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Duel Masters LOST ~追憶の水晶~ 第1話 感想

あなたのせいで

世界は滅んだ。

そろそろ始めようではないか!全てをとりもどすデュエルを!!

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 『デュエル・マスターズ WIN 決闘学園編』の放送終了から約半年、ついにアニメ『Duel Masters LOST(デュエル・マスターズLOST) ~追憶の水晶~』の配信が開始されました。長いこと待たされましたが、いざ始まった時の高揚感は半端なかったです。週刊コロコロにて連載が始まった漫画の時点で何かと話題を呼んだ本作のアニメ化ということもあり、ファンの1人として楽しみにしていました。

 

metared19.hatenablog.com

↑原作漫画1話の感想は上の記事を参照。こちらも合わせて読んでいただけると幸いです。

 

 さてそんなわけでアニメの第1話を早速見たわけですが、期待通りのダークな要素と不穏な空気が目白押しだったのが面白かったですね。さらに原作に様々な変化を加え、原作既読者にとっても驚きの多いアニメ化に仕上がっていました。というわけで今回からアニメデュエマLOSTの感想を、原作との相違点も含めて書いていこうと思います。

 

 

  • 異質な主人公&ヒロイン

 まず主人公「斬札ウィン(きりふだ・ウィン)」の描写についてですが、アニメでは彼の視点から見た“居心地の悪さ”のようなものが全体を通して描かれていました。バイト仲間の誘いを断るシーン然り、終始どこか物憂げな表情を見せている点然り。決して誰かと仲が悪いわけではないものの、彼が孤独の中にいることが何となく伝わってきますね。これは記憶喪失であるが故に自分が斬札ウィンなのか、この世界は自分の居場所なのかわからない……といった懊悩を抱えているからでしょう。後述のニイカたちと共にいる時はいくらか楽しそうでしたが、それでも心のどこかで彼女らにも壁を作っていそうな気さえしてきます。

 そんなウィンの周りを彩るヒロインの存在も大きな見どころ。今回目立っていたのは何と言っても「香取ニイカ(かとり・ニイカ)」で、ウィンにグイグイくるシーンが盛られていたので思わずこそばゆいものを覚えます。(ダーリン呼びとか飛び込みを止めて赤面ビンタとか一昔前のラブコメっぽいのも好み)人気インフルエンサーとして街頭テレビに映るなどややギャルのような明るさ故に、仄暗いウィンと一緒にいる様子がより不思議なものになっていました。とはいえ何も覚えていないウィンに「(好きなことを)もっと見つけていこう」と言ってあげる回想もあって、2人の関係が特別なものであることが伺えたのは興味深いポイント。これらの描写だけでも本作のヒロインであることを印象付けることが出来たと思います。あと「闇の王」云々と不穏な発言をしていましたが割とノリでいっている可能性があったり……

 対する「クリスタ」の方は現状出番が少ないので多くは語れませんが、ウィン以上に彼の過去に固執しているかのような様子が目に留まります。終盤ウィンの許嫁であることを宣言する衝撃カミングアウトの最中でも、ウィンのことを何でも知っているかのような口ぶりを披露しているラストは特に印象的。そのため彼女にとってウィンが自分の全てであることはわかるものの、それは記憶を失う前のウィンに過ぎないのかもしれない可能性を見出さずにはいられません。加えて冒頭で無残に死んだ一般人の屍(グラサン)を踏みつけるシーンからは、彼女が他の人間に対し興味を抱いていないことも読み取れますね。良くも悪くも自分の知るウィン以外眼中にないクリスタが、今のウィンにとっては異常なモノでしかないようにも思えてきます。

 総じてニイカとクリスタという正反対なヒロインに挟まれたウィンの様相は原作同様、シリーズの中でも異質なものをこれでもかと主張してきましたね。この三角関係が本作において重要な要素になりそうなので、今後もこのラブコメ染みているけどちょっと怖い絵面に注目しておきたいところです。

 

 

  • 普通のデュエマに潜む恐ろしきクリーチャー

 本作を語るうえでもう1つ触れておきたいのが劇中のデュエマやクリーチャーの扱いについて。デュエマアニメなのに全然デュエマしている描写がない(宮井との一戦もカット)ことで初見の人ほど驚いたことでしょうが、本作におけるデュエマが現状「ただのカードゲーム」であると説明しているようにも見えましたね。他のデュエマ作品で登場するデュエマ台などが登場せず、ファミレスでカードを広げて遊ぶ辺りにリアルなTCGの風景を感じました。他にもウィンたちに絡んできた不良が光っているカードを売って金になりそうと話しているシーンも、デュエマを知らない層の反応を描いていたとも取れます。

 また個人的に笑ったのがウィンの仲間である「宮井(みやい)」のデュエマルール説明をニイカがキャンセルするシーン*1ですね。視聴者がデュエマのことを知っている前提というのもあるのでしょうが、それ以上にカードゲームとして楽しむ要素は極力排した構成になっていることをアピールしているように思えました。これらの演出のおかげで本作の異質性が十分に伝わってきます。そしてここから始まるであろう、命がけの戦いとしてのデュエル・マスターズとのギャップが大きくなりそうで楽しみになってきました。

 同時にクリーチャーが人間を襲うシーンもかなりのインパクトでした。原作の時点でショッキングだったシーンを、クリーチャーのハイクオリティなCGでより強烈に魅せていたかと思います。実際のゲームではそこまで強くはない《うごめく者ボーン・グール》ですら、ここまで恐ろしい存在に見えてくるのですから大したものです。人間を容易くねじ伏せてしまうクリーチャーの恐ろしさが、これでもかと描かれていました。(《アビスベル=ジャシン帝》もウィンには気さくなもののそこそこ怖かったです)このクリーチャーたちのいる世界は何なのか?そういった疑問と共に本作の世界観に引き込まれる1話でもありましたねこれらの謎が原作でも一向に明かされていない点には不満を覚えるところなのですが……

 

 

 他にも宮井が落としたレアカードが飛翔龍 5000VT》のダイヤモンドビクトリーカードで本当に売ったら金になるレベル*2だったり、彼とウィンのデュエマがまさかのジャッジキルで決着が付いたりしたのも面白かったですね。(ウィンのデッキに1枚足りないのはやはりジャシン帝なのでしょうか)こうした実際にデュエマで遊んでいるプレイヤーにわかるネタを、さり気なく仕込む具合にクスっときます。デュエマパートの方でも似たような小ネタに期待したいところです。

 あとは本作のウィンとデュエマWIN本編におけるウィンとの共通点もわかりやすくなっていたのが個人的なここすきポイント。上述のウィンの態度に反して、デュエマを始める際のテンションの上がりようには本来のウィンの面影を見ました。またウィンが部屋でデッキを掴む際、ジャシンが目覚めるシーンもWIN1話と酷似しているので興味深いです。(雰囲気はあちらとは真逆で、大分おどろおどろしくなっていましたが)そのうえウィンの自室にシラハマの灯台らしきものが映った写真が置いてあるなど、本編ウィンの関連性を匂わせてくるだけにワクワクとヤキモキが同時に湧いてきた次第です

 

 

 というわけで今回の感想はここまで。全体的な印象としては、ウィンの視点整理による見やすさや日常パートの増加が大きな評価点といったところでしょうか。原作ではモノローグが多めだったり淡白だったシーンが、説明セリフなしでも十分に伝わるよう上手いこと雰囲気づくりに成功していたと感じています。特にニイカや宮井たちがウィンにとって気兼ねのない親友であることがよりわかりやすくなっていたことに好感が持てますね。(バイト仲間とのやり取りも見事に対比になっていました)

 何より久々のデュエマアニメとして大いに興奮させられました。決闘学園編で一旦終わってしまったテレビシリーズから大きく一転したものの、クリーチャーが動き回るアニメーションなどはそのままなのでそれらを見ているだけでテンションが上がってきます。この調子でデュエマパートなども増やしつつ、原作を絶妙に補完をしてくれる作品として物語を盛り上げていってくれたら嬉しいところ。(記事冒頭の見出しにもある「あなたのせいで世界は滅んだ。」というキャッチコピーの意味合いも気になりますね)そして『ドラゴン娘』のように新規層にも注目してもらえる、新しいデュエマの波を起こしてくれることに期待していく所存です。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:過去のアニメシリーズでは第1話に必ずと言っていいほど「ルールを説明しつつデュエマを繰り広げるシーン」が挿入されるからこそ通じる描写でもある。

*2:ダイヤモンドの5000VTの買い取り価格などを調べたところ、5万円前後はするほどの超高額レアカードであることがわかった。