期待したいです。

 

 

にじよん あにめーしょん

第8話「彼方としずくと妹」

 彼方と遥の姉妹に、しずくと犬のオフィーリアが加わったほのぼの回。お散歩中の中ばったり出会って、そのまま波打ち際で一緒に遊ぶ関係が実に微笑ましかったです。しずくと遥という組み合わせは個人的にはかなり新鮮で、可愛がられそうなイメージが強い者同士のやり取りを見れた気分です。

 そして彼方とオフィーリアがゆったり過ごすシーンもまた素敵。可愛い後輩と妹を見守りながら、愛らしい犬とのんびりとする光景にこちらも癒されます。たまにはこんな風に、大したことをせずにいる時間も大切だということが感じられたかもしれません。

 

 

機動戦士ガンダム サンダーボルト

第3話「花」

 泥沼化するサンダーボルツ宙域の戦いも前半の内に決着。イオとダリルの戦いも激しさを増す中、2人の初戦と同じように落雷が勝敗を左右したのが印象に残りました。前回は雷に助けられたイオでしたが、今度は自分がトドメを刺せる場面で雷に遮られるというのが何とも皮肉に満ちていますね。拮抗していた両者を分けたのは偶然か、それとも戦いあう運命故か……などと考えてしまいます。

 そして酸素補充のためにジオンの基地奪取に挑む「コーネリアス・カカ」が、道連れ自爆をしようとするジオン兵を止めるシーンには心が震えました。憎しみのままにやったやられたを繰り返し、終わらぬ戦争の狂気に誰もが吞まれている中で彼だけが唯一異を唱えた事実には素直に感動させられます。しかし「カーラ・ミッチャム」がビームサーベルで焼かれた仲間を目の前で見て精神崩壊したことで全てが台無しになってしまったのが何とも残念です。

 その後はア・バオア・クーでの決戦まで飛び、さらには1年戦争が終わってからの戦いにまで進んだので驚きました。激しい戦闘シーンに惚れ惚れするものの、容赦なく人が死んでいく戦場にやはり胸の痛みを覚えます。一方でイオが新たに拝領した機体「アトラスガンダム」の初陣まで描かれていたのが嬉しかったですね。ただここからさらに原作漫画に続いていくことにどこかもどかしさを覚えるラストでもありました。(というか原作を読んでいないとよくわからないシーンやカットが多かったですね)

 

 

 ちびゴジラの他にも今年の秋公開予定の新作やハリウッドのモンスターバースなど、様々な展開が続いているゴジラそれらと比べると子ども向けのちびゴジラはいささか地味に思えますが、ゴジラを知らない子どもたちが初めて見るゴジラとしては実に最適な作品とも考えられます。願わくば、ちびゴジラを見た子どもが他のゴジラ作品にも触れていき、シリーズがこれからどんどん続いていってほしいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:日本のイラストーレーター・絵本作家。ちびゴジラをデザインしたほか、有名な代表キャラクターに「Suicaのペンギン」がいる。