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ウルトラマンタイガ 第15話「キミの声が聞こえない」感想

深き闇の中へ……

怪獣の言葉がわかる子どもが出てくることに違和感を覚えなくなっている自分がいる……

ウルトラマン ウルトラ怪獣シリーズ 112 スカルゴモラ

ウルトラマン ウルトラ怪獣シリーズ 112 スカルゴモラ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 トレギアのいやらしさが天元突破!したタイガ15話。これまでの暗躍も根回しも予想通りタイガを闇に落とすことが目的だということが判明しましたが、1人のウルトラマンを追い詰めるのにここまで回りくどい手段を使い、周囲に被害を被りまくったトレギアには一周回って尊敬してしまいそうです。

 よくよく考えると怪獣の力が使える指輪とか怪しさ満点なんですが、ここ最近は怪獣の力を使うことに肯定的な作品が多かったので不穏なオーラ以外あまり不思議に感じませんでした。というか”怪獣の力は危険”という考え方自体、かなり久々な気がしますね。かえって新鮮に思えました。

 

 

  • 実は似ている?タイガとトレギア

 今回のエピソードを見て、タイガとトレギアの両者には恐らく「コンプレックス」を抱えているという共通点があるのではないかという考えがよぎりました。

 タイガは言うまでもないことですが父、祖父、そのほかの関係者の多くが偉大な功績を残してきたウルトラマンであり、そんな父の息子として見られることに強い抵抗を示しているのがボイスドラマで明らかになっています。さらに別の星で出会ったタイタスとフーマはそれぞれ過酷な苦難と試練を乗り越えてウルトラマンになれたという経緯があり、彼らと比べるとタイガはどこか「親の七光り」感が抜けていません。戦闘においても仲間2人のように秀でている点がなく、イマイチ活躍出来ていないイメージが強いです。前回のタイガの焦りから来る暴走もそこから起因していると考えると結構しっくりきます。

 対してトレギアは基本的に飄々とした態度を保っていますが、自分の思い通りにいかなかった時や、特にタロウを前にした時などに激しく狼狽し、余裕のない様子を見せます。現状2人の間に何があったのか深く語られていないため、憶測でしか語れませんが、トレギアはタロウに何かしらの劣等感を持っているのではないでしょうか。思えばトレギアはこれまでタイガのことを「タロウの息子」と呼んできました。他にも今回の「聞こえるか、ナンバーシックス!」といった発言の数々からもタロウのことを強く意識し続けていたのがわかります。ベリアルにおけるウルトラの父(ケン)のように、タロウに執着し続けるトレギア。その矛先が彼の息子に向けられた結果が今回のラストではないかと考えます。

 それぞれ別方向で拗らせているものの、そのコンプレックスの先にウルトラマンタロウがいるという点で同じタイガとトレギア。トレギアはそのコンプレックスを抱えたまま深き闇の道に突き進むことを選びましたが、タイガは自身の抱える問題にどう向き合っていくのでしょうか。『ウルトラマンタイガ』という作品を見ていくうえで、この先の彼らの選択が非常に重要になっていくのはまず間違いないです。

 

 

  • 宇宙オークションで買えるベリアル陛下

 今回トレギアに全て持っていかれた感じがしましたが、前半に登場したチブル星人のオークションで競り落としたベリアルの遺伝子と怪獣の遺伝子を組み合わせる計画も中々印象に残りました。ストルム星人がブチ切れそうな話だな……

 ゴモラレッドキング、そしてベリアルの遺伝子によって誕生したスカルゴモラは相変わらず素晴らしいデザインです。(個人的にニュージェネ怪獣で一番のお気に入りなのでまたTVで見ることが出来てかなり嬉しいです)しかしいざ戦闘が始まると力任せに攻め続けるタイガにツノを折られ、ほぼ一方的に敗れてしまったのは残念でした。裏を返せばベリアルの因子すら利用してでもタイガを追い詰めようとするトレギアの陰湿さがよくわかるとも言えますが……

 またそれとは別に印象的だったのがチブル星人に囚われていた小動物のモコです。可愛い見た目と鳴き声に反して「たとえ雲が覆ったとしても、雲はその向こうで輝いている」という意味深な言葉を投げかけてきてそのギャップにかなり衝撃を受けました。(それを通訳できるカンタ少年も何者なんでしょうか……?)いずれにせよ、何かしらの打開策を提示してくれそうな安心感があって面白いマスコットキャラクターが出て来たな、と感じました。

 

 

 これまでのシリアスな空気が一気に噴き出してきたかのような今回のタイガ。次はいよいよ念願のパワーアップ回ですが、闇に呑まれたタイガをヒロユキたちはどうやって救うのか?そしてタイガ自身はどんな答えを見つけ出すのか?間違いなくこれまでで最も重要なエピソードになるので絶対に見逃せませんね。

 

 

 ではまた、次の機会に。