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仮面ライダーガヴ 第33話「一撃必殺!!オーバーガヴ!」感想

幸せになってほしい者へ

見なよ……オレのデンテおじさん(の献身ぶり)を……

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  • 誰がためにこの身を使う時

 今回のガヴ33話は、ニエルブによって改造されたマーゲンがショウマたちグラニュートハンターを狙ってくるというメインストーリーが展開。変身前の時点で絆斗が、変身してからもラキアが追い詰められるなどじわじわと迫ってくるマーゲンに恐れ慄いてしまいましたね。マーゲンの庶民や人間を見下した憎たらしい態度もさることながら、送り込まれただけあって実力も非常に高い強敵だったのが印象的でした。新しいビターガヴとして変身する力を手に入れたなど、ニエルブが生み出した新たな脅威としての存在感は十分にあったと思います。

 しかし今回の注目ポイントはやはりデンテおじさんでしょう。自分がいずれ粛清されるだろうことを見越して、苦しみながらショウマの強化アイテムを製作する様子に色々と衝撃を受けました。体調が悪そうな時点で怪しかったのですが、お腹のガヴの歯を削って素材にした話は中々にショッキングです。もう1つの口とはいえ自ら歯を抜いて研究するという、おじさんの隠れた胆力には舌を巻くほかありません。文字通り“身を削って”作り上げただけあって、強化フォームとして間違いなく存在感がありますね。(余談ですが「仮面ライダーWEB」にてデンテおじさんの容態を「城之内死す」ネタで表現していて吹き出してしまいましたよえぇ*1

 何よりそこまでしてショウマの力になろうとする、デンテおじさんなりのケジメの付け方に少々涙ぐんでしまいます。前回でも描かれていましたが、元凶の1人として被害者である甥っ子を甲斐甲斐しく守ろうとしているのは間違いなく本気であることが伝わってきますね。ハッキリと描写されていないものの、おじさんも内心では罪の意識に苛まれていたのかもしれないという考えすら広がってきました。ニエルブがあくまで自分の目的のために研究をしているのもあって、純粋の他人を優先したおじさんの覚悟が逆に際立っているのがこれまたグッド。個人的にもそんなデンテおじさんへの愛着が湧いてきたところなので、こうしてその献身ぶりと無事な事実にホッとさせられた次第です。

(その一方で強化形態のお披露目回としては話の流れが28話とほぼ同じなのが気になりますね。強化アイテムの中身が無いという天丼も繰り出していますし、ストーリー構成はまとまっているものの新鮮味や意外性がないというのがやや残念なところです)

 

 

  • サクッと&ヤミー!見下し驕る傲慢な節足

 

クッキー!

 

ガヴ! ガヴ! ガヴ! ガヴ!

BITEクッキー!

ガヴ! ガヴ! ガヴ! ガヴ!

BITEクッキー!

ガヴ! ガヴ! ガヴ! ガヴ!

 

\グワハァァ~!/

 

ブレイクッキー!!

ヤミー!

 

 ニエルブの改造を受けたマーゲンがブレイクッキーゴチゾウをビターガヴに装填、ガヴガヴ食べさせることで変身した姿「ブレイクッキーフォーム」。ダークショウマ亡き今、まさかの新たなビターガヴとして登場してきました。その見た目は以前酢賀が変身していた仮面ライダーベイクとほぼ同じで、相違点はビターガヴとアンダースーツぐらい。しかしマーゲンの立ち振る舞いと相まって、ベイクとはまた別のライダーであることを強く印象付けてきていたように感じています。(また変身エフェクトが「鋪装されたチョコチップクッキーを砕き、全身に装着する」というベイクとはまた異なる仕上がりになっているのも特徴的です)

 戦闘スタイルはビターガヴガブレイドを駆使した斬撃戦が主体。逆手持ちで撫でるように相手を切り裂いたりするほか、普通の徒手空拳でもヴラムを追い詰めるほどの実力を発揮していました。さらに改造される前のマーゲンの固有能力と思われる、ムカデの足のようなものを生やす技も披露。かなりの広範囲なうえ木々などからも生やせるため、奇襲性抜群の強力な攻撃になっていたと思います。純粋なグラニュートが変身しているからこその戦闘能力の高さは、ヴラム初登場時を彷彿とさせますね。そんな彼すらも一方的に倒した辺り、マーゲン自身がどれだけ強いのかが伝わってきました。

 

 

 

  • パワフル&オーバー!全てを弾き打ち砕く最強鉄拳

 

オーバー!!

 

ボコボコ…… ボコボコ……

 

ボコボコ…… ボコボコ……

 

\\\\\\\\\\ヒャアァァ~!!//////////

 

オーバーエナジー!!!

 

 デンテによる新たな発明品「ゴチポッド」に100匹のゴチゾウが入り込んでから赤ガヴに装填、ガヴガヴ食べることで変身した姿「オーバーモード」。現状におけるガヴの暫定最強フォームその1です。これまでのガヴのフォームとは異なり、デンテによる外付けの強化アイテムを使った異質な形態でもあります。(そのためかフォーム名が「○○モード」になっているなど、従来のネーミングとは若干異なっているのも特徴)例によって中身は空っぽでしたが、グラニュート界由来の素材として発明者の歯を素材にしているため、ゴチゾウ100匹をまとめられるだけの器に仕上がっていますね

 そのビジュアルは基本フォームであるホッピングミフォームから派生したかのようなシルエットといった印象。オレンジ色のグミの装甲が全身に広がっており、頭部も兎の耳のようなアンテナが立っているなど一目で強化形態であることが読み取れます。装甲によって全体的にマッシブな仕上がりになっているほか、最も目を引くのが両腕に装着された「パンチングオーバー。パンチングミアシストをさらに巨大化させたようなグローブが両腕に付いているおかげで、見るだけでその力強さや威圧感が伝わってきそうです

 戦闘においては圧倒的な防御力と攻撃力をわずかな時間で見せつけてきました。まず前者はよりパワーアップしたグミの装甲の弾力を活かしており、如何なる攻撃もプルンッと弾いて本体はビクともしないほどでした。そして後者はたった一度放った必殺技で、ビターガヴを彼方向こうまで吹き飛ばすというとんでもない威力。山が抉れて地形が大きく変わってしまうレベルの破壊をたった一発のパンチで引き起こす、まさに「一撃必殺」のサブタイに相応しいインパクトだったと言えるでしょう。

 反面機動力は大幅に落ちているらしく、劇中でもゆっくりと歩くのみでした。終始俯いていたことから、装甲やパンチングオーバーがどれだけ重いのかが間接的に伝わってきますね。そのため戦法も上述の攻撃と防御を頼りにした「じわじわと相手に近づきながら一撃で仕留める」ものに限られてくるのではないかと思われます。(歩きながら詰め寄って攻撃する様は『仮面ライダークウガ』のクウガ タイタンフォームを彷彿とさせますね)ゴチゾウを大量消費する点も含めてかなりピーキーですが、そのデメリットを背負う価値は十分にある強大な力になりうるかもしれません

 

 

  • 我がために全てを利用する時

 人間界にてシンプルなバトルが繰り広げられていた中、グラニュート界にてまたもやストマック兄弟との間でバチバチとしたやり取りが行われていたのも大きな見どころ。ボッカ大統領と共に色々暗躍しているニエルブの前に、ランゴが現れ問い詰めてくるシーンは不思議な緊張感に包まれていました。ニエルブ本人は質問に否定していたものの、その態度も相まって全く信用出来ないのが視聴者にも伝わってきましたね。ランゴも少なからずそれを理解しているのが察せられますし、ここまで口に出した言葉が当てにならない腹芸もそうそう見なさそうです

 またニエルブに関してはマーゲンを連れ出しながら終始ノリノリだったのが面白かったです。ショウマたちにマーゲンを紹介したりジャブのジェスチャーをやったりと、非常に楽しそうなのが否が応でもわかりました。そのうえガヴの新たな力が出てきた瞬間、その力に興味津々なのもニエルブらしいです。(オーバーモードの性能を見るや否やマーゲンを見捨てかけているのもここすきポイント)どこまでも自分の興味を最優先している様は、現状本作のマッドサイエンティストの中で最も難敵と言えるでしょう。

 ちなみにランゴが仕入れ担当になったことで、仕入れ状況が以前と同じくらいに戻った話には面食らいました。劇中ではかなりの数のバイトグラニュートを撃破してきたものの、裏ではそれ以上のバイトがヒトプレスを収集していたということでしょうか。ショウマたちがあれだけ頑張っていても現状は何も改善していない……と思うとゾッとくるものがありますね。前半でショウマが集荷地になりそうな建物を日々怪しんでいることが判明しましたし、ここまでくると大元を叩かない限りどうにもならない可能性が出てきた点は見逃せませんそれにしてもランゴが仕入れ担当になってから順調になっているのは良いとして、それを知ったジープがどうなるか今から不安……

 

 

 そして次回はショウマ、変身不能の危機。ゴチゾウを全て消費してしまった挙句、まともに出てこない状況に発展したとのことです。それを幸果を筆頭に解決しようと色々策を講じるらしいのですが、予告を見る限りお菓子作り大会になっているのでで少々和んでしまいますね。しかしこれを通じてショウマがお菓子を食べる喜びを改めて感じるきっかけになりそうですし、反撃も含めて楽しみにしたいところ。

 さらにストマック社ではニエルブの裏切りが本格的に表面化する模様。大統領と結託しているようですし、自分の研究のために兄弟たちを切り捨てる気満々のようですね。リゼルの本性を理解したうえで離れようとしないジープといい、この兄弟の仲が崩壊していく様をまざまざと見せつけられそうでこちらもドキドキしてきます

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:リンク先(https://www.kamen-rider-official.com/gavv/34/)を参照。