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ウルトラマンブレーザー 第1話「ファースト・ウェイブ」感想

俺が行く。

眩い光と共に、未知なる巨神が降臨する

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 ついに始まりました、ウルトラマンシリーズ最新作『ウルトラマンブレーザー』。最初に公開された特報からこれまでのウルトラマンとは異なるリアルな雰囲気、未知の空気を感じさせており、興奮を大いに掻き立ててくれる作品として以前から期待されていました。

 そんな期待を胸に第1話の放送を見たところ、あまりにも「異質さ」に溢れた内容に衝撃を受けることとなりました。これまでのウルトラマンとは大きく異なる挑戦的な内容は、思わぬところから奇襲をかけてきたようなイメージでワクワク感が凄まじかったです。というわけでそんな「異質さ」に触れながら、今回から新ウルトラマンの感想を書いていきたいと思います。

 

 

  • 戦いから始まる物語

 第1話でまず感じたのがストーリーの異質な構成。序盤から隊長である主人公「ヒルマ・ゲント」が率いる特殊部隊の出動シーンから始まり、いきなり怪獣との交戦に突入する流れには大いに驚かされました。日常描写を置き去りにし、怪獣の出現経緯などが一切語られないまま作戦の淡々と進んでいく様子に困惑と興奮を同時に覚えます。世界観の説明が為されないことには不満を覚える一方で、その分1話丸々怪獣と戦う部隊の戦いには一気に見入ることになりましたね。ミリタリー要素も強めでそれらが好みの人にとってはたまらない絵面の連続でもあります。いきなりド派手なバトルが見たい!という欲望を全力で解放してくれるかのような戦いでした。(あと特殊部隊が降り立った場所がウルサマの会場でも有名な池袋サンシャインシティなのが個人的にニヤリと出来るポイントだったり……)

 短い人物描写の中でもゲント隊長のキャラクターがある程度読み取れるようになっていたのも大きなポイント。降下前には隊員たちに冗談を返したり、軽い口調で他部隊との作戦を提案するなど親しみやすい人物として描かれているのがすぐにわかりました。それでいて作戦遂行時の厳格さなど部隊長らしい面も見せ、時には大胆に自ら仲間を助けに行くのが何とも魅力的ですね。何より考える人のようなポーズで状況をイメージして、作戦を構築する特徴が面白いです。基本冷静でかつ明るく、時には熱血気質でみんなを引っ張る隊長キャラとしてのイメージが早くもつくことになりました。

 また今回の敵怪獣であるバザンガの撃退作戦では、部隊同士の連携が上手くいかずに苦戦する展開が見られたのが印象に残りました。司令部の命令で当初の特殊弾を用いた作戦が中止になるわ、ゲント隊長の誘導作戦も地上部隊の牽制で台無しになるわと、思った以上にグダグダすぎて変な笑いが出てきます。ただこの展開は本作のテーマとして事前に伝えられていた「コミュニケーション」に繋がるものだと考えられますね。司令部と現場の部隊、もっと言えば人と人が上手く通じ合えばより大きな力になる可能性を見せるための布石のようにも思えます。今回のディスコミュニケーションが今後の本編にどう繋がっていくのか、その辺りにも期待したいです。

 

 

  • 荒々しくも神秘的、光り輝く謎の巨人

 ゲント隊長の腕に出現する謎の変身アイテム「ブレーザーブレス」に「ブレーザーストーン」をはめ込むことで変身するウルトラマンウルトラマンブレーザー」。本作の主役であるウルトラマンですが、その姿はこれまでのウルトラマンと比べても大分異質です。銀色を基調としたボディに赤と青のラインが入っており、左右非対称(アシンメントリー)なデザインは前作のデッカー以上。隆起した筋肉も目を引き、黒いラインと合わせることで骨のような印象を受けます。赤と青も動脈と静脈のようにも見えますし、まるで皮を剥がして筋肉と骨が露出した肉体のような仕上がりになっています。(放送前から人体模型みたいだな……とか思ったり)

 そんなブレーザーですが、戦闘スタイルの荒々しさには最初面食らいました。バザンガの攻撃を避けるためにビルによじ登ってみせただけでもかなり衝撃的でしたが、その後の飛び膝蹴りや敵の部位を引きちぎってぶつけるといった絵面も実に攻撃的で若干唖然とさせられます。その他にも威嚇するかのように「フルゥゥゥゥアァァァァ!!」と咆哮を何度もあげていましたし、時には地団太を踏む様子からはこれまでのウルトラマンの落ち着いたイメージとは大きくかけ離れた、動物園でたまに見る興奮したお猿さん「未開の地に生きる野生児」の戦いを見ている錯覚に陥りましたね。

 とはいえ周りを気にせず暴れまくる野蛮な戦いは決してせず、怪我をした隊員がいる場所での被害を避けるといった理性的な行動をしていたのも印象的。肉弾戦以外の攻撃に関しても光弾を発射する技や、光の槍「スパイラルバレード」を使ってトドメをさすテクニカルな一面も見せてくれました。特に螺旋状に光を束ねたスパイラルバレードを投げつけるのが必殺技というのも、光線技のイメージが強いウルトラマンにおいてかなり珍しいと言えますね。(当初キック技が決め手だったレオとはまた違った新鮮さがありますね)

 

 戦闘以外で印象に残ったのがゲント隊長がブレーザーに変身するまでのプロセスですね。突如隊長の腕にブレスが出現し、ブレスから出た光が彼の手を引き寄せて変身させるという絵面には本当に驚かされました。何の説明もなくいきなり出てきたのもそうですが、変身者を無理やり誘導するかのような初回変身はかなりショッキングです。緊急事態とはいえ強引なやり方で変身させる辺り、ブレーザーは結構ゴリ押しタイプのウルトラマンなのかもしれません。

 あとはやはりゲント隊長が何故ブレーザーになったのかも気になります。ウルトラマンと一体化するといった過程が全くなかったことから、隊長は以前からブレーザーと一体化を果たしていたと思われます。注目ポイントとして1話で隊長が爆心地で無傷だった伝説が語られていましたが、その時にブレーザーと出会ったのでしょうかね。他にも戦闘中は時々ゲント隊長の意識が出てくるような描写、隊長がその場で気絶していたシーン(意識だけが離れてブレーザーとなったとか?)など、謎の部分が非常に多いです。一見して穏やかではなさそうなウルトラマンですが、その分様々な謎を内包することで未知・神秘的なイメージを際立たせていると思います。このブレーザーが果たして何者なのか、その正体が少しずつ明かされていく時が実に楽しみです。

 

 

  • 遥か彼方より飛来せし赤銅の装甲

 今回登場した怪獣は「宇宙甲殻怪獣 バザンガ」。(名前からして宇宙から現れたようですが、本編開始時には既に街で暴れていたので宇宙怪獣としての印象はそんなにありませんね。)その見た目は甲殻怪獣の名前の通り、エビやザリガニといった甲殻類が二足歩行の怪獣と化したかのようなものとなっています。一方でギョロっとした目玉や鼻先は爬虫類を思わせます。また後頭部に2本の触覚が生えており、普段は下向きに垂れ下がっていますが怒ると上向きに上がるのが特徴的。触覚が下がっている時はまだ可愛らしいですが、上がると一気に好戦的な怪獣になったかのように見えるのが面白いところです。

 戦闘では所々が青みがかった赤い装甲で身を守り、両腕の巨大なツメから棘を発射する戦いぶりを披露しました。それがなくとも単純に膂力が高いようで、途中までその巨体を活かしてブレーザーを押していたのが印象的。尻尾を叩きつける様子もダイナミックでしたね。1話怪獣らしくオーソドックスな体型をしながらも、甲殻類の要素を足すことで今までにないモノも出す、いきなり大きなインパクトを残してくれる怪獣となりました。正直個人的にもかなり好みのデザインなので、何らかの形で再登場して大暴れしてほしいと思っています。

 

 

 というわけでブレーザー1話の感想でした。いきなり始まる各部隊の作戦、既に暴れている怪獣、そして何の前振りもなく変身し登場するウルトラマンと、ほぼ全ての要素が唐突・突飛すぎてかなり斬新な1話だったと思います。OPなしで始まるのもウルトラマンでは珍しく、かつてない壮大な物語の始まりを予感させてくれていました。(楽しみにしていたきただにひろしさんが歌うOPが聞けなかったのは残念ですが、それは次回のお楽しみということで)

 これ子どもや初見の人は置いてけぼりにならないのかな?といった心配も湧きますが、それ以上に視聴者としてテンションが上がりまくってしまいましたね。ウルトラマン好きが全力で作ったであろうパワーが感じられましたし、今後の展開にも大いに期待を寄せるきっかけにもなりました。また半年新作ウルトラマンを楽しめる時間がやってきた喜びを噛みしめつつ、これからの放送をさらに楽しみにしていく所存です。

 

 

 さて次回は対怪獣の防衛チーム「SKaRD(スカード)」がいよいよ結成!各分野のエキスパートが集められた精鋭部隊とのことですが、この面々とゲント隊長の絡みがどういったものになるのかが気になりますね。そして次回登場する深海の怪獣・ゲードスの出現に共に披露される初陣は如何なるものなのか、お手並み拝見といきたいところです。

 

 

 ではまた、次の機会に。