新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

仮面ライダーギーツ 第33話「慕情Ⅰ:バッファ無双!」感想

その「怒り」が世界の歪みを穿つ

ベン&ジョン(あと永徳さん)、変身おめでとう!!

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

  • 怒れるその身で全てをぶっ潰す

 英寿が退場し、道長がジャマトグランプリを制覇するというまさかの展開だった前回のギーツ。今回はその続きとして「慕情」編がスタートしましたが、主人公が不在なまま進んでいく衝撃的な内容が待っていました。(主題歌が冒頭で流れないという特殊仕様がまた異質)

 何と言っても道長がジャマ神として得た力で、仮面ライダーたちをバッタバッタとなぎ倒していくのが印象的でしたね。後述の仮面ライダーを倒すための力を手にし、チラミが送り込んできたライダーを次から次へと撃破していく様子には舌を巻くばかりです。かつてデザ神になったこともある者も含めた、約20人のライダーをたった1人で全滅させたのは素直に凄まじいことだと思います。

 その一方で以前の道長らしい甘さや優しさがちょくちょく感じられたのが興味深いところ。ライダーを倒すと言ってもIDコアを破壊して変身出来なくなるようにするだけでしたし*1、祢音がコアに触れないように忠告するなど、なるべく参加者を傷つけないように立ち回っていたように見えました。全てのライダーを倒そうとはしているものの、変身者本人にまで手を出すつもりがない辺り根の善良さを捨てきれていないように感じます。

 それもこれもデザイアグランプリを始めた運営側への怒りから来ているのがまた納得道長の動機に関してはずっと前からわかりきっていたことでしたが、デザグラや参加者の願いの歪みをキチンと口に出してくれたのは嬉しかったです。実際今回は「面白そう」という理由でライダーたちをぶつけるなど、運営側のチラミのやり方に憤りを覚えていたのでむしろスカッとしました。「デザイアグランプリと仮面ライダーがいない世界」とかを願うのではなく、自らの手で消そうとする不器用さもかえって愛おしく感じられます。それらの歪みを自分自身で壊すことでケジメを付けようとする、不器用ながらも壮絶な道長の怒りを感じ取れた回でしたね。

 

 

  • 許せぬ者に破壊をもたらす、神となりし暴牛

 

SET.

SET FEVER.

 

ZOMBIE!!

ZOMBIE HIT!

FEVER ZOMBIE!!

 

READY FIGHT!!

 

 ゾンビバックルとフィーバースロットバックルを装填して変身したバッファの形態の1つ「フィーバーゾンビフォーム(ジャマ神」。ジャマトグランプリを勝ち抜いた道長が手にした実質的な強化フォームです。使用バックルと便宜上の形態は12話に登場したフィーバーゾンビフォームそのものですが、ジャマ神になったことで見た目は大きく変化しています。バッファのトレードマークである角は大きく角ばった形状に巨大化し、さらには金色のマントを羽織っているのが特徴的。バッファ元々のカラーリングも相まって、さながらRPGの大魔王のような装いです。
 そしてその戦闘力は道長の願いである「全ての仮面ライダーをぶっ潰す力」に応えてか、仮面ライダーに特化している模様。基本スペックはフィーバーゾンビと変わらないものの、仮面ライダーを相手にした時のみ能力が大幅にブーストされているとのことです。劇中でもスペック的にははるかに格上のグレア2やジーンの攻撃を受けてもビクともせず、逆に自分の一撃で相手をボロボロにしていく様子は本当に衝撃的でした。(中でもグレア2のヒュプノレイや、ジーンの重力操作をもろに喰らってもゴリ押しで圧倒していく姿が印象的)英寿に次ぐ実力の持ち主である道長が、仮面ライダー特攻の力を手にするとどれだけの存在になるのかがよくわかる光景でした。あらゆるものを自分の手で片付けようとする、まさしく道長が自分自身の願いの姿勢そのものを叶えた姿と言えますね。

 

 

  • 復活のキツネ、怒りの反逆

 そして上述の通り主人公不在のまま話が進んでいましたが、ラストに突如英寿が復活した瞬間には我が目を疑いましたね。推しの想いを取り戻そうとするジーンや彼に答えを求めるツムリなど、登場人物たちの望みが伏線になっているであろうことは予想していました。しかしあまりにも唐突な復活だったので、興奮よりも先に困惑が止まらなかったです。(とはいえ主題歌をバックにギーツへと変身するシーンは素直にカッコいいと思います)

 そのため英寿が何故復活したのか?という疑問が真っ先に出てきますが、どうやらツムリが無自覚なままに蘇らせた模様。恐らくツムリがミツメのように創世の女神の力に目覚めたようです。これらの描写とスエルの言葉からして、女神の力は代々ナビゲータに宿るのでしょうか。スエルはミツメの女神の力が弱まっていることを知り、次代の女神候補としてツムリを育てていた……そんな想像が頭をよぎります。まぁ何やかんやでツムリがヒロインの存在感を一気に上げてきたのは嬉しい話です。

 あとはやはり蘇った英寿がチラミに銃口を向けるシーンが印象に残りました。劇中の様子からしてバッファからジーンを守ってくれるのかと期待していたので、この展開にはかなり驚かされました。とはいえミツメのことを思えばデザグラの真実を知った以上、英寿が運営たちに牙を剥くのは当然と言えます。道長と手を組むのかどうかは不明ですが、いずれにしても今の英寿はただのデザグラプレイヤーでもデザ神ではなく、1人の仮面ライダーとして理不尽に立ち向かってくれそうな頼もしさがありました。母や他の人たちを犠牲にする番組に怒りの鉄槌を落としてくれそうな主人公への期待が止まりません。

 

 

 他に印象深いと言えばやはりバッファと戦ったライダーたち。中でも祢音のSPであるベン&ジョンの2人の変身シーンは忘れたくても忘れられません。以前彼らがデザグラプレイヤーだったことが判明した時点で期待していたので、望むものが見れた!と内心小躍りしてしまいましたね。変身後の姿ははっきりと映されないまま退場したのは非常に残念ですが、それぞれ「仮面ライダーランサー」「仮面ライダーガルン」に変身した2人の気合の入った変身ポーズ*2を見れただけでもまぁ良しとします。

 またバッファに瞬殺された「永山一徳(ながやま・かずのり)/仮面ライダーグルービー」はどう見てもスーツアクターの永徳さんだったので思わず吹き出してしまいました。(演じているキャラの名前も永(山一)徳)ですし)こちらはマスクも用意してあってちょっと優遇されているのがまたおかしいです。アクターさんのことも知らないと見逃してしまいそうな小ネタに、少しだけフフッとさせられましたね。

 

 

 そして次回はスエルによりデザイアロワイヤルが本格的にスタート。「デザグラを許さない」と怒る英寿と道長すら巻き込んで新たなゲームを始めるスエルの目的が何なのかが非常に気になりますね。英寿たち以外にも祢音はもちろんのこと大智(久々に変身しそう)、さらには景和の姉の沙羅までもが参戦するとのことで驚きを隠せません。ついに自ら戦うことになった姉ちゃんの安否をつい心配してしまいます。

 他にもケケラがベロバに接触する模様。今回の彼は「俺は俺のやり方でやらせてもらう」と言い残して戦線には出なかったのですが、もしやベロバと交渉して景和を復活させようと企んでいるのでしょうか。未だに復活の兆しを見せない景和が蘇るのか、そちらの展開も目が離せません。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:ただしIDコアを壊されたライダーがどこに消えたのかは不明。ルールを見る限り消滅などはしていないようだが……?

*2:ベン役のマイケル・Kさんとジョン役の:トム・コンスタンタインさんは共に仮面ライダーのファンとして有名である。中でもトムさんの情熱は東映のHP(https://www.kamen-rider-official.com/geats/35/ 参照)にて残したコメントからも確認出来る。