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2024年冬&春アニメ&特撮簡易感想 その1

 

 

 4月に入ってから早数日が経過しましたが、皆様は如何なるアニメライフをお過ごしでしょうか。いくつか始まった新作のアニメの中から、気になる作品を視聴し始めたころかと思います。かくいう僕も、以前から楽しみにしていた作品からいざ見てみてから惹かれた作品まで多くのアニメを確認している最中です。

 今回から例によって、そんな2024年春アニメの感想を書き残した冬アニメと共に始めていきたいと思います。新作の感想はまだ2作だけですが、今後増やしていく予定です。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ラグナクリムゾン

第24話(最終話)「光」

 強さをさらに極めたウォルテカムイと生き返ってでも喰いつくラグナの死闘、両者の戦いは予想していた以上にあっさりとした決着で終わりました。雷の速さを極めたカムイに対し、それすらも超える光の速さの二連撃を決めるラグナがシンプルながらカッコよかったですね。見合ってからの緊張感は長い一方で、勝負が決まる瞬間は目にも止まらぬほどの一瞬というのは、実に「達人同士の一戦」としての雰囲気が詰まっていたと言えます。

 そしてアルテマティアにトドメを刺したのはまさかのヘゼラとこれまた驚きの連続。(この辺りは「奴を殺さず時操魔法を使わせればみんなを生き返させられるのでは?」と葛藤するヘゼラがここすきポイント)そしてアルテマティアが翼の王になる瞬間の回想も明かされ、自分の意志を選んだようでいて最後まで神の支配を死んでいったものの声から逃れられなかった彼女の哀れさに顔を覆ってしまいました。兵団側の失ったものも甚大で、どこまでも心にしこりが残る勝利になってしまった印象は拭えなかったです。

 ただスターリアをはじめとして何人か生き残っていたので多少は救われましたね。何より悲しみに明け暮れていたラグナが、それを心に押しとどめたうえで新たな戦いに向かう姿が何とも爽やかで素敵でした。悲惨な境遇に胸を痛めることはあれど、悲観的では終わらない「俺たちの戦いはこれからだ!」になってくれたと思います。

 

総評

 2クールにわたって放送された激強主人公VS化け物軍団の極限バトルアニメ。序盤こそ話の進みがスローペースであることにヤキモキさせられましたが、アルテマティアと邂逅してからハイテンポで面白さも加速していきました。人知を超えた力で人間を蹂躙する竜を、それ以上の力で圧倒する主人公の構図は中々に爽快感がありましたね。それでいて一強では終わらない対立構図や二転三転する戦況の有利不利、人間側も底知れない実力を発揮したりと回を重ねるごとに作品としての魅力が増えていったイメージです。

 中でももう1人の主人公であるクリムゾンの存在が大きな注目ポイント。目的のためなら手段を選ばず合理的に敵味方を蹂躙する、主人公側とは思えない外道っぷりが鮮烈でした。それでいて要所要所でしくじって痛い目を見るので、ヘイトが溜まり過ぎない構成も見事。鈍感でストイックなラグナとの剣呑な関係も絶妙な塩梅になっており、物語を大いに盛り上げてくれたと感じています。

 他には根本的にズレた竜側にも譲れないものや悲しい過去を背負っている描写、対してスターリア率いる銀装兵団の気持ちいいキャラクターなどサブキャラに至るまで非常に濃かったです。おかげで見終わるころには敵味方問わず多くのキャラに愛着を覚えましたね。個人的にかなり気に入った作品なので、原作漫画の方もチェックしてみたいと思いました。

 

 

メタリックルージュ

第13話(最終話)「コード・イヴ」

 全ての黒幕であるロイ・ユングハルトの真意が語られた最終回。文字通り裏で糸を引いていたのは察せられていたものの、ジルの思考なども全て用意されていたものだという真実には度肝を抜かれましたね。目的もネアンの新たな可能性云々と実験的な側面が強く、この男にとってルジュも他のネアンも全てモルモットに過ぎなかった点に衝撃を隠せません。またネアンに記憶を移したユングハルトの態度が、イメージよりもテンション高めだったのも困惑と恐怖を増幅させていたと感じます。

 そんなユングハルトの目論見を止め、シアンを救うために繰り広げられた最後の戦いではルジュとナオミがまさかの合体。(この形態こそタイトルにある「メタリックルージュ」なんですかね?)ナオミのイドを渡した時点で彼女に何かしら起こるとは思っていましたが、この展開はシンプル故に熱かったと思います。全てが手のひらだと思っていたユングハルトの予想を超えてきたのが、ルジュ自身が選んだナオミとの絆だったということでしょう。例え用意されていた道でも、選んだのは自分自身であるというメッセージを強く印象付ける決着となっていました。

 その後は簒奪者のウイルスが挿入されるかと思いきやジーンがあっさり阻止してズッコケたり、シアンがそのまま帰らぬ人になったことを悲しんだりと情緒も大変なことになりました。しかしネアンがアジモフコードから解放され、自らの意志で行動出来るようになった世界での希望は少なからず残っていたのが素敵でしたね。わからないことだらけでも、この2人なら乗り越えられるだろうという確信も得られたと考えています。

 

総評

 中々にストイックな印象を受けたオリジナルアニメーション。変身ヒーローのような要素を内包しつつ、人造人間の悲哀やそれを解決するための課題などが絡み合った複雑な物語となっていました。ロボット三原則を元ネタとした設定など被支配者層に着目したSFは独特なものとなっており、回を増すごとに注目してしまうパワーがあったと思います。世界観の説明がまばらなので理解するのに苦労しましたが、咀嚼するたびに味わい深いものを感じるアニメでしたね。

 本作に関してはやはり主人公のルジュが自己を確立していく過程に注目したいところ。はじめは家族の言いなりで行動していた少女が、世界や人々に触れる中で正しいこととそうでないことの違いに悩むようになる様子が丁寧に描かれていました。葛藤の果てに自我を見つけていくストーリーに、いつの間にか親のような目線で見るようになっていたのが感慨深いです。ある種幼児のような存在であるルジュを見守ることで本質を理解していく作品だったかもしれません。

 あと個人的には本作のキャラの言い回しが好みですね。ルジュの「○○さん?」といった呼びかけは不思議な魅力がありましたし、子どもが大人ぶっているような口調は効いていてクセになりました。他のキャラたちの間でも小粋なジョークが飛び交っており、ちょっとした洋画を見ている気分に浸れたのも面白かったです。

 

 

終末トレインどこへいく?

第1話「ちょっと行ってくる」

 水島努氏が監督を務めるオリジナルアニメ最新作は、いきなり投げつけられた謎の世界観に困惑させられることになりました。池袋辺りで突然世界が歪んだと思ったら、飯能の吾野駅にて動物になってしまった住人たちを見せられて最初は理解が追い付かなかったです。それでいて住人はそれを受け入れてのんびり暮らしているのですから実にシュール。しかし動物化した住人がたまに正気を失ったり、外の地域では木になってしまった人もいるらしい話が出たりと世界そのものが恐ろしい事態になっていることは伝わってきます。冒頭に出てきた「7G回線」の影響によって、呑気ながら緩やかに世界が崩壊に向かっていく様を目撃している気分になってきました。

 しかし未だに人間のままである少女たちの存在のおかげで、本作の見るべきものは捉えられました。主人公の「千倉静留(ちくら・しずる)」の目的は7G事件以前にケンカ別れしてしまった友人「中富葉香(なかとみ・ようか)」に会いに行くというシンプルなものですし、そのために西武2000系の電車に乗って池袋に向かう展開もわかりやすかったです。(ラストに「池袋駅まであと30駅」と表示されるのが地味にここすきポイント)「女の子が電車を操縦する」というシチュエーションを実現するために、ぶっ飛んだ世界設定にする辺りは流石水島監督といったところでしょうか。2人のケンカの原因やたまに元に戻る「善次郎(ぜんじろう)」さんが語った7Gの謎など気になる要素も多いので、今後が楽しみになってきました。

 

 

狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF

第1話「収穫祭と狭くなった御者台」

 往年の名作ライトノベル『狼と香辛料』のアニメがまさかのリメイク。旧アニメが2008年放送という事実に戦慄しつつ、あちらよりも原作のイラストに寄せたキャラデザと開始数分の雰囲気に早くも引き込まれました。剣も魔法も存在しない中世ヨーロッパ風の世界を舞台に、穏やかながら心がザワつかされる雰囲気は健在といったところ。メインの声優も旧作から続投しており、当時を知る者としてはノスタルジーに浸ってしまいます。

 何といっても主人公の「クラフト・ロレンス」とヒロイン「ホロ」のやり取りに懐かしさを覚えますね。若い行商人が豊穣の神たるの賢狼を名乗る素っ裸の少女に出会ってドギマギする……当時と全く同じシチュエーションの再現に舌を巻くばかり。(旧作よりもロレンスの警戒心が強いように感じましたが)そしてホロが帰りたがっている北を目指すロードムービーとしての空気も久々に味わえて満足度が高かったです。

 他にもアニオリキャラだったクロエがいなかったり(それっぽい少女がチラッと映ったそうな)と、旧作との違いを見つけるのも楽しいです。新アニメの原作に忠実な点も含め、そういった楽しみ方にも従事していきたいですね。

 

 

ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ

第10話「英雄たちの邂逅」

 ブレーザーキーに関する謎を追う中で、マウンテンガリバーの意外な正体が判明。去年のジェネスタでゼロたちが邂逅した人工知能「エディオム」の再登場には大きな衝撃を受けました。前作とタイトルが同じなのはそういった繋がりがあったからなのか!と納得しつつ、あのエディオムが前向きに人間やウルトラマンの絆を見守るようになったことに感動してしまいますね。かつて孤独を感じるあまり暴走してしまった人工知能が、今やユカやイグニスといった仲間を得て和気あいあいと過ごしていると思うと心が暖かくなります。

 そして振り返り映像はエディオムが集めてきたウルトラマンの“繋がり”がピックアップされました。『ウルトラ10勇士』でウルトラマンコスモスをはじめとした平成ウルトラマンたちの共闘が紹介され、彼らが助け合うことで困難を乗り越えてきたことを端的に示してくれていましたね。(中でもウルトラマンメビウスがルーキーを卒業して「ウルトラ警備隊の精鋭」と呼ばれるようになっていたのがグッド)さらにイグニスは自分が変身するトリガーダークのエピソードを話し、ウルトラマンの多さにユカが混乱してしまうなど微笑ましい様子が多く描かれていたのが素敵でした。

 

 

 2024年の春アニメは気になる作品が多いので、冬アニメ以上に選ぶのに苦労しそうです。ついさっき視聴した『ゆるキャン△』など感想を書くのが確定のものもあれば、まだ迷っている作品もいくつか……とこれまた頭を悩ませています。ただこれもまたアニメ視聴の醍醐味とも言えるので、苦しみつつも楽しんでやっていきたいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。