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2024年夏アニメ簡易感想 その13

 

 

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 1977年に創刊してから、「ガッツな笑いとド迫力!!」のキャッチフレーズで今なお児童雑誌の最前線を行く月刊コロコロコミック。先月発売された最新8月号にて通算“555(コロコロ&ゴーゴーゴー)”号へと到達しました。かつて子どもたちが『ドラえもん』をたくさん読める漫画雑誌を作ろうとした人たちの想いが、50年近く続いていることに感慨深いものを覚えます。

 そんな555号を記念した特別なPVが先日発表されましたが、歴代の連載作や掲載ホビー&ゲームをまとめた内容は豪華そのもの。各年代の代表的な作品が集結しており、子どもの頃コロコロを読んだことがあるあらゆる世代の人には必ず刺さる瞬間が収まっていることでしょう。個人的にはデュエマやゾイド、ベイブレードにビーダマンとミニ四駆といった玩具、ポケモンやロックマンエグゼなどのゲームの映像もドストライクで興奮させられます。(漫画に関しても『ドラベース』や『コロッケ!』辺りの世代なので懐かしくなる場面が多かったです

 何よりこのPVアニメの主役に現在連載中の『運命の巻戻士』の主人公・クロノが抜擢されているのがグッド。コロコロ連載漫画の中でも屈指の面白さと人気を誇る本格SF漫画であり、ファンも多い本作がセンターに据えられているのには大いに納得がいきます。クロノが巻戻士として時間を超えられる設定を持っているのがまた絶妙で、彼がコロコロの歴史を履修(リトライ)しているストーリー性が感じられますね。最前線で戦っている主人公がドラえもんをはじめとした大先輩たちを学び振り返る……そんなコロコロの歴史そのものをまとめた動画はコロコロキッズだった身としても感激の一言です。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF

第18話「決意の積荷と覚悟の交渉」

 アマーティを大損させるため、頼りになるのは錬金術師たちが抱えた黄鉄鉱。ということで以前出会ったディアナさんたちとの交渉や、相場に挑む瞬間までの様子に既にハラハラさせられました。前回同様必死なロレンスが映る中、彼の話を聞いてくれる人たちの暖かさが胸に沁みますね。その過程で商人に必要な「忍耐」の要素が語られたのもポイントで、チャンスのためにどこまでも待つ姿勢がどれだけ重要で難しいことかが示されていたと思います。バトスさんの了承などからも読み取れますが、ロレンスの策に光明がもたらされたのはひとえに彼の忍耐と人柄あったこそなのでしょう。

 あとはマルクとの会話で触れられた「行商人の呪いが解けかかっている」話も興味深かったです。純粋なまでに商人だったロレンスが、ホロとの出会いと触れ合いを通じて人間臭い部分が増してきたというのは大いに頷かされる話です。彼女を渡さないために今必死になっていることからも、ロレンスにとってホロが大切な存在になっているのは明白。それをロレンス本人に気付かせる展開は、視聴者としてもかなりスッキリさせられますね。自分にとってホロは何なのか?の答えをようやく見つけ出せた、ロレンスの晴れ晴れとした態度に少しだけ希望を見出せた気分です。まぁ翌日アマーティの揺さぶりで早速動揺しまくるんですけどね……

 

 

かつて魔法少女と悪は敵対していた。

第4話「動くものを追う習性があります」

 前回も姿を見せていた悪の幹部の1人「フォーマルハウト」のアホの子っぷりに癒された今回。補佐という名の監視役と化した友人をあの手この手で排除しようとするミラに対し、フォーマルハウトの彼を慕う様子が何とも可愛いかったです。ミラの明らかな嘘にも疑いを持たないところはまだしも、投げたボールを取ってくるのは完全に犬じゃん!とツッコみたくなりましたね。それでいてミラと白夜双方に分け隔てない優しさを見せてくれるので視聴者的には邪険にし辛い、そんな愛すべきおバカワンコへの好感度が改めて上がりました。

 一方ミラはフォーマルハウト相手に割と辛辣なのですが、それ以上に白夜への独占欲を発揮してきたのが見逃せません。上手いこと言ってお裾分けのケーキをひとりじめするシーンなどは最高に大人げなくて変な笑いが出てきました。そのくせ白夜とフォーマルハウトが触れ合えば軽く嫉妬し出すなど、ここにきていじらしさを爆発させてくるので見ていて頬が緩んでしまいます。これまでは白夜の保護者的側面が強かっただけに、徐々に束縛彼氏の片鱗を見せてきたことに胸が高鳴ってしまいましたよえぇ。

 

 

【推しの子】(2期)

第16話「開幕」

 脚本の件は解決したので、ここからは役者たちのターン。まず感情演技に苦戦するアクアが監督の下で指導を受けるまでの前半は、あかねとの仄暗い密会もあって妙な緊迫感を覚えました。復讐相手を探し出し殺すことを目的としているアクアですが、それを受け入れたあかねの存在もあって余計に後に引けなくなっている印象を受けましたね。復讐への強迫観念から五郎としての人格と別々になってきている、アクアの不安定さが見ている側の不安を掻き立ててきます。

そんなアクアの共犯者になろうとしているあかねですが、それ以外にもかなに対する複雑な対抗心が一気に表面化してきたのが注目ポイント。かなが幼少期の憧れ故に彼女への厄介ファンと化していることが本格的に描かれ、ライバルとしても異常な執着を見せつつあるのが面白いところです。まぁあかねのかなキチっぷりはさらに先がありますから……そのくせ周囲とのやり取りではかなとのレスバにボロ負け、という惨状がさらに笑いを誘います。

 あとはやはり「鳴嶋メルト(なるしま・メルト)」の奮闘も見どころでしたね。今日あまでは大根演技だった彼が、必死に努力している姿には胸打たれました。かつてのいい加減な自分を恥じ、少しでも周りに追いつこうとするいじらしさがたまりません。要所要所で辛辣な扱いをされても、めげずに頑張っているので彼のことを素直に応援したくなってきました。

 

 

時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん

第5話「それぞれの決意」

 自分からバスタオル姿を見せてくるのは正直微妙。やはり恥じらいがないとなぁ……という超個人的な性癖を認識させてくるヤベー妹キャラ・有希。政近に対して自分からラッキースケベイベントを実現させようとする行動力には軽く引いてしまいました。そのうえ「揉めないEカップより揉めるCカップ」発言はさらに衝撃的。言動が一昔前のラノベアニメのヒロインらしい部分満載で、あまりの色気のなさから一周回って親しみすら持てますね。(なお兄・政近も政近でチラリズムに価値を見出す辺り似た者兄妹である)それでいてアーリャを応援する兄への複雑な心境を抱えているのが興味深いところです。

 さらに後半ではアーリャと政近のイチャイチャパートがいつも通り繰り広げられましたが、アーリャがかつてないほど政近を意識し出すのが痛快でした。彼女のフィルターでカッコよく見え始める、というのははたから見れば典型的な恋煩いの描写そのものなので思わずニヤリときてしまいます。前回の告白から政近に対する好意が爆発してきたのが丸わかりで、鈍感な政近も相まってこそばゆくなってきます。「こんな人を好きになるはずがない」のお手本のようなセリフもあって、こちらもまた懐かしのラブコメを見ている雰囲気に浸れましたね。

 

 

ちびゴジラの逆襲

第31話「ヘドさんの長話

 ヘドさんことちびヘドラのしくじり先生回。(※ただし本人のしくじりではない)例によって人間は愚かを主張してくるヘドさんの、何か身に覚えのある失敗話の連続に親近感を覚えました。その結果後述の長話について「話が長くなる年寄り」の例を持ち出すのが腹筋に悪かったです。この辺りは、ヘドさんはどこまで自覚があるのか怪しい部分があるからこそのおかしさが生まれていたと思いますね。

 そんなヘドさんに対して速攻でげんなりし出すちび怪獣たちの反応も残当というべきでしょうか。あまりに長い話で早々に飽きて、「誰が最後まで耐えられるか」という勝負が始まるのが愉快でした。さながら朝礼の校長先生のお話でコソコソ遊んでいる子どものような、大人なら懐かしさを感じさせてくれる一幕でもありましたね。

 

 

 コロコロの555号記念企画は上の動画の他、連載作品の大量無料公開も先日開催されました。上述の巻戻士をはじめとした月刊連載から、『ぷにるはかわいいスライム』などの週刊コロコロ(コロコロオンライン)の作品まで全話読める太っ腹な企画です。

 

 

 とにかく作品の数が多く、全部を追いかけるのはかなり難しいからこその楽しみでもあります。この無料公開を受け昔愛読した懐かしの漫画を読み返すのも良し、今話題のコロコロ漫画に追いつくのも良し、と楽しみ方は無限に存在しますね。今月の6日までと期間は短いですが、それまでに気になる漫画を是非チェックしてコロコロ作品の奥深さを味わってみるのは如何でしょうか。

 

 

 ではまた、次の機会に。