共に戦う仲間たち
隊長の闇の演技に困惑させられてしまう
- ピンチのピンチのピンチの連続そんな時
さて第2話に突入したウルトラマンZは体を透明にする「透明怪獣 ネロンガ」との戦いを描きつつ、ハルキとゼットの親交とSTORAGEのメンバーとのチームワークを見せてくれた回でした。ある意味で1話に続いて登場人物たちの紹介を兼ねた内容だったと言えます。
例えば前半ネロンガに手も足も出ず意気消沈するハルキがゼットと再び対面した際に彼の年齢が”だいたい5000歳”*1だと知るや否やタメ口からすぐさま敬語に言い換える切り替えの早さを見せました。この辺りからも彼が上下関係を重んじる体育会であることが伺えます。今の時代ではどこか浮いてしまいそうなキャラクターですが、持ち前の明るさと人懐っこさのおかげであまりクドく感じないのはいいですね。対するゼットも相変わらずの変な言葉遣いをする一方でいきなり敬語で話しかけてきたハルキに動揺するなど妙に可愛かったです。
そんな一気に距離を縮めた2人でも「ギリギリまで頑張って互いの心が1つにならないと変身出来ない」というシビアな変身条件が明かされたのも面白かったですね。すぐにウルトラマンを活躍させないようにする理由付けとしても納得出来るものですし、何よりまだまだ彼らには成長の余地があることを予感させてくれる良い設定だと言えます。
- STORAGEの力
また今回はSTORAGEのメンバーの実力が窺い知れた回でもありました。まず本作のオタク枠であるユカは当初半永久的発電システムに対抗心を燃やし、ネロンガ対策のブリーフィングにて「電解放出弾」なる発明をすぐさま開発する技術力の高さを見せてくれましたし、ヨウコ先輩はセブンガーを操る際ハルキが搭乗した時は比べ物にならないほど素早い動きを発揮し、ゼットが登場した後も隙を突いてネロンガにその電解放出弾を撃ち込む凄まじい操縦テクニックを披露してくれました。それぞれ自分の役割を最大限こなし、ウルトラマンが登場してからも活躍してくれるSTORAGEは素晴らしいプロチームであると今回の描写だけでわかります。ウルトラマンの前座で終わらせずに活躍させる本作の絶妙なバランス加減に感動を覚えますね。
ヘビクラ隊長も意気消沈するハルキの稽古に付き合う中「見えるものだけ信じるな」とアドバイスを残し、それがネロンガ攻略のヒントになるお決まりながら熱い展開を築き上げてくれましたが、それはそれとしてその時の演技が完全にジャグラー寄りになっていたのが気になってしようがありませんでした。1話の時点で怪しいそぶりを見せるだけに何かしらの伏線のように見えますが、演じている青柳さんの性格を考えると単なるファンサービスの可能性も否定出来ません。どちらにせよ当人の演技のおかげでだいぶ困惑させられてしまいました。
- 透明怪獣の本気
今回は他にも怪獣の描写の力が入っていて感動しました。前述したように透明になれる能力を持つネロンガはその能力を活かして前半はハルキ搭乗のセブンガーを、後半はヨウコ先輩登場のセブンガーとゼットを翻弄する戦いを見せてくれました。自身の能力を活かした見事な戦いぶりです。(当たり前ですが透明になる瞬間の映像が実に自然に仕上がっていて映像技術の進歩を実感させられます)
そして何よりも衝撃を受けたのは「ネロンガが透明になると体温も周囲と同じになるため、サーモグラフィーでも感知することが出来ない。」*2という新たな設定を引っ提げてきたことです。『X』にて「卵を冷やして孵す」生態が発覚したバードンのことをつい思い出してしまいます。何十年も前の作品のキャラクターに新しい要素を付け加えて更なる魅力を引き出すのは過去作の怪獣を積極的に再登場させるようになった最近のウルトラマンらしいと思います。こういった設定の追加は個人的にかなり好みですので今後も期待していきたいですね。
第2話はさらに怪獣を狂暴化させる「デビルスプリンター」、それらに対抗するために光の国で開発された「ウルトラメダル」そしてそのメダルを単身ザル警備の光の国に襲撃してきた際に奪い去ったゲネガーグとゼットの背景も明らかになりました。今回のネロンガもそうでしたが、今作の怪獣はゼットが未熟なことを加味しても強敵揃いであるかのような印象を受けます。これが上記のデビルスプリンターと何か関係があるのか興味は尽きません。
そして次回は人気怪獣の一角であるゴモラが登場する模様。寝ている間に輸送する作戦を実行するという初代『ウルトラマン』を彷彿とさせる展開ですが、あの回のオマージュなどがあるかどうか気になるところ。さらにゼットの新形態も登場するようなので楽しみです。
ではまた、次の機会に。