新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

デュエル・マスターズ WIN 決闘学園編(デュエル・ウォーズ) 第40話「黄昏!歯車の誘い」感想

闇満つる時“ソレ”は目覚める

マズキたちの死闘とヒロインリベンジマッチ(命名:源さん)の温度差よ

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

  • キミは、刻の涙を見る?

 今回のデュエマWINはついにきてしまった波乱の幕開け。以前から仄めかされていたウガタの闇堕ち展開が始まりました。例によって長考癖を何とかしたいと考えている矢先、チュウ太郎に連れられて謎の部屋に鎮座する壺「COMPLEX(コンプレックス)」によって変貌を遂げたウガタに、少なからずショックを受けてしまいましたね。「今はまだその時ではない」といった初期から発しているセリフはそのままなものの、不敵な態度からまるで別人の言葉のように聞こえる塩梅も絶妙だったと思います。

 そんなCOMPLEXの力で変わってしまったウガタ、言うなれば「闇ウガタ」のキャラクターには興味深いものがありました。彼にとっての悩みどころだった長考癖が無くなり即断即決するようになったものの、「時の彼方へ」といった“時”のワードを多用する様子が目に留まります。ニュータイプかな?何となくですが、これらの言動から闇ウガタは時間の流れをゆっくり捉えられるようになって一瞬で膨大な思考を巡らせるようになったのではないか?と考えてしまいますね。(その場合だと長考の問題は結局解決されていないので、もしこの予想が当たっていたら今のスッキリとしたウガタがとてつもなく痛々しく見えてしまいます

 またCOMPLEXや闇に対する崇拝っぷりも気になります。闇やマナをCOMPLEXに捧げ、人々をそこに引きずり込もうとする様はさながら狂信者といったところ。明らかにヤバそうなモノに魅入られ、それの傀儡とされてしまったウガタの現状に何とも言えない虚しさを覚えましたね。ただ予想していた闇堕ちとは少々違うもので、どちらかというと洗脳に近い描写だったのは意外でした。ウガタ自身が堕ちていない様子からも、まだ救いはありそうな予感がします。

 

 

 闇ウガタと戦ったマズキとケンドラの活躍も今回の大きな見どころ。ウガタの出来事を目撃したことから引きずり込まれそうになるホラー展開でしたが、それでもデュエマで必死に立ち向かった彼らに感銘を受けることになりました。途中までいつものギャグ要員としての立ち位置が強かった(コーヒーを飲んで「このろくでもない世界に祝福を*1のネタ渋滞っぷりには笑ってしまいました)ものの、闇ウガタとのデュエマが始まったからのマズキはビビりながらの勇敢さが一転してカッコよかったです。

 何といっても闇ウガタを前にして、以前のウガタに戻してやろうとする気概が感じられたのが素敵でした。「そんなお前が嫌いじゃなかったぜ」といった言葉や、デュエマさいこークラブの元にウガタを連れ帰ろうとする言動にもウルっとさせられます。この一連のシーンからマズキのウガタに対する好感度はもちろんのこと、さいこークラブを居場所としていることがわかりやすく描かれていて実に感動的でした。5話で早々に孤軍奮闘してみせたケンドラに続き、その兄貴分である彼もようやく意地を見せつけられたのだと実感させられますね。

 最終的にはウガタに敗北しケンドラ共々無気力ゾンビにさせられましたが、視聴者としてはマズキの漢気は評価したいところ。前作のチンピラだった頃を知っているだけに、更生してみせた彼に胸が熱くなりましたね。ウガタが悪い意味で変わってしまったのとは対照的に、マズキはウィンの仲間として変われたことがわかる回でもあったと思います。

 

 

  • 邪悪と暗黒、絶えぬ欲望を縫合せし恐王

終末縫合王(しゅうまつほうごうおう) ザ=キラー・キーナリー 水/闇/自然文明 (10)
クリーチャー:ディスペクター/ジュラシック・コマンド・ドラゴン/ドラゴン・ゾンビ
パワー15000
▪️EXライフ
▪️T・ブレイカ
▪️このクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーを1体選ぶ。その選んだクリーチャーを相手の手札へ戻してもよい。その後、その選んだクリーチャーのコスト以下のクリーチャーを1体、自分の墓地から出す。
▪️相手のクリーチャーが出て、その能力がトリガーする時、かわりにその能力はトリガーしない。

 今回のデュエマでマズキ及びウガタが使用したカード。新規のディスペクターにして縫合ディスペクターの王に位置するクリーチャーです。『キング!』で登場した終末縫合王 ミカドレオ》のパラレル的存在であり、合成元は「戦国編(バトル・ギャラクシー)」から《暗黒皇グレイテスト・シーザー》と「ドラゴン・サーガ」から《龍覇 ザ=デッドマン》で、これらは鬼の歴史における伝説のクリーチャーとされています。いずれも各ストーリーのラスボスあるいは黒幕であり、それらが組み合わさった重厚かつ禍々しい見た目はまさに大ボスと言ってもいい風格を放っていますね。

 まずクリーチャーとしての基礎スペックはコスト10のパワー15000、T・ブレイカーとかなり高め。このサイズのおかげで場持ちも良く、ディスペクター特有のEXライフも合わさって居座り性能の高さには目を見張るものがあります。加えて登場時に相手クリーチャーをバウンスし、その対象以下のコストを持つ味方をリアニメイト出来るcipも持っておりこちらも強力。単純に相手の大型はもちろんのこと、若き大長老 アプル》のようなメタクリーチャーを退かしてから展開出来るのは言うまでもなく便利です。

 そして相手のcip無効化する常在型能力も有用。《界王類絶対目 ワルド・ブラッキオ》などと同等の能力で相手のトリガークリーチャーを気にせず攻撃出来るということからフィニッシャーとしての性能は折り紙付きです。さらに上述のバウンスで戻した相手クリーチャーのcip再利用を封じるという利点も見逃せません。バウンスの弱点である返しのターンの再召喚にもある程度対応出来ることから、制圧力においても優秀と言えます。

 まとめると大型を扱うアナカラーデッキにおける切り札となりえる1枚。ディスタスを駆使して早期に出すのはもちろんのこと、《流星のガイアッシュ・カイザー》による軽減など出す手段が非常に豊富なのも魅力的ですね。(個人的にはドラゴン・ゾンビを持っていることを活かして《邪龍秘伝ドラゴン・ボーン》による早出しを狙っていきたいです)今後色が合うデッキ全般で多くの出番が期待出来ることでしょう。

 

 

 今回は他にもマズキVSウガタのデュエマパートにおける、似通ったデッキでの対戦にもちょっと注目してみたいところ。前者が【アナカラーキーナリー】、後者が【アナカラーCOMPLEX】といった感じのデッキ構成になっており、使用カードも《天災 デドダム》をはじめとして共通しているものが非常に多かったです。今回のマズキの切り札だった《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》までもウガタのデッキに入っている描写*2がありましたし、実質ミラーマッチになっていたのが面白かったですね。だからこそウガタが使用した《DARK MATERIAL COMPLEX》の異質さ、それの有無が勝敗を分ける結果になったのかな、と思わせてくる点も今回の見どころだったのかもしれません。

 

 

 さて次回はついにデュエル・ウォーズが再開。中断されていたウィンVSカイザの準決勝がようやく仕切り直しになるのは嬉しいものの、学園全体が無気力ゾンビだらけの状況のせいで素直に喜べませんね。むしろこんな時に大会を再開とか学園長は何を考えているのか?と猜疑心を抱きそうになります。

 そしてカイザの方は亡き母の声を聞くというスピリチュアルな展開が待っている模様。母が「学園の危機の原因と自身の命を奪ったのは邪神である」と伝えてきたそうですが、これまた怪しすぎて何らかの陰謀かと思ってしまいます。しかし怒りに取りつかれたカイザは邪神への復讐を誓い太陽の力を手にするようで……まだまだ暴走の危険性がありそうな彼の道行きが心配でなりません。火文明でボルシャック同士の対決という大興奮なバトルが描かれそうなものの、不安の方が大きくなってきますね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:このネタの詳細は恐らく缶コーヒーのBOSSのキャッチコピー「このろくでもない、すばらしき世界」と、ライトノベルこの素晴らしい世界に祝福を!』(『このすば』)と思われる。(ちなみにケンドラ役の福島潤さんはこのすばの主役も演じており、中の人ネタという点もあるのだろう

*2:とはいえウガタのキーナリーはCOMPLEXの下に置かれるだけしか描写されなかったのだが。