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仮面ライダーギーツ 第43話「創世Ⅴ:その名はギャーゴ!」

愛を取り戻す時

景和がミッチみたいな本当に悪い大人に利用される「悪い子ども」になりつつあることで胸のザワザワが止まらない

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  • 利用されるタヌキの行く道は如何に

 前回景和が叶えた世界で何が起こるのかと戦々恐々している中、沙羅をはじめとした景和の家族が「ギャングライダーズ」の手によっていきなり死亡する展開に愕然とした今回のギーツ。景和にとって何かしらの辛い出来事が待っているだろうと身構えていましたが、ここまでの急展開になるとは思っても見ませんでした。姉の電話を出る時の景和がいつもの調子に戻っていたのもあって、この仕打ちはあまりにも残酷と思わずにはいられなかったです。

 それもこれも景和自身の浅はかさが招いた事態というのがまた辛かったです。彼の「デザイアグランプリの全ての犠牲者が蘇った世界」自体は決して悪い願いではなかったものの、そうして蘇った人々の中に悪人プレイヤーがいる可能性を考慮していなかったことに頭を抱えてしまいます。元々が善良な一般人なだけに、明確な悪意に気付けなかったのは何とも皮肉に満ちていますね。(景和がこれまで出会ってきた犠牲になったプレイヤーが、豪徳寺や平さんなど善性の強い人物ばかりだったのも原因のような気がします)まぁギャングライダーズを作ったのは間違いなくケケラたちなので、またもや景和の善良ぶりを利用されたとも言えますが。

 さらにギャングライダーズのリーダー「浅利切人(あさり・きりと)/仮面ライダーターボン」を倒した景和が、新たなギャングライダーズのリーダーに就任した時は目を疑ってしまいました。再び願いを叶えるためとはいえ、家族を手に掛けた連中を従えるのはかなり衝撃的です。そこまでなりふり構っていられなくなったのか……と、今の景和の暴走に胸が痛むばかりです。

 そんな景和の様子が印象に残りましたが、個人的には今回の彼を見て『鎧武』のミッチ(光実)を思い出しましたね。自分の大切な人のために暴走し、悪い大人たちに利用される過程はまんまミッチを彷彿とさせます。同作のキャラである戦極凌馬の「そういう悪い子供こそ、本当に悪い大人の格好の餌食になるからさ!!」というセリフがまんま突き刺さるのも、今回の景和の特徴とも言えるでしょう。まさに悪い大人たちの喰いものにされている今の景和が、ここからどう這い上がっていくのか見守っていきたいところです。

 

 

  • 愛に気付き、家族のために立ち上がる時

 それはともかく今回のメインとなったのは祢音と両親、特に父親の光聖の心の変化でした。ここ最近は情けない姿ばかりを見せていた光聖ですが、祢音を守るために自ら戦う選択肢を取る展開には感動させられましたね。最初こそあかりの死や祢音を作った件から彼女と距離を置いていましたが、「祢音もまた自分たちの娘である」ことにようやく気付いてくれた時は思わずウルっときてしまいました。

 個人的には「愛がなければ人は幸せになれない」という言葉のくだりを見事に回収したことに感心させられました。祢音がずっと求めていたものであり、彼女の幸せを為すうえで欠かすことの出来ない要素……そんな「本当の愛」を祢音自身ではなく彼女の両親が見出す構図にグッときます。これまでは鞍馬財閥の発展を言い訳にしていた光聖然り、異常な束縛を見せてきた母親然り問題の多かった鞍馬家ですが、そんな家族にも確かに「愛」があったことを示してくれるのは素晴らしいことだと思います。これまで祢音と過ごしてきた時間は決して嘘ではないことがわかることで、この家族の幸せに欠かせない愛がようやく手に入ったと言えますね。

 祢音を救うため、光聖が英寿に戦う力を求めるくだりがまた素敵。頭を下げる姿は、まさにプライドよりも家族を優先する良き父親といったところでした。そうして手にしたIDコアで「仮面ライダーギャーゴ」に変身し、かつてあかりを拉致・殺害した張本人「沼袋一男(ぬまぶくろ・かずお)/仮面ライダーブラーリ」を倒すシーンでさらにスカッとしました。かつて娘を失った時と同じシチュエーションで、もう1人の娘を守りきってみせた光聖は最高にカッコよかったです。長いこと視聴者の胸にモヤモヤを募らせていた鞍馬家の問題ですが、ついにその問題が解決する時が来たことに興奮が止まりません。

 

 

  • 美しき幻想を守る奏撃の力

 

SET.

 

FANTASY!

 

READY FIGHT!!

 

 

 英寿が創世の力を使って生み出した「ファンタジー」バックルを使って変身したフォーム「ファンタジーフォーム」。まさかの終盤になって登場した新たな大型バックルです。しかし変身時のキラキラとしたエフェクトや演出は通常のバックルよりも豪華であり、英寿産の特別なバックルであることが伺える仕様となっています。変身後のデザインも金と紺の2色のコントラストが美しいです。他には胸部に星座あるいは魔法陣のような模様が施されているのが気になりますね。

 戦闘に関しては大型バックル特有の専用武装は持たないものの、幻想を具現化するという特殊な能力を発揮します。(ある意味では創世の力の一部が使えると捉えられますね)劇中では「ファンタジーエフェクト」と呼ばれるひし形の壁を使用し時には盾のように、時には爪のように見立てて武器にする攻防一体の戦いぶりを見せてくれました。今回バックルを使用したギャーゴ(光聖)が戦闘慣れしていないのもあって使いこなしているとは言い難かったのですが、裏を返せば戦闘慣れしている人物が使った場合、そこしれない戦力になることが予想されます。次回こそファンタジーの本領が発揮されることに期待しておきたいです。

 

 

 そして次回はついに仮面ライダーナーゴ復活!!道長に壊されたIDコアをどうやって復活させるのかといった疑問はありますが、どうやら光聖から渡されたギャーゴのIDコアがカギになる模様。(英寿の力でIDコアを別のライダーのコアに変えるのでしょうか?)さらに父が使ったファンタジーバックルを使うようですし、家族から託されたもので戦うシチュエーションに早くも興奮させられます。今回父親が切り拓いた道を、娘が引き継いで進んでいく展開が実に楽しみです。

 その他にも道長がギャングライダーズのアジトに乗り込んで景和と対決するとのこと。まどろっこしいことが嫌いな道長らしいですが、以前景和に歯が立たなかった中で挑んでくることに大丈夫なのか?とちょっと心配になってきますね。(一方で予告で発した「俺はギーツを信じる!」のセリフに心揺さぶられましたが)彼の言葉が景和に届くかどうかもわかりませんし、道長の方はまだまだ苦労しそうです。

 

 

 ではまた、次の機会に。