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デュエル・マスターズ キング! 第17話「飢えた獣のようにっ!赤城山バサラにくらいつけ!」感想

勝利への渇望を燃やせ

バサラが師匠してくれるかと思いきや、コジローの方が師匠キャラしていた件

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 紅蓮の侵略者再び

 今回のデュエマキング!は待ちに待ったバサラ師匠の登場回。デュエマウス、若かりし頃のるるに続くレジェンド回として期待していた中、冒頭から『VSRF』期のバサラとNo.2の会話が繰り広げられて早くも興奮させられました。「世界をゼロにする」目的のためレアキラーズを結成し、レアカードを狙っていた頃のヒリついていたバサラに懐かしさを覚えます。「レッド↑ゾーン↓!!」という独自の掛け声も健在で嬉しくなりましたね。(ジョーやデッキーが声真似のようにレッドゾーンを呼んでいるのがここすきポイント)

 またジョーがバサラのことを「優しい人」と認識しているのも良かったですね。バサラを師匠に呼ぶようになる経緯を考えるとジョーにとって彼を「悪ぶっているだけで根はいい人」だと思うのも納得です。そのためか過去のバサラの目的を聞いてちょっとショックを受けてしまうのですが、それもまたジョーの相手を信頼する人の良さが出ていると言えるでしょう。

 そして『ズ!!』の時のような夢オチではないデュエマでの対決も繰り広げられましたが、後述の理由で師弟対決というイメージはあまり抱けなかったのが少々残念なところでしたね。とはいえ久々に悪ぶっている頃のバサラと、彼を強く慕うジョーが見られて嬉しかったです。

 

 

  • 勝利に飢える獣として

 今回は激熱なバサラの要素が強く出ていたのですが、彼以外にも勝太のライバルの1人である「佐々木コジロー」にスポットが当たる意外な要素もありました。どの辺りの時系列のコジローなのか気になりますが、バサラとの会話からし恐らくはVSRF14話で勝太に敗れた後ではないかと予想しています。

 そんなコジローですが、バサラを探しているジョーに遭遇して彼とデュエマすることになった時はびっくりしました。ハングリードローまで披露してジョーを打ち負かしたのも驚きです。(ヘルボロフでどうやって逆転したんだろうか・・・・・・)さらに負けたジョーに「決定的に足りないものがある」とアドバイスまでしてくれる親切っぷりは流石と言ったところです。

 ここで素晴らしいと思ったのがこのコジローの言葉を受けたジョーが「絶対に勝ちたい」と思うようになったことですね。切り札の力を信頼しきっているものの、切り札がくれば大丈夫と思っているジョーに喝を入れる形で、コジローの勝利に貪欲になるスタイルが響いてくる展開には感心しました。コジローのキャラクターが心優しいジョーに闘争心を与えるという構図は非常にテンションが上がります。

 何より今回はバサラがメインだと思っていただけにコジローが活躍してくれる内容には意外性と面白さがありました。予想外だった分、とても楽しめましたね。今回に限って言えばバサラよりもジョーの師匠として彼を導いてくれたコジローには拍手を送りたいです。

 

 

  • サーキットを紅蓮に染める神速の領域(ゾーン)

D(ディー)の侵略(しんりゃく) クリム・ゾーン 火文明 (3)
D2フィールド
▪️自分のターンのはじめに、自分の手札からソニック・コマンドを1体出してもよい。
▪️自分のソニック・コマンドはバトルゾーンから手札に戻らない。
(他のD2フィールドが出た時、このD2フィールドを自分の墓地に置く)

 過去のバサラが使用したD2フィールド。何気にソニック・コマンドをサポートしてくれるフィールドになかった火単色のフィールドカードです。カードイラストには中央に鎮座する《轟く侵略 レッドゾーン》と、その胸部部分に位置するバサラらしき人物が描かれており中々にエモいです。

 効果は主に2種類あります。まずは自分のターンのはじめにソニック・コマンドを踏み倒してくれるというもの。出したターンには効果を発揮しないものの、フィールドを維持し続けることさえ出来れば毎ターンソニック・コマンドをタダで出せるので非常にお得です。しかも文明やコストといった制限が全くないので大型や進化、火単色以外のソニック・コマンドすらも出せるのが嬉しいポイント。特に強力な能力を持っているもののコストの重さからあまり使われなかった《音速 ソニックブーム》にとっては救世主のようなカードと言えるでしょう。

 もう1つはソニック・コマンド限定の手札に戻る効果の無効化。いわゆるバウンス系除去全ての耐性を与える効果で、レッドゾーン最大の天敵である《異端流し オニカマス》の踏み倒しメタに対抗出来る心強いものに仕上がっています。それ以外にも《ボルシャック・サイバーエクス》や《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》といった近年幅を利かせているバウンスカードにも強気で出られるのが素晴らしいですね。

 とても便利な効果が詰め込まれたフィールドカードではあるのですが、このカードと従来の【レッドゾーン】の相性がいいかと言われると難しいところ、最速3ターン目には侵略でシールドを割っていくのが基本であるレッドゾーンにおいて発動したターン即座に効果を発揮出来ないのは遅いと言わざるをえません。スピーディーな最速キルを意識する限りはあまり使われることはないでしょう。

 そのためこのカードを最大限生かすならば従来のものとは異なる方向性のソニック・コマンドのデッキを考案するといいかもしれません。幸いソニック・コマンドには上記のソニックブームをはじめとして重量級にも様々なものが揃っています。例えば《D2-V 禁断のボルトロン》や《D2V2 禁断のギガトロン》といったイニシャルズとの複合クリーチャーはD2フィールドがある場合にフルスペックを発揮するので相性抜群です。ギガトロンの踏み倒しを活かして連ドラならぬ“連バイク”、とも言うべきデッキを作ると面白そうですね。他にもさらなるD2フィールドに張り替えてくれる《禁断V フィーダス》や手札で腐っている状況を解決し厄介な相手を除去してくれる《禁断V キザム》、味方のcipを連打させられる《ソニック・Ⅳ・ワン》など、考えられる組み合わせは様々です。これまで注目されてこなかったソニック・コマンドたちに新たな可能性を与えてくれる良サポートとして、この先どのようなデッキが作られていくか楽しみです。

 

 

  • 聖なる光の覚悟を込めし大剣の一撃

天聖王儀(てんせいおうぎ) アルカディア・グローリー 光文明 (10)
呪文:ジョーカーズ
▪️この呪文を唱える時、相手のクリーチャーを1体選ぶ。この呪文を唱えるコストを、そのクリーチャーのコストの数少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。
▪️相手のクリーチャーを1体選び、シールド化する。
▪️このターン、自分のクリーチャーはすべてのバトルに勝つ

 勝利への渇望を求めたジョーが手にした新たなカード。初となる光のジョーカーズ呪文です。イラストにはアルカディア・モモキング》が普段装備している剣とは異なる大剣を高く掲げている姿が描かれています。FTによると「天聖王」なる存在(普通にアルカディアスのことでしょうか)の力に触れたことで聖なる闘気を得たようですが、その存在と如何にして出会ったのかといった経緯が気になるところです。

 カードとしてはコスト10という超大型呪文で、通常ならばまず唱えられないコストです。しかしこのカード自身の特徴として、選んだ相手クリーチャーのコストから唱えるコストを差し引けるという前代未聞の軽減効果を有しています。コスト9以上のクリーチャーがいれば何と1マナで唱えることも可能と、相手の場に高コストクリーチャーがいるほどお得になる珍しい特性と言えます。

 そうして唱えることで発動する効果は2つ。1つ目は相手クリーチャーをシールド送りにする効果で、除去としては最高峰の部類です。コストなどの制限もないので除去耐性がない限りはどんなクリーチャーも除去出来ます。さらにもう1つの「全てのバトルに勝つ」能力を付与する効果でパワーが高い相手も倒せるようになるなど、徹底して高コスト&高パワーの相手クリーチャーを討ち取るためのカードに仕上がっています。

 以上の効果からこのカードは《禁時混成王 ドキンダンテXXII》に対するメタとしての役割があるのかと思われます。シールド送りとバトルに勝つ効果でディスペクター特有のEXライフの耐性すらも越えて確実に破壊するためのイメージが想定されます。ドキンダンテのコストから1マナで唱えられる点、名目上はコスト10なのでドキンダンテの呪文踏み倒しにも引っかからないなどドキンダンテを倒す手段として実に美しい効果デザインがされています。

 このように今後のアニメの展開や背景ストーリーを意識している面白いカードである一方、実際にゲームで使う場合は活かせる場面が少ないかと思われます。まずコスト軽減が相手依存であるため、低コストのウィニーを並べるようなデッキ相手では唱える機会はほとんど与えられないでしょう。他にもバトルに勝つ能力を付与されるものの、相手のクリーチャーをタップしたりアンタップ状態の相手を殴れるような効果を有していない点も残念なところ。狙って使用する場合は何かしらのタップ系カードなどとの併用が必要になるかもしれません。

 このように使いづらさが目立つカードではあるのですが、効果そのものは強力であるのは確か。なのでどうせなら呪文踏み倒しを使ってみるのが良さそうです。真っ先に思い浮かぶのは《不夜城艦 クランヴィア》で踏み倒す方法。パワーが低いクランヴィアにとって厄介な相手を除去しつつ大型ブロッカーにも勝てる効果を1枚で発揮してくれるカードの相性は良好だと思います。踏み倒し以外では【5cコントロール】などに1、2枚入れておくと意外な場面で使えるかもしれません。大型呪文ということで様々な組み合わせが捗りそうですね。

 

 

 さて次回はまたもや特別編。みんなとフライング祝勝会を開く展開が繰り広げられるようで唖然となりました。コジローやバサラとの出会いを経てちょっと成長した矢先に調子に乗っているジョーにちょっとズッコケてしまいますね。とはいえキラたちが久々に登場し、みんなで楽しく過ごす様子が描かれるようなのでその辺りは楽しみです。

 また特別編ということで以前のように総集編のような趣になるのかも気になるところ。まぁ上記の通りジョーたちの楽しそうな姿を存分に見せてくれるならば個人的には十分です。

 

 

 ではまた、次の機会に。