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2021年秋アニメ簡易感想 その22

 

 

天気の子

天気の子

  • 醍醐虎汰朗
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 『君の名は。』『天気の子』で有名な新海誠(しんかい・まこと)監督の最新作すずめの戸締りの情報が先日公開されました。前2作をヒットさせたことからそろそろ来るだろうとは何となく予想していましたが、思いのほか早く発表されたことに驚きます。

 ストーリーに関しては日本全国を回るロードムービーとのことで、スケールも一気に上がっていることがこの時点でわかります。またキービジュアルの「廃墟にポツンと佇む扉」という構図がどこか終末もの(ポスト・アポカリプス)めいた雰囲気を醸し出しており、前2作とはだいぶ異なる世界観を形成してくれそうです。『天気の子』などを楽しんだ身としては、こちらの新作も実に楽しみです。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

 

ジャヒー様はくじけない!

第19話「魔王様は容赦ない!?」

 ドゥルジの自分語りから始まった今回。彼女がジャヒーを慕う理由がしっかりしていたものだとわかったのは収穫でしたが、その隙に謎の光に逃げられる展開にはズッコケてしまいました。

 しかもその光の魔の手が今度は店長にまで襲いかかり(店長の魔法少女姿、個人的にはアリです)、魔王と怪獣大決戦まで繰り広げるなど最初から最後まで波乱を巻き起こしていました。しかも光の正体こと「スー」が魔王様の妹だということにギョッとします。全てはただの姉妹喧嘩だったというオチには肩の力が抜けてしまいますね。

 それ故にラストのジャヒーのブチギレばかりが目に焼き付きましたが(しかし「謝れ」と言っておきながら「謝って済むか」とキレるのは少々理不尽)、何だかんだでジャヒーが現在の生活を気に入っているシーンが多めだったのが良かったですね。辛いこともたくさんあったものの、同時にかけがえのないものにジャヒーが出会えたことがわかってほっこりしました。

 

 

境界戦機

第11話「包囲網」

 前回の激戦の後だからか、今回はまたもや戦闘はお休みでした。機体が活躍しないのは残念でしたが、その分傷ついたケンブたちを洗ったり整備したりするシーンが真っ先に描かれたのは良かったですね。アモウがケンブたちを相棒のように労わってくれていることに心が温まります。

 負けず嫌いのガシンなどコミカルシーンも多めでしたが、それ以上にブラッド大尉との絡みが印象に残りました。声だけでアモウを怪しんで接触してくる展開にはドキドキしてきます。ゴースト討伐の件を敢えて話してアモウたちを誘いだそうとしているなど、大尉の有能ぶりは相変わらず底知れないです。

 他には八咫烏の介入により勢力圏が変化していくことについての会話に聞き入りました。未来予測に過ぎないとはいえ、名目上日本人の自治権を認めている北米側の事情など興味深い内容が多かったです。そんな状況故に八咫烏だけでなく北米にも商談を持ちかけてくるジェルマンの強かさに舌を巻きましたが・・・・・・なんでこの人ゴーストの居場所を知っているのでしょうか?

 

 

月とライカと吸血姫(ノスフェラトゥ)

第11話「嘘と真実

 ついにレフが宇宙に飛び立つことに。様々な不穏要素を抱えながらも、地球に帰還するまでトラブルなく過ぎたことにまずはホッとします。しかし戻ってきてからの英雄扱い故に苦悩する姿に複雑な気持ちにさせられましたね。宇宙に行く夢を叶えたものの、国の都合に振り回される彼の心境は察するに余りあります。その分、せめてイリナの頑張りを少しでも残そうとする辺りが妙にいじらしかったです。

 一方イリナ側はそんなレフの言葉にかえって苦しめられておりちょっと動揺してしまいました。レフがどんどん遠い存在になり自分がいらないものになりつつある状況に、イリナが平常心が失われているのがよくわかります。日に当てられた世界とレフを賞賛する民衆が白く塗りつぶされているかのように描かれている演出は、イリナの存在そのものをかき消そうとしているようで胸が苦しくなってきました。最後の希望はアーニャの謎の企みですが、果たしてどうなるのでしょうか。

 

 

吸血鬼すぐ死ぬ

第11話「シンヨコ・バトル・ロY(ワイ)ヤル」「John meets Draluc」「Waiting for LOVE」

 前半はまさかのY談おじさん再来。しかも野球拳大好きと変態コンビを組んで事件の規模をより拡大させようとする展開が早くも炸裂して爆笑してしまいました。そのくせショットが自分を犠牲にしてロナルドを救ったり、ドラルク父と力を合わせるといった少年漫画のような熱さもあるのでタチが悪いです。やってることはただの性癖暴露大会なのですが、不覚にも燃えてしまいました。

 そして中盤から描かれたドラルクとジョンの出会いの物語に今度は感動させられました。ジョンの未来を案じて身を引くドラルクに加え、それでもドラルクと共に生きたいと願うジョン、互いに互いを想う関係に思わずほろりときてしまいます。ジョンとの関係の深さで負けたロナルド可哀想

 しかもこれまでEDで描かれてきたジョンがドラルクの城を探す旅していたのだとわかった時は膝を打ちました。それを知ってからEDを見てみるとまた違った味わいが楽しめます。歌詞も今となっては「ドラルクとの痛快な日々を選択したジョン」のことを歌っているように聞こえますね。

 

 

古見さんは、コミュ症です。

第10話「文化祭の出し物です。」「文化祭準備です。」「チラシ配りです。」「文化祭前日です。」「メイドです。」

 体育祭に続いて文化祭がやってきた今回。例によって例の如く古見さんに関した話をこじらせていくクラスメイトの阿鼻叫喚ぶりが描かれて実に愉快でした。また文化祭準備から当日までの一連の出来事でこれまでの登場人物が総登場していく内容は見ていて興奮しましたね。(図書館で出会った親子が再登場した時は驚きました)

 既存のキャラだけでなく、新キャラもまたもや濃い面子が揃っていてこれまた面白かったです。自称「メイドの達人」の内弁慶ぶりや古見さんの弟「笑介(しょうすけ)」の本格登場など、見どころが多めでした。

 中でも準備パートで登場した「尾鶏楓(おとり・かえで)」が印象的。喋りも行動もゆっくりで、なおかつマイペースな彼女に周囲が振り回される様子はおかしかったです。しかしそのスローペース故か不思議と古見さんと噛み合っていたのが興味深いですね。自分の言葉を待ってくれる相手の登場に初めて自分から笑顔を見せる古見さんにほっこりしました。

 

 

 さて新海誠作品と言えば多くの人が上の2作を真っ先にあげると思うのですが、個人的にはほしのこえのイメージがあります。というのも僕が初めて見た新海作品がこのほしのこえで、その印象が未だに強く残っているのです。

 説明もないまま進む謎のSF的世界観、そこで繰り広げられる少年と少女のメール越しでのやり取り。もどかしさをひたすら表現したかのような内容には当時衝撃を受けました。それ故にあの時のような尖った新海監督を見てみたいとも思っているので、すずめの戸締りではそれが見れるかどうか、ちょっと期待してしまいます。

 

 

 ではまた、次の機会に。