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2023年冬アニメ簡易感想 その4

 

 

shonenjumpplus.com

 

 ジャンプ+で連載中の漫画『ハイパーインフレーション』。奴隷問題や経済的な争いを描いた漫画で、作中のシュールなギャグと独特のセリフ回しもあって何かと話題になっている作品です。かくいう僕も隔週で更新されている本作を毎回読み込んでいる身で、毎回気になる引きや息をつかせぬ展開、そして面白おかしい登場人物とパワーワードの数々には大いに楽しませてもらっています。(「男の子に詳しい有識者」とか「ハレンチ警察は囮だぜ」とか謎のセリフをさりげなく入れるのが腹筋に悪い)

 そんなハイパーインフレーションですが、何と残り4話で完結することが発表されました。毎回詰め込みに詰め込んだ内容を魅せてくれていたが故に話が終わりに近づいているのを感じていましたが、あと数話で終わるという事実にはちょっとショックを受けてしまいますね。もっと読んでいたいという気持ちと、このまま走り抜けてほしいという気持ちが今現在せめぎ合っています。

 それはともかく、完結間近ということで同時に本作が全話無料公開されることが決定。ルークの能力描写とかその他諸々もあって大っぴらに進めにくい作品ではあるものの、とても面白いので多くの人に読んでほしいと思っています。上のリンク先で読めるので、興味がある方は是非1話からじっくり読み進めることをおすすめします。その内ページをめくる手が止まらなくなりますから!

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

シュガーアップル・フェアリーテイル

第2話「ブラディ街道」

 1話と比べると大分穏やかな様子が描かれた第2話。アンに好意を寄せる優男(?)の「ジョナス」や前回助けた妖精「ミスリル・リッド・ポッド」など、愉快な面々が旅に同行するようになったおかげで軽快で華やかな会話シーンが展開されていました。中でもミスリルは「助けられた恩返しをしたい」と主張する反面、強引かつやたら偉そうな態度が目に留まりましたね。なんだこいつ……と思いながらも、すぐにアンと打ち解けていく過程が微笑ましかったです。
 一方で妖精に関するキツい描写も相変わらず存在していました。特にジョナスが自分が連れている「キャシー」を厳しく扱うシーンは、アンへの優しい態度とのギャップもあってちょっとギョッとなりましたね。本作の世界ではこれが普通なのかもしれませんが、人間と妖精で態度がまるで違う様子には劇中のアンのように複雑な気持ちを抱えてしまいます。

 アンもその辺りについて少々悩む姿を見せていたのが大きなポイント。ジョナスのように妖精には厳しくあるべきだと頭では理解していても、感情的にはもっと距離を縮めていきたい気持ちも見せているのが印象に残りました。妖精の食事の仕方や生まれる過程などを知らない世間知らずなところがあって夢見がちに思えるものの、やはり彼女のひた向きな姿勢は見ていて応援したくなりますね。

 

 

吸血鬼すぐ死ぬ2

第2話「フロム トーキョー トゥ ネオ ベイサイド」「わくわくドラルク観察日記」「Quest of Soul Gate:魂の探求者たち」

 東京出身の吸血鬼ハンター「籠目原ミカヅキ(かごめはら・ミカヅキ)」に降りかかった災難に同情した前半。全体的にまともで使う技もカッコよさげだったのですが、新横浜のノリについていけていなかったのが何とも哀れです。さながらギャグ漫画にシリアス漫画のキャラが放り込まれたかのような感覚に陥り、同時にミカヅキ視点であの場所のハンターと吸血鬼の異常性が再認識出来ました。

 中盤はヒナイチがドラルクを観察するエピソードでしたが、彼の手作りお菓子に釣られて思考がそっちにまとまってしまう辺りが何とも可愛らしかったですね。同時にヒナイチ視点ではドラルクがどのように変わった吸血鬼なのかが知れたのもちょっとした収穫でした。上述の展開と合わせて、およそ吸血鬼らしくない吸血鬼の愉快な日常を描いていたと言えます。

 ラストのドラルクがフクマさんからのゲームレビューの依頼を受ける内容には抱腹絶倒。クソゲーあるあるを連発した後、元々クソゲーレビューだと判明する流れには笑いが止まらなかったです。様々な難関をあの手この手で解釈し、気合でプレイするドラルクの苦労も相まって面白い一幕になっていました。

 

 

あやかしトライアングル

第2話「オンナトモダチ」

 女子のまますずと同じ高校に通うことになったまつりですが、予想よりも気にせず女子ライフを過ごす彼女(彼)の適応力の高さに驚かされました。スカートのまま妖相手に大立ち回りしたり裸でシロガネを追いかけたりと、羞恥心というものをほとんど見せずに祓忍としての仕事を果たす様子には一周回って尊敬の念を抱きそうになります。そのくせ肌の作画がやたら艶めかしいのもあって、同性愛もOKになりつつあるすずのように変な感情が湧き上がってくる回でもありました。あと女子バージョンの祓忍装束がどう見ても対魔に(ry

 また誤って男児トイレに入ってしまうお約束の展開はありましたが、それを除けばまつりが周囲に怪しまれず受けいれられている点も面白かったですね。ある程度女子っぽくなくても個性として受け入れられているのはどこか現代的と言うべきか、それとも本作のキャラがおおらかと言うべきか迷うところです。
 そしてシロガネをどうするのかという問題に触れていたのも見どころの1つ。ここで倒すのは簡単ですが、まつりを男子に戻すためには元凶であるこの猫の協力は必要不可欠という形で止めるすずには好感が持てました。妖と友好的でいたい姿勢を一貫して持ち続けるすずに応えるためにシロガネを家で飼うことにしたまつりですが、これからどうなるのか気になるところです。

 

 

転生王女と天才令嬢の魔法革命

第3話「憧憬と追憶の虹霓魔剣」

 ユフィリアがお労しすぎる……晴れて王女専属助手となったユフィリアですが、明るいアニスの裏で暗い表情を何度も見せる様子に胸が痛みました。そしてその苦悩が婚約破棄で責任を果たせず、何より多くの人に迷惑をかけてしまった負い目に由来するものであることは何となく読み取れましたね。周囲の人々はユフィリアを優しく気遣ってくれていますが、それがかえって彼女の心にやるせないものを残しているのが見ていてとても辛かったです。

 それ故前回に続いてアニスの天真爛漫さがいい清涼剤になりました。トライ&エラーを繰り返しながらもめげずに自分の夢へと邁進する姿は一転して元気づけられます。さすがのユフィリアもアニスの前では固い態度を緩め、年相応の少女らしさを見せるのが素敵でしたね。アニスのこの強さこそがユフィリア再起へのきっかけになると確信する回でもありました。(しかしアニスへの憧れと「自分はこうなれない」という悲しみを含めたユフィリアの涙がまた切ない……)

 他にはアニスが開発した魔道具の数々も面白かったですね。前回の湯沸かしポッドもそうでしたが、前世の知識を活かして現実社会の道具を可能な限り再現しているのが何ともシュールの一言。一方ユフィリアに送った魔剣「アルカンシェル」は非常にクールで、魔法と科学を融合させたようなギミックには中二心をくすぐられましたね。

 

 

にじよん あにめーしょん

第2話「ランジュと愛と可愛い」

 2話目からいきなり作画開放だぜ!となった冒頭。嵐珠と愛が「どちらが可愛いか」を競う戦いを繰り広げていたせいか、要所要所でいつもの等身に戻るのがおかしかったです。一方で可愛い対決は中々の拮抗ぶりで、2人の可愛さのベクトルが違うのもあって甲乙つけがたかったですね。(終始堂々としている嵐珠と耐えられなくて笑ってしまった愛の対比も面白いところ)

他には可愛いの伝道師かすみ師匠が舞い上がりすぎて降りられなくなったり、辛口審査員の中に混じるエマの甘々な採点も印象的。特にエマが恒河沙阿僧祇と文字通り桁外れの点数をどんどん叩き出す流れは笑いが止まらなかったですよえぇ。最終的にタラシの侑が1番可愛い!?という結論にエマがとうとう那由多を出すオチの破壊力は抜群だったと思います。

 

 

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

第1話「ランディング・グラウンド」

 激動の1クールを終えた『水星の魔女』のお休みに合わせ、日5枠では他作品のガンダムシリーズを連続して放送することに。第1弾は2021年に劇場公開された『閃光のハサウェイ』ということで、ブライトさんの息子「ハサウェイ・ノア」の物語が始まりました。

 そんな第1話はガンダムというよりも洋画の導入部分といった感じの内容でした。映画を分割して放送しているので仕方がないところがあるものの、MSがほとんど出てこないので一見するとガンダムだということがわかり辛かったかもしれません。(せいぜいギャプランがサラッと映ったくらいでしょうか)ネットミームになった要素もほとんど序盤に集約されているほか、凄惨な描写が多いので再び視聴した身としてもちょっとビビってしまいますね。そして「しかしねぇ……」で有名な保健衛生大臣は「連邦高官の危機感の無さ」を表していたのではないかと思う今日この頃。

 そして主人公のハサウェイのキャラクターも印象的。普段は大人しい若者なのに対して、一度動き出したら止まらない“嵐”のような行動力のギャップはかなり激しかったです。「マフティー・ナビーユ・エリン」を名乗る偽物への苛立ちや『逆襲のシャア』で経験した大人に対する憤りなど、理性的な面の裏にとてつもない激情を秘めていることが伺えます。そんな大人のように振る舞っているけどどこか子どもっぽい、ヤングアダルトなハサウェイに注目が集まるところです。

 

 

 ハイパーインフレーション完結間近の情報にネット上でも今話題になっていますが、よく聞くのがアニメ化の話。面白い作品なのでアニメ化してほしいという気持ちがすごくわかるものの、それを希望する人たちのほとんどがNHKでのアニメ化を前提としているのが何とも愉快でした。

 まぁインフレーションの理屈や奴隷の扱い方など読んでてタメになる要素も多いのでこれNHKならいけるのでは!?と思うのは当然かもしれません。ただやっぱり作者の性癖が強すぎてこれNHKではやれないだろ!?という意見もあるのがこの話の面白さに拍車をかけていましたね。(僕も大体同意見ですが、もしNHKでアニメ化されたら吹き出す自信があります)ただそれ以上に本作を読んでいる人が多いことを知り、中々に愛されている作品だと知れたのは大きな収穫でした。これからはそんな人たちと一緒にハイパーインフレを楽しんでいきたいです。

 

 

 ではまた、次の機会に。