孤独と絶望の戦い
仲間の激励を受けてからその仲間までさらわれる展開やるとか鬼畜過ぎない?
- 引き出された絶望
前回モモキングを含めた伝説のカードを全て奪われるという大敗を喫してしまったジョー。今回のデュエマキング!はそんな状況の中でジェンドルの目的を阻止するためにジョーが奔走する姿が描かれましたが、前回ほどではないものの中々に辛い展開が待っていました。
まず冒頭キラたちがジョーを「俺たち仲間がいる」と励ましてくれる心温まるシーンがあるのですが、OP明けに彼らが一気に捕らえられた時はギョッとしました。ジョーにとって大切な仲間たちの友情を描いた直後に、その仲間までもが奪われてしまう内容をやってのけたことに戦慄を覚えますね。
しかもるるも含めた12人(クリーチャーはともかくデッキケースとかも人に数えていいのだろうか)が生け贄にされそうになるというのですから、ジェンドルとのデュエマ中は劇中のジョーの焦りが伝わってきました。幸いモモキングが戻ってきてくれたものの、どこか苦しそうな中で戦っていたので終始不安に駆られた状態での戦いになっていたと思います。
といったようにジョーを徹底して追い詰めるような展開が次から次へと襲いかかってきたわけですが、それらは全て「ジョーに絶望させるため」というジェンドルの作戦だったオチが面白かったですね。今回のジェンドルはジョーの嫌がらせになるようなことばかりしているな・・・・・・と思わせてから、そもそもジョー1人に狙いを絞っていたという流れには少々感心します。
肝心のジョーも前回の件を含めると絶望してもおかしくない状況だったので、彼が絶望したことにも納得がいきました。特に今回は上述にも書いた通りジョーの焦りが目に見えてはっきりしていたのもあり、勝利したものの仲間を救えなかったと(嘘だったとはいえ)教えられたことにショックを受けたのもわかる気がします。結局キラたちは無事だったものの、前回に引き続きジョーにとって辛い敗北回だったと言えますね。
- 全ては彼の道具に過ぎない・・・・・・
また今回は久々にジョーとのデュエマを繰り広げたジェンドルが印象的。ここ最近のジェンドルは目的のために手段を選ばない悪辣さが強調されているようで、先程も書いた通りジョーを絶望させるためにここまで(回りくどいことを)やってみせました。今回のデュエマでまたもやジョーに敗北したものの、目的達成のためなら勝っても負けてもどうでもよかったような態度を見せたのが興味深いです。勝敗に全く興味を示していない辺り、ジェンドルにとってデュエマは目的達成のための道具にすぎないことを改めて認識しました。
同様に伝説のカードを無造作に捨てるシーンも衝撃的でしたね。伝説のドラゴンを復活させて力を失ったとはいえ、あれほど探し求めていたカードをはっきり「用済み」と言い捨て、「強いカードほど新たな未来を開く」と言ってのける姿は一周回って清々しさすら覚えます。使い終わったらカードも人も簡単に捨ててしまうジェンドルの姿勢こそ、前回のハイドを狂わせた元凶なのだということがよくわかります。
ともあれ自身の作戦通りジョーから絶望を引き出し、伝説のドラゴンを合成させた最大最悪のディスペクター《Volzeos-Balamord》を誕生させたジェンドル。この男の計画を止めるには果たしてどうするべきなのかかなり気になってきました。個人的にはジェンドルを恨めしく見つめていたハイドが鍵を握りそうだな、と考えていますが(前回も書きましたがジェンドルが油断したところを背中から刺してきそうです)ジョーの活躍にも期待しておきたいところです。
そんな状況ですが、次回はまたもや特別編。終盤の大ピンチの中で肝心の本編をお預けされるのはかなり辛いです。(というか本作は特別編とかがやたら多いな)しかし今度の特別編は何と29話の続き、勝舞と勝太のエピソードをやってくれるという点はちょっと嬉しいですね。勝舞たちがあのまま勝太の時代に取り残されていたという事実にはびっくりしますが、勝舞と中学生勝太の会話が見られると思うと結構楽しみに思えてきます。
ではまた、次の機会に。