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2021年秋アニメ簡易感想 その24

 

 

 

 スーパー戦隊シリーズ最新作、その名は

 『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』!!

 ということで来年から始まる新戦隊の情報がついに公開。昔話の「桃太郎」がモチーフとのことですが、かつてない要素満載でびっくり仰天しました。今までにないタイトルにまず驚かされますし、それ以上にいつになく統一感のないビジュアルが衝撃的です。

 レッドが桃太郎でブルー、ブラック、ピンクがそれぞれ猿犬雉なのはわかるとして、そこに鬼のイエローを加えるセンスが凄まじいです。さらに3頭身の犬に200cm越えの雉と、身長差が非常に激しいことにも目がいきます。去年の今頃『ゼンカイジャー』の情報を知った時も驚きましたが、今回はその時の驚きをさらに超えてきたと思います。

 さらに本作のメイン脚本を務めるのがあの井上敏樹(いのうえ・としき)氏というのがまたとんでもないです。井上氏と言えば平成ライダー1期のほとんどの作品に携わっている大御所脚本家の1人。ジェットマン』以来となる戦隊のメイン脚本がこの奇抜な面々である事実に心臓がバクバクしてきます。良くも悪くもアクの強い氏が、この良くも悪くもアクの強い見た目の戦隊をどう料理していくのか非常に気になります。

 異色にして王道でもあるゼンカイジャーに続く戦隊として、さらなる冒険を見せようとしてくるドンブラザーズ。この戦隊がどのようになっていくかはまだ未知数ですが、この絵面にワクワクしているところもあるので、来年を楽しみに待っていたいと思います。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

 

ジャヒー様はくじけない!

第20話(最終話)「ジャヒー様はくじけない!」

 何やかんやあって魔王とスーも仲直りし、店も修繕しつつある中、ジャヒーの独立問題の解決の仕方に早速笑わせられました。ジャヒー1人で店を経営出来るのか?という前回の時点で抱いた疑問をドゥルジに丸投げする形で解消するストロングスタイルは最早潔さすら感じます。そして店の方は明らかにドゥルジの手柄と化しているのまでジャヒーらしいオチです。

 後半からはお祭りでのエピソードが描かれましたが、ジャヒーとサルワがそれぞれ祭りを大いに楽しむ様子に和みました。ジャヒーがサルワの浮かれぶりを見て煽っていましたが、ジャヒーも人のことを言えないのが何とも言えません。魔界復興という目的を忘れつつあるものの、こころたちとの現在の日々に満足している辺りにほっこりしましたね。というか別に魔界は復興しなくていいのでは?とか思ってしまったり。

 

 

総評

 何かと可哀想なジャヒーを描いたコメディ作品。ジャヒーの尊大な一方でチョロいキャラクターのおかげで彼女の不憫さが際立ち、周りを省みない言動もどこか憎めずに受け入れられる絶妙さが売りでした。それでいて周囲の心優しい人々に絆されて、少しずつ丸くなっていく過程もあって保護者のような目線で見れたのも良かったです。

 ジャヒー以外にも濃いキャラが多く登場したのも面白かったです。ジャヒーを崇拝するドゥルジに、いつも空回ってばかりのサルワと魔界出身の面々が特に個性的で彼女らが出てくるだけで絵面がより愉快になっていったように感じます。ちょっとした異種族交流の面もあって笑いだけでなく癒しの要素も存分に堪能出来ました。約2クールあった分ゆったり楽しめましたね。

 

 

境界戦機

第12話「隠岐の島戦(前編)」

 ブラッド大尉やアジア軍に続いてアモウたちもゴースト討伐に乗り出すことになりましたが、予想以上に手に汗握る戦いでした。腕を増やすなど見た目がどんどん人外と化していくゴーストは最早モンスターそのもので(アースの原理を利用するなど咄嗟の応用力もあるからタチが悪い)、この怪物を如何に罠に嵌めるかという展開は緊迫感に溢れています。コンビネーションを駆使してもまるで倒せる気配がなく、爆炎の中から現れた時の絶望感は凄まじかったです。

 ガシンと人々の力になろうとするアモウたちの心情もあってか彼らの応援にも身が入ります。彼の復讐を肯定までいかずとも否定せず、協力しようとする辺りの気持ちよさもあって好感が持てますね。

 他には八咫烏による救助活動が印象に残りました。日本人の救助はもちろんのこと、孤立無援と化したアジア軍の兵士たちも助ける姿勢には感心させられましたね。部下想いのアジア軍中尉の身を心配していたのでちょっとホッとしています。

 

 

月とライカと吸血姫(ノスフェラトゥ)

第12話(最終話)「新世界へ

 英雄となったレフと処分されそうになるイリナ。2人の道は完全に分かたれたと思われた中、レフの言葉によってイリナが壇上に上がるシーンにハラハラさせられました。吸血鬼への差別にも負けず、「レフと月に行く」という新たな夢を宣言するイリナに感動しましたね。アーニャたちの手助け(アーニャのロケット頭突きには正直吹いた)や拍手などもあってほろりときます。

 結局のところレフたちの宣言は政治の道具にされたのですが、それでもお構いなしに同じ夢を見る2人に安心しました。人間も吸血鬼も関係なく宇宙に行ける未来を「宇宙から見た“国境のない地球”」に喩えて実現出来ると信じる構図に惚れ惚れします。吸血鬼の象徴でもある月に互いの手を向けたラストは、綺麗に終わったなぁ、とどこか爽やかな余韻を感じましたね。

 

 

総評

 ラノベを原作としたアニメ。(調べたところ原作者がアニメのシリーズ構成も担当していることにびっくりしました)冷戦時代の宇宙開発競争に吸血鬼の要素を加えた独自性に一気に惹かれました。内容に関しても淡々とした演出の中で描かれるボーイ・ミーツ・ガールに、どこか緊張感の走る空気感が興味深いです。

 国の隠蔽体質に吸血鬼への差別意識など、様々な問題が生々しく描写されていくのが特徴的です。レフたちの訓練の最中でも水面下で進む上層部の企み・策謀は、巨大な国家を前にした個人の矮小さをまざまざと見せつけられているかのような気分に陥りました。

 そんな状況でも「夢」を抱いて努力していくレフとイリナのおかげで希望のある物語として着地したのがグッド。例え政治の道具にされようとも、逆にそれすらも利用して宇宙への道を切り拓こうとする2人の快活さは実に気持ちのいいものでした。上述の個人の問題も、夢をきっかけに宇宙に進出することで解決していくだろうと思わせる内容だったと個人的には考えますね。

 

 

吸血鬼すぐ死ぬ

第12話(最終話)「シルバーライズ・ブラインド・ユア・アイズ」「ドレスアップ・フォー・ユー!!」「バカ五番勝負」

 最終回になっても彼らのドタバタ劇はいつも通り。最初のバトルシーンは思った以上にカッコよさげで呆気に取られましたが、その後のロナルド宅でのパーティーでの大騒ぎっぷりに安心感を覚えました。ハンターとしてのカッコよさもたまには悪くないですが、やはり彼らはおバカなことに全力でいる方が似合っていると再確認します。これまでのキャラが種族の垣根を越えて総登場したのもあって、見ていてほっこりしました。

 そして最後はロナルド&ドラルク&ジョンのいつもの主要メンバーで締めてくれたのも素敵でした。ゲーム機代をどちらが出すかでしょうもない五番勝負を繰り広げるおバカさ加減がこれまた愉快です。割り勘になって一件落着かと思いきや・・・・・・のオチまで含め、この2人の仲良くケンカしな感に最後まで爆笑させてもらいました。

 

 

総評

 以前からネットで話題になっていたギャグ漫画作品ということで見てみましたが、なるほどこれは人気になるわけだと納得させられる内容でした。吸血鬼の弱点の多さ・不死身の要素を逆手に取って些細なことで死にまくるドラルクがまず目に焼き付きますし、他の登場人物も個性的で記憶に残ります。一度きりの登場かと思っていたキャラが意外な形で再登場してくることにも驚かされましたね。

 そんな彼らが繰り広げるギャグも見事。ドラルクの死に芸はもちろんのこと様々なハイテンションギャグが繰り広げられ、それでいてストレスフリーに楽しめるように配慮されていました。下ネタはあれど下品過ぎず、暴力描写も不快感がないなどかなり計算されているギャグ描写には笑いつつも感心させられます。最後にアニメ2期が決定したことが告知されたのも当然と言える面白さだったので、2期の放送が実に楽しみです。

 

 

古見さんは、コミュ症です。

第12話(最終話)「文化祭です。」「後夜祭です。」「打ち上げです。」

 前回から続く文化祭の後編。なじみのあくどい商売が繰り広げられる中、未成年の主張がほぼそのままの形で描かれたことに衝撃を受けました。他にもウルトラクイズのパロディまであったりと、原作者の年代が何となく読み取れる懐かしいネタの数々にどこか苦笑いしてしまいます。そういったネタも古見さん崇拝展開の前では通常運転となる辺りにこの作品のポテンシャルを感じさせます。

 そして文化祭の後のカラオケシーンも印象的。各クラスメイトの個性が光る選曲と歌い方が描かれる中、古見さんと只野がそれぞれ異なる気恥ずかしさを感じていく様子に見入りました。形は違えど「恥ずかしい」という一点で互いの気持ちを共有しつつ、最後には「楽しかった」という気持ちを見せたシーンに悶えましたね。

 

 

総評

 美人だがコミュ症(何故かコミュ障ではない)の少女を主人公兼ヒロインに据えた学園コメディ。上手く言葉が出せない古見さんの友達を作るという目的の元、名は体を表すアクの強いクラスメイトたちのドタバタぶりを楽しむ作品だったという印象です。当初は古見さんを偶像崇拝するクラスメイトのノリに苦手意識を抱きましたが、彼らの人となりなどが描かれていく内にいつの間にか受け入れることが出来ました。

 只野をはじめとして古見さんを中心に彼女を気遣う面々に惹かれましたが、中でも長名なじみの存在感は凄まじかったです。古見さんたちを遊びに誘うなどして交流の場に引っ張り出す行動力には毎回好感を抱きました。本作の話の9割は彼(彼女?)が回していたと言っても過言ではないほどのMVPぶりだったと思います。

 あとはやはりアニメの演出が素晴らしかったですね。1話の筆談シーンを筆頭に、青春グラフィティーを連想させる爽やかなアニメ演出には息を飲みました。話の中身は似ても似つかないギャグばかりでしたが、美麗な映像は見ていて楽しかったです。そして2期も決定したのですが、まさかの来年4月予定という驚異の早さに驚愕を覚えます。本当に予定通りに放送出来るのかちょっと心配ですね。

 

 

 ところで記事冒頭でも触れたドンブラザーズですが、ネット上では「ピンクが男性ではないか?」という噂が立っている模様。名前が「キジブラザー」故の推察なのでしょうが、もしそうだったとしたら大変興味深いですね。

 男性ピンクと言えば個人的には、今年深夜帯に放送された『ザ・ハイスクール ヒーローズ』の「モモヒーロー」を真っ先に連想します。男子でありながら可愛いものが好きであることに迷いながらも、自分の好きなものに正直であろうとした彼のキャラクターはあのドラマの登場人物の中でも特に鮮烈に記憶に残っています。何より男性ピンクの存在についに来たか!と興奮した覚えがあります。

 本作を見た際、いつか本家戦隊の方にも男性ピンクが来るといいなぁ~などと考えていた故に、それがすぐに実現しそうである状況は僕としても非常に好ましいです。詳しくはドンブラザーズのメインメンバーの俳優発表で明らかになるでしょうが、願わくは男性ピンクが実現してほしいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。