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2024年冬アニメ簡易感想 その25

 

 

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 先日開催された「デュエル・マスターズ 日本一決定戦2023」。多くのDMPが見守る中で激熱な試合が繰り広げられ、後で見返した僕自身大いに盛り上がりました。特に決勝戦で《堕呪 ギャプドゥ》のスーパー・S・トリガーで逆転する瞬間は、まさに「一発逆転のカードゲーム」をテーマにしたデュエマらしい展開で興奮が止まらなかったです。(【青魔導具】がまた優勝したことについてはしぶとすぎる……となりましたが)

 それはともかく、その会場にて以前告知されていたSpecial Movie「導火」がついに公開されました。月詠みのユリイ・カノン氏が作詞・作曲したこの曲と、J.C.STAFFが制作したアニメーションの相性は見事の一言。様々なものを試してみるもののイマイチのめり込めず不完全燃焼でいる若者が、かつて楽しんでいたデュエマとの再会を果たして「挑戦する姿勢」を取り戻していく……かのようなストーリーが読み取れます。年齢的に上の映像の主人公はかつて勝太世代を楽しんでいたと思われるところから、手を引いてデュエマの世界に引きずり込んでくれたのが勝太、背中を押してくれるのがルシファーといったチョイスになっているのが素敵ですね。

 またジョーVSバサラの師弟対決やウィンVSアバクの闇使い対決など、短い時間ながら各キャラの魅力を引き出してくれている映像の数々にはファンとしては大いに唸らされるところ。個人的には逆転がテーマなのにボルメテウスで容赦なく逆転の目を潰していく初代主人公の勝舞相手に戦意喪失しかけていた主人公が、歴代のライバルたちの激励を受けて前を向くシーンがここすきポイントですね。(白凰が勝太と戦っているためかライバル枠にザキラがいるのがちょっとおかしかったり)憧れの存在にデュエマで挑む主人公は、ライバルと同じ「挑戦者側」であることが伺えます。そうして架空の世界で自信を付けていく様子に、見ているこちら側も勇気づけられました。デュエマアニメが一旦終了して寂しい気持ちもある中、こうした形で新たな映像展開が見られて何よりです。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ポケットモンスター テラパゴスのかがやき

第45話「はるか、遠くまで」

 エクスプローラーズを一旦退け、ついに黒いレックウザとのバトルが開幕。フリードだけでなくリコたちも積極的にバトルに参加し、レックウザに挑む様子にテンションが上がりました。相手が伝説のポケモンということもあってまるで歯が立たないものの、それぞれが工夫を凝らして少しでも通用するよう奮闘しているのが伝わってきましたね。キャップのボルテッカーを利用した飛行法で、ニャオハたちを飛ばす戦法などには特に驚かされます。

 そこにアメジオが来た時はどうなるのかと思いましたが、まさかの共闘展開にこれまた大興奮。ライバルキャラとの呉越同舟の構図は素直に心躍ります。(「指図するな」とツンケンしたアメジオと、それを笑っていなすフリードのやり取りも良き)リザードン&ソウブレイズのWテラスタルによるコンビネーションは、作画の美麗さも相まって見惚れてしまいましたね。

 そして最大の見どころは何といってもリコのニャオハのニャローテへの進化!事前に告知されていたものの、いざ光り出した瞬間の高揚感は計り知れません。またテラパゴスのため、フリードに頼ってばかりではなく前に出ようとするリコの決意の強さに呼応するかのようにニャオハが力強く飛び立ったのもエモいですね。ニトロチャージを覚えたホゲータも含め、レックウザに勝利することは出来なかったものの得たものは間違いなくあったと言えるでしょう。またギベオンが色違いのジガルデを連れていたインパクトに全てを持っていかれてしまった次第……

 

 

ダンジョン飯

第13話「炎竜3」

 前回ファリンを助けて一件落着かと思ったのも束の間、絵の中で出会ったダークエルフこと「狂乱の魔術師」によってまたもや兄妹が離れ離れになってしまう展開に愕然としました。このダークエルフが迷宮の支配者という真実だけでも衝撃的なのに、こちらへの敵意剥き出しで襲い掛かってくる様子に慄いてしまいます。話が通じなさそうな態度も相まって、前回までの和やかな雰囲気が全て吹き飛んでしまいましたね。またファリンのことを竜として扱っていましたが、それはやはりドラゴンの亡骸を元に蘇生したから……

 そんな魔術師相手にファリンを奪われたライオスパーティーの中で、今回はチルチャックにスポットが当たったのが大きな見どころ。命知らずなライオスたちに苛立ちを見せ逡巡したりもしていましたが、それも全て彼らのことを想ってのことだと自身が気付くまでの流れにグッときました。ドライなリアリストを気取っているようでいて、本質的には非常に仲間想いのチルチャックの引き留めにはどこか感動させられるものがあります。妹のことで前が見えなくなりそうだったライオスが冷静になれたのも、心配するチルチャックの言葉がしっかりと届いたからでしょう。

 地下で出会ったオーク族長の妹「リド」も素敵でしたね。登場当初こそ野蛮な面が目立ちましたが、事情を理解した後の協力的な態度やチルチャックを諭す様子などで印象がひっくり返りました。特にチルチャックに「素直に死なせたくないと言えばいいのに」とバッサリまとめる辺りは、外敵には暴力的ながら基本身内への情に厚いオークらしいシンプルさがあると感じましたね。

 

 

勇気爆発バーンブレイバーン

第12話(最終話)「勇気爆発の、その先へ!!」

 イーラに一撃で敗れたブレイバーンと精神崩壊したイサミへの衝撃が止まらない最終回。こんな状況でどうやって逆転するのかと思っていたら、イサミがブレイバーンっぽく振る舞い始めるという予想の斜め上の展開に唖然することとなりました。勇気爆発のその先がヒーローのように振る舞う(イサミから見たブレイバーンを真似ている?)イサミ自身といった答えなのでしょうか。とはいえイサミに後を託していくスミスや、勇気融合合身で生まれた「バーンブレイブビッグバーン」の金ぴかっぷりは普通にカッコいいと思ってしまいましたが。あと後ろでマグマを食べていただけの「ポーパルチープム」が勝手に爆死して終わったことに吹き出してしまったり……

 イーラ撃破後に現れた最後のデスドライヴス「ヴェルム・ヴィータ」との戦いでも、いきなり必殺技をぶっ放すわとノリが凄まじいの一言。挙句の果てにはウルトラマンティガよろしく仲間たちの勇気を集めて巨大化する芸当までやってのけたので笑いが止まらなかったです。駆けつけてくれた仲間の声援やスペルビアソード、必殺技によるマスク割れまでスーパーロボットのお約束をとことんまで詰め込んだような絵面と展開の暴力には最早清々しさすら覚えます。戦いを終えてスミスが復活するラストまで含め、カオスとトンチキの中に笑顔になれるハッピーエンドまで用意していた点もお見事でした。そして最後のカラオケ字幕付きOPまで本当にやりたい放題でしたね。(歌詞の間に挟まれる(間奏13秒)には吹き出してしまいましたよえぇ)

 

総評

 何なんだこのアニメは!?で始まり、何だったんだろうこのアニメは……!?で終わったとでも言うべき作品。騙す気満々の初報と180度異なる勇者ロボットのテイストコテコテの第1話から、毎回意味不明なノリとトンチキ展開でこちらの思考をぶっ飛ばしていった印象を受けました。ブレイバーンの気持ち悪さやイサミの不憫さ、そこかしこに挟まれる制作側の性癖ともいうべき要素などありとあらゆる方面でシュールの極みみたいな笑いを提供してくる破壊力たるや……大張監督たちがやりたいことを全部詰め込んで、それらをゴリ押しパワーで良い感じに感動させる方向性にまとめたロボットギャグアニメに仕上がったように思えてなりません。

 それでいてブレイバーンの正体が未来から来たスミスなど、物語の伏線に関しては緻密で構成が真っ当だったのが恐ろしいところ。何よりヒーローに憧れていたスミスとそうでもないけどヒーローの素質アリのイサミの対比が興味深いですね。情けないところも多いけれども基本善性が強いイサミが、スミスに奮起されることで本当のヒーローになっていく過程を丁寧に描いていたとも思います。本作における勇気とは、普段はそうでもない人が極限状態の中で立ち上がれるかどうかなのかもしれません。相手のことを知るために踏み込んだり他人のために戦おうとするなど、そんな誰しもが持てる勇気を爆発させていくヒーローを描いていたと捉えることも出来るでしょう。まぁここまで書いて何ですが、こんなにまともじゃないアニメは後にも先にも生まれてきませんね多分。

 

 

トランスフォーマー アーススパーク

第26話「2ばいたのしくいきよー」

 ナイトシェードが仲良くなったはぐれディセプティコン・タランチュラスが何か企んでいるのではないか?と疑ってかかった前回。しかし今回、彼が純粋に自由に気ままに暮らすつもりだったことが判明して驚愕することになりました。ナイトシェードとも研究の中で親睦を深め、友人関係を築いていく様子があまりにも意外でした。過去作を知っていると驚かされる穏やかさですが、だからこそ興味深いと言えます。(そんな2人のビークルモードを「もう1人の自分」と捉える会話もここすきポイント)

 何よりタランチュラスが戦争への危機感や人間不信を拗らせていたのが印象的。自分の友人に危険が迫っていると思い込み、ドットたちの記憶を消そうとする暴走には思わず胸が痛みました。何より「戦争がまた始まる」と目の前の平和を信じていないなど、厭戦家でありながら誰よりも戦争の影から逃れられていないというのは何とも皮肉な話です。(ただ400万年も続いているトランスフォーマーの戦争が突然終戦したのですから、戦時下で生きてきた当人には信じられないのも無理はないのかもしれません)

 そんなタランチュラスの暴走を、メカフクロウのビーストモードを手に入れて止めるナイトシェードの活躍には惚れ惚れさせられました。家族を守るためだけでなく、タランチュラスの誤解を解き、彼に「やり直すチャンス」を与えようとする健気さに胸打たれます。最後はゴーストから逃げるために離れ離れになってしまった2人ですが、何らかの形で再会してほしいですね。

 

 

 デュエマアニメといえば4月に入ってから、Dアニメストアにて歴代デュエマアニメの見放題配信がスタートしたと聞いて驚きました。ニコニコ動画でも検索すると出てくる辺り本当のようで、『新生輝デュエル・マスターズフラッシュ』を除くアニメが揃っているとのことです。またフラッシュがハブかれてる……アニメ放送終了後にいきなり入ってきたことに戸惑ってしまうものの、こうした措置は嬉しいですね。

 Dアニメストアでデュエマが見られるとなると、僕も加入しようかちょっと悩んでしまいます。調べてみたところ同サブスクでは『トランスフォーマー マイクロン伝説』や『サンダーバード ARE GO』も配信されているみたいですし、個人的にも好みの作品が多いので迷ってしまいます。というかどうせならみんなアマプラでの配信やってくれないかな……などと贅沢なことまで考えてしまったり。

 

 

 ではまた、次の機会に。