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牙狼<GARO>-紅蓮ノ月- 第5話 「袴垂」 感想

叶わぬ恋の果て
知り合いがホラーになる展開は何度見ても辛い……






















 今回からOPが奥井雅美さんVerになりました。3人目から女声OPになるのは意外ですね
検非違使と放免
 今回はなにやら犯人を捜しまわる検非違使の内、3話で登場した藤原保輔と雷吼が改めて対面するところからスタート。盗人が自分を切りつけてきたことを許すという心の広さを見せるもののその傷を治そうと女性に手を掴まれたことに動揺する何とも締まらない雷吼が面白いです。
 雷吼を手当てしようとした女性は小袖と言い、元は盗人だったものの放免として保輔に使えているらしく、保輔はそんな彼女に気がある模様。もうこの時点で悲恋の匂いがしますが、せっかくあげたかんざしが色々あって星明の物になってしまうのにはさすがに保輔に同情しました。可哀想に……。


・身分の差
 さて星明にかんざしを渡したお礼として貴族の十二単などを着て牛車に乗せてもらうなど中々いい体験をする小袖。でも自分が貴族になることなんてできないと諦めているのか素直に喜んでいないようです。加えて保輔のことを思って彼から身を引こうとしますがそれでもかまわないという保輔と気持ちがすれ違ってしまっているのがこれまた辛い……。
 また2人の恋路について悩む雷吼に対し、「どうしようもない」とバッサリ切り捨てる星明には驚きました。「全ての人間を救うすべなどない」とも言いますが、魔戒騎士や法師にしては中々シビアなことを言いますね。普段珍しい物を漁る姿も含めておよそ法師らしくない感じです。


・悲劇の戦い
 そうこうしている内に小袖がいわれのない罪で貴族たちに暴力を振るわれ、見下されたことで貴族に対する憎しみが爆発。拾った巻物が迎門となって火羅になってしまいます。雷吼も番犬所から指令を受けて討伐に向かいますが、火羅の正体が小袖だと知って本調子になれず苦戦していました。やはり知り合いがホラーになってしまうと普通はそうなりますよね。『魔戒の花』の「風鈴」回とかも見ている側としてはかなり辛かったです。
 星明に一喝されようやく切り捨てることが出来たものの、様々な感情がない交ぜになった咆哮をあげる雷吼(中山さん演技上手くなったなぁ)。星明が再び封印をかけたおかげで元に戻りましたが、あのままだと心滅化しそうでどきどきしました。


・盗賊「袴垂」誕生
 雷吼が苦悩の戦いを繰り広げていた一方で、保輔は小袖の為に身分さえも捨てようとしますが兄の保昌に力づくで止められてしまいます。しかしその後小袖がいなくなったことを知り彼女の家を実家に飾られていた桜の木ごと燃やしてついに貴族としての自分と決別します。このシーン中々重要なんですけど個人的には「学校のガラスを割る」程度の不良のやんちゃにしか見えなかったのは秘密だ。
 そうして最後に貴族の牛車を襲い、「着物のほつれた袖」から小袖の名前を与えたことを思い出した保輔(そんな理由で名付けられて良かったのか小袖……)は自らを「盗賊・袴垂<はかまだれ>」と名乗ることに。後で調べて知ったのですが史実の保輔も盗賊となったことが記されていおり、様々な文書に登場する袴垂と同一視されているようですね。


 今回は貴族と元盗人という悲恋を描き、保輔が盗賊として生きていくことを選ぶという何とも切ない話でした。保輔もそうですが何が何でも全ての人を救いたい雷吼とそれは出来ないと切り捨てる星明のすれ違いもあり、今後の展開を暗示する重要な回だったと思います。


 さて次回は何やら子供が登場する模様。予告映像だけだとどんな話なのか分からないですね。


 ではまた、次の機会に。