新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

ウルトラマントリガー 第11話「光と闇の邂逅」感想

闇の中に残された希望

喋りまくる仲間たちに対してとにかく無口なトリガーダークくん可愛い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 大いなる過去での戦い

 今回のトリガーはトリガーVSカルミラの対決が早くも繰り広げられるシーンからスタート。しかもいきなりトリガーが劣勢に追い込まれているので困惑が大きかったです。というか激しい攻撃に加え、トリガーに対する愛憎を大声で叫びまくるカルミラにひたすらドン引きしてしまいましたね・・・・・・

 そんな状況で負けてしまいそうになるかと思いきや、トリガーを残してケンゴのみが3000万年前の地球にタイムスリップしたのでこれまた困惑。急展開に次ぐ急展開の連続に見た当初はとにかく混乱してしまいましたね。何が起きているのかもう少し説明が欲しかったところです。

 

 しかしながら過去に飛んでからのストーリーは見どころが満載でした。まずケンゴとユザレの出会いはちょっとしたボーイ・ミーツ・ガール風味でどこかこそばゆかったです。「地球星警護団」の一員として闇の巨人と戦っていたものの仲間が倒れ、心が折れかけていたユザレに対しいつもの「スマイル」で励ますケンゴが印象的でした。「同じ一歩なら、“苦しい”より“楽しい”ほうがいいでしょ!」という彼の考えも個人的に強く肯定したくなりますね。

 さらにユザレがそんなケンゴを「ルルイエかもしれない」と言うシーン、そしてルルイエが古代の言葉で「希望」を意味することが判明した時は驚きました。原点である『ティガ』やさらに元ネタの1つである「クトゥルフ神話」においてかなり闇寄りの言葉として使われているルルイエにそんな意味が込められているとは思いもしませんでした。ただケンゴが育てている花の名前にも使われている辺り、本当にこの世界におけるルルイエは光の言葉なのかもしれません。元ネタのイメージを利用して上手に裏をかいてきた印象を受けます。

 そしてケンゴがユザレに託された古代のスパークを使ってトリガーと対話するシーンは膝を打ちましたね。何と言ってもインナースペースを対話の場所として利用するのが素敵です。『タイガ』の時もそうでしたが、ニュージェネウルトラマンの大発明の1つであるインナースペースを活用する展開は実に面白いです。話に応じず殴りかかってくるトリガーにやむなく応戦するケンゴの姿が痛々しいですが、これまでまともに語り合うことがなかった2人がようやく向き合っていると思うとちょっと嬉しくなります。これを機にケンゴとトリガーが心を通わせていく展開に期待したいですね。

 

 

  • 暗き闇に身を染めた巨人

 今回登場した闇の巨人たちの中でも特にインパクトが強かった「暗黒勇士 トリガーダーク」。前回存在が明かされた闇の巨人としてのトリガーですが、頭部以外はまるで別物で首から上を残して胴体がすげ変わったような印象です。肩から飛び出た突起に骨が剥き出しになったようなモールド、そして無骨な装甲と全身武装したかのような趣きで禍々しく感じましたね。またゼルガノイドといった人造ウルトラマンやダークルギエルのような別作品の闇の巨人を思わせる要素もあり、それらをまとめて混ぜ合わせたようなイメージも抱きました。

 こんな感じで中々に物々しい雰囲気のトリガーダークですが、カルミラたちと共に行動していた過去では今と同じく無口だったのが興味深かったです。カルミラたちがお喋りな分、一切言葉を発しないトリガーがかなり異質に思えます。(それでも仲間たちが友好的で基本仲が良さそうな様子のおかげか微笑ましい気持ちで見れましたね)カルミラの命令を聞くばかりで自分の意思を見せないその姿は非常に不気味ですが、ケンゴを前にして戸惑う辺り何か迷いのあるようにも見えました。この闇の巨人が何を考えているのか、次回それが明らかになるといいですね。

 

 

 今回は過去の話を交えたトリガーの本質に迫る内容でしたが、展開が詰め込まれているので凄まじい勢いで話が進みました。まだ11話なのにまるでクライマックスのような盛り上がりです。過去のストーリーは上述の他にもエタニティコアの「ビックバンを起こして宇宙を作り変えられる」力が判明するシリアス要素や、妙に扱いの悪いヒュドラといったフフッとくる要素もあったりと非常に見応えがありました。

 一方過去が濃いせいで現代に残っているGUTS-SELECTの仲間たちの影がどうしても薄くなってしまったように思えますが、アキトの叫びでユナにケンゴの正体がバレそうになるなど今後の布石をしっかり残しているのは良かったです。

 

 またケンゴが「光そのもの」であるかのような描写がチラホラ見られたのがちょっと気になりました。事実ケンゴから分離してしまった現代のトリガーがトリガーダークになってしまったことから、トリガーはケンゴと一体化することで光の巨人になれていたことがわかります。ならば闇を光に変えられるケンゴは何者なのか?という疑問が湧いてきますが、その謎は今後の展開に期待したいところ。

 そして今回のケンゴの行動で「ケンゴは今回の件でトリガーと出会ったからこそ、現代でトリガーに選ばれたのではないか?」という考えが思い浮かびました。タイムスリップしてきたケンゴと出会い、自分を変えることが出来たトリガーは現代で再びケンゴと出会ったことで、1話で一体化を果たしたのかもしれない、と個人的には考えます。同じく1話でケンゴに語りかけてきたユザレも、今回の件でケンゴの光を目撃したため、彼をトリガーの元に導こうとメッセージを送ったのかもしれません。

 タイムスリップを取り入れた作品ではよく見られる話で若干ややこしいですが、もしそうだとしたら時間の壁を越えたロマンチックな物語だなぁ、と思います。個人的にはそういった時を越えた絆を見せてほしいですね。

 

 

 そして次回は前半のクライマックス後編。トリガーダークと向き合うケンゴは彼を変えられるのか?また過去の出来事の真実とは何か?と気になる要素がこれまたてんこ盛りです。何よりついに登場するトリガーの最強形態への期待も爆上がりしていて待ちきれません。どうなる次回!?

 

 

 ではまた、次の機会に。