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ウルトラマンブレーザー 第2話「SKaRDを作った男」感想

勇士と共に魔物を討て

ははーん、さてはこの番組『タロウ』と似たようなノリだな?

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  • 愉快で勇敢な仲間たち

 前回の戦いを潜り抜けたゲント隊長が「ハルノ・レツ」参謀長から呼び出される様子が印象的な冒頭。今回のブレーザーは、参謀長が設立した本作の防衛チーム「SKaRD(スカード)」の結成と初出動がメインで描かれていました。特殊怪獣対応分遣隊(Special Kaiju Reaction Detachment)の略称である本チームは頻発する怪獣災害に対応するため、GGFの他部隊とは独立した専門チームになっているのが面白いところです。前回指揮系統の混乱でバザンガを倒すのに苦労したことを考えると、現場で判断・指揮出来る部隊の存在がどれだけ重要かがよくわかります。とはいえ、ハルノ参謀長の無茶ぶりが多いらしいのが悩みの種になりそうですが……

 そんなSKaRDの個性豊かなメンバーをゲント隊長が1人1人声をかけていくのか前半の見どころでした。前回バザンガの鼻に特殊弾を発射して援護してくれた「アオベ・エミ」は想像していたよりもずっと軽い調子でしたし、副隊長の「ナグラ・テルアキ」はどこか抜けている天然キャラ(あと声がデカい)、「ミナミ・アンリ」はテンパって隊長の背中を机代わりにするトンチキ行動を取ってしまうところが可愛らしかったです。この一癖も二癖もありそうな面々をまとめるゲント隊長もまた愉快で、「隊員間では名前とあだ名で呼び合う」関係を求めるフレンドリーな姿勢が何ともクスっとさせられました。(それでも作戦中はそれぞれ厳格に行動出来るのが流石といったところ)

 またSKaRDの人員や装備について様々な言及がされていたのもポイント。隊員の少なさを「急遽集めたから」、車などの設備のショボさを「低予算感」と劇中で話していたのが何とも興味深かったです。こういったシリーズの特徴をなるべく理由づける、というのはオタク心をくすぐる要素だと言えます。そんなアットホームなSKaRDの今後の活躍が楽しみです。

 

 

 

  • 深き海より浮上する怪しい触覚

 海洋汚染の影響で地上に現れた「深海怪獣 ゲードス」。漁師たちの噂や古い伝記(太平風土記かな?)に伝わる海の魔物と呼ばれる怪獣です。鱗のような表皮を持っていることから魚のような生態を持っており、最大の特徴はやはり頭部にある触覚。先端が光って深海の獲物を誘導するという、チョウチンアンコウのような性質を備えています。同時にこの触角は異常に伸びるうえ、相手の体に巻き付けて身動きと取れなくさせるなどかなり便利な代物っぽいです。この触角から放つ電流と口から発射する高圧水流で戦うのがゲードスの基本戦術ですね。

 また陸上で行動する際は背中から熱を放出して体温を一定に保つ特徴も持っています。これは水棲生物故の特徴であると同時に、変温動物とも思える面白い生態です。(個人的には熱を放出している間、背中の周囲の空気がぼやけている演出がお気に入りです)そしてこのゲードスが本来の生息域である深海から地上に上がらなければならなかったことに、上述の海洋汚染などの問題が頭に浮かんできますが……

 そんなゲードスですが、劇中での行動は何とも可愛らしかったですね。食料の魚を求めて地上に上がり、タンカーなどの魚を食い荒らす様子は恐ろしいながらもどこかキュートに見えました。中でもカマボコ工場に頭を突っ込んでカマボコを貪る姿が印象に残ります。銭湯でもブレーザーを相手に触覚で優位に立っていたものの、触覚が切られるや否や慌てて逃げ出す間の抜けたところまで見せてくれました。被害こそ甚大ながら、その愛嬌ある行動派どこか憎めないです。

 そして海に逃げ出したゲードスをブレーザーが吊り上げるシーンには度肝を抜かれました。スパイラルバレードを釣り竿のように変形させたところで衝撃を受けたのに、そのうえ吊り上げてからバレードを投げて串焼きにするブレーザーのコミカルな倒し方までやってきたので思わず吹き出してしまいます。ゲードスの愛らしさから何まで、笑いっぱなしの戦闘でしたね。

 

 

  • 未来と明日を信じるOP

 そして今回個人的に見逃せなかったのが本作のOP。前回は流れなかったことが残念だった分楽しみにしていたので、いざ流れた時はそれはもうテンションが上がりましたよえぇ。そんなきただにひろしさんが歌う「僕らのスペクトラ」は熱くかつクールなヒーローソングといったところ。歌っている人のキャラもあって、盛り上がる部分が非常に多かったです。それでいて本作のテーマであるコミュニケーションを意識した歌詞も随所に散りばめられており、ブレーザーの曲であることを強く意識させてくれます。

 また注目したいのがOP映像。サビに入るところで怪獣たちの出現をSNSや新聞、テレビ報道といった媒体で見せてくる演出には舌を巻きました。怪獣や宇宙人の存在が知れ渡っている世界観だからこそ、現代の人々が話題にする様子にリアリティを感じます。(中でも監視カメラに映るカナン星人が不気味でここすきポイント)これをサビに持ってくるセンスは視聴者としても実に痺れますね。マニアックな演出を入れつつ、王道のヒーローらしさも損なわない見事なOPでした。

 

 

 というわけで2話の感想でしたが、1話の緊迫感溢れる絵面から一転してコミカルだった内容だったことには面食らいましたね。他にもゲードスに立ち向かう漁師のおじさんにも驚かされましたし、上述のゲードスの倒し方も含めて全体的にシュールギャグの宝庫だった『ウルトラマンタロウ』を見ているかのような錯覚を覚えます。ミリタリー要素は健在ながら、ひょうきんな面も見せてきた本作がますます楽しみになってきました。

 

 

 さて次回はSKaRDの主戦力であるロボット兵器・アースガロンがついに実装。今回のラストでこのアースガロンでブレーザーよりも先に怪獣を倒す指令が出されましたが、発足したばかりの部隊でそこまでの成果を出せるのかは疑問です。まぁ心配な面もありますが、アースガロンには『Z』の特空機のような活躍を期待したいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。