私のやりたいことは
え、クチナガダンスモグラって実在の生物じゃないの!?
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- 未知なるものへの挑戦
今回のオメガは怪獣研究に勤しむアユ姉ことイチドウ・アユムがメイン。工事現場にて出てきて即死した怪獣・ゲドラゴについて調べる最中、彼女が自分の「やりたいこと」を見つけていくとも言えるストーリーが展開されました。専門ではない怪獣対策に参加している現状に迷いを見せていた彼女が、ソラトの励ましやゲドラゴの考察を経て“挑戦”していく姿勢を見せる瞬間に思わず胸が熱くなってきます。劇中でソラトが言っていたように「誰も知らないことに挑戦しているアユ姉はカッコいい」という感想が湧いてきましたね。
また絶滅危惧種についての研究が活かされる瞬間と、この出来事から「怪獣も同じ生き物」であると考えるシーンにグッときました。アユムにとっての迷いは怪獣という未知なる存在の対策に自分は役に立てるか?といったものなのが伝わってくるので、自分の専門が怪獣を理解するためのきっかけになるだとわかればやる気に満ちてくるのも納得と言えます。ここまで何かと頼りになったアユムが改めてその有能さを発揮するだけでなく、彼女自身が「やりたい」と思えるようになるくだりとして実に頷かされる熱い回でした。
あとはアユムの後輩である「カミヤ・ユウタ」くんの存在も印象に残りました。怪獣調査に不満を漏らしたりと何かに付けて文句を言っていたものの、ラストのアユムの言葉に感化されて手の平を返す調子の良さには思わず笑いが止まらなかったです。「ベッドじゃないと眠れない」と言いつつ熟睡していたりと面白いところも満載で、コウセイ以上にコメディリリーフとして最適なキャラクターだと理解しましたね。(そんなカミヤくんですが「モグラは別に光に弱くない」ということをソラトと画面の外の視聴者に教えてくれるシーンはここすきポイント)
- 伴侶求めて三千里の健気な土竜
今回のメイン怪獣「猪突怪獣 ゲドラゴ」はオスとメスの2体が登場。メスの個体は工事現場に姿を現したもののすぐに死亡し、オスはそのメスを探しに後追いで現れたとされています。そのビジュアルはピンク色の体毛を生やした巨大モグラといったテイストで、オスメスの性差としてオスにのみ頭部にツノが生えているのが特徴。このツノは帽子の鍔の如くゲドラゴが苦手とする太陽光を遮る効果があり、これが生えたオスのみ短時間での地上での活動が可能となっているとのことです。
ゲドラゴのもう1つの特徴として挙げられるのが絶滅危惧種「クチナガダンスモグラ」との関連性。あちらのモグラとほぼそっくりな見た目をしていることから、ゲドラゴはクチナガダンスモグラの進化あるいは突然変異種であることが予想出来ます。繁殖期に不思議な踊りで求愛行動を示すのも同様で、怪獣もまた同じ生物であることを強く意識させてくる事例でもあると捉えられます。(余談ですがクチナガダンスモグラは現実には存在しない、この作品のみの架空の生物です。前々回は実在するテリジノサウルス出したのに……)
そして地底出身の怪獣らしく地中を掘り進むことが出来、これが劇中の戦闘でも活かされていました。(あとレキネスの念動力で岩を貼り付けられても即壊せる辺り、膂力も中々の模様)図っていたかは不明ですが、オメガを落とし穴に落とすシーンにはクスっときましたね。また触れている相手にのみ有効ですが、体から電流を放出する能力まで持っている模様。生殖本能のみで必死に抵抗していた様子といい、生き物の一種として中々に興味深い生態を持つ怪獣と言えるでしょう。
- ワチャワチャコンビの平和的収め方
アユムを主役としている分裏方的な活躍が目立ったソラトとコウセイでしたが、要所要所で目立っていたのは流石といったところ。というかアユムたちと合流するシーンは、ゾンビ映画と諸々のパロディ込みであまりにもおかしくて笑ってしまいましたよえぇ。ゲドラゴとの戦闘でも埋まったままの状態でオメガとゲドラゴが向かい合ったり、ワチャワチャドタバタギャグとして何度も腹筋が壊れかかりました。上のカミヤくんも含めて、今回のコミカル要素をまとめて担っていたと思います。
他にもオメガの状態でのコミュニケーション描写が何とも面白くて興味深かったですね。アユムのクチナガダンスモグラ解説を聞くために思いっきり顔を近づけたり、コウセイにジェスチャーで後述のコンビネーションを発揮するなど独特な絵面が妙に印象に残りました。いずれもソラトのキャラクターを理解していると納得がいくものばかりですし、ウルトラマンの姿になってもソラトはソラトであることがそれとなく伝わってくる……そんな風にどこか微笑ましい気持ちにもなるシーンになっていたと言えるかもしれません。
それでいてゲドラゴの目的を知るや否や、2体を地底に戻してあげる展開には少し感動しました。ツノを折られてなおメスを探すオスのゲドラゴが健気で不憫に見えてきたのもあり、メスの遺体と共にいさせてあげる優しさが何とも心にきます。(オメガは空を飛びながら、レキネスは念動力でそれぞれゲドラゴを運んでいるのがここすきポイント)何より「何も倒さなくていい」といった結論は、前回のミコトを件を踏まえると余計にウルっときますね。総じてただ怪獣を倒せばいいだけではないことを、2話連続で描く変則性も大いにアリだと思いました。
そして次回はソラトがまさかの風邪をひく展開から始まる模様。度重なる怪獣との戦いが原因とされていますが、他にも地球の空気が体質的に合わないのでは?といった心配が湧き出てきます。しかもその最中にオメガのフェイク動画を上げてバズりを狙う動画投稿者も現れるようで……?ソラトが動けない今、全てはコウセイの頑張りにかかるのかもしれません。怪獣は大好きゴモラと、レキネスに続く第二のオメガカイジュウも出てくるそうなのでこれは期待大です。
ではまた、次の機会に。