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ウルトラマンX 第17話 「ともだちは怪獣」 感想

種族を越えた友情
またピグモンが死んでしまうのではないかとすごいハラハラした






















となりのピグモン
 「赤いお化けが出る」という噂がある田舎の古い家に母と2人で引っ越してきた少女サクラ。彼女は引っ越してきたばかりの家で例の赤いお化け、もといピグモンを目撃します。最初は驚いていたものの花を渡してくれたピグモンに早くも心を開いて一緒に遊ぶ様子は見ていて心が洗われるようでした。劇中サクラはピグモンの言葉がわかっているかのようにコミュニケーションをとっていますが、ピグモンには子どもと意思疎通できる能力でもあるのでしょうか?
 しかしサクラが家に戻ってお母さんと仲良くしている一方で悲しそうに森の中にも戻るピグモンの姿には心が痛みますね。というか田舎の森に住むお化けとして噂になっていたり子どものみが目撃していたり今回のピグモンはまるでトトロのようですね。


・共存の難しさ
 そんなある日、友達と街にショッピングモールで遊ぶ約束をしていたサクラは出かける直前にピグモンに引き止められますが、それを振り切って街に繰り出し、ピグモンもそれを追っていきます。友達と合流し、ショッピングモールで楽しむサクラでしたが(ここのショッピングモールの名前が「多々良」という面白い小ネタもあります)、彼女を追ってきたピグモンが現れたことで人々はパニックに陥ってしまいます。
 通報を受けてXioが駆けつけてきた時には既に一般人に縛られてぐったりしているピグモンの姿があって結構痛ましいです。サクラは必死にピグモンを庇うものの周囲の人々はそれを聞き入れず怪獣を処分しろの一点張りです。この世界ではウルトラフレア以降出現する怪獣たちのせいで人々が様々な被害に遭っているのでピグモンに対しての対応も分からなくはないですが、まだ何もしていないのに出て来ただけで害とみなす態度にはちょっとムッとしてしまいますね。
 エックスも地球人の態度に疑問を抱いているのか、大地に様々な質問をしてきます。

 エックス「大地、人間は何故あんな無害な怪獣まで怖がるんだ?」
 大地「自分と違うものを簡単に受け入れらないんだよ」
 エックス「では、Xioで保護するのか?」
 大地「まずは生息域に戻すことが基本だよ。でも……あの子と一緒にいるのがいいかも。2人の心は繋がっているんだ」
 エックス「しかし、人間と怪獣は本当に友達になれるのか?自分たちの役に立つかどうかで、共存する生き物を選ぶんだろう?」
 大地「全ての命と共存できる道を探す。この星は、人間だけのものじゃないから……」

 今回のエックスの言葉は中々手厳しいうえに鋭いですね……。この指摘は地球人とは異なる価値観と考えを持った宇宙人ならではと言えますね。そんなエックスに真っ向から共存を志す大地もカッコイイです。


・キングゲスラの猛攻
 突然動き出したピグモンに再びパニックに陥る人々。大地はピグモンが何かを訴えているような態度が気になりエクスデバイザーで”脅威・恐怖”といった感情を読み取ります。
 人々の中から飛び出してきたおっさんがピグモンに攻撃する中、モールに突然落下してきたダークサンダーエナジーによってキングゲスラが出現!街中が混乱に包まれる中、ピグモンは逃げ遅れたおっさんを庇って瓦礫の下敷きになってしまいます。自分を傷つけた人間さえも身を挺して守るなんて……。ピグモンがモールに現れたのもダークサンダーエナジーの襲来をサクラたちに伝えるためだったようですし、本当に善意の塊なんですねピグモンって…………。
 そんな事態を収束するため大地はエックスとユナイトしてキングゲスラに立ち向かいます。しかしダークサンダーエナジーでパワーアップしたキングゲスラは強力で、背ビレから発射するトゲ攻撃はなんとベムスターアーマーの吸収能力さえ物ともせず破壊してしまいます。弱点である背ビレすら強化されアスナたちの援護射撃すら跳ね返します。
 このまま押し切られるかと思いましたが、追い詰められたエックスもエクシードエックスにパワーアップして反撃開始。珍しく素手で戦い、エクシードエックスラッシュでキングゲスラを浄化した後通常のエックスに戻って放ったザナディウム光線が、放つ直前にエックスの真下の十字路にまで光が走る演出も含めてすごくかっこよかったです。


・大切なともだち
 キングゲスラは無事SDにしたものの、助け出されたピグモンは弱弱しく倒れ、サクラの声かけもむなしく目をゆっくりと閉じていくます。ああああ…………。
 その後おっさんたちが森の奥にあるピグモンの住処を掃除してあげますが、そこからぬいぐるみやボールなど、様々な物が出てきます。ウルトラフレアで目覚めてから15年間、ピグモンは森に訪れた子どもたちと友達になり彼らが去った後も友達を待ち続けていたのです。
 そうしてあれから数日たったのか、サクラは学校から帰宅する途中でXioの車を発見。そしてそこにいたのは、大地たちと共にサクラの帰りを待っていたピグモンでした。てっきり死んでしまったかと思っていたので生きていたのには驚きと同時に喜びがあふれ出しました。最後にまた一緒に遊ぶ約束をするサクラとピグモンで今回は終了します。

 サクラ「また明日、遊ぼうね!」
 ピグモン「~♪」


 今回は友好的な怪獣の代表格であるピグモンと少女の友情を主軸に、怪獣との共存は出来るのかという問題に対して一つの答えを示した回でした。相変わらず不遇な扱いが多いピグモンですが、初代や2代目の時のように死んでしまうのではないかとドキドキしながら見ていました。しかし怪獣とも友達になれる可能性と共に生き残る終わり方にしてくれて本当に良かったです。(でも明らかに死んだように見せる演出は紛らわしいよ!)最初はピグモンを敵視していたおっさんたちもちゃんと改心してくれたのも評価点ですね。やっぱりこの手の怪獣と子どもの友情を描いたエピソードにハズレなしですね。


 次回はまさかのワタルのハヤトのラブコメ回!?でもこの2人が1人の女性を奪い合う姿なんて全く想像できません。そしてタマ・ミケ・クロに続く新たな宇宙化猫やレッドキングも登場するようですが…………ピグモンの後にレッドキングって狙ったのかな?


 ではまた、次の機会に。