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2021年春アニメ&ドラマ簡易感想 その26

 

 

 2021年の春のアニメもついに終了。多くの作品が終わり次の夏のアニメに時代が移ろうとしています。僕自身今回も色々見ましたが、ネットで話題の作品はほとんど見ていなかったことにちょっと驚いてしまいます。どうも僕は世間的には話題になりにくい作品ばかりに惹かれるようです。それでもどの作品も十分に楽しめたので全く問題はないんですけどね。(『ドラゴン、家を買う。』は姉の方がハマってしまうなど愉快なことが多々ありました)それでもやっぱり話題になった作品で見損ねた作品に関しても気になるので、機会があったら見ておきたいところです。

 

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

 

憂国のモリアーティ

第24話(最終話)「最後の事件 第二幕」

 いよいよ始まった最終回。まず何と言ってもウィリアムの真の目的が貴族と平民の垣根を越えて結束するよう仕向けるものだったとわかった時は驚きました。少々意外でしたが、ここまで用意周到に進めてきた計画も全てはこの一致団結にあるものだと思うと不思議と納得いきます。綺麗事のような話を現実になそうとしている辺り、ウィリアムは案外ロマンチストなのかもしれませんね。

 ホームズとの決戦に関しては、原作ではライヘンバッハの滝だったシチュエーションを燃え盛るロンドンの街で見立てる構図に唸らせられました。周囲の炎はさながらウィリアムという悪魔を焼き捨てるために燃える魔女狩りの炎、といったところでしょうか。屋敷を燃やして舞い上がる炎から始まったウィリアムの計画の最後もまた炎の中という展開には震えてしまいますね。

 そして最後の最後でウィリアムとホームズの友情にスポットを当てていたのも素敵でした。最後まで徹底して冷徹な犯罪卿だったウィリアムに唯一温かみを与えてくれたのがホームズであり、だからこそウィリアムは彼をヒーローに仕立て上げるという人間臭さを発揮していたと思います。そんな彼を人間の友達として引き上げようとするホームズの決意も感じられました。最後2人の生存がした件も“犯罪卿”と“名探偵”という肩書きから解放され、ようやくそれぞれが“友”としての一歩が踏み込める・・・・・・そんな希望を感じさせるラストでしたね。

 

 

総評

 分割2クールによって放送された本作。シャーロック・ホームズ最大の宿敵として名高い「モリアーティ卿」を主役にした作品ということで期待しながら視聴しましたが、予想以上に楽しめました。イケメンの犯罪卿が悪徳貴族を裁いていくピカレスク・ロマンのお手本のような内容で、主人公のウィリアムの周到かつ狡猾な「劇場型犯罪」が非常に面白かったです。アニメの渋い色使いやオペラ調のBGMと相まって毎回絵になる構図が見られたのも楽しかったですね。

 そしてライバルであるホームズが登場してからは彼を交えての壮大な物語に発展していったのが印象的です。ホームズがウィリアムによって翻弄されっぱなしの展開に関しては原作のホームズシリーズ好きとしては少々複雑な気持ちになりましたが、その中で見られた2人の駆け引きは何だかんだで見逃せませんでした。そして上記の感想にもある通り2人の友情の物語として収束していくのが美しかったです。これは機械のように冷徹な必要悪としてのウィリアムの贖罪と人間へ戻っていくための物語だった、そう思える作品でした。

 

 

ひげを剃る、そして女子高生を拾う。

第13話(最終話)「未来」

 前回頭を下げてくれた吉田に応えようと、自身が果たすべき謝罪をきっちりしてみせた沙優にちょっと感心した冒頭。母との関係に折り合いをつけたことで今度こそやり直すことが出来る結果に嬉しくなってます。あとは吉田と沙優の関係の決着をつけるためのエピソードでほぼ出来上がっていましたが、決別ではなく再会を目指したものにする展開が良かったですね。沙優にとってかけがえのないものとなった日々を決して否定しないために別々の道に進んでいく、そう感じさせるエピソードでした。

 その後1人部屋で涙を流す吉田がまた印象的。実は誰よりも沙優がいない状況にダメージを受けてしまう、というのは予想通りでしたね。まだまだ未来がある子どもだからこそきっちり過去を振り切れた沙優と、凝り固まった大人になっていたばかりにかつての日々に未練を覚えてしまう吉田の対比も見られてどこか胸が締め付けられる気持ちです。ラストの再会のシチュエーションには最初首を傾げましたが、最後にまたやり直せることを示してくれたのではないかと思いましたね。

 

 

総評

 タイトルの時点で「大丈夫かこの作品」と思ったものの、いざ見てみれば非常に楽しめた作品でした。居場所を失くした少女がもう一度やり直すためには、彼女を救うためには何が必要なのかを徹底して描いていくスタイルに好感が持てます。倫理的にも法律的にもヤバい状況ですが、それを遵守しているだけでは救われない心にどう寄り添うかが本作のキモだったかと思います。吉田をはじめとした登場人物の多くが沙優の心を尊重していたことからも体裁ではない“個人の想いの重要性”が感じ取れました。

 そして本作は一貫して吉田と沙優のプラトニックな関係が描かれていたのがいいですね。最後まで吉田は沙優のことを性的対象として見ることはありませんでしたし、彼女を守りたいという気持ちとは別に本来守ってやるべき親にお願いするなど不器用ながら筋を通してくれたと思います。親子でも恋人でもない、言葉では言い表せない奇妙な関係性にどこか心癒されながら最後まで見ることが出来ました。

 

 

SDガンダムワールド ヒーローズ

第13話「若き龍との出会い」

 今回は前回に引き続き『三国創傑伝』の総集編でした。数か月前に既に視聴した内容ですが、もうどこか懐かしく感じてしまいます。董卓を討つためにブルーウイング、レッドタイガー、そしてドラゴンズ・ウォッチといった勢力が次々に集結していく様子は、改めて見てみると英雄集結といった趣きでとても惹かれます。また劉備曹操に対して憧れを抱いている過去も今となってはどこか微笑ましいですね。ここから前回のように背中をあずけられる間柄にまでなっていくと思うと目頭が熱くなります。

 そして新OP&新EDがお披露目されてちょっと興奮しました。OPの方は真っ黒な姿の三蔵が真っ先に目に留まります。この姿はダークマスクによって操られたものなのか、それともやはり黒幕としての本性なのか・・・・・・あとタコのアプサラスまで映っていて吹き出してしまいましたね。

 EDは前期と同じく悟空がメインとなっていました。前期では一輪の花など一点しか見つめていなかった悟空が世界にも目を向けるようになっているかのような演出が印象的です。劉備たちとの旅を経て、悟空も少しずつ自分の世界を広げていっていると感じましたね。

 

 

 

ガンダムビルドリアル

第4話「それぞれの過去」

 颯太に続いてタクミもモンストル入りを果たすのか・・・・・・と思いきや、実は潜入だったと知り安堵。チームのために戦うことを選んでくれたタクミの選択にちょっと涙が出てしまいましたね。(仙道の悪評を流して彼まで辞めさせるのはどうかと思いましたけど)颯太は結局モンストル所属のままでしたが、彼の決別の意思を理解したうえで迎え撃とうとするスタンスが見られて感心しました。

 またヒロもタクミの件とサツキとの件で成長してくれたのが良かったです。これまで仲間想いとはいえ直情的でよく考えずに行動していた彼が「相手が何故そういった行動に出たのか」をきちんと考えるようになったことに感動を覚えます。バトルに関しても自分の力不足をはっきり口に出すようになるなど、ほんの少しだけど着実に前に進んでいっていることが感じられますね。

 そしてガンプラバトルではまさかの仙道との対戦。しかも相手の機体がアストレイというのですから驚きです。これまでのつかず離れずの戦法から一転して鍔迫り合いが多かったので見応えがありましたね。(至近距離で頭部バルカンを撃ち合う構図がここすきポイント)また以前はあまり使いこなせなかったタクティカルハンマーが活躍してくれたのも熱かったです。ヒロとタクミそれぞれがこの武器を使うに相応しい成長をしていることを感じ取れます。相手アストレイガーベラストレートに合わせた感じ演出も合わせてとても楽しめるバトルでした。

 

 

 さて7月に突入したことで夏アニメもいよいよ開始されることに。実はいくつかの作品を除いてどの作品を見るかまだきちんと決めていないのですが、色々見てみてどの作品を視聴するか、どの作品の感想をブログに書いていくかじっくり考えていきたいと思います。

 幸い先に視聴した『ひぐらしのなく頃に 卒』で既にテンションマックスなのでこの調子で次々と見ていけそうです。夏アニメもまた面白い作品に出会えるといいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。