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デュエル・マスターズ キング! 第30話「ガットルズ全員出動っ!5文明のドラゴンを復活させよ!」感想

仲間と共に

狂気を糧に

少年の精神が壊れる様子は・・・・・・恐ろしい・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回のデュエマキング!はジェンドルの目的である「伝説のドラゴン」についての説明から始まりました。五つの文明の力をそれぞれ司る5体のドラゴンを復活させるため、ジェンドルが時空を越えて伝説のカードを集めようとしていたことが明かされる、物語的にも結構重要なやり取りだったと言えます。長らく不明だったジェンドルの「私が歴史を新しく作る」発言は、かつてクリーチャーワールドの支配者であったドラゴンの力を手に入れて自分が新しい「世界の支配者」になるというニュアンスなのかもしれません。

 またこの話で興味深かったのがこの伝説のドラゴンが滅びた理由ですね。ゼーロJr.曰く「ある日を境にその全てが滅んだ」とのことですが、劇中で映った映像を見る限り滅亡の原因は「龍頭星雲」にある模様。背景ストーリーではオリジンによって封じられたとされるドラゴンですが*1アニメの世界ではドラゴンズ・ゼロが関わっていることが考えられます。(そう考えると龍頭星雲に少なからず関係があるジュニアが伝説のドラゴンのことを知っているのもおかしくはないですね)どういったことがあったのか不明瞭で気になることも多いのですが、背景ストーリーとアニメの違いもあって中々に楽しいシーンでした。

 

 

  • “完璧”と“特別”を求める少年

 上述のドラゴンの話も面白かったのですが、それ以上に衝撃を受けたのがハイドの諸々について。前回ジョーに負けてから取り乱していたハイドですが、ジェンドルに見限られたような発言をされたことで、ショックのあまり豹変する展開には度肝を抜かれました。これまで無表情かつ冷静な態度を崩さなかった彼が壊れたかのように笑いだすシーンには恐怖を覚えます。ラストのジェンドルの声真似をしながらの1人芝居は狂気すら感じましたね・・・・・・

 さらにハイドの過去がわずかながら明かされたこともあり、彼がジェンドルに執着する理由がわかったのもポイント。家族や周囲の人々から“完璧”と持て囃されて満ち足りていたのも束の間、ある人物(シルエットからしてアバクでしょうか)にデュエマで負けてから「“完璧”じゃない」烙印を押され追い詰められるシーンには見入りました。

 誰もが自分を見放した中で“特別”だと言ってくれたジェンドルが、彼にとってどれだけ救いだったのかがよくわかります。それだけに今回ジェンドルに「“特別”ではない」と言われたことのショックの大きさも伝わってきますね。認められたい一心で尽くしてきた相手に突き放された時のハイドの絶望も何となく理解出来ます。

 とはいえここまで狂ってしまうのは予想外でした。前回の感想でも書きましたが、ジェンドルに別人格を植え付けられる展開を予想していた身としては斜め上の生々しい話が出されたことに戦慄を覚えます。(しかしこのハイドの豹変がジェンドルの計画の内だとしたら、ある意味でジェンドルの仕込みと言えるのでは・・・・・・?)ここまでギャグ中心だった本作でしたが、突然ぶち込まれたシリアスに少々ドキドキしてきましたね。

 

 

  • 宇宙さえも飛び越えて、天国イコーゼ!

Code:1500(コードイコーゼ) <アダム.Star(スター)> 水文明 (5)
スター進化クリーチャー:トリックス/マジック・コマンド/レクスターズ
パワー8000
▪️スター進化:レクスターズまたは水のクリーチャー1体の上に置く。
▪️侵略:水のコスト4以上のレクスターズ(自分の水のコスト4以上のレクスターズが攻撃する時、自分の手札にあるこのクリーチャーをその上に重ねてもよい)
▪️W・ブレイカ
▪️このクリーチャーが出た時、カードを1枚引く。その後、相手のクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻す。次の自分のターンのはじめまで、こうして相手の手札に戻したカードと同じ名前のクリーチャーを、相手は出せない。

 キャップがエスパー・マギ戦で繰り出した新切り札。オレガ・オーラがレクスターズの力によってクリーチャーと化したと思われる《Code:1500》が、「革命編」にて無重力勝利」という名の斬新なライブラリアウト戦術をもたらした《S級宇宙 アダムスキー》の力と合体した姿です。前身である《Code:1059》の頃からの特徴である機械的な姿に、UFOの意匠が加わることでやや古めかしさを感じるSFチックなデザインと化しています。

 基礎スペックはコスト5にパワー8000、W・ブレイカーと平均的。しかし侵略を持ち合わせているので早期から出していけることが出来ます。侵略条件であるコスト4以下の水のレクスターズには出してすぐ攻撃出来るクリーチャーがいないので、スター進化クリーチャーの上に重ねていくことになるでしょう。劇中でも使用された《マニフェスト <マルコ.Star>》との相性は特に良好で、手札補充に厄介な相手クリーチャーの除去と侵略の弱点の多くをフォローしてくれます。

 そうして登場してからはcipによるバウンスで活躍してくれます。上述の<マルコ.Star>のバウンスと組み合わせれば、EXライフ持ちのディスペクターも確実に退かせられます。

 さらに特筆すべき点として、このバウンスで手札に戻したクリーチャー(正確には戻したクリーチャーと「同名」のクリーチャー)の再召喚を封じる能力があげられます。これはバウンス効果最大の難点である「手札に戻ったクリーチャーを再び出される」を見事に解消しており、実質的に相手のカードを1枚死に札にしてしまえる簡易的な召喚ロックです。そのターン攻めきれないまま相手ターンを渡してしまうことになっても、少なくともバウンスしたクリーチャーを警戒する必要がなくなるので使ってみると結構心強いでしょう。

 《零獄接続王 ロマノリラ0世》のような攻撃制限を仕掛けてくるクリーチャーを前にすると侵略出来なくなる難点を抱えているものの(その場合は普通に重ねてみるといいですかね)、水のレクスターズでガンガン攻めるようなデッキでは重宝することは少なくはないでしょう。隠し味程度に数枚入れてみたら面白そうだと思いますね。

 

 

  • 憎まれ口と励まし合いのチームデュエマ

 他にも今回は久々となるキラたちの活躍も見どころの1つ。ジェレミーらガットルズの下っ端メンバーとのチームデュエマ(正確には1体1の通常のデュエマをそれぞれ平行して行う形式ですが)が繰り広げられる中、彼らのやり取りが大きな魅力でした。互いに憎まれ口を叩きあいながらも、圧されている仲間を鼓舞させて次々と勝利していく流れは見ていてテンションが上がります。個人的にはキラが13話でのジェンドル戦の敗北を思い出しながら「この程度がピンチに入るか!」と言ってのける辺りが好きですね。

 またこのデュエマパートは作画の良さも特徴的。全体的に絵の動きが滑らかになっており、各キャラがそれぞれよく動く様子が見られました。中でもボルツVSジェレミーのぬるぬる具合には驚愕しましたね。それぞれ久しぶりの勝ち試合だっただけに、作画の良さが彼らの活躍をより盛り上げてくれたかと思います。ジョー以外の仲間たちの見せ場が見れて大満足です。

 

 

 さて次回は上述のハイドの狂気がジョーに襲い掛かる模様。予告映像では「ただの決闘者として~~」と爽やかな声色で話しかけていますが、今回のことを考えるに何かしらろくでもない策を出してくることは明白です。今回のシリアスに続き、ジョーが果たしてどんな酷い目に遭ってしまうのかワクワクします心配になってきます。果たして次回どうなる!?

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》(BD-18)などのフレーバーテキスト参照。