新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

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最近のオタク系ニュースについて軽くコメントするだけの記事 その33(雑記 2024.5.5)

 

 

 本日5月5日は「こどもの日」。端午の節句とも呼ばれ、子どもの健やかな成長と幸福を願う日として制定されました。そんなめでたい今日に鯉のぼりを飾り柏餅を食べ、菖蒲湯に浸かるご家庭も多いことかと思われます。

 ニチアサで放送中の『爆上戦隊ブンブンジャー』でも、本日は子どもの日に因んだ要素が多めで楽しかったです。子どもたちのイベントのボランティアに参加する大也たちには大いにほっこりさせられた一方、戦隊的には色々とカオスな印象がある柏餅がやたら推されていたり……かつて『機界戦隊ゼンカイジャー』でとんでもないインパクトを残したカシワモチワルドの回を思い出す勢いでした。そんなわけで今回はそんなトンチキも合わせて語っていきたいと思います。

 

 

 というわけで以下、今回のお品書きです。

 

 

 

 

 

 

カシワモチカシワモチカシワモチカシワモチ……

 

 

 というわけで早速ブンブンジャーの話題なのですが、今朝放送された回は上述の通り柏餅の存在感が異様に強かった内容でもありました。未来が柏餅の販売アルバイトをしてハシリヤンがその柏餅を購入する(悪の幹部なのにちゃんとお金を払ってて偉い!)だけでは終わらず、玄蕃が運んでいるアタッシュケースの中身が柏餅の山だと判明した時は思わず笑い転げてしまいましたね。かつてゼンカイジャーで大暴れし、さらには『ゼンカイジャーVSドンブラザーズ』でも復活した柏餅のカオス具合。それを思い出すには十分なほど柏餅が推されていたかと思います。

 なんてことを考えていたら公式がわざわざ上のポストを投稿してきた件。ゼンカイジャー本編でも印象深いカシワモチコールを垂れ流す辺り確信犯です。ここまで露骨だとかえって清々しさを覚えますね。

 

 

 また上のポストにも笑ってしまいました。スーパー戦隊オフィシャルアカウントは過去作品のキャラに現行戦隊の実況をさせるので有名ですが、「こどもの日に悪の栄えたためしなしカシワモチ」とか言わせるのが面白すぎます。悪の組織で作られたくせにそういうお約束はしっかりしているのかよ!?と思わずツッコみたくなりましたね。

 そんなわけでスーパー戦隊シリーズにおいて柏餅がカオスの象徴になりつつある状況を感じました。かつては「クリスマスにはシャケを食え!」が有名で何かとクリスマス×シャケが推されていましたが、シャケの次に柏餅という食べ物ネタが続いていることに妙な微笑ましさを覚えます。こうしたコミカルも戦隊シリーズの特徴なので、今後もほどほどかつ楽しく擦っていってほしいところです。

 

 

気分ブンブン、バンバンゴーオンジャー!!

 

 

 ブンブンジャーに関してはもう1つ、先週の放送終了後に発表されたニュースとして『炎神戦隊ゴーオンジャー』のゲスト出演も見逃せません。2008年に放送された車モチーフ戦隊の先輩ということで少なからず関わってくれるのではないか?とファンの間で囁かれていましたが、本当にそうなるとは思ってもみませんでした。16年前にゴーオンジャーを見ていた身としても中々に嬉しいニュースです。

 前作『王様戦隊キングオージャー』で『獣電戦隊キョウリュウジャー』がゲスト出演した時ほどガッツリとはいかないでしょうが、ある程度の絡みには期待してしまいますね。(まぁそこまで本編に関わってくる展開はあまり繰り返さない方がいいでしょうし)出演するのはゴーオンレッドという情報からして、走輔役の古原靖久さんの登場もあると信じたいところ。まだまだ盛り上がっていくブンブンジャーと、関わっていくゴーオンジャーの今後が楽しみです。

 

 

SEED FREEDOM、いよいよフィナーレへ

 

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 今年の頭に公開されてから長いこと人気を博している映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の終映情報が先日報じられました。半年近く公開し続けている映画も5月23日で全ての上映が終了するとのことで、本作が大スクリーンで観られる時が終わることに一抹の寂しさを覚えます。(その一方で配信で見返せるようになる機会も楽しみになってきますが)そんな中劇場上映フィナーレを記念したキャンペーンが開催されるとのことで、上の動画が公開されました。

 …………なのですが、動画の内容がよりにもよって映画本編でキラがアスランにボコボコにされるシーンだったので目が点になってしまいました。この殴り合い自体、失意に呑まれたキラにアスランが厳しくも優しい叱咤激励を送る名シーンなのですが、そこに「映画がもうすぐ終わっちゃう……」みたいなアフレコが吹き替えられているせいで如何せんシュールなものになってしまっています。中でも「お前はSNSに疎すぎるんじゃないのか?」とキラに言い放つアスランがあまりにも面白すぎて、視聴中に変な笑いが出てしまいましたよえぇ。でもアスランは本編でもこういう言い方すると思う。

 以前のズゴックネタといい人気投票の発表といい、ネット上のSEEDのネタ需要を理解しまくっている公式には思わずフフッときてしまいます。映画の真面目な本編含め、これほどまでに「こういうのが見たかった」を用意してくれるのは何だかんだでありがたいですね。それに感想を投稿するキャンペーンそのものは真っ当ですし、笑いと癒しの程よい提供に心が暖かくなってきます。そういった意味ではSEED FREEDOMを映画館で楽しんで、その想いを残しておきたくなる素敵な動画だったと言えるかもしれません。

 

 

ルルとオジサマが紡いだ「勇気の物語」

 

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 前季アニメの中でもトップクラスの話題を呼び、勢いづいたまま最後まで駆け抜けたアニメ『勇気爆発バーンブレイバーン』。その外伝小説である『勇気爆発バーンブレイバーン 未来戦士ルル』が、先日発売されたホビージャパンにて連載開始されました。10話で未来から来たことが明かされたルルが、本来の時空で何を経験したのか。スペルビアが仲間にならないまま戦いが激化していく世界線を描いていくとのことで、発表当時から結構気になっている作品です。そんな小説1話の冒頭部分がWEBで公開されていたので、早速読んでしまいました。

 そんなわけで冒頭部分を齧った印象としては、「後の展開を想うだけに気が気でなかった」でしょうか。デスドライヴスの侵攻に立ち向かうイサミとブレイバーン、共に戦う仲間たちの緊迫した様子にハラハラさせられました。トンチキ要素ばかりが目立ちますが、本来はこれほどまでにひっ迫した状況で人類が戦っていることを改めて実感させられます。そのうえでイサミとブレイバーンがこの先辿るであろう最期を考えるだけで、胸が痛くなってきました。他にもアニメではハッタリかますだけで瞬殺されたセグニティスがちゃんと強そうに描かれているのも印象的で、出し切れなかった実力があるのかという驚きも湧いてきますね。

 また冒頭部分ではリュウジ・サタケの視点で描かれており、彼から見たイサミの話にも息を飲みました。スミスを失ったまま全てを背負って戦おうとするイサミの痛々しさを思うと、この世界でルルが力になれなかったことがどれだけの影響をもたらしているのかがわかりますね。その分サタケさんをはじめとしたATFのメンバーが、「ヒーローと共に戦う仲間」になるためにイサミを支えようとしているのも伝わってきてグッときました。アニメ本編ではイマイチ影の薄かった彼らの活躍にも期待したいところです。

 結局冒頭部分ではタイトルにあるルルは登場しませんでしたが、まぁ実際に本編を読めばちゃんと活躍してくれるでしょう。ブレイバーンの補完の物語として、こちらもほどほどにチェックしてみたいと思います。

 

 

 ブンブンジャーといえば先週が第1章の完結ともいうべきストーリーで大いに盛り上がりましたね。BBG(ビッグバングランプリ)の出場というブンドリオの夢を叶えようとする大也の目的が明らかになったところで、彼に引っ張られるだけでなく一緒に夢を追いかける気概を見せた未来たち他メンバー。彼らの団結を以て、ブンブンジャーの5人は本当の意味で「戦隊」になったのだと感じられる神回でした。

 

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 1章(1st LAP)完結後の記念PV動画も公開され、クールさと陽気さをちょうどいい塩梅でまとめた映像にこれまたテンションが爆上がりました。ここまでシンプルながらも素敵な「子ども向け番組」の良さを、ストレートにやってくれる戦隊は久々なので本当に楽しいです。これから先の第2章(2nd LAP)にも期待で胸を膨らましつつ、ブンブンジャーを今後も毎週全力で視聴していく所存です。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

最近のオタク系ニュースについて軽くコメントするだけの記事 その31(雑記 2024.3.24)

 

 

 先日、NHKにて『ガンダムSEED』の特番が放送されました。現在公開中の映画『SEED FREEDOM』の人気もあって組まれたであろう番組ですが、いざ見てみたら思った以上に真面目な内容に驚きましたね。ガンダムシリーズにおいて避けられない「戦争」というテーマを、現実世界で起きた事件などを交えて語っていく様子に思わず見入ってしまったほどです。SEEDFREEDOMは割とぶっ飛んだ映画だったので特番の神妙な空気とのギャップが激しいとも思いましたが。今回はそんな特番の感想を交えつつ、他のニュースについても語っていきたいと思います。

 

 

 というわけで以下、今回のお品書きです。

 

 

 

 

 

 

『アニメが問う戦争と未来 〜ガンダムSEEDの20年〜』感想

 というわけでまずは上述通り、NHKの特番についてを語っていきます。この特番では『機動戦士ガンダムSEED』に携わってきた制作者たちにスポットを当て、それぞれが何を思い作品に乗せてきたのかが語られていきました。SEEDの監督である福田己津央氏を筆頭に、聞いた覚えのある人物が次々と出てきたのが面白かったですね。中でも西川兄貴こと西川貴教さんが「SEEDの映画はまだですか?いつでも歌う準備出来てますよ」と監督に20年近く呼びかけてきた話にはクスっとさせられます。これらの話だけでも各々の本作への愛情がふつふつと伝わってきました。

 そして現実での出来事に関わる影響についての話が大きな見どころ。最も大きく取り上げられたのが9.11ですね。ビルに飛行機が突っ込み黒い煙と炎が立ち昇る光景に当時多くの人たちが呆気に取られましたが、それは福田氏たちも同じだった模様。SEEDの凄惨な戦争描写が作られた理由の1つとしてこの事件が挙げられるのも納得でした。中でもネットワークプロデューサー・宮川恭夫氏が当時ニューヨークに住んでいて、家の窓から貿易センタービルが見えていた話に慄きました。実際にあの場の近くにいた人なのですから、我々以上に実感が伴っていたであろうと。

 他にもコーディネイターの設定に関わるクローン羊のドリーなど、ゼロ年代ならではのニュースも多かったです。アニメなどの創作に実際の事件が大きく影響を与えているのはよく聞く話ですが、こうして説明されるとより説得力を覚えましたね。竹田靑滋氏がプロデューサーとして変にぼかさない、非戦などのメッセージを伝えようとしていたのも納得です。(ただ『SEED DESTINY』1話冒頭の、マユの残された腕のシーンについてはそこまでハッキリ描かなくても……と思わなくもなかったり)クリエイターたちがアニメから真に迫るものを込めていたと思うと、本作を見てきたファンとしても嬉しいところです。

 

 またSEEDを語るうえで外せない、シリーズ構成の故・両澤千晶氏の話も興味深かったです。夫の福田氏をはじめとして多くの人たちが氏が描こうとした苦悩、そこに至るまでの苦難のエピソードなどを話していました。そこで目に留まったのが両澤氏が脚本家である以前に「2児の母」であることが強調されていた点ですね。上のドリーの話から氏が「もし出来るなら自分はこの子たちの遺伝子を調整しただろうか」と考えていたであろうという証言は、上の竹田氏とはまた異なる子どもたちへのアプローチのように感じました。当人がいない今ハッキリとしたことはわかりませんが、両澤氏は恐らく自分の子どもに見せ・伝えたい「戦争や差別の実情」を『SEED』に込めていたのかもしれません。

 あとこれは個人的にすごく食いついてしまった話なのですが、両澤氏が漫画家の萩尾望都氏のファンだったという話には思わず二度見してしまいました。僕自身好きな漫画家であり、「少女漫画界の母」とも呼ばれる生けるレジェンドの作品を愛読していたと思うと途端に親近感が湧いてきますね。

 しかも氏の弟さんから「キラが仲間たちから孤立していく過程」は『ポーの一族』から着想を得ているのではないか、と語るシーンで腑に落ちました。コーディネイターであるキラが戦争で活躍していく内にサイたちが「アイツは俺たちとは違う存在なんだ」と感じ始めるくだりは印象的ですが、ポーの一族のエドガーとアランから人々が離れていくエピソードとなるほどピタリと当てはまるからです。両澤氏はバンパネラが抱える悲哀をコーディネイターに置き換えることで表現したというのはかなり納得させられる可能性です。SEEDもポーの一族も好きな身としては、意外な共通点を発見してニヤリとさせられますね。これを知れただけでもこの特番を見た価値はあると感じました。

 

 

ガンダムSEEDの人気キャラ&MS、ついに発表!

 

 

続いてはまたまたSEEDについてですが、今度は以前も話した人気投票について。劇中の登場人物やMS(モビルスーツ)・MA(モビルアーマー)の中からそれぞれの人気トップ50を決めるという企画で、以前中間発表も公開されて大いに盛り上がりました。

 

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↑中間発表の話は上の記事を参照。

 

 投票期間が終了してから約1か月が経過し、先日ついに最終結果が発表されました。栄えあるトップの座を飾ったのは……

 

キャラランキング1位
1位:カガリ・ユラ・アスハ
2位:キラ・ヤマト
3位:ラクス・クライン
4位:アスラン・ザラ
5位:シン・アスカ
6位:イザーク・ジュール
7位:アーノルド・ノイマン
8位:ディアッカ・エルスマン
9位:ルナマリア・ホーク
10位:ステラ・ルーシェ

 

MS・MA部門
1位:フリーダムガンダム
2位:マイティーストライクフリーダムガンダム
3位:デスティニーガンダムSpecII
4位:ズゴック
5位:ストライクルージュ
6位:ストライクフリーダムガンダム
7位:アカツキ
8位:インフィニットジャスティスガンダム
9位:ライジングフリーダムガンダム
10位:インフィニットジャスティスガンダム弐式

 

 といった結果。順位に関しては中間の時から大きく変化しなかったものの、カガリ1位とフリーダム1位という事実には仰天してしまいましたね。両者の人気の高さは以前から知っていましたが、他の候補を押し上げてトップに立つほどだと思うと中々に衝撃的。特にフリーダムガンダムは以前も話したように映画の方では全く出ていないので、純粋にSEED本編での活躍で勝ち取った人気である点に驚嘆するところです。(また個人的な余談ですが、投票期間中コツコツ投票していた元祖デスティニーガンダムが8位から12位と一気に落ちてしまったのが個人的には結構悲しかったです

 

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 そんな人気投票を大々的に発表した上の動画も見逃せません。アスランとメイリンという、映画でもかなりフリーダムに活躍したコンビがランキングをノリノリで紹介していく様子に思わず顔が綻んでしまいました。その過程でシンに撃墜された時の話を軽いノリかつ笑顔で話す人並み外れたメンタル持ちのメイリンに、淡々と紹介しながらズゴックの上位ランクインにひと際困惑するアスラン……各々の反応が面白すぎて見ていて笑いが止まらなかったです。特にアスラン、ディアッカは素直に祝福しているのにイザークとシンには「勝った」とかそういうところだぞマジで!

 ひとまずこれで人気投票は終わりですが、色んなキャラクターや機体に触れながら思い出していく日々は楽しかったですね。また何かしらの形で、SEEDの世界に触れていく企画をやってほしいです。

 

 

一方そのころフリーレンの人気キャラは……

 

 

 人気投票ネタが続きまして、今度は先日アニメが完結した『葬送のフリーレン』の第2回キャラ人気投票。そちらの結果が先日発表されました。アニメ化前に開催された第1回とは打って変わって、今回はアニメの範囲で登場したキャラが多くランクインしているとの話です。アニメにハマり原作の方もちょっとチェックするようになった身としても気になるランキングですが、そうしてチェックしたベスト10は……

 

第1位:ヒンメル
第2位:断頭台のアウラ
第3位:フェルン
第4位:ユーベル
第5位:フリーレン
第6位:リーニエ
第7位:シュタルク
第8位:黄金郷のマハト
第9位:ソリテール
第10位:ミミック

 

 といった感じになりました。(8位と9位のキャラはアニメ未登場で僕も知らないのでこの場ではあまり触れないでおきます)主役のフリーレンが5位というのは少々意外でしたが、1位のヒンメルは納得の人気ぶりですね。その次にランクインしたアウラの存在感も凄まじい………………ちょっと待てよ!?何でアウラ!?

 はい、アウラが2位というとんでもない結果になりました。フリーレン一行VS魔族との決戦で結構無様な最期を遂げ、それがかえってネタ的人気を獲得していたのは知っていましたが人気投票でここまでの結果を出すとは思ってもみなかったです。こういう投票結果を見ると真っ先にポケモンのコイル的な組織票を疑ってしまいますが、どちらかというと今回はデュエマのザガーン様に近いものかもしれないと感じています。フリーレンと仲良くやっているアウラの幻覚がネットミームとして有名になったのでしょう。とはいえ個人がそれぞれ複数票稼いだ可能性が濃厚ですが。

 

 

 実際投票者1人、キャラ1人につき1票のみで集計した場合はこんな感じ。それでもアウラが1位にいるのは結構強いですが、基本は順当な結果といえるでしょう。(ただこれはこれで4位のミミックで二度見してしまいますね)他にもユーベルやリーニエといった美少女がランクインしている辺り、「可愛さは正義」というワードが思い浮かびます。みんな可愛い子が大好きなんだなぁ!!気持ちはわかるよ!!

 

 

(ちなみに「推しコマ投票」なるものの結果でもリーニエのコマがトップにいる件

 

 

王者たち(ゴジラ&コング)と共に、極彩色の守護神が舞う

 

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 最後は4月末に公開予定の『ゴジラxコング 新たなる帝国』の新特報映像について。もうすぐ見られる怪獣同士の派手なぶつかり合いにワクワクさせられる中、上の映像にチラリとモスラが確認出来たことでさらなる話題を呼びました。0:26辺りに飛ぶ姿が一瞬だけ映るのみですが、その一瞬で十分あの巨大で美しい羽の存在感が伝わってきます。モンスターヴァースの時空では『キング・オブ・モンスターズ』以来の登場となるモスラが、再び大スクリーンで飛び立ってくれることにテンションが上がってしまいますね。

 そして気になるのはやはりモスラの役目。多くのファンが考えているように、僕自身本作のモスラは「ゴジラとコングの仲を取り持つ存在」として活躍しそうだと予想しています。前作で天敵同士としての不倶戴天っぷりを見せつけた両者がどうやって並び立つのか疑問でしたが、間にモスラが入ってくれるならなるほど上手くいきそうな気がしました。実際モスラは『大怪獣地球最大の決戦』にて、キングギドラを倒すためにゴジラとラドンを宥めながら人類と協力させようとした実績があるので本作でもそういった役割が与えられそうです。人類に味方してくれることが確定している以上、安心感のあるモスラに期待が止まりません。これだけ怪獣が出てくる本作が2時間くらいで収まるのかという疑問も湧いてきますが、それは置いといて純粋に楽しみにしていたいと思います。

 

 

 ガンダムSEEDが話題になる度に、20年前の作品が今も愛されている事実を感じる今日この頃。子どものころ楽しんでいた作品が長い時を経てもこうして語られるのは不思議ながら、喜ばしい話ですね。これからももっとSEEDの世界に浸っていきたい、そんなことまで思えてきます。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

メタレド的、印象に残った2023年アニメキャラ10選

 

 

 2024年も早いことで3月を迎えました。今現在多くの人が様々な冬アニメを視聴し、来月に控えている春アニメの期待もしていることでしょう。かくいう僕もアニメに限らず、多くの作品を糧にしている真っ最中です。

 ただその前に、例年同様に昨年のアニメ作品の中から印象に残ったアニメキャラについて書いていきたいと思い、今回筆を取りました。新年からバタバタと忙しく中々手につかなかったからこそ、今のうちに片付けておきたいと考えています。既に2024年アニメのモードに入っている人たちにとっては本当に今更な記事になってしまいますが、読んでいただければ幸いです。

 

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↑これまで書いた記事については上を参照。

 

 さて各キャラについての話に映る前に、昨年同様ルールの説明をば。上にもある昨年の記事に描いたルールに少々付け加えたものになります。というのも配信などの形態でテレビ放送が遅れるアニメが増えてきた現在、どうやって今年のアニメと判断するかを考える必要が出てきたからですね。そのため今回からルールは以下の通りになりました。

 

  • 2023年以内に国内でのテレビ放送または映画上映がされた作品(再放送などは含めない)
  • 2023年以前に配信されたり、海外で放送された作品でも上の条件を満たしていれば2023年アニメと含める。
  • 筆者が内容を8割以上視聴した作品
  • 当ブログで感想で書かれた作品

 

 そしてここに作品のテーマの理解や各キャラの造形、何より筆者の好み(←最重要!)など細かな条件を加えて10作品からそれぞれ10キャラを選びました。一般的な視聴者の好みとは大きく異なる・筆者の趣味が大きく入ったものになりますが、ご了承ください。

 

 

 というわけで以下、印象に残ったアニメキャラ一覧です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルガルド・ボナ・パレッティア:『転生王女と天才令嬢の魔法革命』

 トップバッターは『転生王女と天才令嬢の魔法革命』よりアルくんことアルガルド。(初っ端からメインではなくサブキャラという変則的な選出になってしまいましたがどうかご容赦を)本作は普通に百合アニメとして楽しむつもりで視聴したのですが、話が進むにつれ仄暗い世界観とそこに暮らすアニスフィアやユフィリアたちのお労しさの方に注目するようになってしまいました。その中でもアニスの弟アルくんの抱える事情や問題の数々に目が離せなくなったほどです。

 1話でのユフィリアとの婚約解消、その後のレイニへの仕打ちなど最初こそ間抜けな美少年かと思いきや、話が進むうちに切れ者にして狂気的な側面が徐々に露になっていくのが印象的。そして最後には姉のアニスに対する愛情の深さと、彼女を認めない国への憤りに胸を痛める一面が明らかになった時は内心声を上げてしまいました。国の連中が固執する魔法への嫌悪など、魔法に憧れるアニスとの対比も相まって実に痛々しく思えてきます。極めつけは魔法を「呪い」とする発言や姉を貶める自分の存在すら憎む姿勢で、姉が大好きなだけでここまで苦しむことになったその境遇に同情が止まりません。

 ユフィリアのおかげで姉弟での殺し合いは避けられてアルくんも無事になったものの、結局アニスとの真の和解は果たされなかったのも辛かったですね。姉と弟、それぞれ互いの心情は何となく理解出来たであろうにそれが共有されず、彼だけが廃嫡の末路を辿るのはあまりにも救いがなさ過ぎます。そんなお労しさMAXなアルくんが本作で最も印象に残りました。しかし聞いたところによると原作ではこの後送られた辺境である程度救われているようなので、機会があればチェックしておきたいですね。

 

 

有馬かな:『【推しの子】』

 続いては昨年大いに話題となりアニメ2期の放送も控えている『【推しの子】』より有馬かな。「10秒で泣ける天才子役」→「重装を舐める天才子役」→重曹ちゃんというあだ名をファンに与えられたある意味での愛され(?)キャラです。割と面倒くさい性格をしていながらも弄られキャラが確立されつつあり、劇中での報われなさも妙にくせになります。※筆者は原作漫画の続きも読んでいますが、ひとまずアニメ1期の範囲でのみ語ります

 そんな重曹ちゃんことかなですが、彼女に関してはストイックな性格に反した自虐的な面が目に付きますね。演技力だけでなく歌もダンスも得意で自分を売り出す努力を欠かさないのに、如何せん自分を過小評価しがちな様子が1期全体を通してこれでもかと描かれています。子役時代の旬を過ぎ売れ残ってしまったトラウマ故に、自身の力を当の本人が信じられずにいる姿が絶妙に痛々しかったです。ルビーのようなわかりやすいアイドル気質のヒロインが隣にいたのも、彼女の自信のなさに拍車をかけていたものと思われます。

 しかしアクアとの再会とB小町への誘いが徐々にかなの力に変わっていったのが大きな注目ポイント。11話での「アンタの推しの子になってやる」発言の決意に満ち溢れた姿は一転して活力に溢れていました。この辺りからかなの本当の実力は凄まじいこと、本人が果てしないやる気と尊大なまでの自信を持っていれば輝くことが存分に描かれていたと感じています。天才子役だった頃の自分は最強なんだからみんな私を見ろ!!とも言うべきわがままな面を持ち続けてこその有馬かな本来の魅力。そこに彼女自身が気付けるのかという問題も含めて2期での重曹ちゃんの活躍が楽しみです。

 

 

エラン・ケレス(強化人士5号):『機動戦士ガンダム 水星の魔女』

 毎週放送されるたびに何かしらの関連ワードがトレンドに上がり、その都度話題になった『水星の魔女』。主人公のスレッタやそれ以上に活躍していた気がするグエルなど魅力的なキャラが多くみんな甲乙つけがたいのですが、個人的に最も印象的だったのはエランもとい強化人士5号でしょうか。しかしエランというと1クール目に出ていた強化人士4号のショッキングな最期とオリジナルのエラン・ケレスもあって、その後に出てきた5号のチャラいキャラクターには当初あまり慣れずにいました。

 しかし2クール目が始まって以降は、5号の軽薄さの中に隠れた「生き残るための執念」に似た一面を目撃して徐々に好きになってきましたね。ガンダム・ファラクトに乗りながらもパーメットを使用せず乗り切ろうとしたり、自分の身が危なくなるとみるやシャディク側に逃げ込んだりと徹底して保身に走る様子には笑いつつも気に入ってしまいました。(「こっちは本気出したら死ぬんだよ」と陰で毒を吐くシーンが地味に好き)ガンダムという作品でここまで生存意欲が高いキャラは珍しいと感じたので、一周回って清々しさすら覚えます。

 そんな自分の命優先で終わるキャラならまだそこまで印象的ではなかったのですが、20話でのノレアに対する言葉の数々でこれまた度肝を抜かれることに。それまでのねっとりとした喋り方ではなく、必死に訴えるような熱い声でノレアに「生きてもいいんだ」と言ってくれるシーンは衝撃的ながらグッときました。上でも書きましたが、命が容易く失われがちなガンダムシリーズにおいて生きることの貪欲さを魅せてくれたのは中々に興味深いことだと思います。最終的に何だかんだで生き残って、ノレアが遺した絵の湖を探しに出かけるラストがより彼の生き方を映えさせていましたね。生きるか死ぬか、ではなく“生きてこそ”を語ってくれたエラン5号は、ある意味でガンダムの「死の呪い」を破ってくれたのだと考えています。

 

 

アヌビス(シリウス):『贄姫と獣の王』

 筆者のお気に入り少女漫画の1つ『贄姫と獣の王』。多少駆け足だったものの原作で必要な部分を2クールで見事にまとめた良きアニメ化だった本作からは、王様(レオンハート)に仕える宰相アヌビスを選びました。原作の頃からのお気に入りキャラでもあるので完全な趣味枠の選出ですが、アニメでの活躍も印象深いので問題ありません多分きっとメイビー。

 このアヌビスをというキャラのイメージを一言で表すなら「意地悪な姑ポジション」でしょうか。王様の妻となった主人公・サリフィを認めず、彼女の活躍をあの手この手で妨害してくる様子はまさにシャクに触るタイプのキャラ。それでいて目論見が上手くいかずラントといった奴らには度々ナメられるので、ヘイトが溜まらずに済むいい塩梅の嫌がらせ担当に仕上がっていたと思います。何より人間に対する偏見や嫉妬にに凝り固まっていた彼が、サリフィとのやり取りを経て王夫婦の理解者へとなっていくのが素敵でした。

 しかしアヌビスの真骨頂は王への敬愛と忠誠心。幼少期に守ってくれた王様のために、嫌われ者になろうとも支えていく覚悟を決めた彼の姿は個人的にはかなり響きました。周囲が言いにくいことも口にし時には王の意向にも背く、イエスマンではない王に仕える者のあるべき形を体現していたと思います。特に終盤のセトの反乱の際にも味方を欺き、土壇場で王様を立てるシーンは最高にカッコよかったですね。最後にはそんな彼の頑張りを王様が理解し、再びわかりあえたのですから感動が止まりません。姑キャラと理想の従者、この二面性こそアヌビスの魅力と言えるでしょう。

 あとは余談ですが、アニメの次回予告ではよくオチ担当になっていたのも面白かったですね。ヨルムンガンドに「私のことなど放っておいて王を助けに行け!」と言って本当に置いて行かれるオチには爆笑してしまいました)基本的にコミカルな予告のコントで弄られポジションが多かったからこそ、上述のアヌビスの見方がより定まっていったと思います。

 

 

雷門瞬:『星屑テレパス』

 秋に放送されたきららアニメ『星屑テレパス』は、話題にこそあまりならなかったもののよく出来た作品でした。人と繋がることを恐れる主人公の海果がロケット開発をきっかけに壁を取っ払い、仲間たちと一歩を踏み出す過程は本当に素晴らしかったです。しんどい部分も多いけど、だからこそそれを乗り越えた瞬間のカタルシスが最高に心に響く作品だったと思います。

 そんな星テレで最も筆者の心に残ったキャラと聞かれると、間違いなく瞬(またたき)ちゃんを選びますね。ぶっきらぼうで口も悪いけど、不器用故の優しさや可愛さも併せ持つ非常に魅力的なキャラに仕上がっていました。何よりどこかフワフワしていた海果のロケット作りが、彼女の介入によって地に足が付いたものに変わっていく感覚が興味深ったです。機械弄りに慣れておりロケット制作の経験もある瞬だからこそ、楽しいだけではないロケット競技の危険性や怖さ、そして記録を出すことの難しさも伝わってきました。

 それでいて瞬自身はその責任感と自己肯定感の低さが問題として描かれていたのが見逃せないポイント。自分が頑張って結果を出さなければ仲間になる資格はない……と自身を追い詰める様子は見ていて胸が締め付けられるものがありました。海果とはまた別に人と関わることに恐怖を抱き、それ故に周りを傷付けてしまうどうしようもなさが見ている側の心にも大きな痛みを残していったと思います。そんな居場所を求めるものの立ちすくんでいた瞬の臆病な一面があったからこそ、海果たちのおかげでその輪に戻ってこれた時は涙が止まらなかったです。瞬の存在はまさに本作の面白さを大きく引き上げてくれていたと言っても過言ではありません。

 また瞬に関しては何かと絡むことが多かった遥乃との関係もいいですね。包容力に優れた遥乃との凸凹コンビで終わるかと思いきや、瞬が彼女の「本気になっていない」ことを指摘する回には衝撃を受けました。そこから先の感情をむき出しにした遥乃とのやり取りを考えると、これもまた彼女たちに取って必要なシーンだったと言えますね。そんな両者の関係性は本当に見事です。みんな、またはるはいいぞ……!!

 

 

秋里コノハ:『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』

 秋のオリジナルアニメの1作『16bitセンセーション』は、1990年代から2010年代のギャルゲー(エロゲー)をはじめとしたサブカルチャーを知る人に大きな衝撃を与えてくれた作品でした。筆者自身知っている作品の名前がチラホラ出てくることもあり、視聴中「これも出てくるの!?」と何度も耳を疑ったものです。当時のオタク文化を楽しんだ身ほど刺さる、そんな狭い範囲ながら絶妙なアニメだったと思います。

 そんな本作の主人公・コノハは良くも悪くも自分の“好き”に対するパワーに満ち溢れた少女。自分が描いたキャラをゲームで出したい!という目的を持ちながら、現代の職場では満足した仕事を貰えない。タイムリープ(タイムスリップ)した先の過去でも昔の製作環境に苦戦したりと彼女自身が持つ“情熱”を発散させることが出来ない……と有り余った体力の使い道に悩む中学生みたいなやかましさがありました。それでも過去で出会ったアルコールソフトのゲーム制作に関わり、充実感を得ていくことで周囲を振り回していくのがまた可愛らしかったと言えます。そのうえでマモルの98(PC-9800)愛を肯定するなど、基本的に好きに対する情熱がある点にも好感が持てました。

 その情熱でアルコールソフトが抱えた借金という危機を乗り越えるものの、そのために制作した「ラスト・ワルツ」によって未来が大きく改変されてしまう辺りからコノハのさらなる受難が始まったのも特徴的。衝動的な行動を繰り返した結果、取り返しのつかない事態にまで発展してしまったのは思春期の過ちというテイストがあって何とも趣深いです。(当人たちに取ってはそんなこと言っていられる状況ではないのですが)しかし自分たちの選択の大きさを思い知ってしまった後も、それをさらに良い方向に変えていこうとする姿勢に感心させられました。自身の記憶の消滅の危機やディストピアめいた制作環境を前にしても自分の好きなもののために一貫していくコノハのブレなさにはある種尊敬の念を抱きますね。時代から取り残されたモノに対しても“自分はこれが好きだ”と叫び続けられるコノハは、まさに本作の主人公に相応しかったのだと改めて感じます。

 

 

フリード:『ポケットモンスター(2023)』

 サトシとピカチュウが卒業し大きな転換点を迎えたアニポケ。昨年春から始まった新シリーズではリコという少女を中心に、全く新しい冒険を描いていくストーリーが話題を呼びました。縦軸の強いストーリーやジムバトルが中心ではない展開など、これまでのアニポケの常識を打ち破り新しいことを続々とやり出す内容はシリーズを長く見続けているファンとしても楽しみに注目しています。

 中でも新鮮だったのはライジングボルテッカーズとそれを束ねるフリードの存在ですね。日常やバトルで未熟なリコとロイを守り、エクスプローラーズというガチの強敵たちを相手に戦う頼もしい“大人”として活躍してくれるフリードには大いに驚かされました。過去のアニポケが子どもたちだけの冒険だったからこそ、子どもたちを見守る保護者たちがしっかりいることは衝撃的だったと言えます。豪放磊落なようでいて目上の相手への礼儀もしっかりしており、子どもたちを叱る時は叱る指導者としての優秀さもアニポケではかなり斬新に見えましたね。
 それでいてただの保護者では終わらず、自身の夢などをキチンと持っている点もフリードの魅力。それがわかったのは18話で、現在とは対照的に燃え尽きていたフリードが後にキャプテンピカチュウとなるピカチュウと出会い、情熱を取り戻していくストーリーには感動しました。ポケモン博士(たまに忘れそうになりますけど博士なんですよ)としてあらゆるポケモンを調べ尽くしたと驕っていた自分を恥じ、まだ見ぬ世界へと足を踏み入れていく決意を固める流れは大人の視聴者ほど刺さるものがあるかと思います。子どもたちの夢を支えるだけでなく、自分自身の夢と情熱の世界を持ったフリードは個人的にも大いに憧れる素敵なキャラになりましたね。

 

 

ソーニャ:『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』

 ここからはアニメ映画のターン。まずは毎年恒例の映画ドラえもんですが、この『空の理想郷』はユートピアに見せかけたディストピアの恐ろしさや良いところも悪いところもひっくるめて個性として受け入れる物語が実に素敵な作品でした。「これが僕だからだ!」と断言するドラえもんや、仲間の欠点を愛おしそうに指摘するのび太は個人的にも特に好きな名場面です。そんな本作ではゲストキャラであるソーニャが最も印象の残りました。

 パラダピアを守護するパーフェクトネコ型ロボットという肩書もさることながら、ずんぐりむっくりなドラえもんに対して非常にスラッとしたプロポーションがどこか奇妙で面白かったですね。しかしそれ以上に、礼儀正しい彼がドラえもんとのび太の関係を目の当たりにして徐々に砕けた態度になっていくのが見ていて心地よかったです。その一方でソーニャがかつて主人に捨てられた過去、それ故また捨てられるかもしれない恐怖に怯えている様子はかなり目に焼き付きました。今の主人である三賢人への忠誠を誓う一方で、パラダピアの悪事を暴こうとするドラえもんたちと戦うことになる彼の姿は本当に辛そうでした。

 ポンコツとして捨てられたから、完璧(パーフェクト)でいなければいけない……そんなトラウマからくる強迫観念で動いていた彼だからこそ、最後には友達のために身を投げうつ覚悟を見せる瞬間にほろりとさせられます。友達を得て、それらの歪んだ価値観から脱することが出来たいじらしさが素敵なキャラでした。パラダピアの爆発を受けてもソーニャの記憶チップは無事だったというオチはご都合展開と言われそうですが、ここまで彼に感情移入した身としてはいいだろご都合展開上等だ!と考えますね。(何より「ソーニャとのび太の0点の答案は、偽りの理想郷如きでは焼き払えなかった」と解釈するとエモいです)EDの元気そうなソーニャを見るだけで、本当に良かったと思えます。

 

 

グウェン・ステイシー/スパイダー・グウェン:『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』 

 今回唯一の海外アニメから選んだのはスパイダーウーマンの1人、グウェン。前作『スパイダーマン:スパイダーバース(Spider-Man: Into the Spider-Verse)』ではスパイダーマンになったばかりのマイルスを助けてくれる良き先輩の1人として活躍していましたが、続編のアクロス・ザ・スパイダーバースでは一転、悩める少女として描かれていました。自分の正体を友人や父親に隠し続け、友人・ピーターの死に苦しみ続ける序盤はかなり陰鬱だったと感じています。父に正体がバレて銃を向けられるシーンはもう見ていられなかったです。

 それ故にスパイダーマンのコミュニティに所属し、結果マイルスとの仲も若干拗れてしまうのがまた辛いですね。新しい居場所に固執するあまり、かつての仲間と適切な距離が取れずにいるのは見ていてもどかしくなってしまいます。そもそもの原因であるスポット探しのパートで、任務よりも先にマイルスに会いに行ってしまう辺りが彼女のどっちつかずな問題を表わしていたと言えます。自分の世界(アース)を見限る寸前にまで追い詰められていた、彼女の思春期な暴走と迷走は何とも言えない歯がゆさがありました。

 そのため最後に戻ってきた自宅で、警察官を辞めた父との和解を果たすシーンは感動的なものになっていました。警官ではなく親として娘を見てくれた父に対し、グウェン自身も狭めていた自身の視野を広げていく感覚を覚えました。それを証明するかのように、これまでは暗い色合いで描かれていたグウェンの世界が途端に色づく演出になっていったのも印象深いですね。そしてバンドすらまともに続けられなかった彼女が最終的には「だから自分でバンドを作った」=信じられる仲間と共にマイルスを助けに行くラストは最高の一言です。次回作では吹っ切れた彼女がマイルスと共に多くの世界を救う展開を期待したいですね。

 

 

梓川花楓:『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない』

 最後は青春ブタ野郎シリーズより主人公の咲太の妹・花楓(かえで)を選出。花楓に関してはテレビシリーズの頃から思うところがありましたが、彼女が主役の『おでかけシスター』を見たことでそれらの心のしこりを一気に取り除くことが出来ました。そういった意味でも大いに印象に残る作品とキャラクターだったと思います。

 というのも彼女を語るうえで外せない“もう1人のかえで”の存在がチラつくからですね。中学でいじめを受けた花楓が自身を守るために記憶を失い、そうして生まれた別のかえでの方が視聴者としては愛着がある問題がありました。実際筆者自身もテレビシリーズの終盤、花楓の記憶と人格が戻ってきた時は愕然としたものです。本来の花楓が戻ってきたのは嬉しい、けど消えてしまったかえでのことを想うと……そんな複雑な感情を抱えてしまうほどショッキングだったため、花楓のことをどう扱えばいいのか迷う時期もありました。

 しかしそんな想いを抱えたまま本作を観に行った結果、花楓が抱えている苦しみや諸々の想いを知り一気に感情移入することになりました。何といっても兄の咲太と同じ高校に進学しようとした理由が「消えたかえでがノートに書き残した“やりたいこと”だったから」というのがいじらしくて涙が出てきます。視聴者がずっと抱えていたかえでへの感情を、花楓自身もずっと考えていたとわかったのは本当に大きかったです。花楓は自分自身に加えてもう1人のかえでのために頑張っていた、それを理解出来ただけでも涙ながらに嬉しかったです。
 そしていじめのトラウマと必死に戦いながらも受験に失敗し、彼女に合った通信制の道を選ぶ過程も受け入れることが出来ました。かえでのことも忘れられないけど、何より花楓自身の幸せも重要だと劇中の人物・視聴者共に考えさせられる映画だったと思います。テレビシリーズからずっと視聴者の頭の片隅に残されていた花楓とかえでの問題に対し気持ちの整理をつけさせてくれた点として、本作は本当に素晴らしかったです。

 

 

 というわけで各アニメキャラについてのコメントでした。また例によって長々と書いてしまいました。昨年のものより文章量を抑えようと試みたつもりですが、いざ書き始めると難しいものです。しかしその分各キャラへの想いを書き綴ることが出来たとは思うので、個人的には結構満足しています。

 また今年も10キャラ選ぶのは大変でしたね。惜しくも選ばれず次点となった候補をざっと挙げるだけでも……

 

  • 蜂楽廻:『ブルーロック』
  • モニカ:『スパイ教室』
  • 緒山みはり:『お兄ちゃんはおしまい!』
  • エンリコ・プッチ:『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』
  • ジョナス・アンダー:『シュガーアップル・フェアリーテイル』
  • 籠目原ミカヅキ:『吸血鬼すぐ死ぬ2』
  • トーマス・トーラス/ヒーイズトーマス:『TIGER & BUNNY 2』
  • ちびメカゴジラ:『ちびゴジラの逆襲』
  • 椿ゆかり:『山田君とLv999の恋をする』
  • 志摩聡介:『スキップとローファー』
  • 夏油傑:『呪術廻戦(2期)』
  • ライラプス:『幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-』
  • 修多羅千手丸:『BLEACH 千年血戦篇ー訣別譚ー』
  • シュタルク:『葬送のフリーレン』
  • メガトロン:『トランスフォーマー アーススパーク』
  • 最上静香:『アイドルマスター ミリオンライブ!』
  • フェニックス:『でこぼこ魔女の親子事情』
  • みっちゃん(光山):『ミギとダリ』
  • 覚知山ボウイ:『デュエル・マスターズ WIN 決闘学園編』
  • ゴーハ・ユウナ:『遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!』
  • 風見バード:『BEYBLADE X』
  • ウルツキ・セリア/マスクレディー:『ガンダムビルドメタバース』
  • 非理谷充:『しん次元! クレヨンしんちゃん THE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜』
  • ラオ(シバ):『SAND LAND』
  • 海原神:『劇場版シティーハンター 天使の涙』
  • 大和田ルイ&ウッコモン:『デジモンアドベンチャー 02 THE BEGINNING』
  • 小林先生(小林宗作):『窓際のトットちゃん』

 

 こんだけいます。こちらに関しても10選の中から選ぶことが出来なかったものの、非常に印象的かつお気に入りのキャラだとここで言っておきたいです。(無論ここに書き出されなかった作品にも印象に残るキャラが存在します)

 というわけで2023年のアニメについては書き終わり、次は今年2024年のアニメキャラにもしっかり目を向けていきたいところ。もうすぐ始まる春のアニメではどんなアニメを見つけられるか、そこで印象に残るキャラはいるのか楽しみになってきます。(現在放送している冬アニメにもいくつか気になるキャラが出てきましたね)そんな期待を胸に抱きながら、今回はここで筆を置きたいと思います。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

最近のオタク系ニュースについて軽くコメントするだけの記事 その30(雑記 2024.2.24)

 

 

 今回の雑記記事はスーパー戦隊シリーズの情報がメイン。いよいよ明日最終回を迎える『王様戦隊キングオージャー』の後を引き継ぐ新戦隊『爆上戦隊ブンブンジャー』の情報を主に触れていきたいと思います。毎年恒例となる新戦隊への期待と不安が、いざPVを見た時に興奮に変わる点も語っていきたいですね。

 

 

 というわけで以下、今回のお品書きです。

 

 

 

 

 

 

 

可能性は無限大!新時代をバクアゲろ!!

 

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 というわけで早速新戦隊・ブンブンジャーの情報について。先日18日に行われた発表会見にて主要キャストをはじめとした様々な情報が解禁されました。そして本作に関する空気感と言いますか、「ブンブンジャーとはこういう作品である」といったイメージをわかりやすく叩きつけられた気分になりましたね。如何にも明るくコミカルな戦隊であるイメージを醸し出しながら、要所要所で魅せる車のCMみたいなクールでシックな演出とのギャップも面白いところです。

 さてそんなブンブンジャーですが、全体を通して「スタンダードな戦隊」としての印象を押し上げていたのがポイント。近年の戦隊はシリーズの枠組みに囚われない斬新で個性的な作品ばかりで、その濃さに圧倒されることがありました。そんな中でブンブンジャーは昔から戦隊を見ている人たちが抱いている戦隊のイメージに大きく沿っており、実に安心感のある存在感を放っていると言えます。アクションシーンもブンオレンジなどの余裕ある動きが意外とカッコよくて、おかげで最初ビジュアルを見た時のどうなんだこれ?といった印象も一気に吹き飛びましたね。東映特撮作品恒例の「動くととカッコいい」に本作も当てはまっていたというわけです)主要メンバーに関しても……

 

  • どんな困難も勝負勘で乗り越える発明・改造の天才「範道大也(はんどう・たつや)/ブンレッド
  • 皮肉屋ながら情に厚いスパイにしてチームの頭脳「鳴田射士郎(めいた・いしろう)/ブンブルー
  • 夢と人生を見つめ直す好奇心旺盛なムードーメーカー「志布戸未来(しふと・みら)/ブンピンク
  • ヒーローを目指し邁進する真面目な熱血お巡りさん「阿久瀬錠(あくせ・じょう)/ブンブラック
  • 神出鬼没で正体不明、不敵な笑みを浮かべる調達屋「振騎玄蕃(ぶれき・げんば)/ブンオレンジ

 

 といった感じでわかりやすく、親しみやすいキャラクターに仕上がっている模様。個人的にはブンブラックは色合いだけでなく序盤追加戦士枠のようなポジションも相まってゴーオンブラックを彷彿とさせ、結構な懐かしさを覚えますね。他にも名は体を表すがごとく、車関連のワードを人名に当てはめるセンスにもニヤリとさせられます。

 

 そしてオタク的にはそれ以上に声優陣の豪華さにも触れておきたいところ。本作に登場する味方ロボットと敵組織「ハシリヤン」の幹部それぞれの声を担当する声優さんたちの錚々たる顔ぶれには驚かされました。

 

 

 松本梨香さんと諏訪部順一さん、水樹奈々さんに諸星すみれさんと、プリキュアといったニチアサにもかつて関わったことのある方々ばかり。中でも松本さんといえばアニメ『ポケットモンスター』のサトシ役で有名ですが、戦隊として見た場合は地球戦隊ファイブマン』のサポートロボ・アーサー以来の本格出演です。(『非公認戦隊アキバレンジャー』にも出演していましたが)アニポケを卒業したことで、久々に出られるようになったということでしょう。他にも変身アイテムの音声やEDも担当しており、この1年は松本さんの声を特に楽しめそうです。

 そんな松本さんが演じるブンブンこと「ブンドリオ・ブンデラス」が劇中の巨大ロボ「ブンブンジャーロ」本人という設定も興味深いですね。普段は等身大サイズの宇宙人としてブンブンジャーの仲間たちを支え、巨大戦の時はトレーラーから変形・巨大化することでブンブンジャーロボになるようです。これはメインターゲットである子どもたちへの販促になるよう、ロボットそのものを愛着のあるキャラクターとして描くという考えがあるのかもしれません。別世界のロボが変身してロボットに合体するゼンカイジャーから始まったロボットのキャラクター化も、ここにきて極まったことを感じさせてくれます。

 

 さてまとめるとブンブンジャーは、予告の時点でワクワクさせてくれる戦隊だと思いましたね。ファンとしては「そうそうこれこれこんな感じ」と、よく知る戦隊のノリをそのまま継承してくれているので上述の通り安心感が凄まじいです。何より『カーレンジャー』や『ゴーオンジャー』といった車モチーフの戦隊に見られる「底抜けの明るさ」も仄かに漂っており、トンチキながら熱い作風に期待出来ます。キングーオージャーなど実験的な作品が続いていた分、ブンブンジャーで心機一転して楽しんでいく所存です。

 

 

ブラックホールに消えた奴がいる~♪(デレデレデレデレデッ

 

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 続けては同じくスーパー戦隊シリーズから、今年30周年を迎えた『忍者戦隊カクレンジャーについても触れていきたいと思います。以前30周年記念に何かあるという予感をさせる情報が届き気になっていましたが、ブンブンジャーと同じ日に発表されるというのが面白かったですね。

 

metared19.hatenablog.com

↑初報の時の反応については上の記事を参照。

 

 そして来たる18日に上の動画が公開。カクレンジャーを愛する有名人から印象深いエピソードを教えてもらうという短いながらも濃い内容となっていました。半分くらいモノマネ芸人が尺を取っていたのはちょっとどうかと思いましたが……またこの動画のナレーションはカクレンジャー本編でサイゾウ/ニンジャブルー役のハネジロー土田大さんと、貴公子ジュニア役の遠藤憲一さんという点も素敵でしたね。極めつけは最後のカクレンジャー全員が語った思い出話で、「学校のような気持ち」や「家族のようなもの」とそれぞれの作品への思い入れが感じられて非常に好みです。ケイン・コスギさんのバリバリ肉体派な話もここすきポイント)

 ただまぁ30周年ということで大きなニュースがあるかと期待していたのですが、1話と2話のYouTube配信や円盤の廉価版発売、最後のファンミーティングの情報などで終わってしまったのが残念なところ。てっきりVシネで続編をやってくれるとばかり思っていたので少々肩透かしを食らってしまった気分です。とはいえ今回の動画は特別企画の第1弾であること、動画のラストに「つづく」の文字が表示されたことからまだまだ何かあると見てよさそうですね。高望みになってしまいそうですが、その時こそカクレンジャー総登場に期待したいです。

 

 

1997年、X-MENの物語が再動する

 

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 ディズニープラスにて新たに配信される予定の『X-Men(エックスメン)』の新作アニメ、その名もX-Men '97の新情報も先日キャッチしました。こちらは1992年から1996年まで放送されたアニメシリーズの正統続編として制作されたもので、タイトルの97も「1997年以降もアニメが放映されていたら」という意味合いが込められているのでしょう。アニメのビジュアルも当時を強く意識したものになっているのが特徴的。それでいて動きの作画などはしっかりと現代のアニメらしく洗練されており、技術力の高さを感じさせます。当時のアニメを見た人ならノスタルジーに浸りながら楽しめそうです。

 あとはストーリーに関してですが、当時のアニメのラストで亡くなったチャールズ・エグゼビア/プロフェッサーXの遺志を受け継いだエックスメンの活躍が楽しみな一方、宿敵であるマグニートーにチームを乗っ取られる展開に胸がザワザワさせられます。実質チーム解体の可能性もあるのでは!?という危機感を覚えますが、こうした急展開もマーベルアニメの醍醐味と言えましょう。(『アベンジャーズ・アッセンブル』とか世界の危機がしょっちゅう訪れますし)アニメということでサクッと楽しめそうなエックスメンの新アニメ、こちらもチェックしておきたいです。

 

 

SEEDシリーズの人気キャラ&機体は?

 

 

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 映画『ガンダムSEED FREEDOM』が大ヒットを記録している機動戦士ガンダムSEED』の人気投票が現在開催中。劇中の登場人物や機体をそれぞれ投票する企画で、先日解禁された中間発表で結構意外なランキング結果が貼り出されましたが少々意外な結果に驚きました。キャラクター部門とMS(モビルスーツ)&MA(モビルアーマー)部門それぞれを書き出すと……

 

キャラランキング1位
1位:キラ・ヤマト
2位:カガリ・ユラ・アスハ
3位:アスラン・ザラ
4位:シン・アスカ
5位:ラクス・クライン
6位:イザーク・ジュール
7位:アーノルド・ノイマン
8位:ムウ・ラ・フラガ
9位:ディアッカ・エルスマン
10位:ステラ・ルーシェ

 

MS・MA部門
1位:デスティニーガンダムSpecII
2位:フリーダムガンダム
3位:マイティーストライクフリーダムガンダム
4位:ズゴック
5位:ストライクフリーダムガンダム
6位:ストライクルージュ
7位:アカツキ
8位:デスティニーガンダム
9位:インフィニットジャスティスガンダム
10位:ライジンフリーダムガンダム

 

 といった感じ。キャラの方は安定のキラが1位、そこにカガリアスラン、シンにラクスという割と順当なランキングになっていますが、7位にランクインしているノイマンに目を疑ってしまいました。確かにガンダムシリーズでもとんでもないテクニック持ち操舵手として有名なキャラですが、人気投票という場でここまで評価を受けるレベルとは思ってもみなかったです。『SEED』本編で魅せた数々の回避テクニックなどでマリューさんの無茶ぶりに応えてみせたノイマンに惚れ惚れとした人は意外と多いということでしょうか。

 そしてMSとMA部門ではやはりズゴックの存在感が目を引きます。他が軒並みガンダム系統の機体ばかりの中で異彩を放っていますが、これはやはり映画での衝撃的な登場が影響していると見るべきでしょう。実際僕も映画館でアスランがこのズゴックに乗って現れた時は吹き出してしまいましたし、初代ガンダムのオマージュマシマシの演出には内心笑いが止まらなかったです。(個人的に「シャアが来るようで来ない」BGMが特に面白くて好き)ズゴックを除くと概ね予想通りですが、中でも映画に出演していないフリーダムガンダムのランクインが目立ちますね。しかも2位という高さに、ノーマルのフリーダムの人気の根強さが感じられます。実際に初活躍回である「舞い降りる剣」のインパクトは本当にすごかったので、これには納得させられますね。

 さてこの人気投票、投票の期日は明日・25日まであるので最終的にどのキャラと機体が上位を飾るかまだまだ予想は尽きません。個人的には映画で活躍したデスティニーSpecIIが1位であることに内心小躍りしつつ、ノーマルのデスティニーももっと上位に入ってほしいので毎日こちらを投票しています。結果発表ではデスティニーがどこまで喰いつけるのか非常に気になるところです。

 

 

 キングオージャーの完結に対し一抹の寂しさを抱いている今日この頃。シリーズの終わりごとに毎年感じるものですが、キングオージャーはここ数年の中でもトップクラスにハマった戦隊だったので特にロスが激しくなりそうです。とはいえ別れを惜しむばかりではいられないので、その分ブンブンジャーに想いを寄せつつ、キングオージャーの最後の活躍を見届けようと思います。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

機動戦士ガンダムSEED FREEDOM 感想

そしてそこに君が

必ず待っている

自分たちの正義と運命を決める、自由と愛の物語

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 2002年に放送された『機動戦士ガンダムSEED』。21世紀最初のガンダムとして始まった本作は、続編の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』や他外伝など様々な形で話題を呼びました。僕自身、初めて本格的に視聴したガンダム作品としてこの作品の鮮烈さは今でも印象に残っています。

 そして2006年に発表された劇場版が、約20年の時を経てついに実現。長いこと音沙汰がなかったので頓挫したとばかり思っていた企画の再始動には驚きましたね。というわけで映画館にて鑑賞したわけですが、予想以上に「僕らが好きなガンダムSEED」に振り切っている作品としての仕上がりに大いに感動しましたそうそうコズミック・イラとかSEEDの空気感ってこんな感じだと改めて認識させてくれるだけでなく、こちらが見たいと思っていた要素を拾いテンションを挙げてくれるものがありました。また作品に対して少なからず抱いていた不満や疑問点に対し、本作はある意味力技で解消させてくれるシンプルなパワーに満ちていたように感じます。というわけで今回は、そんなガンダムSEED FREEDOMの感想を書いていきたいと思います。

 

 

※ここから先は映画の内容に触れているのでネタバレ注意!!

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  • 作品に対する“愛”情に気付く瞬間

 本作の魅力といえばまず語るべきはファンサービスの厚さとそこからくるガンダムSEEDの“味”の使い方ですね。冒頭からOP「FREEDOM」をバックに活躍するキラたちヤマト隊の戦闘で観ている側のテンションを上げ、いきなりファンの心を鷲掴みにしてきました。フルCGを駆使することで縦横無尽のバトルシーンを演出出来ていたのも大きかったですね)その後も作中世界の深刻さやキラたちの苦悩を描きつつ、最終的にド派手なバトルで爽快感をもたらしてくれる物語の密度は凄まじかったですコズミック・イラという物語の舞台がどういうものなのか、主人公たちのキャラクターやそれぞれが抱えているものは何なのか。それらをわかりやすく語っており、「『ガンダムSEED』はこういう作品である」ということを再認識させてくれる構成に仕上がっていたと言えます。

 特に終盤の決戦は期待していた多くの人物と機体の活躍が見どころとなっていました。テレビシリーズでは不遇のままで終わってしまったシンとデスティニーガンダムが名誉挽回するかの如くを大暴れするわ、デュエルガンダムバスターガンダムがまさかの改修されて再登場を果たすわ、予想外の連続ながらファンが望んでいた光景をこれでもかと見せてくれたのは感無量と言う他ありません。過去の評価点や惜しいところをまとめて指摘しつつ、昇華してくれた点はまさに清濁併せ呑んだ作風と言えるでしょう。かつてテレビでSEEDを見ていた人たちが「この作品が好きだったんだ」と思わせてくれるほどのパワーが本作にはありました。

 

 

  • 彼らへの“愛”着を抱かせるもの

 他にも全体を通して登場人物の多くに愛着を覚えるシーンの数々も見逃せません。テレビシリーズではイマイチピンとこなかったキャラクターも、丁寧な心情描写で以て観ているものに親近感を湧かせてくる内容がまた魅力的でした。例えば『DESTINY』では達観した態度が多かったキラとラクスの2人ですが、本作ではコンパスでの活動からすれ違うことが多くなり、思うように過ごせない様子が目に付きました。新装備完成に尽力するあまり苦悩し周囲を蔑ろにしてしまうキラと彼を癒そうとするものの上手くいかないラクス……特にキラの帰りが遅くなることでラクスの料理にラップがかけられるシーンは妙な生々しさがあって胸が痛みましたね。

 そんな両者の人並みの姿を描くからこそ、クライマックスで通じ合う瞬間に感動したとも言えます。キラに限らず彼に頼られているかどうかでテンションが異なるシンなど、他の人物たちも等身大の悩みに触れながら後半それを解消していくんカタルシスを用意していたのが素晴らしかったです。おかげでテレビシリーズを視聴していた時以上に、彼らのことが好きになれた気がしますね。それぞれの日常的な描写や他の面々との絡みが濃密に描かれることで、彼らを「その世界に生きる1人の人間たち」として捉えやすくなっていたと思います。そういった意味でも、本作はファンが見たかった・好きだったガンダムSEEDに向き合ってくれていたと言うべきでしょう。

 

 

  • 使命と役割を破るのは他者との“愛”

 本作の語るべきポイントとしてもう1つ外せないのは「愛」の物語であるという点。DESTINYで長いこと語られてきた「デスティニープラン」の是非も含め、SEEDの世界の根本に関わっていくストーリーの答えには思わず膝を打ちました。

 遺伝子操作で生まれたコーディネイターが生まれたことで操作されていないナチュラルとの絶滅戦争が続くことになったコズミック・イラ振り返ってみるとその世界観の多くが遺伝子や才能によって与えられた「役割」に縛られた者たちの物語でした。力を持っているが故にそれを活かさなければならない、組織などにおける自分の使命を果たさなければならないと苦悩する様子が多く見られたと思います。本作においてはまさに上述のキラがそれで、自分が何とかしなければと強迫観念に駆られていたのが印象に残りましたね。そこに本人の自由意志や感情が入る余地がなく、その究極とも言えるデスティニープランを為そうとするファウンデーションの恐ろしさも強調されていたと感じます。

 そんな周囲によって敷かれたレールを否定するのが他者と紡いだ「愛」というのが素敵でした。自分で決めた相手と結ばれることを望むベタな流れはもちろんのこと、仲間と力を合わせたり共に憎悪に耐えたりすることで周囲の流れに反発する過程は中々にスッキリさせられるものでした。「こうしなければならない」という運命に自分の考えで抗うというのは当然の流れながら、それを他人との繋がりで以て証明するのはロマンに溢れていると思います。(逆に「愛が無ければ才能とかに縛られて孤独になる」という残酷な面をアグネスなどで描いていたのがまた秀逸)

 これらの描写からは役割という殻を破るには個人の力では無力、でも誰かと一緒ならば未来を切り開ける……といったメッセージが感じ取れますね。長いこと続いていたSEEDの物語の閉塞感を、どこか夢のある考えでぶっ壊してもらった気分です。自分1人で抱え込んでいったが故に迷走したり失敗したりしてきた登場人物たちに、「1人で悩まず仲間に相談してもいいんだよ」と思っていたことを劇中で形にしてくれたという点で、個人的にも非常に満足度の高いストーリーでした。

 

 

 では以下、各キャラクターと機体についての所感です。

 

 

キラ・ヤマト

 ご存じSEEDの主人公。上述の通り本作では全体を通してキラの苦悩が描かれており、デスティニープランを否定したことでかえって戦争が増加したことに頭を抱えるなど見ていて可哀想になる場面も多かったです。加えて弱音を吐く場面も印象的で、「君たちが弱いから」といったセリフの数々にはSEED序盤で戦うたびに傷付いていた若い頃のキラの面影を見ました。(そのためDESTINY時代の超然としたキラはだいぶ無理していたんだな……とすごく納得させられたり)

 まぁその分彼の人間臭い部分を見れて嬉しかったですし、終盤のラクスとの再会に喜ぶ様子には心の底から感激しました。本作はスーパーコーディネイターとしての力や使命感から、彼を解き放つための儀式のようなものだったのかもしれないと思ったくらいです。ラストシーンのラクスとの逢瀬まで含め、背負っていた多くのものを解消したキラに愛着が湧くと同時にホッとさせられることが多かったですね。

 

 

ラクス・クライン

 本作のヒロイン。彼女に関してもキラと同じく悩み苦しむ場面が多かったですが、こちらは無理を重ねるキラの安らぎになろうと努力する姿が目に焼き付きました。自宅で大量の手料理(キラへのささやかな嫌がらせ故に料理が全体的に茶色いのがじわじわくる)を作って待つものの彼の帰りが遅くなったり、家庭的な場面も増えてお労しい一面も多かったです。そしてこれまたキラと同じように、その辺りがラクスのヒロインとしての可愛らしさに繋がっていたと思います。

 あとはやはりオルフェたち相手に毅然とした態度を見せていたのが最高にカッコよかったです。自分が作られた理由や決められた伴侶がいることなどを告げられても動じることなく、キラへの想いを揺るがず見せつけるメンタルは流石といったところ。「必要だから愛するのではありません、愛しているから必要なのです」という言葉は上述の愛の物語に相応しい名セリフであり、ラクスという人物の心の強さに20年越しに惚れることになりました。テレビシリーズでは何を考えているのか読み取りづらいところがある彼女のことも、いつの間にか好きになることが出来ましたね。

 

 

アスラン・ザラ

 多分この映画で最もFREEDOMな男。中盤まで全く出番がなくて何やっているのかと心配していた中、ピンチのキラたちの前に後述のズゴックで参戦した時は愕然としました。神妙な面持ちで現れどっかで聞いたようなBGMと見覚えのあるユラリとした動きでシリアスな笑いをもたらしてくるのが卑怯です。その後戦闘中にカガリに関するハレンチな妄想を繰り広げている事実も判明しますし、途中まで不穏だった空気感を全てぶっ壊してしまいました。

 しかしそんな自由なアスランだからこそキラの悩みや本作の暗い雰囲気にメスを入れてくれたとも言えますね。キラをボコボコにして説教するシーンはまさに彼の親友であるアスランだからこそ出来るもので、自分1人で悩むことを良しとしない迷いを捨てた強さをここぞとばかりに見せつけてくれました。その他にも「強さは力じゃない、生きる意志だ!」というセリフはSEED最終回にカガリに言われた言葉を意識しているようでニヤリときますし、前向きかつポジティブになったアスランの頼もしさをこれでもかと堪能した気分です。

 

 

シン・アスカ

 まさかのわんこ系後輩と化した主人公。キラと同じ部隊に所属する中で隊長の彼を思いっきり慕い、頼られた時の嬉しそうな返事には思わず顔がほころびました。その他にも立食の席で山盛りのピラフを食べていたりルナマリアに悪ふざけして引っ叩かれたりと、全体を通して子どもっぽい場面が多くて可愛らしかったですね。まさかここにきてシンにこうした愛らしさが生まれるとは思ってもみなかったです。

 一方で終盤の戦闘シーンでは一騎当千の実力を発揮し、DESTINY時代の不遇の称号を見事に返上してみせました。こちらもアスランと同じく迷いを捨てたらここまで強くなること・守るものがある時はとても頼もしいことを見せつけてくれたと言えます。他にも何故か特級呪霊みたいになったステラや闇が深い描写など、可愛いだけではない面も見せてシンの抱えるものの大きさを魅せてきたのも特徴的。結果的にシンという人物の趣深さを味わえましたね。

 

 

オルフェ・ラム・タオ

 ファウンデーションの宰相にして本作の大ボス。登場してからいきなりラクスに近づく様子を連発し、劇中のキラと鑑賞している人たちの心を大いにザワつかせてきました。しかし話が進むにつれ情けない面も目立ち、ラクスを押し倒してもそれ以上はいけないシーンなどは何とも滑稽に映っていたと言えます。見守ってくれていたイングリットの不当な扱いもあり、全体を通して哀れなキャラクターに仕上がっていましたね。

 ただそういったキャラだからこそ魅力的だったとも言えます。母親に与えられた使命に疑問を持たず全うしようとする精神が、キラとラクスの自由な姿によってボロボロに崩れ去っていく過程は中々に悲惨でした。上述の通り役割に縛られた者たちが多いSEED世界において、彼はまさに愛を手に入れられなかったために殻を破ることが出来なかった存在なのでしょう。そういった運命に抗えない心の弱さのおかげで、個人的にどこか嫌いになれない人物になっていました。

 

 

マイティーストライクフリーダムガンダム

 キラの「ストライクフリーダムガンダム弐式」のパワーアップ形態とも言える最強の機体ラクスが搭乗した「プラウディフェンダー」と合体し、歴代のフリーダムの中でも屈指の豪華なビジュアルに変化した時の衝撃は計り知れなかったです。合体してからの圧倒的な戦闘力も壮観で、敵の攻撃を一切通さず自分は周囲の戦艦などを一掃する絵面のインパクには度肝を抜かれましたね。(あとどっかのジャンク屋が関わっているであろう日本刀の装備にクスっときたり)フリーダムもついにチートガンダムの仲間入りを果たしたか……とちょっと感慨深いものを覚えつつ、映画だからこそ許されるような超絶戦闘力に見惚れることとなりました。

 

 

インフィニットジャスティスガンダム弐式

 アスランの「インフィニットジャスティスガンダム」を改修した機体……なのですが、これをまさかの「ズゴック」の中に隠していたという事実には色んな意味でびっくりしました。SEED世界に突如現れたズゴックだけでも強烈なのにこれは本当に卑怯(誉めてます)です。中身が現れてからの近接戦闘での強さはさらに極まっており、インフィニットジャスティスの全身ビームサーベルがより凶悪になっていた印象です。敵のシュラへのトドメとなった頭部アンテナのビームサーベルが『ウルトラマンガイア』のフォトンエッジみたいだな~、とか思いつつ、こちらの強さも味わった次第です。

 

 

デスティニーガンダムSpecⅡ

 シンの「デスティニーガンダム」の改修型。見た目の変化はあまりない分、DESTINY本編でのデスティニーそのままのイメージで見ることが出来ました。(一方で後々「レイのレジェンドガンダムを意識したカラーリングが施されている」と聞いた時にはエモいと思いましたが)やはり敵のアコード幹部が駆る「ブラックナイトスコード」を複数相手にしての大立ち回りが凄まじく、脊髄反射のみで動いたりシーンは衝撃的。中でも突然分身技を披露してきた時は仰天しましたね。これまで語られてきたデスティニーのスペックの高さを存分に見せつけ、本編でのイマイチな印象をあっという間に払拭させてくれました。ガンプラなどでデスティニーを愛でていた身としては感無量の一言です。

 

 

(他にも全シルエットを披露した「インパルスガンダムSpecⅡ」やまさかのミーティアを使った「デュエルブリッツガンダム」に「ライドニングバスターガンダム」、敵サイドでは「ブラックナイトスコード カルラ」が印象的。無論「ライジンフリーダムガンダム」や「イモータルジャスティスガンダム」、ボロボロの「デストロイガンダム」などもありますが、全て語るとキリがないので割愛します

 

 

 というわけでSEEDFREEDOMの感想でした。いやぁ20年待った甲斐があった!とも言うべき作品でしたね。SEED系列に対して様々な感情を渦巻かせつつ、押し殺してきたという人ほど刺さる内容になっていたと思います。僕自身観終わった頃には興奮気味で映画館を後にしており、何だかんだでガンダムSEEDが大好き!となれました。そういった想いも込めて、本作を観れて本当に良かったと思います。

 

 

 ではまた、次の機会に。