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劇場版 牙狼<GARO>-GOLDSTORM-翔 感想

吹き荒れろ、 黄金の嵐!!
特撮感想第1弾です。






 2005年に第1期のTV放送が始まった深夜特撮シリーズ『牙狼GARO>』。魔獣ホラーから人々を守るために戦う魔戒騎士と魔戒法師たちの戦いを描いたこの作品はパチンコ、TVスペシャル、映画、果てはアニメ化を様々な展開をしていき、いつの間にか10年近く続いているシリーズとなっています。前期まで放送したアニメ『牙狼GARO>-炎の刻印-』(以下『炎の刻印』)が終わって間もなく始まった最新シリーズが『牙狼GARO>-GOLDSTORM-翔』(以下『翔』)です。なんと映画とTVシリーズの連動で、先に公開された映画の続きとしてTVシリーズに繋がるという方式なのです!

 これは一昨年放送された第3期『牙狼GARO>~闇を照らす者~』(以下『闇照』)の続編で、牙狼シリーズ2人目の主人公である道外流牙の物語の続きなんですが、悲しいかなこの『闇照』はシリーズの中でも「牙狼やホラーがCGでスーツじゃない」とか「ストーリーがチグハグ」といった理由で評判が悪いことでも有名なのです。 
 しかし僕はこの『闇照』が結構好きです。これまでの牙狼とは異なるスタイリッシュなアクション、未熟な騎士と法師たちの成長、中盤からのどんでん返し、絶望的な状況からの再起など盛り上がる要素が多めで個人的にすごく楽しめた作品であり、続編の『翔』にも期待しています。

 というわけで、この『翔』についての感想をまずは劇場版から書いていきたいと思います。
 ここから先はネタバレ注意!



 アクションに関しては初っ端から流牙と莉杏の銃弾を駆使したコンビ―ネーションが素晴らしく、見ていて楽しかったです。でも莉杏の拳銃のに宿っていたオッサンの妖精たち(?)は何なんだったんだ……・?あのシーンは意味不明すぎて思わず笑ってしまったよ。
 そして流牙が牙狼の鎧を召喚したシーンは「伝説じゃない、牙狼はここにいる!!」っていう流牙のセリフと相まって感動したなぁ。牙狼の鎧は『闇照』では大部分が黒くなっていて、黄金の輝きを取り戻すのにかなり苦労していたので、こうやって流牙が牙狼を完全に自分の物にしているところを見ると嬉しく思います。
 鎧を装着してからのアクションもVFXを存分に駆使しており見ごたえ抜群でした。牙狼は作品によって主人公が違う分同じ牙狼の鎧でも戦い方に結構違いが出てくるのですが、流牙の場合は敵に迷わず向かって行って攻め、そこからさらに追撃するという連続攻撃が得意な印象ですね。ホラーを電光掲示板に叩きつけたと思ったら即座に上に突き上げて切り裂くというスピーディーな戦闘シーンからもそれが感じ取れました。

 アクション以外にも戦闘の後ラインシティに訪れた辺りは面白かったですね。「ホラーが現れない街」というのにはびっくりしましたし、リュメ様が今まで出て来た法師の中でも桁違いの力の持ち主なのが興味深いですね。まぁ魔戒法師ってやけに武闘派が多い気がするんだけど……(特に女性法師)。あと流牙たちがケバブを食べるシーンはほのぼのとしていて良かったですね。D・リンゴとユキヒメのキャラも面白かったです。

 劇場版のキャラクターである阿号はいいキャラでしたね。人間を滅ぼすなんていうとんでもない考えを実行しようとしてる魔導具なんですがそれも生みの親である双竜法師の願いを叶えるためという純粋な思いを持っている故なんですよね。これまでの牙狼の敵役とは少し異なる、悪意を持たない存在というのは新鮮でした。
 そして阿号の「滅ぼすべきは人間」という言葉に対して思い悩むのが莉杏なのが意外でした。てっきり流牙がその役割だと思っていたので……。まぁ2人とも『闇照』で人間の汚い一面や弱い一面を(主に滔星のせいで)散々見て来たのでこのことについて悩む姿にはすごい説得力がありますね。これが冴島親子だったら一蹴しそうだな。
 流牙も悩む描写はほとんどなかったものの、阿号に対して人間は守るに値するということをはっきり言い切る姿は成長を感じられて格好良かったです。それでいて阿号を説得する辺り、優しいところは相変わらずですね。

 その直後に封印されていたホラー・デゴルの復活。そして牙狼・翔が登場する流れは燃えました。だけど翔へと進化したことに何の説明もないのが気になりましたね。まぁこれも牙狼ではよくあることなので深くは追及しませんが。
 デゴルとの一騎打ちではCGをフル活用していて迫力満点でしたが、戦闘の間ずっと流れていたお経のようなBGMは何だったんでしょうね?あれのせいで少しばかり気が散って細かい動きを見逃した気がします。ですがデゴルに取り込まれた阿号の大剣でとどめを刺したのは良かったですね。

 そして戦いは終わり、流牙たちが街を離れた時にはTVシリーズに繋がるんだなぁと思わせてくれる雰囲気でした。エンドクレジットでTVシリーズの映像を流してくれたし、そのまま続けて見る気持ちになれて良かったです。
 ラストは森で阿号に花を供える少女のシーン、と阿号へのフォローもちゃんとありました。死んでしまったのかそれとも生きているのかまだわかりませんが、ぜひTVシリーズの方でも彼のことについて触れて欲しいですね。
 色々細かい部分が気になったものの、基本的にストーリーは王道でアクションも素晴らしく、「道外流牙」の物語としても、牙狼の新作としても楽しめる内容の映画でした。この後のストーリーを描いたTVシリーズの方も見ていきたいと思っています。
 
 以上、『劇場版 牙狼GARO>-GOLDSTORM-翔』の感想でした。
 それではまた次の機会にお会いしましょう。