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デュエル・マスターズ キング! 第34話「絆の力を信じぬけっ!未来王龍 モモキングJO誕生!」感想

未来を変えるか、歴史を守るか

「自分がデュエマで負ける<ヴォルゼオスが負ける」なジェンドルの怒りのポイントよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 特別な未来を作り出す者

 今回のデュエマキング!は前回のVSハイド戦の続きからスタート。いつもと比べてやたら長かったあらすじの後、《未来王龍 モモキングJO》の力を得たジョーとモモキングの反撃が描かれました。

 そうして描かれたデュエマパートは前回の続き故か、消化試合感が強かったですね。ターン数も少なく、デュエマ後の話がメインだったためかあっという間に終わってしまった印象です。しかしモモキングJOの連続攻撃によるワンショットキルでは終わらず、ハイドも負けじと応戦していたので中々に手に汗握る戦いだったかと思います。ジョーとモモキングの暑苦しいイチャイチャ具合も素敵でした。

 

 どちらかというと前半はそんなジョーを見て揺れ動くハイドがポイントでした。相変わらず特別云々に縛られていたものの、「ジェンドルの“特別”になりたかった」という想いを吐露する姿が目に焼き付きます。彼自身わかっていなかった本音を、ジョーとモモキングの絆を通じて「あのような関係になりたかった」といった風に気付いていく様子はほろりときます。

 そんなハイドに優しく手を差し伸べるジョーたちも良かったですね。特に「誰かに特別だと認められたければ、他の誰かを特別だと認めるべき」というデッキーの言葉が実に的確で、ジョーとモモキングと比べて一方通行だったハイドとジェンドルの関係に見事に突き刺さっています。そのうえで「これから変わっていけばいいじゃん」と言ってのけるジョーの優しさが身に沁みます。今回は突っぱねられたものの、ジェンドルの予知を覆して更生のきっかけを得たハイドの今後にこれからも目が離せません。

 

 

  • 遥かなる歴史を纏い、未来を切り拓く王者龍

未来王龍(みらいおうりゅう) モモキングJO(ジェイオー) 火/自然文明[ジョーカーズ] (5)
クリーチャー:ジョーカーズ/ヒーロー・ドラゴン/レクスターズ
パワー7000
▪️スピードアタッカー
▪️W・ブレイカ
▪️このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーから進化できる、名前に《モモキング》とある進化クリーチャーを1体、自分の手札からこのクリーチャーの上に置いてもよい。
▪️シンカパワー:このクリーチャーが進化する時、このターン、このクリーチャーの攻撃の終わりに、このクリーチャーの一番上のカードを墓地に置いてもよい。そうしたら、このクリーチャーをアンタップし、カードを1枚引く。

 前回ジョーと通じ合ったモモキングが到達した新たな姿。今期のモモキング最終形態でもあるキングマスターカードです。野武士のような姿だった《王来英雄 モモキングRX》から一転、赤と桃色が映える武者装束を纏った正統派の武者ドラゴンといった出で立ちに変化しました。(何気にRXの頃から見られた片目の傷がなくなっているのが個人的なここすきポイント)

 さらに彼が羽織っている屏風のようなマントに、《ボルシャック・ドラゴン》をはじめとした王来超獣列伝に刻まれた伝説のクリーチャーたちが描かれている点も特徴の1つ。モモキングがデュエマの歴史を丸ごと継承したことが伝わってくる粋なデザインです。さらに「JO(ジョー)」とも読める名前も前回の展開を踏まえてみるとニヤリと出来る点も含め、エモさ満点のカードに仕上がっています。

 基本スペックはコスト5にパワー7000のW・ブレイカと上々。進化前のRXよりもパワー1000上がっただけですが、《“ 轟轟轟 ”ブランド》などのパワー6000除去が効かないと考えれば悪くありません。しかしこのカードはそれだけに留まらず、その真価は攻撃時に発揮されます。

 それこそ《モモキング》進化クリーチャーをこのクリーチャーの上に重ねて進化する能力。手札の進化モモキングに疑似的な侵略能力を付与するようなもので、攻撃する度にこれまで登場したほぼ全ての進化モモキングに進化することが可能です。(ただし特殊な進化を持つ《禁断英雄 モモキングダムX》と設定上はモモキングであるものの名前にモモキングが入っていない《熱血英雄 モモギンガ》は残念ながら対象外となっています*1)他の進化クリーチャーを出せるRXと比べると範囲は狭いものの、あちらが出せないコスト8以上のカードも出せるのはこのカードだけの利点と言えます。

 さらに攻撃後に進化後のカードを墓地に置くことでアンタップするシンカパワーまで持っており、上述の能力と合わせることで1ターンに何度も進化モモキングを重ねての連続攻撃が可能となります。アンタップ後にドローするおまけもあり、手札に進化モモキングがある限り何度でも攻撃出来るワンショットキル性能は凄まじいの一言です。またこのシンカパワーは任意であるのがポイント。1ターンで仕留めきれない場合、敢えて進化したままの状態にしておく芸当も出来るなど、小回りもききます。相性のいい進化モモキングとして思いつくのは、

 

  • アタックトリガーは使えないもののcipで1回の踏み倒しが狙える《ボルシャック・モモキングNEX
  • S・トリガー呪文の封じ込めはもちろん、進化したまま相手にプレッシャーも与えられる《アルカディアス・モモキング
  • cip連打で相手のシールドを全て焼却することも狙える《ボルメテウス・モモキング
  • アンタッチャブルを利用してG・ストライクや除去に対策することが可能な《禁断のモモキングダム
  • シールド回収で進化モモキングの弾を回収出来るほか、効果バトルで厄介な相手を除去出来る《無双龍騎 ボルバル・モモキング

 

 と、中々に多種多様。拡張性には欠けるものの、攻撃的な進化が揃っている点は目を見張るものがあります。他にも《キャンベロ <レッゾ.Star>》などの侵略持ちレクスターズを重ねて除去耐性を増やしたり、シンカパワーの墓地の置く能力が破壊扱いであることを利用して《アクア鳥人 ロココ》とのコンボを作ったりと、ただ重ねるだけに留まらない使い方も考えられますね。

 ただし上述にも触れたG・ストライクなど、攻撃を止めてくる防御手段には滅法弱いです。性能があまりにも前のめりなため、倒しきれなかった後に相手に反撃に出られたら手も足も出ずに終わってしまう可能性も高いのもマイナスポイント。弱点がどれも致命的な故、運用には細心の注意を払う必要があるでしょう。

 その点にさえ注意すれば、様々な進化モモキングを使い分けて勝負を決められる圧倒的な攻撃性能を活躍させられるでしょう。王来篇のキングマスターに相応しい魅力的なカードであるため、是非使いこなしてみたいですね。

 

 

  • 己の歴史を守ろうとする者

 ハイドとの激戦の後はジェンドルに関しての情報が多かった今回。まずキラたちが見つけた光文明の予言書の情報から「ジェンドルは未来から来た」という予想が衝撃的でしたね。予言書によると未来の自分の地位を守ろうとしているようですが、前回までの破壊行為から何故自分の未来を守ることに繋がるのかはいまいちわからないですね。ジェンドルが過去に遡ってまで排除したい要素とは何か、それはデュエマに関係のあるものなのか気になるところです。(余談ですが、これらを予言していた光文明も地味に気になります)

 またその直後にヴォルゼオスを連れて襲いかかってきたジェンドルも見どころの1つ。突然始まったモモキングとヴォルゼオスのガチバトル(おい、デュエマしろよ)に興奮したのも束の間、モモキングの一太刀によって撤退したヴォルゼオスを見てかつてないほど動揺するジェンドルには驚かされました。これまで余裕たっぷりな態度を崩さなかっただけに、彼の取り乱しっぷりはやたら印象に残ります。それだけヴォルゼオスに絶大な自信を持っていたということでしょうか。

 ともかく今回の件でジェンドルが本格的にジョーを危険視しだしたのがポイントですね。これまでジョーにデュエマで負けても特に気にしていなかった彼が、ようやくジョーの力を認め始めたのは喜ぶべきかどうか・・・・・・ジョーを排除するために何かよからぬことをしようとしているのは明らかです。本気で怒り出したジェンドルが何を仕掛けてくるのか、かなり興味が湧いてきました。

 

 

 そして次回は案の定ジェンドルによる逆襲劇が開始される模様。例によってジョーとモモキングに勝負を挑んでくるようですが、予告映像でジェンドルが人外化している様子が映し出されて唖然となりました。恐らくヴォルゼオスと自分自身を合体させたようですが、そこまでしてジョーを消そうとする執念に慄いてしまいます。人であることをやめたジェンドルの猛攻をジョーが受けきれるのか、来年の放送が実に楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:禁断英雄 モモキングダムX》に関してはデッキの非進化レクスターズをモモキングJOのみにすることで重ねて出せる退化戦術に使えるが、今回は割愛。