救いたい未来と心
大秦寺×ユーリの無限の可能性にそそるぜ
- それぞれの守りたいもの
大秦寺が仲間に加わってくれたことで主人公陣営の雰囲気が少しだけ明るくなってきた今回のセイバー。特にユーリに関しては刀鍛冶として自分の体（意味深）を調べようとしてくる大秦寺とのコミカルなやり取りが出来たおかげでより見ていて楽しくなってきました。これまで自由奔放に芽依たちを振り回してきたユーリが逆に振り回されている光景はこう･･････何だか･･････そそるものがありますね･･････
しかし前回から続く状況自体はあまり好転しているとは言い難く、カリュブディスに変えられた双子のフードファイター姉妹の問題は解決していません。それどころか上から「個性を出すことを禁止されている」という可哀想な事情まで判明するので余計飛羽真が彼女らを助けようと躍起になっているのが目に見えてわかりました。ここ最近の飛羽真は目の前の人を助けたいという一心で周りが見えなくなっているように思えますが、一方で同じであることを強いられる双子の身を憂うなど「“個人の心”を尊重した考え」を持ち続けていることがわかるので個人的には好印象は健在です。でももう少し慎重になってほしいところかな。戦いが終わった後のユーリの「誰でもヒーローになれる」発言も含めて、今回は“個人の意思”といったテイストを特にフィーチャーしていたように思えました。
飛羽真の他にもう1人、今回のメインだったのが尾上さん。久々登場のソラくんを迎えに来た際（保育園にデカい剣背負った大人がいる絵面がすごいシュール）、自身が剣士として戦い続ける理由を息子に伝えるシーンが印象的でした。「ソラや若い剣士たちの未来を守る」という想いは年配の戦士ならではの考えで尾上さんの剣士としての矜持を垣間見た気がします。さらに今回飛羽真に戦いを挑むもののキングオブアーサーのライドブックのみを持ち帰る程度で済ますなど“組織の剣士としての使命を最低限果たしつつ、飛羽真の意思を尊重した行動”に出た時は思わず感心しました。ここにきて一気に尾上さんのキャラが深まった気がします。
そんな2人の想いが激突するセイバーVSバスターの戦闘シーンもやたらド派手だったのが良かったですね。特にバスターが必殺技を放つシーンの火薬の量にはびっくりしてしまいました。この辺りはバスターの圧倒的な破壊力、そしてそれを耐え切った飛羽真の体と意思の強さをよく表現出来ていたと言えます。そういったこともあって今回は飛羽真と尾上さん、2人の守りたいもの、救いたいものがよくわかる回でしたね。
- 邪悪な物語を紡ぐ者
一方でメギド陣営のストリウスの企みが進行したことがわかったのも今回の特徴でした。前回カリュブディスに変えた双子の姉が解放された途端、妹の方にシフトチェンジするフットワークの軽さを見せたかと思ったら、双子の両方を取り込んだメギドに変えるという行動に出て驚きました。遺伝子も姿かたちも同じ人間同士が結合したメギドなので最光でも分離させることは出来ない、というよくわからない理屈を展開してきた時は首を傾げましたが、剣士たちを困惑させる手腕は流石と言ったところ。「大食いが持ち味の姉妹を人や物を喰い荒らす怪物に変える」というシチュエーションも元ネタであるギリシャ神話の怪物としてのカリュブディスの逸話*1をうまく扱っていて面白いと感じられます。
結局カリュブディスは烈火の力を解放したセイバーと最光によって姉妹と分離、そのまま倒されたものの、アルターブック自体は完成したらしくご満悦なストリウスの表情が目に焼き付く形で今回は終わりました。前回の感想でも書きましたが、カリュブディスのシンプルな見た目はこれから新たな形態へと進化していくことを示唆しているように思えます。メギド幹部の中でも一際不気味なストリウスの企みが非常に気になるので、この先の彼の動向に目が離せません。
さて次回は今回判明したソードオブロゴスのトップである「マスターロゴス」に直談判しにサウザンベースに侵入するとのこと。仮にも現在敵対している組織の本拠地に乗り込もうとする飛羽真たちの無茶に相変わらずハラハラさせられます。さらにストリウスまでもがサウザンベースに向かうようでカオスな展開が予想されます。
それ以上にラストに見せた謎の「禁書」と、それによって変身したと思われるセイバーの新フォームが気になるところ。予告で見せた飛羽真の唸り声からして恒例の「暴走フォーム」の可能性が高いのでどうなるのかドキドキしますね。
ではまた、次の機会に。
