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Vシネクスト テン・ゴーカイジャー 感想

ド派手に行くぜ!!

10年の月日を経ても、海賊は変わらずそこにいる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 スーパー戦隊シリーズ35作品記念作品として放送された『海賊戦隊ゴーカイジャー』。歴代スーパー戦隊に変身する能力やレジェンドの再登場な豪華な内容で1年間視聴者を大いに楽しませてくれた作品です。あれから10年が経ち、今度は45作品記念作品の『機界戦隊ゼンカイジャー』が放送されている中、まさかの10周年記念として『テン・ゴーカイジャー』が制作されました。俳優だけでなく他スタッフも当時のメンバーがほぼ再集結しているという豪華っぷりです。

 当時ゴーカイジャーを楽しんで見ていた身としては是非チェックしておきたい作品として劇場に足を運びましたが、予想通りの面白さでした。約1時間という短さだったものの、ゴーカイジャーかくあるべし」ともいうべき内容を見事にやってくれていました。というわけで今回はそんなテン・ゴーカイジャーの感想を書いていきたいと思います。

 

※ここから先は映画の内容に触れているのでネタバレ注意!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 海賊たちの変わらぬ信念

 上述にも書いた通り本作は「ゴーカイジャーかくあるべし」とも言うべき内容でした。本編終了から10年、『ジュウオウジャー』にゲスト出演してから5年の月日を経ても変わらない海賊たちの魅力を全面に押し出しており、当時を知る人たちほど感動出来たかと思います。

 海賊たちの物語を彩る要素として、まず本作の地球が大きく変わっていたのが特徴。地球では今「スーパー戦隊ダービーコロッセオ」という公営ギャンブルが大人気であることには最初衝撃を受けました。収益のほとんどが地球の防衛に当てられる点や各戦隊もその事に納得したうえで協力していることが丁寧に説明されるものの、ヒーローたちが賭けの対象にされている光景は中々にショッキングです。

 さらにこのダービーコロッセオの裏では地球側が他の星を侵略するための兵器としてスーパー戦隊の力を利用しようとしているというさらなる衝撃情報まで飛んできます。「バクート海賊団」なる本作の敵キャラが主犯ではありましたが、彼らに協力していた国防大臣は普通の地球人であったこともかなり驚きです。(大臣は彼らが宇宙人であることは知りませんでしたが)ゴーカイジャーが必死に守ってきた地球人から、侵略者になろうとするものが現れる話にはちょっとした無情さを感じ取りました。

 

 それ故に、変わってしまった地球を変わらず守ろうとするゴーカイジャーが映えていましたね。最初は解散し仲間割れしたかのように見せかけて、実は敵を欺くための作戦だったというダーティさには驚きつつも納得しました。最近の戦隊の続編が仲間割れを起こす展開が多く、本作もその例に漏れなかったのかと見せかけてからの結束力の強さには思わず膝を打ちます。

 また感動的なのがテレビシリーズの第2話にて、マーベラスが地球を守るきっかけを与えてくれた少年が再登場してくれた点です。「丹羽野」という名前の彼がダービーコロッセオに協力した後に真実を知り、打ちのめされた際にマーベラスが激励を送る展開にはホロリときました。かつて「地球を守る価値」を示してくれた少年とマーベラスの関係が、10年経って昇華されていく構図は本当に素晴らしかったです。(丹羽野が何者なのかギリギリまで明かさなかった分、このシーンの衝撃と感動がより感じられましたね)

 中盤マーベラスと鎧の対決などもありましたが、最終的には全員が揃って一致団結する流れも見事。満を持していつものBGMで並び立つ6人の変身・名乗りにはテンションも最高潮に上がりました。「気に入らない奴らはぶっ潰す」「守る価値を見出したものは守ってみせる」・・・・・・時代が変わっても決してブレない海賊たちの信念をよく描いてくれたと感激する内容でしたね。

 

 

  • ド派手なゴーカイチェンジ&クロスアーマー

 本作はマーベラスたち海賊を主軸としていたためか、テレビシリーズの特色でもあったレジェンド要素はほぼありませんでした。『キラメイジャー』から宝路が出てきたり、松本寛也さん*1がほぼ本人役で出演したりしていましたが、客演という意味ではかなり控えめになっていましたね。

 その分ゴーカイジャーらしいアクションを全力で魅せてくれたという印象を受けます。まずゴーカイジャーもう1つの特色である「ゴーカイチェンジ」は『ジュウオウジャー』以降の後輩戦隊のレッドにチェンジしてくれたのが嬉しかったですね。アイムが変身したリュウソウレッド、キラメイレッド、ルパンレッドはいつも通り女性用のスーツが用意されていましたし。後輩たちのキメ台詞をマーベラス&アイムがそれぞれ本人なりのアレンジで言ってくれるのも芸コマでした。

 また個人的に面白いと感じたのがゴーカイジャー間でのキーの交換。ルカがグリーンに、ハカセがイエローに変身した時は地味に驚きました。ありそうでなかった変身を10年越しにやってくれたのも魅力だったと思います。

 そして極めつけはゴーカイガレオンから作られたキーによって装備された「クロスアーマーモード」。ガレオンのパーツがそのままシルバー以外のメンバーにくっついたような大味ぶりですが、パワーレンジャー』のバトライザーを彷彿とさせるゴツさにはどこかロマンを感じます。

 何よりガレオンが敵に破壊されたという悲しい話から、強化モードとして登場してくれる流れも熱いです。上述の変わらない海賊たちに対して、ガレオンも変わらず彼らと共に戦ってくれる意志を見せてくれたことにちょっとしたエモさを感じます。

 

 

 というわけでテン・ゴーカイジャーの感想でした。内容自体は非常にシンプルだったので如何にして書くか悩みましたが、どうにか書き上げることが出来ました。イグニスバスコを演じた細田圭さんが「益子田」なる実況者として登場した点や、ナビィが地球に置いていかれた件を回収してくれたことなど他にも小ネタ満載で、どのことについて触れるかの取捨選択が結構大変でしたね。

 あとはやはり「スーパー戦隊ヒーローゲッター」がテン・ゴーカイジャーバージョンになっていたことも印象的。気になっていたキュウレンジャー』以降の歌詞も明かされたのがファンとしては嬉しかったです。(『ルパパト』の歌詞には正直感心しました)

 ともあれゴーカイジャーは10年経っても全く変わらない」ということを見せてくれた本作は本当に良かった。そのことをただ1つ伝えたいと思いました。最後はゴーカイジャーへの感謝を込めて一言をば。

 ありがとう、海賊戦隊ゴーカイジャー!!

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:俳優。戦隊シリーズでは『魔法戦隊マジレンジャー』でマジイエロー、『特命戦隊ゴーバスターズ』でビートバスターを演じていることで有名。