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2024年冬アニメ簡易感想 その5

 

 

 

 故・藤原ここあ氏原作の漫画かつて魔法少女と悪は敵対していた。』(『まほあく』)のアニメ情報が先日発表されました。去年アニメ化することが報じられてから初めての本格的な情報解禁で、アニメのティザービジュアル(コミックス1巻と似た構図なのが良い……)も公開されるなど本作が本当にアニメになるという感覚を与えてくれます。僕自身藤原氏についての思い入れが深いので、何とも嬉しくなってきますね。アニメ化初報時は色々思うところがあることをぶちまけてしまいましたが、いざこういった情報が出されると何だかんだでワクワクしてくるものがあります。

 

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↑まほあくアニメ化の初報の時の反応については上の記事を参照。

 

 さてそんなまほあくアニメで主演を務める声優さんも公開されましたが、小野友樹さんと中原麻衣さんの2人というのがまた素敵なポイント。小野さんと中原さんは以前発売されたドラマCDで主役2人を演じていたので、アニメでも同様のキャストを起用する采配にはニヤリとさせられます。キャラクターデザインも『妖狐×僕SS』アニメにも携わった飯塚晴子氏が担当していますし、藤原ここあファンが喜ぶポイントを掴んでいる感じは嫌いではありません。今年の夏に始まるというまほあくアニメについて、期待が持てる情報だったと思います。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

ポケットモンスター テラパゴスのかがやき

第36話「パフュートン仲良し大作戦!」

 ぐるみんのお悩み相談企画に協力することになったリコたち。相談相手であるリスナー「ユノ」のパフュートン(メス)のグルちゃんの元気がないという事態に対し、彼女のケンカ相手である「レント」とオスのパフュートン・プリンスへの恋慕などどこか懐かしさを覚える展開が待っていました。ポケモン同士は気があるのに肝心のトレーナーの仲違いで離れ離れ……という構図は初代のニドラン回然り、「ロミオとジュリエット」を彷彿とさせる古典要素だと言えますね。
 そんな中、ケンカする両者を諫めてくれたクワッスに驚愕。ダンスで周囲を魅了し、互いの想いを素直に伝えあう場を整える頼もしさには思わず惚れ惚れさせられます。グルちゃんの香りも相まってケンカを収め、最終的にユノとレントが名タッグになるまでが見られてどこかホッとさせられました。(ただ仲直りまでの過程が急すぎると感じてしまったのが少々不満ですかね)その後はリコたちに任せ目立たないところにもクワッスのいぶし銀な立ち位置が光ります。

 あとは今回のドットは終始ぐるみんとしてリコたちに接していたのも注目ポイント。放送中の時と同じノリを維持しているのも面白いですが、何より自分への相談解決にリコロイを巻き込んでいく様子を見せたのが興味深かったです。普段はリコたちに引っ張られがちなドットですが、ぐるみんモードなら逆に引っ張っていけるだけの積極性はあるということでしょうかね。

 

 

ダンジョン飯

第3話「動く鎧」

 ファンタジーやそれを下敷きにしたRPGでよく見られる「動く鎧」にスポットが当たった回。駆け出し時代のライオスが手痛い目に遭ったという強敵との戦いが繰り広げられる中、その正体を探っていく過程に胸躍らされました。裏で操る魔法使いの可能性を模索するなど、空っぽの鎧が何故動くのか?を解き明かしていく謎解き要素はまさにRPGといった趣きで面白かったですね。中に潜んでいるのが軟体生物であると判明してからの、挙動の謎がパズルのピースを嵌っていくかのように氷解していくパートも刺激的。明らかにホラーな存在である鎧を、架空の魔物の生態によって説明が付く存在にしていくストーリーに唸らされるばかりです。

 ……とまぁその辺りの展開は駆け引きもあって真っ当に面白かった一方、そんな動く鎧の生態に興味津々のライオスにはドン引きすることになりました。軟体生物の存在に気付いて色々調べる場面まではまだわかるものの、生き物だとわかった途端「食える!」と言い出した時は思わず耳を疑ってしまいましたね。魔物に関する研究への欲求とそれを食そうとする悪食っぷりは劇中のマルシルたち同様、見ていて唖然とさせられます。(とはいえ動く鎧の料理はまんま貝料理みたいでこれまた美味しそうだったのですが)基本的に話が通じるものの、根本的なところで仲間や常人とは大きく異なっている……そんなズレたライオスの本質を読み取った気分です。

 

 

勇気爆発バーンブレイバーン

第2話「イサミィーーッ!そろそろだよな、イサミィーーッ!!」

 前回突如現れて窮地を救ってくれたブレイバーンですが、今回彼に対して「気持ち悪い」という感想が真っ先に出てきました。人の話を聞かず自分の話ばかり進めるコミュ力欠如(ドイツ語を理解して話せるくせに)までは前回と同じだったものの、イサミに対する妄執に近い感情の重さはあまりにも変質的で恐怖を抱かずにはいられなかったです。しかも初搭乗の話などからしイサミとは初対面である可能性が高い点も恐怖を加速させてきますね。これの脚本家が『ウルトラマンブレーザー』と同じ人ってマジ?本作の敵勢力「デスドライヴス」にやたら詳しいことといい、このロボットは何者なのかという疑問が尽きません。

 そんなブレイバーンに付きまとわれるイサミは本当に可哀想でした。ブレイバーンがイサミの話をしている一方で、当の本人は尋問を受けている状況の温度差には困惑と彼への同情が止まらなかったです。そのうえ嫌々再びブレイバーンに乗って戦ったら全裸になる……ともうイサミが気の毒でなりません。またルイスの方はイサミを助け出したりブレイバーンと戦う意志を示したりと非常に勇ましかったのですが、相手に断られるシーンの物悲しさはこれまた可哀想。「生理的に無理」とかいう理由も酷いので、イサミとはまた別の不憫さを出していたと思います。

 あまりにも本編がカオスなのに、戦闘シーンは例によって普通にカッコいいのがまたとんでもないですね。敵幹部らしき「スペルビア」の無機質さはライバル的な魅力がありましたし、イサミが搭乗してからのブレイバーンの活躍っぷりも見事。その興奮を上の全裸展開と男2人が半裸で歌う謎EDで一気に冷まされるものですから、本当にこのアニメヤバいな……と言わざるを得ません。

 

 

葬送のフリーレン

第19話「入念な計画」

 一次試験にてとうとう始まった魔法使い同士の対人戦。試験対象である鳥「隕鉄鳥(シュティレ)」の音速で飛び回る声質や試験の説明から最も手っ取り早いのは相手パーティーが捕獲したシュティレを強奪することであるのは予想出来たことですが、いざその展開になるとギョッとさせられるものがあります。ただ「相手を如何にして出し抜くか」「効率的に奪う方法は何か」といった点で各々が策や思考を張り巡らせる様子は見ていて手に汗握るものがありますね。本格的な魔法の応酬といい、少年漫画らしいバトル展開の突入に何だかんだで興奮せずにはいられません。(個人的には「デンケン」爺さんの経験値を感じさせる姿勢が非常に好み)

 そして様々な魔法使いたちの活躍を見る中で、フリーレンとフェルンの異質さがそれぞれ描かれていたのが興味深かったです。前者は追い込み漁的作戦でシュティレを掴まれる作戦、後者は基礎的な魔法だけで戦い抜く姿が他の魔法使いたち視点でかなり特殊に見えました。視聴者としてはこれまで普通だと思っていたことも、劇中の一般的な魔法使いにとっては普通ではないことが伝わってきて面白かったです。またカンネとラヴィーネという勝手の異なる味方を緻密さと大胆さで活かしたフリーレンは流石といったところですが、個人的にはフェルンの実力の高さにも慄かされますね。相手に「熟練の魔法使いと戦っているみたい」と言わしめる彼女の才能を改めて感じ取った次第です。

 

 

遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!

第93話「歯車じかけのザイオン

 割と視聴者も忘れかけていたかもしれない、ルーグ大王たちの家具化問題にようやく切り込んだ件。そういえばまだ人間に戻れてなかったのかと思いつつも、原因であるザイオンに無理やり歯車を飲ませて能力を取り戻させようとする絵面吹き出してしまいました。それでいて大王への恨み全開のザイオンを、広い心で受け入れるルーグが素晴らしかったです。マッサージチェアにされたことについての恨み言1つ口にしないどころか、エポックたちと出会えたことに感謝する姿勢には感心させられますね。ラッシュデュエルを通じてザイオンの楽しむ気持ちを引き出していましたし、デュエルでは負けたものの大王の器を見せつけてくれたルーグお見事!といった回でした。

 デュエルパートに関してはラッシュデュエル版「融合解除」ことフュージョンキャンセルを駆使した戦術の数々が大きな見どころ。相手のフュージョンモンスターをフュージョン前の状態に戻すだけでなく、自分のフュージョンを解除して連続攻撃を仕掛けるスタイルはかなりド派手でテンションが上がりましたね。前者で相手を徹底的にメタるルーグと後者で一気に勝負を決したザイオン、と同じカードでも使い手によって異なる使い方と個性が発揮されていたのも興味深いポイントです。総じて今回のフュージョン合戦は『GX』を彷彿とさせるものがあるので、古参としても非常に見応えのあるものに仕上がっていたと思います。

 

 

トランスフォーマー アーススパーク

第16話「おとでこうげき!サウンドウェーブ

 ディセプティコン三大参謀の1人にしてカセットロンの親玉「サウンドウェーブ」との激闘が描かれた今回。その名の通り音波を武器にしてオプティマスたちを翻弄する戦いぶりに魅了されました。機械的かつエフェクトがかかった特徴的な喋り方も初代から変わっておらず、古くからのファンが想像するサウンドウェーブ像を見事に拾ってくれているのが嬉しい限りです。さらに負けて投獄されたように見せかけて、ゴーストの本拠地に乗り込む作戦だったと視聴者に明かす展開もこの謀略家のイメージを底上げしてくれました。

 そんなサウンドウェーブとの戦いではメガトロンのオプティマスとの和解までの流れが注目ポイントとなっていましたね。かつての忠臣に「裏切り者」呼ばわりされショックを受ける中、すかさずオプティマスのフォローを受けて協力プレイを見せる様子に心が暖かくなりました。前回は意見の違いからぶつかっていた2人ですが、互いの溝を理解したうえで尊重し合う側面も判明して視聴者としてはとてもほっこりさせられる仲直りだったと言えます。これが本当のコミュニケーションだぞ聞いてるかブレイバーン?

 あとはバンブルビー何だかんだでロビーたち(「カセットって何?」発言にフフッときたり)のことを想っている描写にニヤリとさせられました。オプティマスとの任務にはウキウキするものの、指導役を降りるつもりはない姿勢を見せつけた辺りに成長が感じられます。前回と同じくアーシーが出した「意見をはっきり口にする」も合格しましたし、すっかり先生が板についてきたということでしょう。

 

 

 藤原ここあ作品といえばやはりいぬぼくこと妖狐×僕SSも忘れてはいけません。最近久々にアニメを見返してみたのですが、妙だけど暖かな本作の世界観はやはり魅力的だと再認識しました。アニメについては途中で終わっているので2期とかに期待していしまうものの、原作のその後の展開を考えるとここで終わるのが無難だったとも思います。とはいえあのラストをアニメ化して原作未読の視聴者の困惑を見てみたい自分もいるのですが……この気持ち悪い感情は置いておいて、ひとまずはまほあくの方を待つ所存です。

 

 

 ではまた、次の機会に。