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牙狼<GARO>-GOLDSTORM-翔 第23話(最終話) 「嵐」 感想

闇を翔け、吹き荒れろ!GOLDSTORM!!
その煌めきで、未来を照らせ!牙狼GARO>!!






















・光と闇の決戦
 前回から続いている流牙とジンガの一騎打ちは、互いに剣を落としたので殴り合いに発展していました。相変わらず剣使いませんね。それどころかジンガが両者の剣を取って戦うなんて変化球を投げてきました。そのあとラダンの外に出ての空中戦は背景が明るい分18話の時よりはっきり見えていて迫力がありました。押されつつも何だかんだでジンガを追い詰める辺り、流牙も強くなったとわかる場面でした。


・落とし穴作戦&復活の獣身騎士
 一方ラダンを止めるためにリュメ様とガルドが何をしたかと思ったら、まさかの落とし穴には変な笑いが出てしまいました。しかも発動の為に従者2人を呼んで太鼓を叩かせ鷹と思ったら、映画にも出てきた変なおっさんの妖精がまた出てきて笑いっぱなしでした。
 しかし発動する間に群がってきた素体ホラーを復活したダイゴさんが次々と倒していく様はかっこよかったです。だけど最後の活躍が巨大化した斧でラダンの足を運ぶってのはいまいちカッコつかなかったです。というかそんな技あるならもっと早いうちに使って欲しかった……。


命の光、黄金の嵐
 莉杏とアミリの対決も莉杏の勝利に終わったようでついに追い詰められたジンガとアミリ。しかしジンガがアミリを殺して新たに莉杏を捕らえてまたもやラダンが起動してしまいます。アミリを見捨てるのは何となく読めていましたがここで莉杏がまた捕まるのは予想外でした。というか南海捕まってんのこの子!?
 そしてジンガがラダンの力で周囲の人や草木のから命の光を吸い出して集める(命を吸われた背景が灰色になる演出は面白い)というとんでもないことを始め、止めようとする流牙も捕らえられて絶体絶命。そんな時に莉杏が自らを犠牲にしましたが、ここで符礼法師や燕邦、波奏さんが回想で出てきたのは良かったです。てっきり『闇を照らす者』の映像は使わないとばかり思っていたので素直に嬉しかったですね。だから猛竜と哀空吏も出して下さい。

 謎の精神世界で莉杏の思惑を悟ったのか流牙が吠えると、ついに最終回恒例の強化形態が…………まさかの巨大化!?牙狼・闇を出した以上どんなもので来るのかと期待していましたが、ラダンが集めた命の光が流牙の元に集まって巨大な牙狼の姿になるという予想の斜め上をいく展開でした。タイトルの『GOLDSTORM』ってこういう事だったんですね。
 巨大牙狼となってラダンと対峙する流牙は、素体ホラーで作った鎌を使ってくるラダンをパンチ一発で倒しました。結局ここでも剣をではなく拳を使うんだな~。


・最後の一撃、そして…
 破壊されたラダンはガルドによってやけにあっさり封印され(結局この前は何で封印出来なかったの?)、莉杏を助け出した流牙でしたが、莉杏は時すでに遅し。それどころかジンガがまだ生きていたことに驚きました。ホントしぶとい。最後に生身で剣の応酬が始まりましたが、最後は流牙は一太刀でジンガを倒しました。ここのアクションは終始棒立ちだったものの栗山君の動きの凄さが伝わってきましたね。井上君?まぁいいんじゃないかな……。
 ようやくジンガを倒しても莉杏は帰ってこない……と思ったら魔界に送られたラダンと法剣が砕け散ると同時に謎の光が降ってきて莉杏が生き返りました。2人は降り注ぐ光を掴み、EDに入りました……………………え!?つまりどういうことですか!?せめて何が起こったのか説明してください!

 まぁ、何はともあれ、仲間たちはそれぞれの居場所に戻り、流牙と莉杏は再び2人でどこかに向かって歩いていく……というラストは不思議な余韻があって良かったです。






















牙狼GARO>-GOLDSTORM-翔』 総評

 というわけで『牙狼』シリーズ10周年という記念すべき年に始まった道外流牙編第2弾こと『牙狼GARO>-GOLDSTORM-翔』。映画とTVシリーズが地続きで繋がっていくという面白い試みの作品でした。TVシリーズは全23話とこれまでのシリーズよりも若干短めに感じますが、映画の尺も加えると結構な長さになるかと思いました。
 先に良かったと思う点ですが、流牙の成長がわかるストーリーと戦闘シーンが最初の評価点ですね。『闇を照らす者』の頃よりも成長してただの甘い騎士ではなく、優しさに伴った強さを手に入れた流牙。また前作以上に無邪気な感じが出ていて流牙好きにはたまりませんでした。そして戦闘シーンの方は雨宮監督をして歴代で一番アクションが出来るという栗山君のアクロバティックな動きを活かした生身のアクションを存分に見ることが出来ました。『鎧武』の主演の佐野君並にポンポン飛び回っていたし、動きもスピーディでかっこよかったです。また鎧を召喚してからの戦闘シーンは莉杏とのコンビネーションを始めとした様々な戦法が毎回出てきて見ていて飽きなかったです。特に牙狼・闇の空中戦闘やガルドが作り出した炎の馬に乗って走り回る場面はお気に入り。黒牙狼が大好きなので復活させてくれたスタッフに感謝!!
 他にもサブキャラクターがたくさん出てきましたが、一番好きなのは映画に出てきた阿号ですね。自分を作り出した双竜法師の夢を叶えるために人間を滅ぼそうとしたという一概に悪とは言えないキャラクター性や戦闘での底の知れなさなど、魅力の多いキャラクターでした。TVでの出番は話題に出る程度かと思っていましたが、それだけに22話でD・リンゴと彼らに協力する人々の思いから現れる演出は最後の最後で阿号を守りし者に戻してくれたという意味で感動しました。






 さてここからは悪いと思った点。というか不満点。色々と批判があるので見たくないと言う人はプレイバックを推奨します。まず挙げられるのが人物たちの描写。18話の流牙が闇の中で臆病になるシーンは唐突過ぎて違和感を感じてしまいました。一応「これまで何人かの人々を助けられなかったことへの後悔」といった理由はあるのですが、事前にそういった描写を加えてほしかったですね。サブキャラクターに関してはダイゴさんの終盤の苦戦っぷりは最初の戦闘がカッコよかっただけに見ていて辛かった点です。他にもガルドも描写不足に感じましたが、ジンガとアミリに関しては過去の悲しい出来事からホラーになったという理由がありましたが、明かされる以前から外道キャラが身についてしまっていたので「悲劇の騎士と法師」という感じには見えなかったです。
 また最後まで期待していた「猛竜と哀空吏の登場」や「轟天の召喚」(これは上記の炎の馬が代わりになっていたのでまぁ良しとします)などが実現しなかったことも残念な点。役者さんの都合があったにせよ、最終回の符礼法師たちのように回想で過去の映像を使うなりしてほしかったです。
 そしてこれらの点のせいか終盤がいまいち盛り上がらなかったのが挙げられます。『魔戒の花』の時もそうでしたが緊迫した状況があまりなかったために物語の規模が小さく見えてしまって世界の危機という感じがあまりしなかったです。そう感じたのは『牙狼GARO>(無印)』や『闇を照らす者』のように主人公側が追い詰められていないからだと思います。本作は何だかんだで主要人物の被害が少なかったので、余計追い詰められたように見えなかったのが問題ですね。






 ここまで書きましたが、全体的に「面白かったけれども期待していたものとはどこか違っていた」感じですかね。全体的な盛り上がりが薄かった分、個人的に『闇を照らす者』の方が好きかもしれません。
 では以下、各登場人つについての感想。

道外流牙/黄金騎士牙狼<ガロ>
 『闇を照らす者』から成長して優しさだけでなく強さも手に入れた流牙。上にも書きましたが、歴代主人公の中でも喜怒哀楽が激しい面と無邪気な面が強調されていて可愛かったです。(そのせいか鈍感主人公になっちゃったけど……)まだまだ未熟なところはあるものの、その分成長が見込める見守りがいのある主人公になったかと思います。
 戦闘シーンに関しては生身、鎧装着時共に素早くて流牙独自のスピーディなバトルスタイルが感じられます。そして牙狼剣を落としては投げて持ち直したり素手で戦ったたりと謎の戦闘スタイルをいつの間にか確立していて面白いかったですww個人的に「流牙=剣を落とす」というイメージが定着してしまいました。
 黒牙狼こと牙狼・闇を常時変身可能の状態で手に入れた時は驚きましたが、黒牙狼→通常牙狼牙狼・翔→牙狼・闇と最終的に黒い牙狼に落ち着くのは流牙らしいと言えばらしいですね。(むしろ全然あり!!)というか何気に強化形態を自在に使えるようになったことから相当強くなった感じがします。特に空を飛べる能力は強いですね。流牙編での出演の希望を絶たれた轟天の明日はどっちだ。

莉杏
 同じく前作から精神的に大きく成長したと感じられるようになった莉杏。特に戦闘時のサポート関連で活躍するようになったのはこれまでとは大きく異なる点ですね。一方でコスプレ潜入捜査は相変わらずだったのは笑えました。
 そして本作で一気にヒロインとして扱われるようになったのが驚きのポイント。何度もジンガに捕まったり流牙に対して恋心を抱いていたりする点は興味深かったです。それだけに流牙の鈍感っぷりから不憫で仕方なかったです……。

ザルバ
 シリーズの顔。なのですが本作は流牙に莉杏というパートナーがいたためにいまいち彼との絡みが少なくて残念でした。(まぁ鋼牙以外の他の主人公ともあまり絡まないけど)しかし要所要所で邪気探知機として活躍……したのかな?

ガルド
 当初謎の勢力という感じがあったのですが案外あっさりデレて仲間になりましたね。「ラダンを封印する役目を負う者」として登場したのですがいまいち活躍の場が少なかった印象でした。せっかくジンガとの因縁もあったのでもう少しキーパーソンとして取り上げて欲しかったです。

ハルナ
 魔導具かと思いきや通信機で話していたガルドの妹。本人が登場した時は本当に驚きましたが気が付けば本作屈指の良識人の1人に。他の女性陣含めて貴重な癒し要員でした。

秋月ダイゴ/獣身騎士戯牙<ギガ>
 本作のサブ騎士。ゴツイ鎧と巨大な斧、そしてそれらを活かした豪快な戦術がカッコイイ重量系魔戒騎士。初登場時の活躍ぶりは本当にかっこよかったのですが、終盤ジンガにボコられてばっかりで最終回もラダンに弾き飛ばされて終わりというあんまりな扱いには残念でした。(これでも”クロウさんよりまし”と思えてしまうのが恐ろしい)とはいえ貴重なパワータイプなので今後出番があったら活躍してほしいですね。

龍女<リュメ>
 牙狼シリーズ屈指の理想の上司。ガルム(アニメ版)はこの人の爪の垢を煎じて飲め。流牙たちを労ったり自ら戦線に立つなど神官たちとは異なる良識溢れる人物で出てくるだけで安心感がありました。しかも実力も高いので頼れるキャラとして最後まですごかったです。

D・リンゴ&ユキヒメ
 本作の便利キャラ。結局最後まで何者だったかは明らかになりませんでした(やっぱり元法師なのかな?)が、その不思議さも含めていいキャラに仕上がっていたと思います。特に流牙たちの活動の拠点として彼らの日常も支えている様子は鋼牙、雷牙におけるゴンザを彷彿とさせられました。

阿号
 映画からの登場人(?)物で先程も書きましたが夢の為に魔戒騎士や法師に反逆した悲しき魔導具として当初から好きなキャラクターでした。映画だけでなくTVシリーズでも登場し、最後に守りし者になった最後は何度見ても泣けてきます。

ジンガ&アミリ
 今回の黒幕。『炎の刻印』のメンドーサと同じく最初から敵役として登場していましたが、滔星に並ぶ外道っぷりと手強さ、そして何よりも最終回までラスボスであり続けたしぶとさからこれまでの敵キャラの中でブッチギリの存在感を放っていたと思います。ジンガは井上君の演技力から来る煽りが非常に印象に残っており、アミリ共にその非道っぷりは悲劇の過去があっても悪役のイメージを保ち続けるほどでした。阿号が哀しき敵なら、この2人は許せない敵と言ったところでしょうか。
 戦闘に関してはジンガのホラー形態がカッコよくはないものの不気味な姿で中々雰囲気がありました。しかし皮を剥いで血管をむき出しにしたような姿から鎧をまとってくるじゃないかと少しだけ期待していましたが結局姿はほとんど変わらなかったので残念。あとアミリのホラー形態もちゃんと見てみたかった気がします。


 そして次はTVシリーズ全23話の中から個人的に好きなエピソードをベスト5で紹介したいと思います。

・第5位:第4話 「斧」
 ダイゴさん初登場回。まだ心を閉ざしていて人当たりがキツかったダイゴさんとわりとフレンドリーな流牙の対比が面白いです。この頃のダイゴさんの強キャラ感は凄まじかった……。そして流牙が剣を落とすようになったのもこの回からだったりする。

・第4位:第22話 「城」
 ジブリチックなラダンを止めるために流牙が、莉杏が、みんながそれぞれが戦う。そんな中で街の人々がD・リンゴたちに協力していき、その光が阿号となって人々を守る、という最高の演出。映画をちゃんと見て本当に良かったと思える場面です。

・第3位:第7話 「術」
 流牙たちがジンガたちと初めて戦った回。前半で『闇を照らす者』のOPを流しつつ素体ホラーを一掃し、後半からはジンガとの生身の斬り合い、そして鎧を召喚してからの三次元的戦闘などアクション尽くしの回でした。特に崩れる高所から飛び降りる様はハラハラしました。

・第2位:第10話 「雷」
 ジンガの目的が明らかになったりガルドが囚われたりと一気に物語が進んだ回ですが、個人的には流牙とザルバの掛け合いが見どころ。特に鋼牙時代を思わせるザルバの流牙への態度は口を閉ざしていた頃を考えると感慨深いです。

・第1位:第18話 「闇」
 個人的に超・神回。闇の中で諦めかけていた流牙が莉杏の言葉で目覚め、闇を受け入れたことで新たなる黒い牙狼を覚醒させる瞬間の場面は衝撃の一言。真月牙狼のマントを出してからの怒涛の空中戦は興奮のしっぱなしで黒牙狼好きにはたまらない回でした。



 と、ここまで書きましたが、個人的には今回の作品は「流牙の物語の続編」としては中々良かったかと思います。でも流牙も莉杏もまだまだ発展途上なので、この先流牙の物語をもう一度だけでもいいからやってほしいと思いました。そして今度こそ猛竜と哀空吏も出して欲しいです。ちょうど流牙とダイゴさんも加えて金、赤、青、緑とカラフルな色が揃っているので4人の騎士集結!とか面白そうですね。
 というわけで以上『牙狼GARO>-GOLDSTORM-翔』の感想でした。

 そしていよいよ、『牙狼GARO>-紅蓮ノ月-』の感想を書いていきます。

 ではまた、次の機会に。