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ポケットモンスター(2023) 第1話「はじまりのペンダント」感想

一歩を踏み出せば、世界は変わる

本当の“自分”を見つける、新しい冒険を始めよう!!

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 ついに始まりましたアニポケことアニメ『ポケットモンスター』新シリーズ。長らくアニメの主人公を務めてきたサトシの物語が完結し、世界観を一新した新たな作品として幕を開けることになりました。というわけで1時間スペシャルでお送りした1話を早速視聴したのですが、主人公のリコを含め、これまでのアニポケにはあまり無かった要素が満載で早くもワクワクが止まらなかったです。おかげで全く新しいアニポケが始まった!という感覚を味わうことが出来ましたね。今回はそんな新アニポケ『ポケットモンスター リコとロイの旅立ち』第1話の感想を書いていきたいと思います。

 

 

  • 少女リコは(心の内で)かく語りき

 まず本作の特徴といえるのが新主人公の「リコ」。アニポケでは珍しい女の子の主人公ですが、それ以上に引っ込み思案な性格が目に付きました。奥手で相手と上手く付き合えず喋れない、いわゆる「陰キャ」的なキャラクターは結構意外でしたね。(頭の中では多くのことを考えているけれども声に出せない点など、どこか共感を覚えるところであります)そんなリコのキャラを印象付けるためか、1話からモノローグといった彼女の心情描写が物語の大部分を占めていたのも印象的です。

 かといって決して行動しない子ではないのがリコの面白いところ。感情こそ内向的ながら思い立ったことには打ち込めるくらいの行動力はしっかりと見せてくれました。初めてのパートナーであるニャオハと共に技の特訓をしたり、ニャオハが何を考えているのか観察しながら分析する積極性には好感が持てます。感情も表に出さないだけではっきりしており、その辺りも可愛らしいですね。そしてポケモンのことを思いやり、いざという時は自分を犠牲にしてでもみんなを守ろうとする性格も素敵なポイントです。

 ニャオハとの関係についてはニャオハ自身がまだまだリコに懐いていないようなので未知数、といったところ。性格も気まぐれな猫そのもので、両者の信頼はまだスタートラインにすら立っていないようにも感じます。だからこそここから少しずつパートナーとして絆を育んでいくのでしょうし、リコの頑張りもあってこの1人と1匹の今後を応援したくなる初回でもありましたね。まぁラストにニャオハが攫われる展開になりましたが……

 

 あとはやはりペンダントの謎についても気になります。リコのおばあちゃんがお守りとしてくれたペンダントですが、それを狙う連中の存在などがいきなり出てくる辺りただのアクセサリーではないことは明らか。謎のバリアと共にテラパゴスと思われるポケモンが出てきた件やニャオハの異常なまでの「このは」の威力(リーフストームにも見える)の描写からして、不思議な力を引き出すアイテムなのでしょうか。これを元々持っていたリコのおばあちゃんも含め、現時点ではわからないことだらけです。

 とはいえリコの物語の駆け出しとしては非常に楽しめました。上述の通りリコという少女の人となりが約1時間かけてじっくり描かれていたおかげで、夢を持っていない彼女の現代っ子的キャラクターに早くも惹かれましたね。サトシの物語が終わったからこそ、彼とは真逆の主人公像を打ち出す挑戦にも心が躍ります。果たして彼女が求めている「本当にやりたいこと」は見つけられるのか、そこに期待しながら見ていきたいと思います。

 

 

  • 2つのチームへの困惑と理解

 もう1つの特徴がライジンボルテッカーズ」と「エクスプローラーズ」という2つのチーム。前者のリーダーである「フリード」と後者をまとめる「アメジオ」の2人の対立がリコを巻き込んで始まる光景には色々と困惑させられました。というのも両チームともどんなチームなのか、何が目的なのかが1話時点では明かされなかったからですね。それぞれリコに近づいた理由も全く説明してくれないので、劇中の彼女のように理解を置いてけぼり感を喰らったまま後半を視聴することになりました。(さながら子どもをほっぽって大事な話を進めている大人たちをはたから眺めているかのよう気分でした)

 ただ説明の代わりに、細かな描写から彼らのキャラクターが何となく読み取れました。ライジンボルテッカーズは飛行船「ブレイブアサギ号」で多くのポケモンたちと協力しながら生活している様子からポケモンに優しいチームであることが伺えますし、対してエクスプローラーズは目的達成のために多少強引な手も辞さない描写もあって本作の悪役だということが理解出来ます。ポケモンが主体の作品において、ポケモンと仲良く共生出来ているかどうかで善良か冷徹かを判断するのはある意味“らしい”と言えます。主人公のリコと比べて描写不足感が否めないものの、これから彼らについて知れると思えばそう悪いものではありません。

 またフリードの相棒であるキャプテンピカチュウが今回印象に残りました。まさかのピカチュウ続投(声も大谷育江さんが担当)ですが、船長帽子と低い声、そして堂々とした振る舞いからサトシのピカチュウとは異なるピカチュウのイメージを打ち出していたと思います。(何より腕組みしつつ尻尾で直立不動するポーズの強者感がすごい!)技構成も「かみなりパンチ」「かげぶんしん」「ボルテッカー」と、サトシのピカチュウでは見られなかったアクションを思う存分堪能させてくれました。恐らく僕を含めた古いアニポケファンはサトピカが途中まで覚えていたボルテッカー発動にむせび泣いたことでしょう……新主人公になってもピカチュウを出すことに最初はどうかと感じましたが、ここまで別物として魅せてくれると断然テンションが上がりますね。頼もしさ溢れる船長として、全く新しいピカチュウの魅力を引き出してくれるでしょう。

 

 

 他にも気になる感想といえば学園モノの要素が早くも終わってしまったことが意外でしたね。ルームメイトの「アン」とミジュマルは活発なキャラもあってリコの友人としても素敵な存在でしたし、彼女の出番がしばらくないであろうことは少しだけ残念に感じます。ポケモンは冒険がテーマである以上全寮制学園に長く留まれないのは仕方ないと理解していますが、アンにはこれから何らかの形で再登場してほしいです。

 登場としてはもう1人の主人公である「ロイ」が1話では全く出てこなかったことにも驚きました。リコの物語の始まりを重点的にやるために初回は出番がお預けになってしまったのかもしれません。彼に関してはまだどんな子なのかはっきりしていないので、ここからの展開で評価していきたいところ。

 あとは大谷さん以外にも、過去作のメイン声優さんたちが意外なキャスティングをされていたのも素敵なポイント。まずニャオハの声をムサシやエースバーンを担当した林原めぐみさんが演じていた事実には本当に仰天しました。同じ声だと気付かせなかった辺り流石といったところです。その他にもゴウ役の山下大輝さんホゲータロトム図鑑やルカリオで有名な浪川大輔さんクワッスを演じていたことにも気付かず、エンドクレジットで二度見三度見する羽目になりましたね。こういった形でキャスト陣を続投させてくれるのは、ファンとしても嬉しい話です。

 

 

 というわけで新アニポケ1話の感想でした。サトシの卒業からどのような物語が展開されるかと期待していた中、これまで以上に縦軸の強い物語を魅せてくれるのが面白かったですね。バトル要素が薄い点も少女たちの成長活劇として重きを置いていることが伺えますし、何より新しいアニポケを思いっきりやろうとする気概が感じられるのが素晴らしいと思います。ここから始まるリコとロイの物語、早くもワクワクが止まりません。

 そして次回はアメジオたちに攫われたニャオハを救出するためにリコがライジンボルテッカーズの力を借りる模様。現時点で何も説明してくれないフリードたちですが、リコが彼らをどこまで信用してくれるかがカギになりそうな気がしますね。そしてペンダントの件や両チームの目的など、気になる謎についても積極的に明かしていってほしいです。

(ちなみに次回から感想は個別ではなく、簡易感想にまとめて軽く書いていく予定です。しかしながら印象的、あるいは好みのエピソードがあった場合は個別で書くことがあるかもしれません。形式の違いに戸惑うことがあるかもしれませんが、どうかよろしくお願いします

 

 

ではまた、次の機会に。