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ウルトラマントリガー 第5話「アキトの約束」感想

果たすべきもの

ダーゴンさん、Mに目覚める?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 憎しみを超える心

 3週間ぶりのトリガー感想だぜぇ!2週にわたる総集編を経てついに本編が再開されました。久々のウルトラマン感想にテンションMAXで書いていきたいと思います。

 というわけで今回は実質的なアキト回。アキトの家族や彼が何故ユナと一緒に暮らしているかといった理由が一気に判明する内容でした。両親を懐柔に殺されたことからくる復讐というのはシリーズではよく見られる光景ですが、アキトの暴走は彼がここまでつっけんどんな態度から軟化していた途中だったので中々に驚かされました。同時にアキトの過去が少しずつ明らかになることで、彼がウルトラマンの力を求めていた理由やユナを守りたいと思っている理由などが間接的にわかってきたのが面白かったですね。

 そしてこれまた定番ながら、怪獣への復讐よりもユナを守ることを優先する展開が良かったです。彼が守るべきものは復讐ではなく、大切な少女であることを思い出す様子はベタですが非常に燃えます。その前にケンゴとアキトの問答をワンクッション入れていたのもポイントですね。ケンゴが「アキトは何のためにGUTS SELECTに入ったの!?」と問いかけ、互いに感情をぶつけ合うことで、アキト自身が大切なことに気付かせる布石を築いていく構成はよく出来ていました。普段誰に対してもにこやかなケンゴが初めて険しい表情を見せたのも印象的で、それだけアキトのことを真剣に想っていることが伝わってくるのがまたミソです。

 総じて駆け足ながら復讐心を乗り越えたアキトと、彼を支えてみせたケンゴの関係が光る回でした。戦いを終えた後にケンゴに笑顔を見せただけでなく、彼から貰った白いバラを研究室に飾るラストは何度見ても見惚れます。個人的に本作で1番好きな回になりましたね。

 

 

  • 暴虐の限りを尽くす始まりの獣

 今回登場した怪獣「破壊暴竜 デスドラゴ」はゴルバー以来となる新規怪獣。トリガーの世界で初めて姿が確認された「始まりの怪獣」という中々に重要なポジションです。しかも前述の通りアキトの両親の命を奪った憎き怪獣でもあるなど、設定的にもかなり美味しい存在ですね。

 見た目はスタンダードなフォルムの怪獣らしい怪獣。一方で首が若干長いことと頭部の角が半分折れている非対称なデザインが特徴的です。元々は両側にあった角が6年前の戦いで半分に折れた、というのもこの怪獣にまつわるドラマを端的に表していて面白いです。

 戦闘能力は割と普通で、初戦はトリガーと互角にやり合ってから早々に退散するのであまり強い印象はありませんでした。がカルミラから闇のパワーを貰って赤目になってからは電撃光線を放つようになり一気に強くなって驚きました。3話のガゾートの時といい、闇の巨人のエネルギーは並の怪獣も簡単に強化してくれるようですね。

 そんな強化デスドラゴに対してスカイタイプにタイプチェンジしたトリガーのスピード対決は見応えがありました。自在に飛び回るスカイタイプの動きには圧倒されます。互いの攻撃を防いで決定打に欠ける状況も緊張感がありました。そうした激戦も「電撃のエネルギーをスカイアローに溜めて反射する」戦法で破ったケンゴの作戦勝ちも良かったですね。(初見だと何をやったのが若干わかりにくかったのですが)

 

 ただ全体的に戦闘シーンは見ていて楽しかったものの、デスドラゴ単体の活躍に関しては少々首を傾げてしまう結果となりました。上記の通り始まりの怪獣といった美味しい設定を持ちながら、今回普通の怪獣と同じように倒されてしまったのが残念に思えてなりません。アキト関連のドラマが素晴らしかった一方で、そこに注力してしまったあまりデスドラゴ自身の魅力の説明があまり出来ていなかったように感じます。せっかくの新規怪獣の良さを活かすことが出来なかったという印象です。アキトの成長を促す存在としてはしっかり仕事してくれたもののこれで終わりというのはもったいないので、その内同個体が再登場してくれるといった措置がほしいところです。

 

 

  • “立ち向かう者”を想う巨人

 そして今回もう1つ印象的だったのがダーゴン関連ですね。ユザレことユナの前に突如として現れ襲いかかってくる姿には少々意表を突かれました。初登場した時は正面から堂々と挑んでくる武人、というイメージが強かったので、ユナをさらおうとする行動は結構意外に感じます。(カルミラたちから支持されて渋々やっているのでしょうが)まぁそのすぐ後に立ち向かうユナに対し嬉しそうに戦闘を始める辺りは当初のイメージ通りといったところでしょう。

 その際の等身大の戦闘シーンではユナを助けに来たアキトも加わっての2対1にもひるまず圧倒していく流石のパワーを発揮。(小さくなったとはいえ巨人のパワーに耐えられるアキトは平均的なウルトラマン世界の住人ですね)ここまでは予想通りだった中、ユナに平手打ちされるシーンには仰天しました。ここまで強い相手に真っ向から引っぱたいてくるみせるユナには劇中のダーゴンのように唖然となってしまいます。ケンゴ以外も闇の巨人との戦いを見られたのは嬉しかったのですが、中々に衝撃的な絵面に遭遇した気分です。

 その後退散したダーゴンが人間について考えるシーンも意味深で面白いです。叩かれたところを撫でているシーンのせいで「Mに目覚めた」ようにも見えてしまうのが困る困らない。自分に真っ向から向かってきたユナについて何か思うところがあるような素振りを見せてくると、カルミラたちから離反しそうに見えてきてワクワクしてきます。ダーゴンが闇の巨人の中では相対的にまともな部類だと思うので、彼女たちの元から離れつつトリガーのライバルとして活躍してほしいですね。

 

 

 というわけでトリガー5話感想でした。久々の本編ですが、駆け足な部分は相変わらずなものの、大事な部分はしっかりと抑えてくれるので安心して見られます。何だかんだで毎回楽しんで見ていますね。

 一方でシズマ代表についての疑惑がさらに上がったのも印象深いです。『ティガ』にも登場した「ガッツウイング」がガッツファルコンの前身として登場したこと、さらにアキトの回想シーンでユナが「人は誰でも光になれる」というセリフを発したシーンには度肝を抜かれました。特に後者のセリフはユナが父から教えてもらったというのですから驚きです。ガッツウイングを作らせたのも彼ですし、以前から考えていた「シズマ代表はティガの世界からやってきた」説が僕の中でより強くなってきました。果たしてシズマ代表は何を考えているのか、今後の彼の動向により注意していきたいですね。

 

 そして次回は謎のロボット怪獣サタンデロスを倒すために奮闘する模様。サタンデロスがどう見ても『タイガ』に登場したギガデロスそのままですが、あちらとの関係性はどうなっているのかかなり気になります。さらにイグニスとヒュドラムの対立が再び見れるのも興味深いですね。前回一気にギャグキャラ化してしまったイグニスのカッコいいところが見れそうなので期待したいです。

 

 

 ではまた、次の機会に。