新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

仮面ライダーセイバー 第3話「父であり、剣士。」感想

その怒りは我が子のため

幼馴染に子育て王とどいつもこいつもキャラが濃いな!

仮面ライダーセイバー 変身聖剣 DX土豪剣激土

仮面ライダーセイバー 変身聖剣 DX土豪剣激土

  • 発売日: 2020/09/19
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 仕切りたがり幼馴染の友情と謎

 今回のセイバーは前回じゅうたんに乗って現れた謎の青年「富加宮賢人(ふかみや・けんと)」が飛羽真と幼馴染であることが早くも判明。子どもの頃は「銀河鉄道の夜」などの作品の登場人物になりきるごっこ遊びをしていたそうですが、大の大人同士が半袖短パンで抱き合う絵面があまりにもシュールで変な笑いが出てきます。(ちなみに今回の脚本は『オーズ』の”キタムランド”で有名な毛利亘宏さんです。この人の友情表現ってなんでこう・・・・・・)

 賢人は飛羽真曰く「何でも仕切ろうとする性格」とのことでそれでも仲が良かったのは飛羽真の相手を否定しない性格のおかげでしょうか。(実際彼のそういったところを「いいところ」と評価していましたし)悪気がないまま芽依のエクレアを食べたり飛羽真の記憶が欠落していることを確認したりと中々に癖の強そうなキャラですね。特に飛羽真の15年前の記憶に関して罪の意識を感じている辺り彼は物語の重要な役割を担っているのかもしれません。今後の動向が気になるところです。

 

 

  • 子育て王の力と心

 そして今回注目すべきはもう1人の新キャラ「尾上亮(おがみ・りょう)」ですね。自信家で豪放磊落な性格に加え、息子の「そら」を連れた父親ライダーという異色の肩書きの人物です。仮面ライダーシリーズにおいて「父親ライダーは大体ロクデナシ」というイメージが強く定着しており*1この人もどうなのかと思いきや、自分の子のことを考えてくれていることが伺える要素が非常に多くちょっとした衝撃を受けます。戦いの場に子供を連れてくるのはどうかと思いますが、絶対に守って見せようとするその態度にこれまでのロクデナシの方の父親ライダーにはない「我が子への愛」に満ち溢れていて早くも好感度が高いです。

 しかしその自信過剰な部分が悪く出てしまったのが今回のエピソードのように感じました。息子を守ろうとする志は立派な一方でいざ息子がさらわれると狼狽してしまう精神面での脆さを見せました。他人の助力も突っぱね1人で何とかしようとする姿からは「父親としての責務を果たすのに必死になっている」ように感じられました。この態度は少し問題ではありますが、こういったマイナスな面も自分の子を愛しているが故のものであることがわかるので個人的にはあまり悪い印象はありませんね。(そもそも今回に限っては親の許可を取らずに勝手に子どもを連れだした飛羽真側にも責任がありますし・・・・・・)飛羽真のチャラい面に失望した点など含めて今後の成長が楽しみなキャラクターです。

 

 

  • ”永遠の国”より来た夢の力

 

ピーターファンタジスタ

『とある大人にならない少年が繰り広げる、夢と希望のストーリー・・・・・・』

 

烈火抜刀!

二冊の本を重ねし時、聖なる剣に力が宿る!

ワンダーライダー!!

 

『ドラゴン!ピーターファン

2つの属性を備えし刃が、研ぎ澄まされる!!

 

 前回の戦いで入手した「ピーターファンタジスタ」のワンダーライドブックで変身したセイバーの派生形態「ドラゴンピーター」。モチーフは言うまでもなく「ピーター・パン」ですね。変身音がピーターパンではなく「ピーターファン」なのは恐らくこの作品の著作権が関係しているからだと思われます。*2

 ドラゴンジャッ君と同じように右腕にその力が宿っていますが、右手にフックが付いており攻撃にもそのフックを使用するなどピーターパンよりも宿敵のフック船長を彷彿とさせます。他にも攻撃時に妖精のような光が舞っていますがこちらはティンカーベルでしょうか。いずれにせよピーターパンそのものというより”「ピーター・パン」という作品全体”をモチーフにしているのがわかりますね。

 しかし倫太郎曰くライドブックには相性があるとのことで、飛羽真は相性の悪いブレイブドラゴンとの組み合わせを上手く使いこなせなかった模様。代わりに倫太郎がピーターファンタジスタを使うことになりました。

 

流水抜刀!

輝くライオンファンタジスタ!!

 

『流水二冊!

ガオー!キラキラ!

幻想の爪が今、蒼き剣士のその身に宿る!!』

 

 ブレイズの派生形態「ライオンファンタジスタ」。倫太郎によるとピーターファンタジスタはライオン戦記と相性がいいようでこちらは上手く使いこなしていました。同じ青系の色同士のデザインもさることながら、水の属性とピーターパンという組み合わせは美しく綺麗でいかにも”相性が良さそう”という印象を抱かせてくれます。(フォーム名の冠詞がセイバーが「ピーター」であったのに対してこちらが「ファンタジスタ」であるという違いも相性に関係しているのか気になるところ)こういった設定は非常に好みなので、今後この相性問題が出てくるかはわかりませんが続けてほしいですね。

 

 

  • 怒れる大地を震わせる灰色の大剣士

 

玄武神話!

『かつて四聖獣の一角を担う、強靭な鎧の神獣がいた・・・・・・』

 

 玄武神話!!

 

一刀両断!

ブッた斬れ!

ドゴ!ドゴ! 

 土豪剣激土!!

 

『激土重版! 

絶対装甲の大剣が、北方より大いなる一撃を叩き込む!!』

 

 尾上が巨大な聖剣「土豪剣激土(ドゴウケンゲキド)」に「玄武神話」のワンダーライドブックを差し込むことで変身した「仮面ライダーバスター 玄武神話」。何気に仮面ライダーシリーズで久々に登場した「ベルト以外のアイテムで変身するライダー」です。*3マスクのデザインはNEW電王辺りを彷彿とさせる大きな複眼が特徴的で本作のライダーの中では比較的オーソドックスな印象を受けます。そしてその重厚かつマッシブなボディ、加えて身の丈に近い大きさを誇る激土の組み合わせから強力なパワーを秘めた戦士であることが伺えます。

 その印象に違わず、戦闘スタイルも非常にパワフル。初登場時に加え今回の終盤での戦いなど初手から放つ必殺技で相手を撃破する「一撃必殺」の戦いぶりは爽快感に溢れています。特に終盤の「ハンザキメギド」との戦い、息子を奪われた怒りながらも攻撃そのものは的確に決めるシーンには痺れました。激情を隠さない一方でそれに戦闘ではそれに呑まれず冷静に相手を倒す辺りに彼の歴戦の戦士としての風格が感じられます。先程も書いた尾上さんのキャラクターにゴツい見た目と全てにおいて好みのライダーで早くもお気に入りになりましたね。

 

 

 さてバスターの一撃で敵メギドを倒したものの、未だワンダーワールドが元に戻らないままという異常事態を迎えて物語は次回へ。果たしてそら君は無事なのか?飛羽真と尾上さんの関係はどうなるのか?といった気になる点が多々あるので非常に楽しみです。セイバーの新しいフォームも登場するようなので期待大ですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:もちろんいい父親ライダーも存在していますが、そのほとんどが本編開始前には既に故人になっているのが何とも言えません。

*2:ピーター・パンの原作者であるジェームズ・マシュ―・バリー氏は1937年に亡くなられており、その50年後の1987年に著作権が切れるはずでした。しかしイギリス政府及び議会がこの作品に限り「永久に著作権が適用され続ける」内容に著作権法を改正したため、ピーター・パンの著作権は今も生き続けているのです。

*3:シリーズ全体としては『エグゼイド』のパラドクス以来、令和ライダーとしては初です。